JP2574314B2 - セラミックグリ−ンシ−ト用組成物 - Google Patents
セラミックグリ−ンシ−ト用組成物Info
- Publication number
- JP2574314B2 JP2574314B2 JP62195930A JP19593087A JP2574314B2 JP 2574314 B2 JP2574314 B2 JP 2574314B2 JP 62195930 A JP62195930 A JP 62195930A JP 19593087 A JP19593087 A JP 19593087A JP 2574314 B2 JP2574314 B2 JP 2574314B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyvinyl butyral
- polymerization
- ceramic green
- butyral resin
- binder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、セラミックグリーンシートを製造する際に
用いられるセラミックグリーンシート用組成物に関する
ものである。
用いられるセラミックグリーンシート用組成物に関する
ものである。
従来の技術 従来のセラミックグリーンシートは、一般的に特定の
重合度を有するポリビニルブチラール樹脂などの高分子
化合物よりなる結合剤と、フタル酸エステル，脂肪酸エ
ステル，グリコール誘導体などの可塑剤を、アルコール
類，セロソルブ，ケトン，芳香族などの有機溶剤に溶解
して、セラミック粉末と混合し、スラリーを作成し、脱
泡した後、ドクターブレード法やリバースロールコータ
法などでポリエステルフィルムなどのフィルム上に成
形、加熱乾燥をしてセラミックグリーンシートを作成す
る方法であった。
重合度を有するポリビニルブチラール樹脂などの高分子
化合物よりなる結合剤と、フタル酸エステル，脂肪酸エ
ステル，グリコール誘導体などの可塑剤を、アルコール
類，セロソルブ，ケトン，芳香族などの有機溶剤に溶解
して、セラミック粉末と混合し、スラリーを作成し、脱
泡した後、ドクターブレード法やリバースロールコータ
法などでポリエステルフィルムなどのフィルム上に成
形、加熱乾燥をしてセラミックグリーンシートを作成す
る方法であった。
発明が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、セラミック原料粉末を1.
0μｍ前後に微粉化した場合、通常の混合比で結合剤を
混合すると、シート強度が弱く、加熱乾燥時に亀裂が発
生し、後工程の処理が困難になるものであった。また、
結合剤をセラミック原料粉末の比表面積が微粉化により
増加した割合だけ添加量を増しても、成形体密度低下、
焼成時の結合剤の除却不十分による割れ，クラックの発
生などの不良の発生の原因となり、不良率が増加するな
どの問題が発生するものであった。
0μｍ前後に微粉化した場合、通常の混合比で結合剤を
混合すると、シート強度が弱く、加熱乾燥時に亀裂が発
生し、後工程の処理が困難になるものであった。また、
結合剤をセラミック原料粉末の比表面積が微粉化により
増加した割合だけ添加量を増しても、成形体密度低下、
焼成時の結合剤の除却不十分による割れ，クラックの発
生などの不良の発生の原因となり、不良率が増加するな
どの問題が発生するものであった。
そこで本発明は、現行における結合剤添加量の変更も
必要がなく、また加熱乾燥時のシート亀裂の発生もな
い、良好なセラミックグリーンシートを作成することの
できるセラミックグリーンシート用組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
必要がなく、また加熱乾燥時のシート亀裂の発生もな
い、良好なセラミックグリーンシートを作成することの
できるセラミックグリーンシート用組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために本発明は、セラミック原
料粉末および結合剤としての重合度の異なるポリビニル
ブチラール樹脂の混合物よりなり、上記結合剤として重
合度が200〜300のポリビニルブチラール樹脂100重量部
に対して、重合度が1000〜1200のポリビニルブチラール
樹脂を10〜40重量部含有する結合剤を用いることを特徴
とするものである。
料粉末および結合剤としての重合度の異なるポリビニル
ブチラール樹脂の混合物よりなり、上記結合剤として重
合度が200〜300のポリビニルブチラール樹脂100重量部
に対して、重合度が1000〜1200のポリビニルブチラール
樹脂を10〜40重量部含有する結合剤を用いることを特徴
とするものである。
作 用 この構成によれば、低重合度のポリビニルブチラール
樹脂を使用することにより、溶剤が少量で必要な粘度に
調節できるため、加熱乾燥時に均一に飛散されていき、
また高重合度のポリビニルブチラール樹脂の添加によ
り、シート強度を増加させることができ、加熱乾燥時の
シート亀裂の発生がなくなり、また従来の結合剤添加量
を維持することができ、焼成時の不良発生も増加しな
い、良好なセラミックグリーンシートの作成が行えるこ
ととなる。
樹脂を使用することにより、溶剤が少量で必要な粘度に
調節できるため、加熱乾燥時に均一に飛散されていき、
また高重合度のポリビニルブチラール樹脂の添加によ
り、シート強度を増加させることができ、加熱乾燥時の
シート亀裂の発生がなくなり、また従来の結合剤添加量
を維持することができ、焼成時の不良発生も増加しな
い、良好なセラミックグリーンシートの作成が行えるこ
ととなる。
実施例 以下、本発明の実施例について説明すると共に結合剤
組成を上記した範囲に限定した理由について説明する。
組成を上記した範囲に限定した理由について説明する。
まず、セラミック粉末として〔PbTiO3−PbZrO3−Pb
（Mg1/3Nb2/3）O3〕系で微粉末平均粒子径が1.2μｍの
ものに、ポリビニルブチラール樹脂、フタル酸エステル
系可塑剤，溶剤としてのエタノールを、アルミナボール
を使用し、ボールミルで混合を行い、一定粘度のスラリ
ーとした。また、スラリーは真空脱泡により内部気泡を
除去したものを使用した。ここで、ポリビニルブチラー
ル樹脂として、種々の重合度のものを単独で使用した場
合、また重合度の異なるものを種々に組合せて使用した
場合について実施した。
（Mg1/3Nb2/3）O3〕系で微粉末平均粒子径が1.2μｍの
ものに、ポリビニルブチラール樹脂、フタル酸エステル
系可塑剤，溶剤としてのエタノールを、アルミナボール
を使用し、ボールミルで混合を行い、一定粘度のスラリ
ーとした。また、スラリーは真空脱泡により内部気泡を
除去したものを使用した。ここで、ポリビニルブチラー
ル樹脂として、種々の重合度のものを単独で使用した場
合、また重合度の異なるものを種々に組合せて使用した
場合について実施した。
そして、下記の表１および表２に示したように、結合
剤としてのポリビニルブチラール樹脂の重合度、添加量
を変化させ、また重合度の異なるポリビニルブチラール
樹脂の混合比を変化させ、加熱乾燥時の亀裂の状況、形
成体密度、焼結後の割れ，亀裂の発生について測定し、
比較を行った。また、シート成形は、ドクターブレード
法により乾燥後のシート厚みが300μｍになるようにド
クターブレードのすき間調節を行った。このような膜厚
を成形した理由は、加熱乾燥時のシート亀裂が厚膜シー
ト時により発生しやすいためである。
剤としてのポリビニルブチラール樹脂の重合度、添加量
を変化させ、また重合度の異なるポリビニルブチラール
樹脂の混合比を変化させ、加熱乾燥時の亀裂の状況、形
成体密度、焼結後の割れ，亀裂の発生について測定し、
比較を行った。また、シート成形は、ドクターブレード
法により乾燥後のシート厚みが300μｍになるようにド
クターブレードのすき間調節を行った。このような膜厚
を成形した理由は、加熱乾燥時のシート亀裂が厚膜シー
ト時により発生しやすいためである。
上記の表1,表２より良好なセラミックグリーンシート
を得るためには、重合度が200〜300のポリビニルブチラ
ール樹脂と、重合度が1000〜1200のポリビニルブチラー
ル樹脂との混合物で、重合度200〜300のポリビニルブチ
ラール樹脂100重量部に対して、重合度1000〜1200のポ
リビニルブチラール樹脂が10〜40重量部含有されている
状態が良好であることがわかる。これは、200〜300の低
重合度のものを使用することにより、溶剤が少量で必要
な粘度に調整できるため、加熱乾燥時に均一に飛散され
ていき、また1000〜1200の高重合度のものの添加によ
り、シート強度を増加させていることとの相乗効果によ
るものと考えられる。したがって、表２におけるNo.20
および21が本発明にかかるものであり、その他は全て比
較例である。これらの比較例では、表１の種々の重合度
のポリビニルブチラール樹脂を単独で使用したものの全
て、また表２における重合度の異なるポリビニルブチラ
ール樹脂の混合物であっても、No.1〜19および22〜27
は、それぞれ良好な特性を示すことがないものである。
を得るためには、重合度が200〜300のポリビニルブチラ
ール樹脂と、重合度が1000〜1200のポリビニルブチラー
ル樹脂との混合物で、重合度200〜300のポリビニルブチ
ラール樹脂100重量部に対して、重合度1000〜1200のポ
リビニルブチラール樹脂が10〜40重量部含有されている
状態が良好であることがわかる。これは、200〜300の低
重合度のものを使用することにより、溶剤が少量で必要
な粘度に調整できるため、加熱乾燥時に均一に飛散され
ていき、また1000〜1200の高重合度のものの添加によ
り、シート強度を増加させていることとの相乗効果によ
るものと考えられる。したがって、表２におけるNo.20
および21が本発明にかかるものであり、その他は全て比
較例である。これらの比較例では、表１の種々の重合度
のポリビニルブチラール樹脂を単独で使用したものの全
て、また表２における重合度の異なるポリビニルブチラ
ール樹脂の混合物であっても、No.1〜19および22〜27
は、それぞれ良好な特性を示すことがないものである。
ここで、表２における重合度の異なるポリビニルブチ
ラール樹脂の混合物からなる結合剤の対セラミック原料
wt％は全て2.5wt％とした。また、この結合剤の対原料w
t％は、下限が主にシート強度の弱さ、上限が主に焼成
時の亀裂発生状況から決められるが、一般的に2.0〜3.0
wt％である。
ラール樹脂の混合物からなる結合剤の対セラミック原料
wt％は全て2.5wt％とした。また、この結合剤の対原料w
t％は、下限が主にシート強度の弱さ、上限が主に焼成
時の亀裂発生状況から決められるが、一般的に2.0〜3.0
wt％である。
なお、上記の実施例においては、Pbを主成分とした組
成について示したが、本発明は他の誘電体材料，半導体
材料などのセラミック材料でも同様の効果が得られるも
のである。また、本発明の組成においては、可塑剤とし
て、ポリビニルブチラール樹脂と相溶性のある上記のフ
タル酸エステル系，燐酸エステル，脂肪酸エステル，グ
リコール誘導体などを必要に応じて添加し、可塑性をも
たせることができる。
成について示したが、本発明は他の誘電体材料，半導体
材料などのセラミック材料でも同様の効果が得られるも
のである。また、本発明の組成においては、可塑剤とし
て、ポリビニルブチラール樹脂と相溶性のある上記のフ
タル酸エステル系，燐酸エステル，脂肪酸エステル，グ
リコール誘導体などを必要に応じて添加し、可塑性をも
たせることができる。
発明の効果 以上のように本発明によれば、シート強度の増加と粘
度調整を容易に図ることができるため、良好なセラミッ
クグリーンシートが作成でき、特に微粉末のセラミック
原料粉末に対して効果があると同時に、粒径の大きな原
料に対してもセラミックグリーンシート強度を向上させ
ることが可能となり、後工程の取扱いが容易になり、量
産性を向上させる効果が得られるものである。
度調整を容易に図ることができるため、良好なセラミッ
クグリーンシートが作成でき、特に微粉末のセラミック
原料粉末に対して効果があると同時に、粒径の大きな原
料に対してもセラミックグリーンシート強度を向上させ
ることが可能となり、後工程の取扱いが容易になり、量
産性を向上させる効果が得られるものである。
Claims (1)
- 【請求項１】セラミック原料粉末および結合剤としての
重合度の異なるポリビニルブチラール樹脂の混合物より
なり、上記結合剤として重合度が200〜300のポリビニル
ブチラール樹脂100重量部に対して、重合度が1000〜120
0のポリビニルブチラール樹脂を10〜40重量部含有する
結合剤を用いることを特徴とするセラミックグリーンシ
ート用組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62195930A JP2574314B2 (ja) | 1987-08-05 | 1987-08-05 | セラミックグリ−ンシ−ト用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62195930A JP2574314B2 (ja) | 1987-08-05 | 1987-08-05 | セラミックグリ−ンシ−ト用組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6442357A JPS6442357A (en) | 1989-02-14 |
| JP2574314B2 true JP2574314B2 (ja) | 1997-01-22 |
Family
ID=16349339
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62195930A Expired - Fee Related JP2574314B2 (ja) | 1987-08-05 | 1987-08-05 | セラミックグリ−ンシ−ト用組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2574314B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10202964B4 (de) * | 2002-01-26 | 2005-08-04 | Zschimmer & Schwarz Gmbh & Co. Kg Chemische Fabriken | Verwendung einer keramischen Mischung |
-
1987
- 1987-08-05 JP JP62195930A patent/JP2574314B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6442357A (en) | 1989-02-14 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3675264B2 (ja) | セラミックスラリー、セラミックグリーンシート及び積層セラミック電子部品の製造方法 | |
| US4752857A (en) | Thin tape for dielectric materials | |
| JP2001114569A (ja) | セラミックスラリー組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミック電子部品の製造方法 | |
| US5002710A (en) | Composition useful for producing thin ceramic sheets | |
| JP2574314B2 (ja) | セラミックグリ−ンシ−ト用組成物 | |
| KR100853278B1 (ko) | 적층 세라믹 전자 부품용 유전체 페이스트의 제조 방법 | |
| TWI805721B (zh) | 導電性糊 | |
| JPH0672760A (ja) | セラミックスグリーンシートの製造方法 | |
| EP0394037A2 (en) | Modification of sintering rates of palladium silver electroding powders | |
| IE910364A1 (en) | Casting composition for producing ceramic green tapes, and¹the use thereof | |
| JP4506138B2 (ja) | スラリーの製造方法、グリーンシートの製造方法及び積層型電子部品の製造方法 | |
| JPH03265543A (ja) | ガラス―セラミックス基板用のガラス粉末およびスラリの製造方法と、ガラス―セラミックス基板の製造方法 | |
| JP2004269325A (ja) | セラミックペーストの製造方法、及びセラミックペーストを用いた積層型セラミック電子部品の製造方法 | |
| JP2623730B2 (ja) | セラミックス基板用グリーンシートの製造方法 | |
| CN114014669B (zh) | 一种抗拉伸氮化铝生瓷基片的制备方法 | |
| JPS61146753A (ja) | 回路基板用グリ−ンシ−トの製造方法 | |
| JP2001138317A (ja) | セラミックスラリー組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミック電子部品の製造方法 | |
| DE3248391A1 (de) | Verfahren zum erzeugen feinkoerniger keramischer substrate aus aluminiumoxid, insbesondere fuer integrierte schaltungen | |
| JPH0672756A (ja) | グリーンシートの製造方法 | |
| JPH0760730A (ja) | グリーンシートの製造方法 | |
| JPH02208372A (ja) | セラミックスクリーンインキの製造方法 | |
| JPH02129055A (ja) | セラミックスグリーンシートの製造方法 | |
| JPS6054964A (ja) | セラミツク泥漿の製造方法 | |
| KR100587461B1 (ko) | 그린 쉬트용 슬러리 조성물 및 그로부터 제조되는 그린 쉬트 | |
| KR970003944B1 (ko) | 세라믹 그린시트의 제조방법 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |