JP2573488B2 - β−マンナナ−ゼ含有組成物及びその製造法 - Google Patents

β−マンナナ−ゼ含有組成物及びその製造法

Info

Publication number
JP2573488B2
JP2573488B2 JP62042843A JP4284387A JP2573488B2 JP 2573488 B2 JP2573488 B2 JP 2573488B2 JP 62042843 A JP62042843 A JP 62042843A JP 4284387 A JP4284387 A JP 4284387A JP 2573488 B2 JP2573488 B2 JP 2573488B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mannanase
activity
mannan
mannobiose
containing composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62042843A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63209586A (ja
Inventor
和雄 村上
功 日下部
貴根 朴
ゆかり 針生
規男 島田
元宏 竹村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Towa Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Towa Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Towa Chemical Industry Co Ltd filed Critical Towa Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP62042843A priority Critical patent/JP2573488B2/ja
Publication of JPS63209586A publication Critical patent/JPS63209586A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2573488B2 publication Critical patent/JP2573488B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規なβ−マンナナーゼ含有組成物及びその
製造法、更に詳細には、例えばマンナンに作用して医薬
として有用なβ−1,4−マンノビオース(以下、単にマ
ンノビオースということがある)を選択的に産生するこ
とのできるβ−マンナナーゼ含有組成物及びその製造法
に関する。
(従来の技術及びその問題点) マンナンは、マンノースを主な構成成分とする多糖類
の総称であって、植物組織及び酵母の細胞壁等に存在
し、大部分はD−マンノースがβ−1,4−グリコシド結
合している。また、マンノビオースは、D−マンノース
がβ−1,4−グリコシド結合で2個結合した2糖類で、
例えばマンナンを酸素又は酸で部分的に加水分解し、加
水分解液から精製・単離することにより得られる。
従来、このβ−1,4−グリコシド結合を切断する酵素
としては、例えばアスペルギルス属、バチルス属、トリ
コデルマ属、ストレプトミセス属、ペニシリウム属等に
属する微生物が産生するβ−マンナナーゼが知られてい
る。
しかしながら、従来知られているβ−マンナナーゼは
活性が低く、これをマンナン等に作用させた場合、いず
れも加水分解あるいは部分加水分解の結果、マンノビオ
ース以外にD−マンノース、マンノトリオース、その他
のオリゴ糖が生成し、更に糖化率も悪く、特にマンノビ
オースのみ生産する目的には有利なものとは云えなかっ
た。
最近、放線菌であるストレプトミセス・エスピー(St
reptomyces sp.)No.17が産生するβ−マンナナーゼ
は、従来のβ−マンナナーゼに比べマンノビオースを多
量に生成することが報告された〔Japanese Journal of
Tropical Agriculture,29 (3),167−172(1985)〕
が、このβ−マンナナーゼによりコプラマンナンを加水
分解して、D−マンノース12重量%(以下、単に%で示
す)、マンノビオース71%、マンノトリオース9%、オ
リゴ糖8%の糖組成物を得ているにすぎない。つまりス
トレプトミセス・エスピーNo.17の産生するβ−マンナ
ナーゼは、活性が低くマンノビオースの生産効率が悪
い、マンノビオースと共晶を形成するマンノトリオー
スの生産量が多いため、マンノビオースの単離が困難で
ある、及びマンノトリオース同様分離が困難なガラク
トマンノオリゴ糖を生成する等の欠点を有していた。
また、酸による部分加水分解による方法は、マンノビ
オースのみ製造する目的には不適当である点で、従来の
β−マンナナーゼによる方法と同様の欠点を有してい
た。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は、かかる実情において、マンノビオースの
製造に更に適した活性を有するβ−マンナナーゼ含有組
成物を産生する微生物を自然界から検索した結果、フィ
リピンの土壌から分離したペニシリウム(Penicilliu
m)属に属する微生物が、マンナンに対し高い分解活
性を有するβ−マンナナーゼ含有組成物を産生するこ
と、これをマンナン又はマンナン含有天然物に作用さ
せた場合、驚くべきことにマンノトリオースをほとんど
生成せずマンノビオースを選択的に生成すること、か
つ、このβ−マンナナーゼ含有組成物はβ−ガラクト
シダーゼ活性を有するため、コプラマンナンのようなガ
ラストマンナンをマンノビオースにまで加水分解するこ
とができ、ガラクトマンノオリゴ糖を生成しないことを
見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、次の理化学的性質、 作用 β−マンナナーゼ活性及びβ−ガラクトシダーゼ活性
を有し、マンナンに作用して、主としてβ−1,4−マン
ノビオースを生成し、マンノトリオースをほとんど生成
しない。
基質特異性 マンナン、ガラクトマンナンに特異的に作用するが、
キシラン、セルロースには作用しない。
至適pH及び安定pH範囲 至適pHは約5.8、安定pH範囲は約4〜約8である。
至適温度 約40〜約60℃ pHによる失活の条件(30℃) pH5.8で3時間保持した時の活性を100%とするとき、
pH2で約65%、pH4で約90%及びpH8で約95%の活性があ
る。
温度による失活の条件(pH5.8) 温度50℃で3時間保持した時の活性を100%とすると
き、40℃で約100%、70℃で約40%の活性がある。
を有することを特徴とする、β−マンナナーゼ含有組成
物及びその製造法を提供するものである。
本発明のβ−マンナナーゼ含有組成物は、ペニシリウ
ム属に属するβ−マンナナーゼ生産菌を培養し、培養物
からβ−マンナナーゼ含有組成物を得ることにより製造
される。
ペニシリウム属に属するβ−マンナナーゼ生産菌とし
ては、例えばペニシリウム・パープルゲナム(Penicill
ium purpurogenum)、ペニシリウム・クリソゲナム(P.
chrysogenum)、ペニシリウム・エクスパンサム(P.exp
ansum)、ペニシリウム・フニクロサム(P.funiculosu
m)、ペニシリウム・イサリフォーム(P.isariiform
e)、ペニシリウム・オクロ−クロロン(P.ochro−chlo
ron)、ペニシリウム・ピスカリウム(P.piscarium)、
ペニシリウム・バルクロサム(P.verruculosum)、ペニ
シリウム・フォートマンニ(P.wortmanni)等が挙げら
れる。例えば、ペニシリウム・パープルゲナムNo.618は
本発明者が見出した新菌株であって、次の菌学的性質を
有する。
(1)培地における生育状態 麦芽寒天培地 麦芽寒天培地での生育は5℃では全く起こらず、25℃
では7日間でコロニーの直径が3〜4cmに達する。性状
はビロード状である。14日間でコロニーの直径は7〜8c
mに達し、中心部より順次分生子形成し、それに従って
くすんだ黄緑色、かんらん緑色、灰緑色等を生ずる。集
落裏面に一部赤色部があり、りんご様の芳香がする。37
℃の生育では7日間ではコロニーの直径が5〜6cmに達
する。14日間ではコロニーの直径が8〜9cmに達し、良
く分生子形成し、色は黄緑から灰緑色になる。コロニー
の裏面は中心部が赤色である。
ツァペック寒天培地 ツァペック寒天培地での生育は5℃では全く起こらな
い。25℃では7日間でコロニーは直径1〜2cmに達し、
性状はビロード状である。14日間ではコロニーの直径が
3〜4cmに達するが分生子は形成しない。37℃の生育は
7日間ではコロニーの直径が1〜2cmである。14日間で
コロニーは4〜5cmに達し中心部が灰緑色となる。
ワックスマン氏寒天培地 ワックスマン氏寒天培地での生育は5℃では起こらな
い。25℃では7日間でコロニーの直径が4〜5cmに達
し、コロニーの性状は白いビロード状である。14日間で
はコロニーの直径は7〜8cmに達し、分生子部分の色は
灰緑色で、コロニーの裏面は赤色である。37℃の生育で
は7日間でコロニーの直径が4〜5cmに達し、性状はビ
ロード状である。14日間でコロニーの直径は7〜8cmに
達し、コロニーの分生子部分は灰緑色となる。
ポテト・デキストロース寒天培地 ポテト・デキストロース寒天培地での生育は5℃では
起こらない。25℃では7日間でコロニーの直径は5〜6c
mに達し、性状は白いうすいビロード状である。14日間
ではコロニーの直径は8〜9cmに達する。37℃の生育で
は7日間でコロニーの直径が5〜6cmに達し、性状は白
いビロード状である。14日間でコロニーの直径は8〜9c
mに達する。分生子の形成は少ない。
(2)生理的、生態的性質 最適生育条件 pH5〜7 温度32〜37℃ 生育の範囲 pH4〜8 温度15〜45℃ その他、顕著な特徴 マンナン含有培地での培養によりβ−マンナナーゼを
菌体外に生産する。
(3)顕微鏡的所見 分生子柄 滑面で直径は100〜150×2.5〜3μである。
ペニシリ 対称の複輪生体である。
メトレ 4〜6本の束生を持ち、直径は10〜15×3μである。
フィアライド 4〜6本の輪生を持ち直径は10〜12×2〜2.5μであ
る。
分生子 形状は亜球形で直径は2.5〜3×2.5〜3μである。
以上の菌学的性質を「ア・マニュアル・オブ・ザ・ペ
ニシリア(A MANUAL OF The PENICILLIA)」(1949)
〔ケネス ビー.レーパー及びチャールズ トム(KENN
ETH B.RAPER and CHARLES THOM)〕、「ザ・ジーナス・
ペニシリウム・アンド・イッツ・テレオモルフィック・
ステーツ・ユーペニシリウム・アンド・タラロミセス
(The genus PENICILLIUM and it's teleomorfhic stat
es eupenicillium and talaromyces)」(1979)〔ジョ
ン アイ.ピット(JHON I.PITT)〕及び「菌類図鑑
(下)」(1978)(椿啓介他)に照合し、その菌種を検
索したところ、本菌株は、ペニシリウム・パープルゲナ
ムに属する。
更に、本菌株は、近似するペニシリウム・パープルゲ
ナム・ストール(Penicillium perpurogenum stall)と
比較すると、ペニシリウム・パープルゲナム・ストール
は、37℃での培養では25℃での培養に比べ生育が悪く、
また、麦芽寒天培地で集落裏面は無色でツァペック培地
で裏面が赤くなると上記文献に記載されているが、本菌
株では、逆に37℃で生育状態が良く、また麦芽寒天培地
で集落裏面に赤い色素を生産する点で相異する。
従って、本発明者は、本菌株をペニシリウム・パープ
ルゲナムNo.618と命名し、工業技術院微生物工業技術研
究所に微工研菌寄第9189号(FERM P−9189)として寄託
した。
本発明のβ−マンナナーゼ含有組成物を得るには、ペ
ニシリウム属に属する微生物を栄養源含有培地に接種し
て好気的に培養し、培養液、特に好ましくは培養ろ液を
採取する。
培養に使用される栄養源としては、例えばコプラミ
ル、ヤシ殻等由来のマンナン等が好ましい。コプラミル
とは、ココナツヤシより油脂を搾油した残渣で通常マン
ナンを約45〜50%含有している。窒素源としては、例え
ば尿素、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、酵母エ
キス、ペプトン、コーンステープリカー等を使用するこ
とができる。培地としては、更にリン酸二水素カリウ
ム、硫酸マグネシウム等の無機塩類を含むものが好適に
使用される。
培養は、好ましくは培養温度30〜40℃、特に好ましく
は32〜37℃、初発pH5〜6で振盪培養等により行なうこ
とができる。かかる条件で培養を行なえば、培養ろ液の
β−マンナナーゼ活性は、通常培養5日前後で最高に達
する。
かくして得られるβ−マンナナーゼ含有組成物を、マ
ンナン又はマンナン含有天然物に作用させれば、マンノ
ビオースを主成分とする加水分解液が得られる。
マンナンとしては、例えばココナツヤシ殻、ぞうげヤ
シ殻、針葉樹等に由来するものが挙げられる。また、マ
ンナン含有天然物としては、例えばココナツヤシ殻、ぞ
うげヤシ殻等のマンナンを含有するものであれば何れを
も使用できるが、大量に生産され容易に入手できるもの
としてコプラミルが特に好適である。
かくして得られた加水分解液には、マンノトリオース
がほとんど含まれないため、主としてD−マンノースの
除去を行なえば、D−マンノースを除去した後加水分解
液を濃縮、結晶化処理することにより、通常純度が98%
以上のマンノビオースが単離できる。
(作用) 本発明のβ−マンナナーゼ含有組成物が、これをマン
ナン等に作用させた場合に、後記参考例に示す如く、マ
ンノビオースを極めて選択的に生成する作用機序は次の
ようであると考えられる。すなわち、本発明のβ−マン
ナナーゼ含有組成物のβ−マンナナーゼはエンド型β−
マンナナーゼと考えられる。そして、このエンド型β−
マンナナーゼはマンナンをランダムに切断する。しか
し、一旦生成したマンノビオースには全く作用せず、マ
ンノトリオースへの作用性がやや弱い。一方、マンノー
ス単位に切断されたものは再結合によって2糖以上の糖
に合成される。このため、通常は、最終的にはマンノビ
オースとマンノトリオースの混合物が生成する。
しかしながら、本発明のβ−マンナナーゼ含有組成物
の活性は極めて高いため、マンノトリオースの生成量が
少なくなっている。このβ−マンナナーゼ含有組成物の
活性は、例えばこれにマンナン等のみ加えることにより
作用させる場合、8u/培養液ml以上であることが好まし
く、活性の低下に従いマンノトリオースの生成量は増加
する。
このことは、例えば後記参考例2において、培養液を
希釈し、酵素活性を低下させた以外は実施例1と同様に
マンナンに作用させたところ、48時間加水分解後のろ液
中の糖含有量が減少したのみならず、マンノトリオース
含有率が増加したことによって裏づけられる。
(実施例) 次に実施例、参考例及び比較例により本発明を説明す
る。
なお、本発明のβ−マンナナーゼ含有組成物の活性は
次に示す方法で測定した。
pH5.8のマックルベインバッファー水溶液4ml、蒸溜水
5mlと粉砕した脱脂コプラミル150mgを15分間50℃でイン
キュベートし、被検液1mlを加え50℃で30分間反応させ
た。反応液に生じた還元糖をソモギー法により定量す
る。被検液1mlが1分間に還元糖1mgを遊離する時の値を
1単位(u)と定義する。
参考例1 β−マンナナーゼ生産菌、ペニシリウム・パープルゲ
ナムNo.618は、次の方法により分離した。
フィリピンの土壌0.5gを滅菌水10mlで懸濁し、その0.
5mlを滅菌水10mlに懸濁し、更にその0.5mlを滅菌水10ml
に懸濁し、その一滴をシャーレ中のマンナン寒天培地に
滴下し、表面に広げる。生えてきたコロニー中周囲に透
明帯(マンナン溶解部分)のあるものを分離、採取し、
約500検体をスラント化した。この各スラントを100ml坂
口フラスコで振盪培養を行ないβ−マンナナーゼ活性を
測定し、活性のあるものを50検体選択した。更に100ml
坂口フラスコで振盪培養を行ないβ−マンナナーゼ活性
を測定し、最も活性のある本菌を得た。
実施例1 コプラミル4%、KH2PO4 1%、MgSO4・7H2O 0.05%、
ペプトン0.9%、酵母エキス0.2%、コーンステープリカ
ー0.5%からなる液体培地(pH5.4)100mlを500ml坂口フ
ラスコに採取し、定法により加熱殺菌した。これにペニ
シリウム・パープルゲナムNo.618の1白金耳を接種し、
35℃で5日間振盪培養した。この培養液をろ過した後マ
ンナンの加水分解活性を測定したところ14.8u/培養液ml
であった。
参考例2 5のジャファーメンターにコプラミル4%、KH2PO4
1%、MgSO4・7H2O 0.05%、ペプトン0.9%、酵母エキ
ス0.2%、コーンステープリカー0.5%からなる液体培地
(pH5.4)3を入れ、定法により加熱殺菌した。これ
を実施例1と同じ方法で調整した培養液300mlを種菌と
して接種した後、35℃で4日間培養した。この培養液の
酵素活性を測定したところ16.2u/培養液mlであった。
この培養液をろ過したところ2.8のろ過液が得られ
た。このろ過液にコプラミル280gを加え、pH5.8、50℃
で48時間加水分解した後ろ過したところ2.5のろ過液
を得た。このろ過液を液体クロマトグラフィーで分析し
たところ下記の糖組成であった。
D−マンノース 1.2% マンノビオース 84.2% マンノトリオース 1.9% その他の単糖 12.7% 参考例3 参考例2で得られた加水分解ろ過液1にパン酵母2g
を加え35℃で2日間培養した。この資化液をろ過した後
糖組成を分析したところ次の通りであった。
D−マンノース 0.1% マンノビオース 91.5% マンノトリオース 2.1% その他の単糖 6.3% このろ過液を75%迄濃縮したところ59gの濃縮液が得
られた。この濃縮液に30mlのエタノールを加え1日間結
晶化させたところ23.5gのマンノビオースが得られた。
このものの純度は98.1%、融点191〜192℃であった。
参考例4 参考例2で得られた加水分解ろ過液1を定法により
イオン交換樹脂で脱塩した後50%迄濃縮したところ88g
の濃縮液が得られた。
次にポリスチレンスルフォン酸型陽イオン交換樹脂SK
・IBS(三菱化成工業(株)製、50〜100メッシュ)300m
lをジャケット付きカラム(内径2.4cm×長さ80cm)に充
填し、これに5%塩酸水溶液を流し水洗した後、次いで
5%水酸化ナトリウム水溶液を流し水洗して樹脂をナト
リウム型とした。このカラムを60℃に保温しながら上記
で調製した濃縮液30gを塔上部より供給し、次いで水で
連続的に溶出してフラクションコレクターにより分画し
た。この際の溶出液の流速は100ml/時で、各分画容量は
10mlであった。各フラクションを液体クロマトグラフィ
で分析した。その結果を第1表及び第1図に示す。
このフラクションNo.14〜22を集めた液の糖組成は次
の通りであった。
D−マンノース 0.6% マンノビオース 90.5% マンノトリオース 2.5% その他の単糖 6.4% この液を75%迄濃縮したところ12.3の濃縮液が得られ
た。この濃縮液にエタノール6mlを加え1日間結晶化し
たところ7.6gのマンノビオースが得られた。純度は98.2
%、融点191〜192℃であった。
比較例1 実施例1において、β−マンナナーゼ生産菌として、
ペニシリウム・パープルゲナムNo.618の代りにストレプ
トミセス・エスピーNo.17を用いた以外は実施例1と同
様に操作して培養液を得た。次いでこの培養液を種菌と
して用いて参考例2と同様にして培養液を得た。この培
養液のβ−マンナナーゼ活性は5.3u/培養液mlであっ
た。
従って、本発明のβ−マンナナーゼ含有組成物は、ス
トレプトミセス・エスピーNo.17の培養液に比べ3倍以
上のβ−マンナナーゼ活性を有することが明らかとなっ
た。
更にこの培養液をろ過し2.7のろ液を得た。このろ
液にコプラミル140℃を加え、pH6.8、40℃で48時間加水
分解した後ろ過したところ、2.5のろ液を得た。この
ろ液の糖組成は下記のようであった。
D−マンノース 10.5% マンノビオース 63.5% マンノトリオース 9.8% オリゴ糖 11.2% その他の単糖 5.0% 従って、本発明のβ−マンナナーゼ含有組成物を用い
れば、マンノトリオース及びオリゴ糖(主にガラクトマ
ンノオリゴ糖)をほとんど含まない糖液を製造できるこ
とが明らかとなった。
(発明の効果) 叙上の如く、本発明のβ−マンナナーゼ含有組成物
は、ペニシリウム属の微生物由来のβ−マンナナーゼを
含有するものと考えられるため、マンナン等を加水分解
してマンノビオースを選択的に生成し、ほとんどマンノ
トリオース及びガラクトマンノオリゴ糖を生成しない。
従って、加水分解後の糖組成物から、簡易な操作で高純
度のマンノビオースを得ることができる。
マンノビオースは、従来試薬として市販されておら
ず、従って用途開発研究が行なわれてなかった。近年、
動物細胞壁に存在する糖鎖の研究が進み、糖鎖が抗原抗
体に関与していることが判明した。この糖鎖中にはマン
ノビオース骨格が存在しており、マンノビオースが安価
に製造出来るならばこの糖鎖の合成原料として使用でき
る。更に転移酵素を使用することによりマンノースを含
む新規な糖を製造することができ、医薬品として有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は参考例4における糖を含む濃縮液の溶出曲線を
示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:80) (72)発明者 島田 規男 東京都足立区大谷田1−1−2−1004 (72)発明者 竹村 元宏 北本市下石戸下615−8

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の理化学的性質、 作用 β−マンナナーゼ活性及びβ−ガラクトシダーゼ活性を
    有し、マンナンに作用して、主としてβ−1,4−マンノ
    ビオースを生成し、マンノトリオースをほとんど生成し
    ない。 基質特異性 マンナン、ガラクトマンナンに特異的に作用するが、キ
    シラン、セルロースには作用しない。 至適pH及び安定pH範囲 至適pHは約5.8、安定pH範囲は約4〜約8である。 至適温度 約40〜約60℃ pHによる失活の条件(30℃) pH5.8で3時間保持した時の活性を100%とするとき、pH
    2で約65%、pH4で約90%及びpH8で約95%の活性があ
    る。 温度による失活の条件(pH5.8) 温度50℃で3時間保持した時の活性を100%とすると
    き、40℃で約100%、70℃で約40%の活性がある。 を有することを特徴とする、β−マンナナーゼ含有組成
    物。
  2. 【請求項2】ペニシリウム属に属するβ−マンナナーゼ
    生産菌を培養し、培養物から次の理化学的性質、 作用 β−マンナナーゼ活性及びβ−ガラクトシダーゼ活性を
    有し、マンナンに作用して、主としてβ−1,4−マンノ
    ビオースを生成し、マンノトリオースをほとんど生成し
    ない。 基質特異性 マンナン、ガラクトマンナンに特異的に作用するが、キ
    シラン、セルロースには作用しない。 至適pH及び安定pH範囲 至適pHは約5.8、安定pH範囲は約4〜約8である。 至適温度 約40〜約60℃ pHによる失活の条件(30℃) pH5.8で3時間保持した時の活性を100%とするとき、pH
    2で約65%、pH4で約90%及びpH8で約95%の活性があ
    る。 温度による失活の条件(pH5.8) 温度50℃で3時間保持した時の活性を100%とすると
    き、40℃で約100%、70℃で約40%の活性がある。 を有する、β−マンナナーゼ含有組成物を得ることを特
    徴とするβ−マンナナーゼ含有組成物の製造法。
  3. 【請求項3】ペニシリウム属に属するβ−マンナナーゼ
    生産菌がペニシリウム・パープルゲナムNo.618(微工研
    菌寄第9189号)である特許請求の範囲第2項記載のβ−
    マンナナーゼ含有組成物の製造法。
JP62042843A 1987-02-27 1987-02-27 β−マンナナ−ゼ含有組成物及びその製造法 Expired - Lifetime JP2573488B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62042843A JP2573488B2 (ja) 1987-02-27 1987-02-27 β−マンナナ−ゼ含有組成物及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62042843A JP2573488B2 (ja) 1987-02-27 1987-02-27 β−マンナナ−ゼ含有組成物及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63209586A JPS63209586A (ja) 1988-08-31
JP2573488B2 true JP2573488B2 (ja) 1997-01-22

Family

ID=12647276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62042843A Expired - Lifetime JP2573488B2 (ja) 1987-02-27 1987-02-27 β−マンナナ−ゼ含有組成物及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2573488B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DK48693D0 (da) * 1993-04-30 1993-04-30 Novo Nordisk As Enzym
JP2002171989A (ja) * 2000-12-08 2002-06-18 Kirin Brewery Co Ltd 新規β−マンナナーゼ遺伝子およびその使用

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63209586A (ja) 1988-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0518554B2 (ja)
JPH0365754B2 (ja)
EP0454702A1 (en) METHOD FOR PRODUCING XYLITOL FROM MIXTURES CONTAINING XYLOSE.
JPH0412707B2 (ja)
CA1120875A (en) Method for ethanol fermentation
US3622463A (en) Production of extracellular glucose isomerase by streptomyces
JP2591948B2 (ja) β−1,4−マンノビオースの製造法
US4224410A (en) Method for ethanol fermentation
LU83094A1 (fr) Procede pour la fabrication de l'enzyme alpha-galactoxydase et procede pour l'hydrolyse du raffinose par utilisation de cet enzume
JPH047191B2 (ja)
JP2573488B2 (ja) β−マンナナ−ゼ含有組成物及びその製造法
US4562150A (en) Method for manufacture of cellulase
JP2591956B2 (ja) β−1,4−マンノトリオースの製造方法
JP3761236B2 (ja) 新規なβ−グルコシダーゼ、その製造法および用途
RU2026348C1 (ru) Штамм бактерий serratia marcescens - продуцент хитиназы
KR20020032260A (ko) 토양에서 분리한 바실러스속 에이치에스비-21 균주 및키토산아제
JPH0379991B2 (ja)
KR790001609B1 (ko) 셀루로즈를 함유하는 물질을 원료로한 자이로즈 및 에틸알코올의 동시 제조방법
KR100227040B1 (ko) 토양에서 분리한 바실러스 속 gm44 균주 및 그로부터 분리된 키토산아제
JP3494686B2 (ja) イソマルトシルフラクトシドの製造法
JP3812954B2 (ja) イソマルトシルフラクトシドの製造方法
JPH0437719B2 (ja)
JPS6024711B2 (ja) 新規セルラ−ゼ及びその製造法
US5604128A (en) Isolated cultures of Pestalotiopsis funerea IFO 5427 and Pestalotiopsis negleta FERM BP-3501
JPH0824574B2 (ja) キシログルカン分解酵素の製造法、及びキシログルカン分解酵素

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term