JP2574712B2 - ゼロクロス・スイッチング素子 - Google Patents

ゼロクロス・スイッチング素子

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JP2574712B2
JP2574712B2 JP18381191A JP18381191A JP2574712B2 JP 2574712 B2 JP2574712 B2 JP 2574712B2 JP 18381191 A JP18381191 A JP 18381191A JP 18381191 A JP18381191 A JP 18381191A JP 2574712 B2 JP2574712 B2 JP 2574712B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力のスイッチングに
おける過渡現象による損失を低減させたスイッチング素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スイッチングレギュレータ、DC
−DCコンバータ、インバータ等の高速度スイッチング
に用いられるパワーMOS型FET(電界効果型トラン
ジスタ)やサイリスタ等のスイッチング素子は、導通時
には素子を通過する電流は大きいが、素子内における電
圧降下は微小である。また、遮断時には素子に加わる電
圧は大きいが、素子を通過する電流が微小である。この
ため、制御する電力と比較して素子自体での損失電力は
小さく、発熱量が少ないために小型軽量である。
【0003】このようなスイッチング素子をリアクタン
ス成分を有する素子と組合わせることにより、抵抗器や
パワートランジスタに代えて用いることができ、しかも
電力を熱として捨てることなく制御ができるため、抵抗
器を用いた電流制限器だけでなく、巻線型可変変圧器も
これに置き換えられつつある。更に、スイッチング素子
とリアクタンス素子或いは変圧器とを組合わせたコンバ
ータ等の装置は、スイッチング周波数を大きくすること
により、使用されているリアクタンス素子或いは変圧器
を小型、軽量化できるため、より高いスイッチング周波
数を用いた装置が次々に開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スイッ
チング素子の動作には導通時と遮断時の切換時に過渡期
間が存在する。例えば、MOS型FETが導通から遮断
に移行する際には、図15に示すように、ドレイン電流
Idが減少を始める時刻t1に、ドレイン・ソース間電圧Vd
s が上昇し始め、ドレイン・ソース間電圧Vds が最高値
に達する時刻t2にドレイン電流Idが零になるため、時刻
t1から時刻t2の間にこのMOS型FET内で熱となる電
力損失Pswoffが生ずる。この電力損失Pswoffはドレイン
・ソース間電圧Vds とドレイン電流Idの積を時刻t1から
時刻t2まで時間で積分したものと等しい。
【0005】また、遮断から導通に移行する際には、図
16に示すようにドレイン電流Idの増加と同時にドレイ
ン・ソース間電圧Vds が減少する。これらが始まる時刻
t3から終わる時刻t4まで、ドレイン電流Idとドレインソ
ース間電圧Vds の積を積分した値が、導通に移行する際
の電力損失Pswon である。従って、スイッチング損失Ps
w はPsw =Pswon +Pswoffとなり、1周期ごとにPsw の
損失を生ずることになる。このため、スイッチング周波
数が高くなると、スイッチング素子での損失が大きくな
り、発熱等の関係から小型化が困難となる。
【0006】この損失を減少するため、DC−DCコン
バータなどでは、トランスの1次巻線に電力を供給する
回路を共振回路とし、共振によってスイッチング素子に
流れる電流が零、又は電圧降下が零となる時にスイッチ
ング素子の状態を切換える方式の所謂共振コンバータが
主流となりつつある。しかし、共振を用いることで、取
り出す電力よりもはるかに大きな電力を回路内でやりと
りする必要が生ずるため、各素子の定格が大きくなると
いう問題や、高度の制御技術が要求される等の問題があ
る。
【0007】本発明の目的は、上述の欠点を解消し、ス
イッチング時の過渡現象に伴う損失を低減したゼロクロ
ス・スイッチング素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明に係るゼロクロス・スイッチング素子は、第
1導電形と第2導電形とを接合したPN接合面を有し、
前記第1導電形の不純物の低濃度領域に対して狭い層を
前記第1導電形の低濃度領域に対してステップ状に高い
高濃度領域として前記PN接合面の片側に形成し、前記
第2導電形の不純物の低濃度領域に対して狭い層を前記
第2導電形の低濃度領域に対してステップ状に高い高濃
度領域として前記PN接合面の他側に形成したPN接合
ダイオードを、スイッチング素子と共に同一の基板上に
設け、前記PN接合ダイオードと少なくとも1個の前記
スイッチング素子の一端とを共通に接続し、前記PN接
合ダイオードの他端を外部に引き出したことを特徴とす
る。
【0009】
【作用】上述の構成を有するスイッチング素子は、オン
からオフへのスイッチング時に、過渡的な半導通状態に
おける電流を一定電荷量だけPN接合ダイオードの接合
容量に吸収するため、スイッチング素子に加わる電圧の
急峻な上昇が一定時間だけ遅らされ、スイッチング素子
における電力損失が少ない。
【0010】
【実施例】本発明を図1〜図14に図示の実施例に基づ
いて詳細に説明する。図1は本発明で使用するPN接合
ダイオード1の構成図を示し、中心部においてPN接合
が形成され、両側に電極が取り付けられた半導体から成
っている。PN接合の接合面2はほぼ平面となってお
り、接合面2の両側は不純物濃度がほぼ同程度にステッ
プ状に高くされ、厚さが例えば0.1μm程度の内層
3、4が形成され、境界面5、6を挟んで、その外側は
不純物濃度がほぼ同程度に低く、厚さが数μm程度の中
間層7、8が形成されている。中間層7、8の外側に
は、オーム性接触を実現するために不純物濃度を特に高
くした外層9、10を挟んで、電極11、12が設けら
れている。内層3、中間層7、外層9は何れもP型半導
体であり、内層4、中間層8、外層10はN型半導体で
ある。従って、電極11がアノード1a、電極12がカ
ソード1kとなる。
【0011】このPN接合ダイオード1の縦断面に沿っ
た不純物濃度分布は図2に示すようになっている。ここ
で、X5は内層3と中間層7との境界面5の座標、X2は接
合面2の座標、X6は内層4と中間層8との境界面6の座
標であり、縦軸は不純物濃度を示している。
【0012】このPN接合ダイオード1に逆方向電圧Vr
を印加すると、電圧Vrが十分小さい時には接合面2を中
心に電圧Vrの平方根に比例した厚さの空乏層が内層3、
4内に生ずるが、空乏層の厚さはまた不純物濃度の平方
根に反比例するので、空乏層が境界面5、6の外側に達
すると印加電圧の増加に対する空乏層の拡がり方は急に
なる。このとき、空乏層中のN型領域はドナーイオンが
多いためにプラスに帯電し、P型領域はアクセプタイオ
ンが多いためにマイナスに帯電しているので、このダイ
オード1はコンデンサと見做すことができる。
【0013】そして、PN接合ダイオード1に印加した
逆方向電圧Vrとダイオード1の接合容量Cjの関係は図3
に示す特性図のようになる。即ち、電圧Vrが増加すると
容量Cjは減少し、その減少の割合は一部で不連続に変化
する。空乏層の厚さが内層3、4の厚さに等しくなる電
圧を閾値電圧Vth とすると、電圧Vrの増加につれてVr<
Vth では容量Cjは少しずつ減少するが、Vr=Vth におい
て減少の割合が急増し、Vr>Vth では容量Cjは最初は急
激に減少し、逆方向電圧Vrの増加につれて容量Cjの減少
の割合は零に近付く。
【0014】PN接合ダイオード1は逆方向電圧を印加
すると充電され、電荷量が一定値Qo を超えると、電圧
が急激に立ち上がり、充電される電荷量がほぼ一定値Q
o に制限されるという電荷制限特性を有する。この電荷
量Qo は、Qo =eNXSから定まる。ただし、Sは接
合面の面積、Nは内層3、4での不純物濃度つまりN領
域でのアクセプタイオン濃度及びP領域でのドナーイオ
ン濃度であり、Xは内層3、4のそれぞれの厚さであ
る。そして、境界面5、6での不純物濃度の変化はでき
るだけ大きくかつ鋭く変化する方が、電荷制限特性は急
峻になる。
【0015】なお、上述の例ではPN接合ダイオード1
の電極11、12の内側に、不純物濃度の特に高い層
9、10を設けたが、オーム性接触が得られればこれら
を除いたものとしてもよい。また、薄層3、4又は中間
層7、8は互いに濃度が等しくなくてもよく、薄層3、
4の厚さは必ずしも等しくなくてもよい。ただし、接合
容量Cjの変化を急峻にするには等しくすることが有効で
ある。
【0016】この電荷制限ダイオード1は充電電荷が所
定の電荷量Qo に達すると急激に充電電流が減少するた
め、スイッチング特性を伴った遅延動作を実現すること
ができる。
【0017】図4は本発明に係るゼロクロス・スイッチ
ング素子20の構成図を示し、同一基板上にMOS型F
ET20aと電荷制限ダイオード20bを設け、電荷制
限ダイオード20bのp- 中間層7に相当する部分が、
FET20aと電荷制限ダイオード20bの基板20c
となっている。FET20aは基板20cの表面にn+
ドレイン層13とn+ ソース層18が形成され、その間
の表面上にSiO2 絶縁層14を介してゲート電極15
が形成され、ドレイン層13からドレイン20dが、ソ
ース層18からソース20sが引き出されている。電荷
制限ダイオード20bは基板20cの表面から順次に、
- 中間層8、n+ 内層4、p+ 内層3が形成され、n
- 中間層8の表面に設けられた電極12は接続部絶縁層
19aを介して基板20c表面に設けられた接続部導体
膜19bによってドレイン20dに接続されている。ま
た、p- 中間層7に設けられた電極11は基板20cの
裏面に広がっていて、ソース20sに接続されている。
【0018】図5は本発明に係るゼロクロス・スイッチ
ング素子20の第2の実施例の斜視図を示し、基板20
c上に多数のMOS型FETのセルの集合体で構成され
た大電力用のFET20aと図1に示した構造の電荷制
限ダイオード20bが並べて形成され、FET20aは
基板20cの表面側にソース20sの電極層が形成さ
れ、その上に絶縁されたゲート20gが設けられてお
り、基板20cの裏面側にドレイン20dの電極層が形
成されている。
【0019】図6は断面図を示し、電荷制限ダイオード
20bはアノードが表面側に、カソードが裏面側に形成
されていて、FET20aのソース20sが電荷制限ダ
イオード20bのアノードと接続され、FET20aの
ドレイン20dが電荷制限ダイオード20bのカソード
と接続されている。そして、基板20cからはソース2
0sとドレイン20d及びゲート20gの導線が引き出
されている。この構造では、FET20aとダイオード
20bは共に縦型で基板20cの厚さ方向に電圧が印加
されるため、高耐圧化が可能である。
【0020】図7はゼロクロス・スイッチング素子の第
3の実施例の一部を断面とした斜視図であり、ベース層
であるn+ 外層10の上にエピタキシャル層であるn-
中間層8が形成され、SiO2 絶縁層14で覆われたS
iP多結晶シリコンの導体から成るゲート電極15が、
- 中間層8の上に六角網目状に形成されている。ゲー
ト電極15の間の個々の六角形のセル部16にはFET
16a又は電荷制限ダイオード16bが形成されてい
る。FET16aはゲート電極15の直下から、n-
間層8の表面近傍のセル部16全体にpウェル17が拡
散形成され、更にpウェル17内のゲート電極15の近
傍に環状にn+ ソース層18が拡散形成された縦型二重
拡散MOS構造となっている。電荷制限ダイオード16
bはセル部16のn- 中間層8の表面から、順次にp+
電極層9、p- 中間層7、p+ 内層3、n+ 内層4が形
成され、内層3、4は厚さが薄くかつ等しく、n+ 内層
4とn+ 外層10とに挟まれたn- 中間層8の厚さとp
- 中間層7の厚さは同程度に厚くされている。
【0021】このような2種類のセル部16が、1個の
電荷制限ダイオード16bを6個のFET16aが囲む
ような配置で多数個形成され、上からアルミニウムのソ
ース電極20sが共通に蒸着され、複数個の電荷制限ダ
イオード16bから成る電荷制限ダイオード20bのア
ノードと、複数個のFET16aから成る電力用FET
20aのソースを接続し、ゼロクロス・スイッチング素
子20のソース20sに結線されている。また、n-
間層8は複数個の電荷制限ダイオード16bのn- 中間
層8と複数個のFET16aのn- ドリフト領域を兼ね
ており、n+ 外層10は同様にFET16aのドレイン
電極層と電荷制限ダイオード16bのn+ 電極層10を
兼ねて、それぞれのドレインとカソードを接続されい
る。更に、n+ 外層10の下には導体でドレイン電極2
0dが形成されドレイン20dに接続し、ゲート電極1
5はゲート20gに接続されている。
【0022】図8はゼロクロス・スイッチング素子20
の第4の実施例を示し、図4に示したゼロクロス・スイ
ッチング素子20の電荷制限ダイオード20bを複数と
し、かつ接続部19を無くし、個々のダイオード20b
の電極12からカソード20kを引き出している。この
例では、使用時にドレイン20dと複数のカソード20
kを選んで接続する。電荷制限ダイオード20bとの接
続を変えることにより、並列接続する静電容量を使用回
路に合わせて選択できることになる。なお、製造時には
ドレイン20dとカソード20kを切り離し可能に接続
しておき、不必要な電荷制限ダイオード20bを回路組
立ての際に切り離すものとしてもよい。
【0023】次に、本発明に基づくゼロクロス・スイッ
チング素子20の回路中での使用方法を説明する。図9
は他励型の半波部分共振DC−DCコンバータの主要部
を示し、ゼロクロス・スイッチング素子20を主スイッ
チング素子として用いている。FET20aのドレイン
20dは磁気ヒステリシス特性が角形の環状コアに導線
を通した飽和リアクタ21を介して、トランス22の1
次巻線22aの終端に接続されている。また、1次巻線
22aの終端はダイオード23とクランプコンデンサ2
4を介してソース20sに接続され、ダイオード23の
アノード側が1次巻線22aに結線されている。ドレイ
ン20dには飽和リアクタ21と1次巻線22aを介し
て直流電源26の正極が接続され、ソース20sに直流
電源26の負極が接続され、ゲート20gとソース20
sの間に加える電圧によりFET20aがスイッチング
動作する。
【0024】クランプコンデンサ24のダイオード23
側がトランス22のもう1つの1次巻線であるリセット
巻線22bと、もう1つのMOS型FET27を介して
直流電源26の正極に接続されていて、FET27のド
レイン27dがリセット巻線22bの巻き始めに結線さ
れ、ソース27sが直流電源26の正極に結線されてい
る。そして、FET20aのゲート20gとFET27
のゲート27gには、互いに逆相の制御信号が印加され
るようになっている。トランス22にはギャップ入りの
鉄心が用いられており、2次巻線22cには平滑回路が
接続されている。即ち、2次巻線22cの巻き始めには
ダイオード28のアノードが接続され、終端にはダイオ
ード29のアノードと負極出力端子30及びコンデンサ
31の負極が接続されている。そして、ダイオード2
8、29のカソードは共にチョークコイル32の一端に
結線され、チョークコイル32の他端は正極出力端子3
3及びコンデンサ31の正極に接続している。
【0025】定常状態においては、FET20aがオン
になると1次巻線22aを通ってFET20aにドレイ
ン電流Idが流れ始める。このとき、図10に示すように
飽和リアクタ21の環状コアが飽和するまでの僅かな時
間だけ、ドレイン電流Idは極めて緩慢に増加し、この間
にソース20sとドレイン20dの間の抵抗値がほぼ零
まで降下するため、FET20aのオフからオンへの過
渡期間の電力損失は小さい。飽和リアクタ21に流れる
電流Idが或る一定値Ith まで増加すると、環状コアが飽
和するためインダクタンスが小さくなり、FET20a
及び1次巻線22aに流れる電流は急増する。このと
き、2次巻線22cに誘起される電圧はダイオード28
の順方向になるため、電流がチョークコイル32を通っ
てコンデンサ31に充電され、また負荷RLにも流れる。
FET20aがオンからオフに切換わる際にも、クラン
プコンデンサ24の電圧は殆ど降下しないため、それま
でのドレイン20dとソース20s間の電圧Vds の最大
値にほぼ等しい電圧Vcになっている。
【0026】FET20aがオンの状態では、ドレイン
20dとソース20s間の抵抗値はほぼ零であり、時刻
t1から時刻t2までのオフになる過渡期間には徐々にこの
抵抗値が上昇してゆく。これは、FET20aの図示し
ないゲート電極直下に生じていた逆転層中のキャリア
が、ゲート電圧の低下に伴って拡散し消失するためであ
る。このとき、電荷制限ダイオード20bはコンデンサ
として作用し、1次巻線22aからの電流を分流するた
め、図11に示すように電圧Vds つまり電圧Vrは閾値電
圧Vth に達するまではあまり急速には上昇しない。この
間に、FET20aのキャリアの拡散が行われ、ドレイ
ン20dとソース20s間の抵抗値が高くなる。電荷制
限ダイオード20bは過渡期間の終わる頃に電圧Vrが閾
値電圧Vthに達し、その直後の時刻t2にはVrは急激に上
昇し電圧Vcに達する。このため、ダイオード23を通し
てクランプコンデンサ24に1次巻線22aからの電流
が流れ込む。
【0027】次に、FET27がオンになると、始めの
うちはリセット巻線22bに生じた誘導起電力により電
流は殆ど流れないが、1次巻線22aの電流が減少して
起電力が小さくなると、クランプコンデンサ24からリ
セット巻線22bを通ってリセット電流が流れ始める。
このとき、2次巻線22cには起電力が生じても、ダイ
オード28が逆極性のため電流が流れず、チョークコイ
ル32の慣性電流がフライホイールダイオード29を通
ってコンデンサ31に充電される。
【0028】FET27がオフになると1次巻線22a
に起電力が生じ、FET20aに逆電圧が加わるが、並
列に接続された電荷制限ダイオード20bに充電された
電荷の放電と、電荷制限ダイオード20bに順方向電流
が流れることにより高電圧にはならない。このとき、飽
和リアクタ21は逆電流によってコアのヒステリシスが
リセットされる。次に、FET20aがオンになるた
め、1次巻線22aに電流が流れ始める。
【0029】このようにゼロクロス・スイッチング素子
20においては、FET20aのオンからオフへの過渡
期間に電圧Vds が低く保たれ、またオフからオンへの過
渡期間に電流が殆ど流れないため、ゼロクロス・スイッ
チング素子内でのスイッチング損失Psw は極めて少な
い。
【0030】図12は第2の実施例の他励型の半波部分
共振DC−DCコンバータの主要部を示し、同一基板上
にMOS型FET20a及び電荷制限ダイオード20b
を設け、これを並列に接続した主スイッチング素子であ
るゼロクロス・スイッチング素子20が、飽和リアクタ
21を介してトランス35の1次巻線35aの終端に接
続されている。1次巻線35aの巻始めには直流電源2
6の正極が接続され、ソース20sに直流電源26の負
極が接続され、ゲート20gとソース20sの間に加え
る電圧によりFET20aがスイッチング動作する。
【0031】1次巻線35aの終端には、クランプコン
デンサ24とダイオード23が直列に接続され、ダイオ
ード23のカソードが直流電源26の負極に接続されて
いる。ダイオード23にはもう1つのMOS型FET2
7が並列に結線され、ソース27sがダイオード23の
アノードに、ドレイン27dがカソードに接続されてい
て、ゲート27gとソース27sの間に加える電圧によ
りFET27がスイッチング動作する。FET20aの
ゲート20gとFET27のゲート27gには、互いに
逆相の制御信号が印加されるようになっている。トラン
ス35の2次巻線35cには、第1の実施例と同様の構
成の整流回路及び平滑回路が接続されている。そして、
使用時には負極出力端子30と正極出力端子33に負荷
RLが接続される。
【0032】定常状態においてFET20aがオンにな
ると、1次巻線35aを通ってFET20aにドレイン
電流Idが流れ始める。このとき、図10に示すように飽
和リアクタ21が飽和するまでの僅かな時間だけ、ドレ
イン電流Idは極めて緩慢に増加しその後に環状コアが飽
和するため、飽和リアクタ21のインダクタンスが小さ
くなり、FET20a及び1次巻線35aに流れる電流
は急増する。このとき、2次巻線35cに誘起される電
圧は、ダイオード28の順方向になるため電流が流れ、
チョークコイル32を通ってコンデンサ31に充電さ
れ、また負荷RLにも流れる。
【0033】FET20aがオンの状態では、ドレイン
20dとソース20s間の抵抗値はほぼ零であり、オフ
になる時刻t1から時刻t2までの過渡期間には徐々にこの
抵抗値が上昇してゆく。このとき、電荷制限ダイオード
20bはコンデンサとして働き、1次巻線35aからの
電流を分流するため、図11に示すように電圧Vds は閾
値電圧Vth に達するまではあまり急速には上昇しない。
電荷制限ダイオード20bは過渡期間の終わる頃に電圧
Vrが閾値電圧Vth に達し、その直後の時刻t2にはVrは急
激に上昇しVcに達する。このため、ダイオード23を通
してクランプコンデンサ24に1次巻線35aからの電
流が流れ込む。このように、ゼロクロス・スイッチング
素子20では、電荷制限ダイオード20bの働きによっ
て、スイッチオフに伴う損失を極めて小さく抑制するこ
とができる。
【0034】次に、FET27がオンになると、始めの
うちは1次巻線35aに生じた誘導起電力によりクラン
プコンデンサ24からは電流が流れないが、1次巻線3
5aの電流が零になると、クランプコンデンサ24から
逆向きに1次巻線35aを通ってリセット電流が流れ始
める。このとき、2次巻線35cには起電力が生じて
も、ダイオード28が逆極性のため電流が流れず、チョ
ークコイル32の慣性電流がフライホイールダイオード
29を通ってコンデンサ31に充電され、同時に負荷RL
にも流れる。
【0035】FET27がオフになると、1次巻線35
aに起電力が生じFET20aに逆電圧が加わるが、並
列に接続された電荷制限ダイオード20bに充電された
電荷の放電と、電荷制限ダイオード20bに順方向電流
が流れることにより高電圧にはならない。同時に、飽和
リアクタ21のコアがリセットされ、次にFET20a
がオンになるため、1次巻線35aに電流が流れ始め
る。
【0036】上述の2つの他励型コンバータでは、何れ
も負荷電流が流れる場合にはFET20aがオフからオ
ンになる際に、トランス35のインダクタンスは殆ど働
かないため、主に飽和リアクタ21によって電流の増加
が遅らされ、スイッチオンに伴う損失を小さく抑制でき
る。
【0037】図13はセンタタップ型スイッチングイン
バータ回路を示し、2つのゼロクロス・スイッチング素
子20、20とセンタタップ付きのトランス37を用い
て、プッシュプル方式により直流を絶縁された交流に変
換するものの主要部である。コアにギャップを入れてい
ない角型特性のトランス37には、1次巻線の両端に飽
和リアクタ21を介してそれぞれゼロクロス・スイッチ
ング素子20、20のドレイン20dが接続されてい
る。飽和リアクタ21は角型磁気ヒステリシス特性を有
する環状コアに導線を通すか、或いは導線を巻き付けた
ものである。1次巻線のセンタタップには直流電源26
の正極が接続されており、ゼロクロス・スイッチング素
子20、20のソース20sは直流電源26の負極に接
続されている。そして、2つのゼロクロス・スイッチン
グ素子20、20ではゲート20gとソース20sの間
に、互いに逆相の制御信号が信号源38、39から印加
されるようになっており、トランス37の2次巻線から
直流電源26と絶縁された交流電圧を得るようになって
いる。
【0038】この回路では、2つのゼロクロス・スイッ
チング素子20、20は交互に同じ動作を行うので、一
方について動作を説明する。先ず、一方のFET20a
がオンの状態ではドレイン20dとソース20s間の抵
抗値はほぼ零であり、オフになる過渡期間においては徐
々にこの抵抗値が上昇してゆく。このとき、電荷制限ダ
イオード20bがコンデンサとしてトランス37からの
電流を吸収するため、図11に示すようにドレイン・ソ
ース間電圧Vds はあまり急速には上昇しない。過渡期間
の終わる頃に閾値電圧Vth に達し、その直後の時刻t2に
は急激に上昇し、電源電圧を超えてオーバーシュートを
起こすが、キャリアが殆ど消失しているためドレイン電
流Idは殆ど流れない。
【0039】次に、トランス37の一次巻線を通して電
荷制限ダイオード20bが放電し、この電流により飽和
リアクタ21の環状コアがリセットされる。更に、回路
の動作状態によってはトランス37の慣性電流により、
電荷制限ダイオード20bが放電を終えた後に電荷制限
ダイオード20bの電圧が逆向きになる。しかし、電荷
制限ダイオード20bの順方向電圧であるため、電荷制
限ダイオード20bが導通し、電荷が蓄積しないためリ
ンギングが生ずることはない。
【0040】ここで、ゲート20gに正電圧が印加され
ると、FET20aはオフからオンに切換わって電荷制
限ダイオード20bは放電され、同時に直流電源26か
らトランス37を通ってFET20aにドレイン電流Id
が流れ始める。このとき、図10に示すように、飽和リ
アクタ21の環状コアが飽和するまでの僅かな時間だ
け、ドレイン電流Idは非常に緩慢に増加し、この間にソ
ース20sとドレイン20dの間の抵抗値がほぼ零まで
下がる。このため、FET20aのオフからオンへの過
渡期間の電力損失は小さい。飽和リアクタ21に流れる
電流Idが或る一定電流値Ith まで増加すると、環状コア
が飽和するためインダクタンスが小さくなり、その結果
としてゼロクロス・スイッチング素子20及びトランス
37に流れる電流は急増する。このとき、他方のゼロク
ロス・スイッチング素子20はオンからオフになるとこ
ろであり、このように2つのゼロクロス・スイッチング
素子20が交互に導通することにより、トランス37に
は方向の異なる磁束が交互に生じ、2次巻線に誘導起電
力が誘起され、絶縁された交流電圧が得られる。
【0041】なお、本発明に係るスイッチング回路は、
図9、図12、図13のようなインバータ回路だけでな
く多くのスイッチング回路に対しても有効である。図1
4は電熱線40の駆動電流のスイッチングをゼロクロス
・スイッチング素子20に行わせるものである。直流電
源26からの電流は、オンになる際には飽和リアクタ2
1によって増加が遅らされ、オフになる際の過渡期間に
は電荷制限ダイオード20bに吸収されるため、FET
20bにおいてスイッチング時の損失つまり発熱が低く
抑えられる。
【0042】また、ゼロクロス・スイッチング素子20
のゲート20gに印加する電圧を矩形波として、PWM
制御により電力制御を行うことができる。或いは、単に
回路の遮断を行うためにゼロクロス・スイッチング素子
20を用いてもよい。なお、実施例ではゼロクロス・ス
イッチング素子としてMOS型FETを用いたものを示
したが、MOS型FETに限られることはなく、バイポ
ーラトランジスタ或いはSIT等のスイッチング素子を
用いるものとしてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るスイッ
チング素子は、同一の基板上にリソグラフィ技術等によ
りMOS型FETやトランジスタ或いはSIT等のスイ
ッチング素子と電荷制限ダイオードとを接続し、他の素
子や回路を用いることなく、スイッチ素子のオンからオ
フへの過渡状態でのスイッチング損失を抑制することを
可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】内蔵するPN接合ダイオードの構成図である。
【図2】内蔵するPN接合ダイオードの不純物濃度分布
の説明図である。
【図3】内蔵するPN接合ダイオードの電圧と接合容量
の特性図である。
【図4】第1の実施例の断面構成図である。
【図5】第2の実施例の斜視図である。
【図6】第2の実施例の断面構成図である。
【図7】第3の実施例の一部を断面とした斜視図であ
る。
【図8】第4の実施例の断面構成図である。
【図9】半波部分共振DC−DCコンバータへの適用例
の構成図である。
【図10】オフからオンへの電圧と電流の変化の説明図
である。
【図11】オンからオフへの電圧と電流の変化の説明図
である。
【図12】半波部分共振DC−DCコンバータへの第2
の適用例の構成図である。
【図13】センタタップ型インバータへの適用例の構成
図である。
【図14】電熱線の駆動電流のスイッチングへの適用例
の構成図である。
【図15】MOS型FETのターンオフ時の電流と電圧
の変化の説明図である。
【図16】MOS型FETのターンオン時の電流と電圧
の変化の説明図である。
【符号の説明】
1、16b、20b 電荷制限ダイオード 1a アノード 1k カソード 2 接合面 3、4 内層 5、6 境界面 7、8 中間層 9、10 外層 11、12、15 電極 13 ドレイン層 14 絶縁層 16a、20a、27 MOS型FET 17 pウェル 18 ソース層 20 ゼロクロス・スイッチング素子 20c 基板 21 飽和リアクタ 22、35、37 トランス 40 電熱線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−8487(JP,A) 特開 平3−270527(JP,A) 特開 昭61−269362(JP,A) 特開 平3−136376(JP,A) 特開 昭60−189270(JP,A) 特開 平3−116964(JP,A) 特公 昭48−21780(JP,B1) 特公 昭48−2512(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電形と第2導電形とを接合したP
    N接合面を有し、前記第1導電形の不純物の低濃度領域
    に対して狭い層を前記第1導電形の低濃度領域に対して
    ステップ状に高い高濃度領域として前記PN接合面の片
    側に形成し、前記第2導電形の不純物の低濃度領域に対
    して狭い層を前記第2導電形の低濃度領域に対してステ
    ップ状に高い高濃度領域として前記PN接合面の他側に
    形成したPN接合ダイオードを、スイッチング素子と共
    に同一の基板上に設け、前記PN接合ダイオードと少な
    くとも1個の前記スイッチング素子の一端とを共通に接
    続し、前記PN接合ダイオードの他端を外部に引き出し
    たことを特徴とするゼロクロス・スイッチング素子。
  2. 【請求項2】 前記PN接合ダイオードと前記スイッチ
    ング素子とを並列に接続した請求項1に記載のゼロクロ
    ス・スイッチング素子。
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