JP2573927B2 - 物質の部位−特異的活性化方法及びその用途 - Google Patents

物質の部位−特異的活性化方法及びその用途

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はヒト或いはその他の動物における特異的部位
において不活性物質を活性化する方法に関する。
背景技術 受動免疫化のために抗体を使用することは長年に亘っ
て利用されている。この方法を用いる初期の試みは、も
う一つの種において育成され、後に異った種の一員であ
る受領体に投与されるある病原体に対して特異的な抗体
の投与を通常含むものであった。この手法は有効性の見
地並びに、有意義な治療効果を達成するために投与され
なければならなかった多量の外来性抗体蛋白質に対する
宿主による逆反応の見込みの見地から限られた価値のも
のであることが判明した。その結果、受動的に投与され
た抗体を受取る個々の種はこれらの外来性蛋白質に対し
てしばしば逆反応を発達させ、その結果普通血清病とし
て知られている病気を生じていた。
受動免疫治療における初期の試みに対するもう一つの
深刻な欠陥は、源種により産生される抗体の貧弱な特異
性即ち選択性であった。多くの場合、抗体が産生された
種は抗原決定因子を認識し、受領種における病原体上の
非−保護決定因子と反応するそれに対する抗体を産生
し、或いは尚悪いことに受領体種の正常な組織とも交差
反応することもあった。加えて、治療上有効である抗体
の%は源種により産生される全抗体量に対比してしばし
ば極めて少なく、又、有用な抗体を有用でない抗体から
分離する有効な手段がないので、受領体種が有用な抗体
の保護的量を受取るために繰返し多量の抗体蛋白質に曝
されなければならなかった。しばしばこの繰返される受
領体種の多量の外来抗体への曝露は、受領体者の自らの
免疫系をしてこれらの外来蛋白質を攻撃させ、その結果
大きく減少された治療上の効果及び血清病が生じてい
た。これらの問題の結果、過去における受動免疫治療の
使用は極めて限られたものであった。
近年、受動免疫治療の使用に対する興味がモノクロー
ナル抗体技術の発達により再刺戟されている。この技術
の性質のために、今や過去においてはポリクローナル抗
体産生の目的のために十分に免疫原性でなかった物質に
対する抗体を産生し、所望の治療的選択性を有する抗体
を実際に選ぶことが可能である。加えて、これらの抗体
は単一エピトープ決定因子による刺戟に対して応答する
単一のクローンにより産生されるので、達成することの
できる高度の部位特異的選択性が、はるかにより低い受
動的に投与される抗体の濃度を今や使用することができ
ることを認識させる。
初期の臨床研究家たちはこの技術の利点をすみやかに
実現し、宿主における病気の部位に対して特異的である
が、しかし、正常な宿主組織とは交差反応しないモノク
ローナル抗体を利用する努力を行った。この大きな特異
性は、次いで化学者たちに過去において物質が全身的に
投与された際に宿主に対する毒性の副作用のために有効
に利用することのできなかった高度に毒性の薬品或いは
放射性物質にモノクローナル抗体を連結することを可能
にした。しかしながら、活性毒性物質に結合されたモノ
クローナル抗体を用いる受動免疫治療に対するこの手法
に固有の潜在的危険性は、これらの活性物質がモノクロ
ーナル抗体から未結合となり、それにより宿主に対する
毒性の脅威をおくようになることである。本発明による
方法は、これらの初期の問題を比較的非毒性物質、即ち
活性化物質を標的部位に対して特異的な抗体に結合させ
ることにより回避するものである。
多くの場合において、極めて有効な薬品が各種病気の
状態の治療のために開発されているが、治療上の効果を
達成するために必要な濃度におけるそれらの毒性の副作
用かそれらの有効性をしばしば否定している。
選択性の欠如の一つの特別の問題は例えば血餅を治療
するために使用される血栓崩壊剤に関する。
冠状動脈造影研究は90〜95%の経壁心筋梗塞は冠状血
栓崩壊により引起こされていることを示している〔M.A.
デウッド等(M.A.Dewood et,al.)N.Eng.J.Med.,303巻:
897−902頁(1983)〕。現在利用可能な血栓崩壊剤は、
冠状血栓溶解の初期の時間において冠状動脈血栓を溶解
し、それにより心筋損傷を減少させることができるが、
それらの臨床的応用は重大な問題が伴っていた。これら
の血栓崩壊剤はフィブリン溶解酵素プラスミンに活性化
される前駆体プラスミノーゲンの活性化物質である。プ
ラスミンは非選択的であり、血栓におけるフィブリンの
溶解を行うのみならず、一般化されたフィブリンノゲン
溶解を促進し、しばしば激しい出血を生ずる〔G.L.ラッ
フェル等(G.L.Laffel.et al.),上記文献311巻:710〜
717頁及び770〜776頁(1984)〕。ヒトの組織プラスミ
ノーゲン活性化物質はよりフィブリン−特異性であるか
もしれないが、しかし、それにも拘らず出血の合併症が
観察されている。
現在、二つの活性化物質が市販されており、そられは
ストレプトキナーゼとプロキナーゼである。両者は、急
性心臓血管病、例えば梗塞、卒中、肺動脈塞栓症、深静
脈血栓症、末梢動脈閉塞症、及びその他の静脈血栓症の
治療に適応している。集合的に、これらの病気は主たる
健康の危機及び危険を説明するものである。しかしなが
ら、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼは激しい制限
を有する。いづれもフィブリンに対する高い親和性を有
さず、その結果両者は比較的無差別に循環し、及びフィ
ブリン結合プラスミノーゲンを活性化する。加えて、循
環血液中に形勢されたプラスミンはやや迅速に中和さ
れ、その有用な血栓溶解に対する効果が失われる。残る
プラスミンは幾つかの凝固因子蛋白質例えばフィブリノ
ーゲン、因子V及び因子VIIIなどを劣化させ、出血潜在
力を引起こす。加えて、ストレプトキナーゼは強い抗原
性を示し、高い抗体力価を有する患者は治療に対して非
効率的に応答し、連続治療に留まることができない。最
近のヒト組織型プラスミノーゲン活性化物質の利用可能
性は幾分治療の見通しを改良した。にも拘らず、選択性
の問題は重大な問題として残っている。
発明の開示 極めて活性な、非選択的及び特に毒性の薬剤に対する
全身の曝露を回避する方法は、その治療効果を最大にす
ることのできる場所における標的部位において薬剤を選
択的に活性化することによるものである。薬剤が標的部
位において選択的に濃縮され得るという事実は、宿主の
活性薬剤に対する最少の曝露を、及び全身曝露に対する
副作用の減少を要求する。
薬品を投与するためのより選択的な手段を提供するた
めに、本発明者等はこの様に考え、宿主における病気の
部位に対して特異的である抗体が活性化物質に結合され
る方法を開発した。これらの抗体が宿主に投与される
と、それらはこれらの抗体が特異的であるエピトープを
有する病気の標的部位に特異的に結合する。この抗体−
結合活性化物質は次いで宿主内に存在する不活性物質と
反応し、この不活性物質をその標的部位に対する近接性
或いは親和性のために標的部位と反応する活性物質に転
換する。この不活性物質は標的部位が存在する宿主系に
対して外因性であっても或いは内因性であってもよい。
この様に、本発明は宿主部位−不活性物質の特異的活
性化方法において、 (a)宿主標的部位を該標的部位上のエピトープに対し
て特異的な抗体と接触させ、ここにおいて該抗体が該不
活性物質の活性化物質に結合されており、それにより該
抗体を該エピトープに結合させ、及び (b)該不活性物質を該抗体−結合活性化物質と結合さ
せることにより該不活性物質を該標的部位との反応に対
して活性化させる ことを特徴とする方法を提供する。
本発明は又、上記方法に使用するための生成物、例え
ば非−標的部位組織に対する交差反応性が実質的にない
宿主標的部位−特異性抗体よりなり、活性化物質により
活性化されて該標的部位に対して生理学的に活性な物質
にされることのできる不活性物質の活性化物質に結合さ
れていることを特徴とする生成物をも包含するものであ
る。
本発明の特別の実施態様は従来技術の血栓崩壊剤に比
べて選択性の増大した強力且つ選択的な複合血栓崩壊性
生成物を含んでなるものである。これらの生成物は血栓
崩壊を引起こす薬剤に結合された実質的にフィブリノー
ゲン交差反応性に欠けたフィブリン−特異性抗体を提供
することにより得られる。
本発明は又、血栓を溶解する方法において、該血栓を
溶解量の上記抗体/血栓崩壊性生成物と接触させること
を特徴とする方法にも関する。
又、これらの生成物と薬学的に適当な担体を含んでな
る薬学的組成物も本発明に含まれる。
発明を実施するための最良の形態 本発明の方法によれば、活性化物質に結合し、且つ宿
主系における標的部位上に存在するエピトープ或いはエ
ピトープ類に対して特異的な抗体が宿主系に投与され、
その標的部位における特異的エピトープ類に結合され
る。この結合活性化物質が次いで不活性化物質を活性化
し、このものはそれにより活性化されて標的部位と反応
するか或いは吸収される。この不活性物質は標的部位が
存在する宿主系に対して外因性或いは内因性のいずれで
あっても良い。
換言すると、標的部位は特異的抗体及び活性化物質の
両者に対する標的である。例えば、標的部位は特異的抗
体により結合されることのできる、及び活性化物質が蛋
白質分解酵素である場合には活性化物質に対する基質で
あることのできる蛋白質であってもよい。
本発明において使用することのできる抗体は標的部位
上の決定因子に対して特異的である任意の抗体であって
もよい。例えば、シューバル等〔Shouval et al.プロシ
ーディング オブ ナチュラル・アカデミック・サイエ
ンス・ユーエスエー(Proc.Natl.Acad.Sci.UAS)79巻:6
50頁(1982)〕はヘパトーマ細胞に対して特異的である
が、しかし、正常な宿主細胞とは低い反応性を示すモノ
クローナル抗体を記載している。
特異的抗体を用いて分化することのできるその他の標
的部位及び非−標的部位の具体例を表Iに掲げる。
本発明の抗体を結合させるエピトープを有する標的部
位は治療の開始が適当であるとみなされる任意の部位で
あってもよい。その様な部位は、例えば、ウイルス或い
は細菌、腫瘍、或いは例えば血栓の形成による正常な宿
主系の機能不全の結果により誘発される病的状態から生
ずるものであり得る。
「腫瘍」という用語は、腫瘍は生育する体の部分とは
それらの遺伝子型或いは物理的組成において異る任意の
異常な組織の増殖を示す。その様な腫瘍成長はその性質
上良性或いは悪性のいづれでもあり得る。良性の腫瘍は
現在は非・生命威嚇性質のものであるのに対し、悪性腫
瘍は次第に悪化する傾向を有し、死の結果を生じ得るも
のである。
本発明において用いる「接触させる」という用語は、
標的部位に対して本質的に特異的である活性物質−結合
抗体に対して標的物質を曝すことを意味するものであ
る。
本発明において用いられる「エピトープ」という用語
は、抗体分子と特異的相互作用を行う任意の決定因子を
包含するものである。エピトープ決定因子は通常アミノ
酸或いは糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面基より
なり、特異的三次元構造特性並びに特異的電荷特性を有
するものである。
「標的部位」という用語は活性化物質−結合部位特異
性抗体を結合することが望ましい任意の領域を示す。
標的部位−特異性抗体への活性化物質の付着に対して
適用される「結合」という用語は、活性化物質及び抗体
が活性化物質が不活性物質を活性化する能力があるまま
に留まり、及び抗体が標的部位と反応する能力があるま
まに留まるように互いに結合していることを意味するも
のと理解されるべきである。
標的部位−特異性抗体に結合する活性化物質は、不活
性物質を反応して不活性物質を活性物質に変える物質或
いは薬剤である。この活性化因子は例えば不活性物質と
化学的に、アロステリックに、或いは酵素的に反応する
ことにより不活性物質を活性化する。この活性化は何等
かの活性を達成するに十分に実質的にあれば100%であ
る必要はない。
化学的活性化物質は、化学的部分或いはその変更が不
活性の原因である場合に不活性物質上のその化学部分或
いは化学的変更を切断或いは除去するように反応するも
のである。この不活性部分の切断或いは除去は、不活性
物質が次いで標的部位と反応するか或いはそれにより吸
収されるように不活性物質を活性化する。
アロステリックな活性化物質は、不活性物質の活性化
後に標的部位と反応する不活性物質の領域から離れた不
活性物質上の領域に結合する薬剤である。アロステリッ
クな活性化物質をその結合領域への結合時において不活
性物質は標的部位と反応することのできる活性物質に転
換される。
ストレプトキナーゼはアロステリックな活性化物質の
一例である。ストレプトキナーゼは何等の固有の活性も
有しないが、これも又不活性であるプラスミノーゲンと
複合時にプラスミノーゲンを活性化する立体配置的な変
化が生ずる。この活性化されたプラスミノーゲンは次い
でその他のプラスミノーゲン分子の活性化物質としての
役割を果たす〔ジャクソン等〔Jackson et al.)、バイ
オケミストリー(Biochemistry)21巻:6620頁(198
2)〕。その他のアロステリックな活性化物質の具体例
としては、スタフィロキナーゼ〔ラック等(Lack et a
l.)、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Mathods in
Enzymology)19巻:706頁(1970)〕及びスタフィロコ
アギュラーゼ〔ハムカー等(Hamker et al.)、バイオ
ケミカ・バイオフィジカ・アクタ(Biochemica Biophys
ica Acta.)379巻:180頁(1975)〕などが挙げられる。
活性化物質が酵素的にプロ酵素と反応して活性酵素を
生成し、それが次いで標的部位と反応するか或いは吸収
されることのできるような酵素であることも可能であ
る。この様にして使用することのできる酵素の具体例を
表IIに示す。
本発明において説明される不活性物質は、宿主系に対
して外因性或いは内因性のいづれであってもよい。いづ
れの場合においても、標的部位に存在する活性化物質−
結合抗体の存在下において不活性物質は活性物質に転換
され、それは次いで宿主系の利益のために標的部位と反
応する(例えば治療的に)。
この不活性物質は修飾されていても或いは未修飾でも
よい。例えばその物質が修飾されている場合には宿主系
は例えば最早毒性でないように保護基により修飾されて
ある毒素に曝されてもよい。抗体−結合化学的活性化物
質の存在下においてはこの保護基は除去され、不活性毒
素は毒性物質が標的部位と反応するように標的部位の近
辺において活性化される。この様にして利用することの
できる細菌毒素の具体例を表IIIに示す。
表III 生物/毒素 作用 (活性物質) クロストリジウム・パーフィンゲンス(Clostridium perfingens) アルファ レシチナーゼ:壊死性、溶血性 イプシロン 壊死性 イオタ 壊死性 ラムダ 蛋白質分解性 クロストリジウムノウムノヴイイ(Clostridium novyi) アルファ 壊死性 ベータ レシチナーゼ:壊死性、溶血性 ガンマ レシチナーゼ:壊死性、溶血性 イプシロン リパーゼ:溶血性 コリネバクテリウムジフテリア(Corynebacterium diphtheriae) ジフテリア性毒素 酵素変更トランスフェラーゼ スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus aureus) ガンマ 壊死性、溶血性 ボルデテラ パートゥシス(Bordetella pertussis) 百日咳毒素 壊死性 シュードモナス(Paeudomonas) エキソトキシン A 蛋白質合成抑制 シゲラ ジセンテリアエ(Shigella dysenteriae) シガ毒素 蛋白質分解性 又、外因性不活性物質が未修飾であることも可能であ
る。この状況において、外因性物質は例えば通常は宿主
系に存在せず、又活性化物質と反応された際に次いで標
的部位において存在する基質と反応する活性酵素に転換
されるプロ酵素であってもよい。
もう一つの実施態様において、不活性物質は標的部位
が存在する宿主系に対して内在的であり、活性化物質の
存在下において標的部位と反応するか或いは吸収される
活性形態に転換されるものであってもよい。内因性不活
性物質の具体例は例えば、ウロキナーゼなどの活性化物
質の存在下において、次いでフィブリンを含有する標的
部位と反応することのできる活性酵素プラスミンに転換
されるプラスミノーゲンなどのプロ酵素である。
本発明において使用することのできる抗体は標的部位
上のエピトープに対して特異的であり、標的部位に存在
しない組織のエピトープとは実質的に非反応性であるべ
きである。
若し、ポリクローナル抗体が使用される場合にはそれ
らを所望の程度の標的部位特異性を達成するためにアフ
ィニティクロマトグラフィを用いて精製する必要があ
る。例えば、実質的に標的部位−特異性ポリクローナル
抗体の精製は、 (a)標的部位物質或いはその抽出物を担体に堅固に結
合し、 (b)標的部位に対して特異的なポリクローナル抗体を
結合させ、 (c)結合したポリクローナル抗体を洗浄し、 (d)結合したポリクローナル抗体を標的部位物質から
標的部位物質が担体に結合して残るような条件下におい
て溶出し、 及び (e)標的部位−特異的ポリクローナル抗体を回収する ことにより達成される。
担体に結合される標的部位物質及びポリクローナル抗
体の特別の濃度並びにポリクローナル抗体の結合のため
のインキュベーション時間及び溶出条件などのパラメー
タなどは変化し得る。
例えば、標的物質−特異的ポリクローナル抗体はポリ
クローナル抗体及び標的部位を4〜37℃において24時間
までインキュベートすることにより担体に結合した標的
部位に吸収させることができる。この吸収されたポリク
ローナル抗体を次いで担体−結合物質からpH2.5〜5.0に
おける0.1〜1.0Mグリシン−HCl緩衝液などの酸性溶液、
或いはpH4.0〜7.5における1.0〜5.0Mのチオシアン酸カ
リウムなどのカオトロピック剤を使用するような通常の
技術により溶出することができる。
当業者は標的部位−特異的ポリクローナル抗体の精製
のための多くのその他の適当な技術を知っているか、或
いは通常の実験を用いてその様な技術を確認することが
できるであろう。
本発明において用いられる場合にモノクローナル抗体
は当業者により公知の技術を用いて各種の方法で製造す
ることが出来、ここにおいては繰返さない。これらの技
術の詳細はロジャー H、ケネット等(Roger H.Kennet
et al.)により編集された「モノクローナル抗体−ハ
イブリドーマ:生物学的分析における新しい次元(Mono
clonal Antibodies−Hybrisomas:A New Dimension in B
iological Analysis)」(プレナムプレス刊、1980年)
のような本において説明されている。
本明細書及び特許請求の範囲において使用されている
「結合する」という用語は、広く活性化物質の抗体への
堅固な付着を包含するものである。その様な付着は共有
的或いは非共有的であってもよいが、好ましくは共有的
である。二つの物体の結合は直接であってもよいが、最
も普通には結合剤或いは共役剤によって行われる。利用
することのできる幾つかの分子内架橋剤がある〔例えば
G.E.ミーンズ及びR.E.フィーニィ(Means,G.E.and Feen
ey,R.E.)、「蛋白質の化学的修飾(Chemical Modifica
tion of Proteins)」、ホールデン−ディ(Holden−Da
y)、1974、pp.39−43参照〕。これらの試薬の中には例
えばN−スクシニミジル3−(2−ピリジルジチオ)プ
ロピオネート(SPDP)或いはN,N′−(1,3−フエニレ
ン)ビスマレイミド(両者はスルフヒドリル類に対して
高度に特異的であり、不可逆的結合を形成する);N−
N′−エチレン−ビス−(ヨードアセタミド)或いは6
〜11個の炭素メチレン橋を有するその様な試薬(スルフ
ヒドリル基に対して比較的特異的);1,5−ジフルオロ−
2,4−ジニトロベンゼン(アミノ基及びチロシン基と不
可逆的結合を形成する);P,P′−ジフルオロ−m,m′−
ジニトロジフエニルスルホン(アミノ基及びフエノール
基と不可逆的架橋を形成する);ジメチルアジピミデー
ト(アミノ基に対して特異的である);フエノール2,4
−ジスルホニルクロライド(主としてアミノ基と反応す
る);ヘキサメチレンジイソシアネート或いはジイソチ
オシアネート、或いはアゾフエニル−p−ジイソシアネ
ート(主としてアミノ基と反応する);グルタルアルデ
ヒド(幾つかの異った側鎖と反応する);及びビスジア
ゾベンジジン(主としてチロシン及びヒスチジンと反応
する)などが挙げられる。これらは利用することのでき
る幾つかの架橋剤の少数例に過ぎない。
活性化物質が遺伝子的レベルにおいて抗体と結合して
いる融合活性化物質/抗体蛋白質を製造することも可能
である。例えば、ハイブリドーマがそのFc部分を活性化
物質として機能する異った蛋白質により置換されている
抗体を分泌する抗体/活性化物質分子を生成することが
可能である〔例えばM.S.ノイバーガー等(Neuberger,M.
S.et al.)、ネイチャー(Nature)、312巻、604頁(19
84)参照〕。
本発明の抗体/活性化物質結合体を得るために有用な
条件及び濃度は、公知の文献を参照することにより或い
は単に通常の実験を行うことにより当業者により容易に
調整することができる。
活性化物質対抗体のモル比は1:1000〜1000:1、より好
ましくは1:10〜100:1、最も好ましくは1:1〜100:1の範
囲で変り得る。
本発明の一つの実施態様である血餅の血栓崩壊におい
て、この実施態様の生成物を調製するために使用可能な
抗体はフィブリン特異的であり、実質的にフィブリノー
ゲン交差反応性を有しない任意の抗体であり得る。例え
ば、その特異性を有する抗体はK.Y.ヒユイ等〔(Hui,K.
Y.et al.)、サイエンス(Science)222巻、1129−1131
頁(1983)〕に記載されている。更に同一のタイプの抗
体は一緒に譲渡された同時係属中の米国特許出願No.60
3,155(1984年4月23日、ゲーリーR.マツエダ等(Gary
R.Matsuda et al.)により「フィブリノーゲン交差反応
性に欠けるフィブリン−特異性モノクローナル抗体(Fi
brin−Specific Monoclonal Antibodies Lacking Fibri
nogen Cross−Reactivity)」として出願)に説明され
ており、この全ての開示内容は本発明において準用す
る。
上記同時係属中の特許出願は、例えば、その様な抗体
を育成する能力を有するペプチド類を提供することによ
り、本発明において所望とされる同一の特異性の抗体及
びその製造方法を記載している。これらのペプチド類は
一般的に下記一般式を有するものである: H2N−A−B−C−D−E−F−G−COR1 (式中Aはグリシン残基であり、Bはヒスチジン或いは
プロリン残基であり、Cはアルギニン残基であり、Dは
プロリン或いはバリン残基であり、Eはロイシン或いは
バリン残基であり、Fはアスパラギン酸或いはグルタミ
ン酸残基であり、Gはリジン或いはアルギニン残基であ
り、 R1はR2、lya−CO−R2、−lys−ars−CO−R2或いは−l
ys−arg−glu−CO−R2であり、 R2は−cys−CRO3、OH、OM或いはNR4R5であり、 R3はOH、OM或いはNR4R5であり、 Mは薬学的に許容可能なカチオン或いは低級分岐或い
は未分岐アルキル基であり、R4及びR5は同種又は異種で
H或いは低級アルキル基よりなる群より選ばれる)。
これらのペプチド類はここに例示の目的でのみ与えら
れているものであり、本発明のこの実施態様において使
用することのできる唯一のものではないが7〜11個のア
ミノ酸残基を含有し、感作化及び又は免疫化、細胞融
合、腹水産生、混合ハイブリドーマの選択及び/又はハ
イブリドーマのサブクローニングにおいて利用され、ポ
リクローナル単一特異性或いはモノクローナル抗体を産
生する。フィブリン−特異性配列を含有するペプチド類
は、連結橋例えばマレイミドベンゾイル化(MB)−鍵穴
笠具(keyhole limpet)ヘモシアニン(KLH)などを介
して免疫原性蛋白質に付着される。免疫化された動物或
いはそれから得られた細胞を源として使用し、単一特異
性抗体を得た後、引続き配位子としてフィブリノーゲン
を用いたアフィニティクロマトグラフィーを行うか、或
いは融合してフィブリノーゲンに対して実質的に交差反
応性を有しない抗フィブリン−特異的モノクローナル抗
体を分泌するハイブリドーマを生成することが出来る。
一般的に、これら或いは他のペプチド類を免疫原とし
て得られる任意の抗体をこの実施態様に利用することが
出来る。好ましいものの中にはATCCにおいて受入番号HB
8546で寄託されている細胞系統64C5、及びATCCに受入番
号HB8548で寄託されている細胞系統55D10がある。これ
らの細胞系統はATCCに1984年4月23日前に寄託されてい
る。
所望の特異性のその他の抗体は免疫源としてフィブリ
ンのアルファ鎖のアミノ末端を使用することにより或い
はフィブリンで免疫化し、次いでフィブリノーゲンを配
位子として用いるアフィニティクロマトグラフィにより
部分集合を選択することにより得られる。
本明細書及び特許請求の範囲において用いられる「血
栓崩壊剤」という用語は、血栓の溶解に利用されるかそ
れを誘発する或いは開始させる任意の薬剤を包含するも
のである。最も普通の薬剤はウロキナーゼ、ストレプト
キナーゼ及び組織型プラスミノーゲン活性化物質(TP
A)である。しかしながら、本発明において利用される
抗体について観察される大きな選択性の獲得は任意のそ
の他のその様な血栓崩壊剤が利用され得ることを示して
いる。
全発明の結合生成物も又薬学的組成物として使用する
ことができる。
例えば、本発明の結合生成物は活性化量の所望の生成
物を薬理学的に適当な担体と共に包含させることにより
適当な薬学的組成物に配合することができる。
一般的にこれらの担体としては、水性或いはアルコー
ル/水性溶液、塩水及び緩衝化媒体を含むエマルジョン
或いは懸濁液を含有する。非経口稀釈剤としては塩化ナ
トリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロー
ス及び塩化ナトリウム、乳酸化リンゲル或いは固定化油
などが挙げられる。静脈内稀釈液としては流体及び栄養
補給剤、電解質補給剤、例えばリンゲルデキストロース
に用いたものなどが挙げられる。防腐剤及びその他の添
加剤例えば抗微生物剤、酸化防止剤、キレート化剤、不
活性ガスなども又存在し得る。一般的には、レミントン
の薬学科学参照〔Remington's Phar−maceutical Scien
ces,16版、Mack編1980、〕。
本発明の方法により調製される薬学的組成物の投与経
路は等業者に一般的に知られている任意のものであって
もよい。
制限なしに血栓崩壊治療を含む治療のために本発明の
結合生成物はその様な治療を必要とする任意の患者に投
与することができる。投与は非経口、静脈内、筋肉内、
腹腔内を含む任意の適当な態様によるものであり得、或
いは適当に例えば冠状内投与などのカテーテルを用いた
直接注入によるものであってもよい。投与量及び投与の
頻度は患者の年令、性及び状態、その他の薬品との同時
投与、逆徴候その他の臨床医によって配慮されるべきパ
ラメーターによって異る。
治療組成物として使用される際に本発明の結合生成物
が投与されるべき正確な投与量及び頻度は当業者には公
知であるか或いは小実験を用いる丈で容易に確認するこ
とができる。
例えば、本発明の薬学的組成物が治療に用いられる際
には、投与量及びその頻度は活性物質或いは従来技術に
おける活性化物質それ自体の投与に用いられるものと同
等であり得る。しかしながら、一般的には、投与量は活
性物質それ自体の投与に通常使用される投与量の約0.00
1〜0.2倍である。
例えば、ウロキナーゼ/抗体複合体に対して、75kgの
ヒトに対する全身フィブリン溶解(肺動脈塞栓症)値に
対する投与は下記の通りである。: 1.負荷投与量:広範囲:10分間に亘り150〜66,000単位、
中間範囲:10分間に亘り300〜30,000単位。
2 維持投与量:広範囲:12〜24時間に亘って時間当り1
87.5〜66,000単位、中間範囲:12〜24時間に亘って毎時
間330〜37,500単位で結果的に2,400〜1,650,000全単位
になる量〔シャーマ等(Sharma et al.)、NEJM306巻、
1268〜1276頁(1982)〕。
ウロキナーゼ/抗体複合体に対しては冠状内投与量は
下記の通りである: 1.負荷投与量なし。
2 60〜120分間に亘り毎分6〜1,200単位でml当り1.5
〜300単位の合計360〜144,000単位溶液となる量〔テナ
ント等(Tennant et al.)、サーキュレーション(Circ
ula−tion)、69巻、765−760頁(1984)〕。
ストレプトキナーゼ/抗体複合体に対しては全冠状内
投与量は下記の通りである: 1.負荷投与量:250〜50,000単位。
2 維持投与量:24時間に亘り毎時100〜20,000単位或い
は30〜60分間に亘る5,000〜300,000の巨丸注射。
ストレプトキナーゼ/抗体複合体に対して冠状内投与
量は下記の通りである: 1.負荷投与量:2分間に亘り3mlの5%デキストロース中
における0.01〜6,000単位。
2 維持投与量:1mlの5%デキストロースにおける最大
投与量(500〜100,000単位)までの5〜1,000単位〔ラ
ッフエル及びブラウンワルド(Laffel and Braunwald)
NEJM,311巻、701〜717頁(1984)〕。上記投与量の説明
において「単位」という用語は従来技術における血栓崩
壊剤の活性に利用される公知の確立された定義を指すも
のである。
以上一般的に本発明を説明していたが、本発明は以下
の具体例により一層よく理解されるであろう。この具体
例は例示のみを目的として包含されるものであり、特に
断りのない限り本発明を限定する趣旨のものではない。
例 A.ウロキナーゼ−抗体複合体の調製 還元ウロキナーゼ−をN−スクシニミジン3−(2−
ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)を架橋剤とし
て利用してその固有するスルフヒドリル基を介してフィ
ブリン−特異性モノクローナル抗体64C5に結合させた
〔ジエイ・カールソン等(J.Carlsson et al.)、バイ
オケミカルジャーナル(Biochem.J.)、173:723−737
(1978)〕。SPDP(0.05ml無水エタノール中20mM)を抗
体(3.0mlの0.01Mリン酸ナトリウム、0.1MNaCl、pH7.4
(PBS)中6.3mg)に添加し、混合物を室温で30分間反応
させた。この溶液を引続きPBSの3回の1変更に対し
て透析した.2−ピリジルジスルフィド含量に対する透析
〔D.R.グラセッティ及びJ.F.マレー(Grassetti,D.R.an
d Murray,J.F.)、「生化学及び生物理学の公記録(Arc
hives of Biochemistry and Biophysics)」、199巻、4
1−49頁(1967)及びT.スタックベリー等(Stuchbury
T.et al.)バイオケミカルジャーナル(Biochem.J.)、
151巻、417−432頁(1975)〕は抗体分子当り10.8個の
残基を示した。ウロキナーゼ(0.1M酢酸ナトリウム、0.
1MNaCl、pH4.5中7mg、3.5mg/ml)、20uCi125−Iウロキ
ナーゼ(0.03%のNaN3を含有する0.3mlPBS中0.03mg)
(PBSA)を添加することにより微量標識を付した〔F.C.
グリーンウッド等(Creenwood,F.C.et al.)、バイオケ
ミカルジャーナル(Biochem.J.)、89巻、114−123頁
(1963)〕。この混合物を0.1M酢酸ナトリウム,0.1MNaC
l、pH4.5中の0.23mlの1.0Mジチオスレイトールを添加す
ることにより室温で還元し、PBSA pH4.5により平衡化さ
れたセファデックス(Sephadex)G25(0.7×25cm)上で
脱塩した。カラムからのピーク画分をプールし、(1.1m
g/ml蛋白質を含む4.3ml)〔O.H.ローリー等(Lowry,O.
H.et al.)、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミ
ストリー(J.Biol.Chem.)193巻、265−275頁(195
1)〕、抗体〔2.1mg/ml蛋白質(上掲)を含むPDP−抗
体、2.9ml〕の3−(2−ピリジル)プロピオニル誘導
体と混合した。この混合物を中和し、一晩反応させた。
これらの条件下にウロキナーゼ鎖の固有スルフヒドリル
基は修飾抗体のピリジルジスルフィド基と反応し、その
結果チオピリジンの転位及びジスルフィド含有分子橋の
形成が生ずる。
未複合ウロキナーゼ及びその成分サブユニットをウロ
キナーゼ−抗体複合体(125−I−UK)−SS−(64C5)
からセフアクリル(Sephacryl)S−200(2.5×90cm)
上でのゲル過により分離した。二つの放射性画分が明
瞭に分解された。第一のものは抗体−ウロキナーゼ複合
体を含有し、未複合ウロキナーゼがなかった。SDS−PAG
Eによりその分子の大きさは150KDを越え、それは引続く
オートラジオグラフィー上において放射性であり、それ
がウロキナーゼサブユニットを含有することを示した。
ウロキナーゼの導入はウロキナーゼサブユニットの特異
的放射能により求めたところ、三つの抗体当り平均1モ
ルであった。更にウロキナーゼ活性と抗体との会合の証
拠は合成アミノ末端ベータ鎖フィブリンペプチド(Gly
−His−Arg−Pro−Leu−Asp−Lya−Cys〔K.Y.ヒユイ等
(Hui,K.Y.et al.)、サイエンス(Science)、222巻、
1129−1131頁(1983)〕(BPEPTIDE)をN−マレイミド
−ベンゾイル−リジン−セファロースCL−4B〔T.キタガ
ワ及びT.アイカワ(Kitagawa,T.and Aikawa,T.)、ジャ
ーナル・オブ・バイオケミストリー、日本(J.Biochem.
Japan)79巻、233頁(1976)〕に結合することにより構
成されたカラム上の抗体−ウロキナーゼ複合体のアフィ
ニティクロマトグラフィーにより得られた。このカラム
の溶出液(0.2MグリシンHCl、pH2.8)は放射性であり下
記のアッセイにおいてフィブリン溶解性であった(ウロ
キナーゼの両性質)。同一の方法を用いてウロキナーゼ
及びミオシン−特異性モノクローナル抗体3H3(I−U
K)−SS−(3H3)〔B.H.コー等(Khaw,B.A.et al.),
ハイブリドーマ(Hybridoma)、3巻、11−23頁(198
4)〕を合成及び精製した。
B.フィブリン溶解活性のアッセイ 定量的フィブリン溶解アッセイをフィブリン単量体を
セファロースに結合することにより工夫された。カビ
(Kabi)等級Lフィブリノーゲン(500mg)を50mMリン
酸緩衝液pH7.4に溶解させ、次いでリジン−セファロー
ス上を通過させて微量のプラスミノーゲンを除去した。
この精製フィブリノーゲンを150uCiの125−Iフィブリ
ノーゲン(IBRIN)を添加することにより微量−標識化
し、この混合物を150mlのシアノーゲンブロマイド活性
化セファロース4B−Clに結合させた。十分に洗浄後、こ
のゲルを0.1M Tris0.15MNaCl、0.02%NaN3、pH7.4(TBS
A)中に懸濁させ、この固定化フィブリノーゲンを100mM
CaCl2の存在下にヒトトロンビン(1NIH単位/ml)を添加
することによりフィブリンに転換した。4lの洗浄後、12
5−Iフィブリン−セファロースをTBSA中において0度
で貯蔵した。この置換セファロースは安定であり、ウロ
キナーゼ−含有複合体の不存在下においてインキユベー
ション時に2.5時間で0.1%の放射能を放出し、15時間で
2.1%を放出した。
それらの相対的フィブリン溶解活性を評価するために
増加量の(125−I−UK)−SS−(64C5)及び未複合ウ
ロキナーゼを100μlの125−I−フィブリン−セファロ
ースで4時間インキユベートした。このセファロースを
次いで先ず3mlの0.1M Tris、0.1M NaCl、0.5%のウシ血
清アルブミン及び0.5%Triton X−100を含んでなる溶液
で洗浄し、次いで三つの3mlのTBSAのアリコートで洗浄
した。その後、樹脂を室温において50mMリン酸緩衝液pH
7.4中の精製プラスミノーゲン〔D.G.トイチ等(Deutsc
h,D.G.et al.)、サイエンス(Science)、170巻、1095
−1096頁(1970)〕(0.15mg/ml)でインキユベートし
た。2.5時間或いは15時間後に混合物を遠心分離し、上
澄液の放射能をガンマシンチレーションカウンターにお
いて求めた。この操作を(125−I−UK)−SS−(3H3)
を用いて繰返した。
動力学的情報を得るために0.12mg/mlプラスミノーゲ
ンを含有するTBSA中の(125−I−UK)−SS−(3H3)、
或いは(125−I−UK)−SS−64C5を300μlの125−I
フィブリン−セファロースを含有する(0.3×5cm)カラ
ム上を毎分1mlの速度で再循環させた。示された時間に
おいて、各々1mlの三つの試料を集め、それらの放射能
を測定した。
第1図はフィブリン−セファロースから標識ペプチド
を放出するに必要とされる(125−I−UK)−SS−(64C
5)の濃度は未複合ウロキナーゼのそれの1/100であった
ことを示す。ミオシン抗体複合体(125−I−UK)−SS
−(3H3)は余り未複合ウロキナーゼから異ならなかっ
た。第2図は、(125−I−UK)−SS−(64C5)がフィ
ブリンセファロースからのペプチド放出速度を顕著に高
め、又、これが生理学的濃度におけるフィブリノーゲン
により阻害されないことを示す。Bペプチドは(125−
I−UK)−SS−(64C5)のフィブリン溶解を阻害するの
に対し、それは未複合ウロキナーゼ或いは(125−I−U
K)−SS−(3H3)のフィブリン溶解速度には何等の影響
も及ぼさない(データは示さず)。
C.結論 フィブリンに対して特異的なモノクローナル抗体はフ
ィブリンに対するプラスミノーゲン活性化物質ウロキナ
ーゼを標的にする能力があり、高められた局所的濃度に
よりプラスミン溶解の効率を100倍増大させる。この抗
体は十分にフィブリン特異性であり、その結果フィブリ
ノーゲンの生理学的効果は高められたフィブリン溶解性
を妨害しない。フィブリン溶解有効性はウロキナーゼと
関連性のない特異性のモノクローナル抗体との結合によ
っては高められないが、それはフィブリン−特異性抗体
により認識されるエピトープを表わすペプチドによって
顕著に減少される。
以上本発明を十分に説明したが、本発明の趣旨或いは
範囲或いは如何なる実施態様に影響を及ぼすことなく広
範囲の同等のパラメーター、条件、投与形態、複合体、
抗体、活性化剤などの範囲において実施され得ることが
理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ウロキナーゼ及びフィブリン−特異性抗体
(●、2.5時間;○、15時間)、ウロキナーゼミオシン
抗体複合体(△2.5時間; 15時間)、及び未複合ウロキナーゼ(■2.5時間;□15
時間)によるフィブリン−セファロースからの標識ペプ
チド類の放出を示すグラフである。複合或いは未複合ウ
ロキナーゼ(示した量のウロキナーゼを含有する100μ
l)は100μl125Iフィブリン−セファロースで4時間
インキユベートし、1×3mlの0.1M Tris、0.1M NaCl、
0.5%BSA、0.5%Triton×100及び3×3mlTBSAで洗浄
し、精製プラスミノーゲン(120mg/l)で2.5時間及び15
時間インキユベートした。溶解は放出放射能及び全放射
能の指数として表わされた。各点は三つの独立の決定の
平均標準±偏差を表わす。 第2図は、3.5mg/mlフィブリノーゲンの存在(○)及
び不存在(●)におけるプラスミノーゲン(0.12mg/m
l)及びフィブリン−特異性抗体64C5を含有する溶液の
再循環時におけるフィブリン−セファロースからの標識
ペプチド類の放出を示すグラフである。この実験はフィ
ブリノーゲンの存在下(△)及び不存在下(□)におい
てミオシン−特異性抗体(3H3)を用いて繰返された。
各場合において、再循環流体はいづれかの抗体に結合し
た0.25単位のウロキナーゼ活性/mlを含有していた。各
点は1.6%未満の標準偏差を有する三つの測定値の平均
を表わす。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組織型プラスミノーゲン活性化物質に結合
    された、実質的にフィブリノーゲン交差反応性に欠けた
    フィブリン特異性抗体から成ることを特徴とする生成
    物。
  2. 【請求項2】該抗体がモノクローナル抗体である、特許
    請求の範囲第1項記載の生成物。
  3. 【請求項3】該モノクローナル抗体が細胞系統ATCC HB8
    545,HB8546、又はHB8547から得られる、特許請求の範囲
    第2項記載の生成物。
  4. 【請求項4】下記の生成物と、任意に、薬学的に許容さ
    れた担体及び/又は希釈剤を含んでなる血栓症治療用医
    薬組成物: 組織型プラスミノーゲン活性化物質に結合された、実質
    的にフィブリノーゲン交差反応性に欠けたフィブリン特
    異性抗体から成ることを特徴とする生成物。
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