JP2572828C - - Google Patents

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JP2572828C
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光ヘッドに関し、特に、光ヘッドを構成する光学素子と光検出素子
との固定技術に適用して有効な技術に関する。 〔従来の技術〕 たとえば、コンパクトディスク装置,ビデオディスク装置,ディジタル光ディ
スク装置などの情報記録・再生装置においては、周知のように、レーザ光を記 憶媒体であるディスクに照射したり、ディスクからの反射光を検出することで、
レーザ光の空間的および時間的な高い分解能などを利用して、情報の高密度の記
録および再生などを行う構造となっている。 その場合、媒介となるレーザ光のディスクに対する焦点合わせや、情報の記録
領域であるトラックに対する追従動作の制御を精度良く行うことが、高い記録密
度を実現する上で必須となる。 このため、一般には、ディスクからの反射光の一部をビームスプリッタなどに
よって複数の光路に分岐させるとともに、個々の分岐光の光路上には、ディスク
に対する焦点位置の変動やトラックに対する位置ずれが出力に反映するように複
数のホトダイオードなどを配置し、個々のホトダイオードからの出力の変動や相
互のバランスの変化などを監視して、上記のような各種制御を行わせている。 したがって、上記のような焦点合わせやトラックに対する追従性の精度を確保
するためには、組立時におけるビームスプリッタとホトダイオードとの位置関係
を精密に調整するとともに、調整時の位置関係を損なわないように固定すること
が必要となる。一般には、レーザ光源やビームスプリッタなどの光学素子が固定
される筐体の一部にホトダイオードの基板をねじ止めすることが行われているが
、この場合にも、たとえば、特開昭59−223956号公報に開示されるよう
に、ホトダイオードを支持する基板と筐体との線膨張係数を等しくして温度変化
による位置関係の変化を防止するなどの配慮がなされている。 〔発明が解決しようとする課題〕 ところが、上記の従来技術のように、ホトダイオードの基板をねじ止めによっ
て筐体の一部に固定する方法では、組立時におけるビームスプリッタなどの光学
素子に対するホトダイオードの位置の調整に際してはねじをゆるめて可動状態に
し、調整完了後にねじを締めつけて固定するという手順を踏むことになるため、
せっかく調整したホトダイオードの位置が最終的なねじ締め作業の外力によって
最適な状態からずれることが懸念されるという問題がある。 また、光学素子とホトダイオードとを個別に筐体に同定する方法では、組立作
業の簡略化および光学系全体の寸法の小型化には限度があり、光ヘッド、さらに
はそれを使用する情報記録再生装置の製造工程の合理化および小型化を充分に 達成できないという問題もある。 そこで、本発明の目的は、組立時および稼働中における光学素子と光検出素子
との位置ずれを確実に防止することが可能な光ヘッドを提供することにある。 本発明の他の目的は、製造工程の合理化および寸法の小型化を実現することが
可能な光ヘッドを提供することにある。 本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添
付図面から明らかになるであろう。 〔課題を解決するための手段〕 本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば
、下記のとおりである。 すなわち、第1の実施例になる光ヘッドは、対象物に対して光を照射する光源
と、対象物からの反射光または透過光を分離する光学素子と、この光学素子を介
して入射する反射光または透過光を電気的な信号に変換する光検出素子とからな
る光ヘッドであって、光検出素子を光透過性の接着剤を介して光学素子に固定し
たものである。 また、請求項4記載の本発明の光ヘッドは、光源と、この光源から放射される
光を対象物に導く第1の光分離面と対象物からの反射光を分岐させる第2の光分
離面とを備えた光学素子と、分岐された反射光を電気的な信号に変換する光検出
素子とからなり、光源および光検出素子を光透過性の接着剤を介して光学素子に
同定したものである。 〔作用〕 上記した第1の実施例の光ヘッドによれば、たとえば、接着剤として紫外線硬
化性樹脂を用いるとともに、光学素子と光検出素子との間に充填された接着剤が
硬化する前の可動状態で当該光学素子に対する光検出素子の位置合わせを行い、
この位置合わせ作業の完了後に紫外線を照射して接着剤を硬化させることにより
、なんら外力を作用させることなく、光学素子に対して光検出素子を確実に固定
することが可能となり、組立時における光学素子と光検出素子との位置ずれを確
実に防止することができる。 また、光学素子と光検出素子とが直接的に固定されるので、両者間に温度や 湿度などの変動によって変形しやすい筐体などの部材が介在せず、稼働中におけ
る光学素子と光検出素子と位置関係を安定に維持することができるとともに、ね
じ止めなどの方法に比較して、組立工程の簡略化および寸法の小型化を実現する
ことができる。 また、請求項4記載の本発明の光ヘッドによれば、光源および光学素子さらに
は光ヘッドなどの構成要素が接着剤を用いた固定により一体化されているので、
組立時および稼働中における光学素子と光検出素子との位置ずれを確実に防止す
ることができるとともに、レンズなどの光学素子の削減および全体の光路長の短
縮などが可能となり、ねじ止めなどの方法に比較して組立工程の簡略化および構
造の簡略化,寸法の小型化を実現することができる。 〔実施例1〕 第1図は、本発明の一実施例である光ヘッドの構成の一例を示す斜視図であり
、第2図は、その要部を取り出して示す側面図である。 たとえば、レーザーダイオードなどからなる光源1から放射される光2の光路
上には、光源1から到来する光2を平行光にするコリメートレンズ3と、前記光
2と同一の光路を辿って逆進する後述の反射光2aを当該光2から分離するビー
ムスプリッタ4と、光2の光路をほぼ90度だけ屈曲させる反射鏡5と、この反
射鏡5を経て到来する光2を収束して、たとえば光ディスクなどからなる記憶媒
体7にほぼ垂直に照射する対物レンズ6とが設けられている。 対物レンズ6は、記憶媒体7に入射する光2の光軸方向に変位自在にされてお
り、図示しない駆動機構によって当該変位を精密に制御することにより、当該対
物レンズ6によって記憶媒体7に収束される光2の焦点位置が調整される構造と
なっている。 さらに、反射鏡5は、図示しない駆動機構によって光2の光路に対する反射面
の角度が精密に制御可能にされており、たとえば、記憶媒体7としての光ディス
クの径方向における光2の入射位置が微調整されるように構成されている。 また、記憶媒体7にほぼ垂直に照射される光2が当該記憶媒体に反射されて生
じる反射光2aは、対物レンズ6および反射鏡5を経てビームスプリツタ4に至
り、当該ビームスプリッタ4の反射面4aにおいて光2の光路に対してほぼ9 0度の方向に分岐されている。 なお、第1図においては特に図示しないが、ビームスプリッタ4と反射鏡5と
の間には、光2および反射光2aが通過する毎に、当該光2および反射光2aの
位相を1/4波長分だけずらす働きをする1/4波長板が介設されており、往復
で反射光2aの位相を光2に対して1/2だけずらして当該反射光2aの偏光方
位と光2の偏光方位とに差異を生じさせることにより、ビームスプリッタ4の反
射面4aにおいて反射光2aが選択的に分岐されるものである。 ビームスプリッタ4において光2の光路から分岐された反射光2aの光路には
、当該反射光2aを収束する集光レンズ8と、当該反射光2aの光路を光源1か
らビームスプリッタ4に至る光路にほぼ平行な方向にしてビームスプリッタ10
に導く反射鏡9が設けられている。 前記ビームスプリッタ10には、反射光2aの光軸方向に所定の距離をなす複
数の光分離面10aおよび光分離面10bが設けられており、光分離面10aに
おいては元の反射光2aのほぼ1/2の光量の反射光2bが分岐され、光分離面
10bでは、残り1/2の光量を有する反射光2cが、前記光分離面10aにお
いて分岐された反射光2bと同じ方向にほぼ全反射される構造となっている。 ビームスプリッタ10には、当該ビームスプリッタ10において反射光2aが
分岐されて構成される反射光2bおよび反射光2cの光路に、受光面11aおよ
び受光面12aが一致するように、複数の光検出素子11および光検出素子12
が装着されている。 複数の光検出素子11および12の受光面11aおよび12aは、第3図(a)
および(b)に示されるように、それぞれ複数の独立に入射光の光量を電気的な信
号に変換する動作を行う受光領域11b,11c,11d,11eおよび12b
,12c,12d,12eで構成されている。 また、複数の光検出素子11および12の受光面11aおよび12aは、収光
レンズ8の焦点位置の前後にはぼ等距離の位置となるように、ビームスプリッタ
10における光分離面10aおよび10bの位置が設定されている。 すなわち、受光面11aおよび受光面12aにスポット状に入射する反射光2
bおよび反射光2cの径が、対物レンズ6の焦点が記憶媒体7に一致した状態 では等しくなり、当該焦点位置のずれによって反射光2bおよび2cの入射領域
の径が互いに逆方向に変化するようになっており、受光面11aにおける受光領
域11bおよび11cの出力の和と、受光面12aにおける受光領域12bおよ
び12cの出力の和の差分を監視することで、対物レンズ6の記憶媒体7に対す
る焦点位置のずれを把握し、このずれを補正するように当該対物レンズ6の光軸
方向の変位が制御されるものである。 また、記憶媒体7からの反射光2a(2b,2c)には、たとえば、当該記憶
媒体7のトラック位置に長さ方向に刻設された溝による一次回折光成分Aおよび
Bが第3図(a)および(b)において二重のハッチングが施されるように含まれてお
り、この一次回折光成分AおよびBの反射光2bおよび2cのスポット領域にお
ける面積は、トラックの中心部に光2が照射される状態では等しくなり、トラッ
クの幅方向における光2の照射位置のずれは、両者の面積に差異として反映され
るようになっている。 そして、光検出素子11および12の受光面11aおよび12aにおける受光
領域11d,11eおよび受光領域12d,12eの各々は、この一次回折光成
分AおよびBが独立に照射される位置に位置決めされ、たとえば、一方の受光面
11aにおける受光領域11dと11eとにおける出力が均衡するように、反射
鏡5の角度を調整することにより、トラックに対して光2の照射位置を追従させ
る、いわゆるトラッキング制御が行われるものである。 また、記憶媒体7に記録されている目的の情報の再生は、当該情報に対応して
変化する反射光2c(2a)の光量を、他方の光検出素子12における受光領域
12dおよび12eの出力の和として検出することにより行われる。 このため、反射光2aから複数の反射光2bおよび2cを分離するビームスプ
リッタ10に対する複数の光検出素子11および12の相対的な位置精度を確保
することが重要となる。 そこで、本実施例の場合には、第2図に示されるように、複数の光検出素子1
1および光検出素子12を、たとえば、紫外線硬化性樹脂などからなる接着剤1
3を介して、次のようにビームスプリッタ10に対して一体に固定する。 すなわち、まず、接着剤13を介して大まかな位置に複数の光検出素子12 および13を密着させ、その状態で、たとえば標準的な反射光2a(2b,2c
)に相当する図示しない検査光などの当該光検出素子11および12における複
数の受光領域11b,11c,11d,11eおよび受光領域12b,12c,
12d,12eにおける検出レベルの変化などを観察しながら、光検出素子11
および12の最適な固定位置を見出す。 その後、その最適な位置を保持したままで、ビームスプリッタ10と複数の光
検出素子11および12との間に介在する接着剤13に紫外線14を照射し、接
着剤13を硬化させて当該光検出素子11および光検出素子12をビームスプリ
ッタ10に安定に固着させる。 ここで、従来のようにねじ締めなどによって光検出素子11および12をビー
ムスプリッタ10が固定される図示しない筐体に固定する場合には、位置調整後
の最終的なねじの締めつけ作業において作用する外力によってせっかく設定した
光検出素子11および12の位置がずれるなどの懸念がある。 ところが、本実施例の場合には、上述のように、ビームスプリッタ10との間
に介在する接着剤13が未だ硬化せず光検出素子11および12の可動状態にお
いて装着位置の調整を行い、調整完了後に紫外線14を照射することで、なんら
外力を作用させることなく、光検出素子11および12をビームスプリッタ10
に対して安定に固定することができ、ビームスプリッタ10に対する光検出素子
11および12の最適な装着位置からの位置ずれの懸念がまったくない。 また、複数の光検出素子11および12が接着剤13を介してビームスプリッ
タ10に直接的に固定されるため、たとえばビームスプリッタ10と複数の光検
出素子11および12とを筐体などに個別に固定する場合のように、筐体の熱変
形なとによって稼働中に両者の位置関係が最適な位置からずれることもなく、本
実施例の光ヘッドを使用する情報記録再生装置の動作の信頼性が向上する。 また、ビームスプリッタ10に対して、複数の光検出素子11および12が接
着により固定されるため、ねじ締めなどの方法に比較して、組立工程の簡略化お
よび自動化などが容易となる。 なお、上述のような方式による光2の記憶媒体7に対する焦点調整およびトラ
ックに対する追従動作の制御技術については、特願昭60−63578号に詳 細に説明されている。 〔実施例2〕 第4図は、本発明の他の実施例である光ヘッドの構成の一例を示すものであり
、第5図は、その要部の拡大図である。 筐体20には、光ディスクなどの記憶媒体7に対してほぼ垂直に後述の光源2
1からの光22を収束させて照射する対物レンズ23と、当該光源21から放射
される光22を平行光にして対物レンズ23に導くとともに、前記光22の記憶
媒体7からの反射光22aを収束する作用をなすコリメートレンズ24とが光軸
をほぼ一致させて支持されている。 対物レンズ23は、可動機構23aを介して筐体20に支持されており、光軸
方向すなわち記憶媒体7の平面に垂直な方向および当該記憶媒体7の平面方向に
おける変位が図示しない変位制御機構によって制御される構造となっている。 また、対物レンズ23と、コリメートレンズ24との間には、1/4波長板2
4aが介設されており、当該1/4波長板24aを透過して記憶媒体7に照射さ
れる光22と、当該1/4波長板24aを往復で2回透過することになる反射光
22aとの偏光角に差異を生じさせる作用をなしている。 この場合、筐体20には、対物レンズ23およびコリメートレンズ24の光軸
上に位置されるブロック状のビームスプリッタ25が固定されている。 さらに、このビームスプリッタ25の異なる側面には、光源21および反射光
22aを検出する光検出素子26が、たとえば接着剤27および紫外線硬化性樹
脂などからなる接着剤28を介して一体に接着されて支持されている。 すなわち、光源21は、発光素子21aを保護するカバー21bが接着剤27
によってビームスプリッタ25に固定されており、このカバー21bに設けられ
たカバーガラス21cを介して光22が外部に導き出される構造となっている。 また、光検出素子26は、前記実施例1の場合と同様の手順で、受光面26a
をコリメートレンズ24および対物レンズ23の方向に向けた姿勢で接着剤28
を介してビームスプリッタ25に密着した状態で固定されている。 本実施例2の場合、第4図に示されるように、ビームスプリッタ25は、対 物レンズ23およびコリメートレンズ24の光軸にほぼ45度の角度をなす複数
の第1の光分離面25aおよび第2の光分離面25bを備えており、第1の光分
離面25aは光源21から放射された光22をコリメートレンズ24および対物
レンズ23の側に反射するとともに、1/4波長板24aの作用による光22と
反射光22aとの偏光方位の差異により、反射光22aを第2の光分離面25b
の側に透過させる作用をしている。 また、第2の光分離面25bは、第1の光分離面25aを透過して到来する反
射光22aの一部をそのまま透過させて反射光22bとして前記光検出素子26
の受光面26aに入射させるとともに、一部の反射光22aを元の光路と直角の
方向に分岐させ、反射光2cとして前記第1の光分離面25aの一部に設けられ
た全反射面25cを介して、光検出素子26の受光面26aの異なる位置に導く
作用をしている。 この光検出素子26における受光面26aの一例を示すものか第5図である。 同図に示されるように、受光面26aは、第2の光分離面25bを透過する反
射光22bがスポット状に入射する領域に設けられた複数の受光領域27a,2
7bおよび28と、第2の光分離面25bに反射された反射光22cがスポット
状に入射される領域に設けられた複数の受光領域29a,29bと30a,30
bとを備えており、前記実施例1の場合と同様に、以下のようにして、記憶媒体
7に照射される光22の焦点位置および記憶媒体7の図示しないトラックに対す
る照射位置の追随動作の制御が行われるものである。 すなわち、スポット状に入射する反射光22bおよび22cによって前記の受
光領域27a〜30bの信号レベルを[27a]〜[30b]で表すと、対物レ
ンズ23の記憶媒体7に対する焦点位置の制御に用いられるフォーカシング信号
のレベル[AF]および光22のトラックに対する追従動作を制御するトラッキ
ング信号のレベル[TR]、さらには記憶媒体7に格納されている目的の情報を
読み出すためのデータ信号のレベル[DATA]は、それぞれ [AF]=([27a]+[27b])-([29a]+[29b]) [TR]=[30a]-[30b] [DATA]=[28]で得られる。 なお、前述の実施例1の場合と同様に、各信号の処理の詳細については、特願
昭60−63578号に記載されているので省略する。 ここで、本実施例2の場合には、前記実施例1の場合と同様に、反射光22a
を複数の反射光22bおよび22cに分岐させるビームスプリッタ25に対して
光検出素子26が紫外線硬化性樹脂などからなる接着剤28を介して一体にされ
ているので、組立時および稼働中などにおいてビームスプリッタ25と光検出素
子26との位置ずれを生じることがない。 さらに、ビームスプリッタ25に対して光源21および光検出素子26を一体
に固定することにより、たとえば前記実施例1の場合などに比較して、レンズや
ビームスプリッタなどの光学素子の数を削減することができるとともに、光源2
1から放射される光22および記憶媒体7からの反射光などの光路長が短縮され
、光学系全体の構造の簡略化および小型化、さらには組立工程の自動化や合理化
を容易に実現することができる。 なお、ビームスプリッタ25に対する光源21の固定方法としては、カバー2
1bを当該ビームスプリッタ25に接着剤27を介して接着することに限らず、
たとえば、光検出素子26と同様に、カバーガラス21cとビームスプリッタ2
5との間に紫外線硬化性樹脂などからなる接着剤を充填して硬化させることによ
って固定してもよい。 以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本
発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々
変更可能であることはいうまでもない。 〔発明の効果〕 本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡
単に説明すれば、以下のとおりである。 すなわち、第1の実施例の光ヘッドによれば、対象物に対して光を照射する光
源と、前記対象物からの反射光または透過光を分離する光学素子と、この光学素
子を介して入射する前記反射光または透過光を電気的な信号に変換する光検出素
子とからなる光ヘッドであって、前記光検出素子を光透過性の接着剤を介して 前記光学素子に固定してなる構造であるため、たとえば、接着剤として紫外線硬
化性樹脂を用いるとともに、光学素子と光検出素子との間に充填された接着剤が
硬化する前の可動状態で当該光学素子に対する光検出素子の位置合わせを行い、
この位置合わせ作業の完了後に紫外線を照射して接着剤を硬化させることにより
、なんら外力を作用させることなく、光学素子に対して光検出素子を確実に固定
することが可能となり、組立時における光学素子と光検出素子との位置ずれを確
実に防止することができる。 また、光学素子と光検出素子とが直接的に固定されるので、両者間に温度や湿
度などの変動に起因して変形しやすい筐体などの部材が介在せず、稼働中におけ
る光学素子と光検出素子と位置関係を安定に維持することができるとともに、ね
じ止めなどの方法に比較して、組立工程の簡略化および寸法の小型化を実現する
ことができる。 また、請求項4記載の本発明になる光ヘッドによれば、光源と、この光源から
放射される光を対象物に導く第1の光分離面と前記対象物からの反射光を分岐さ
せる第2の光分離面とを備えた光学素子と、分岐された前記反射光を電気的な信
号に変換する光検出素子とからなり、前記光源および前記光検出素子を光透過性
の接着剤を介して前記光学素子に固定してなる構造であるため、光源および光学
素子さらには光ヘッドなどの構成要素が接着剤を用いた固定により一体化されて
いるので組立時および稼働中における光学素子と光検出素子との位置ずれを確実
に防止することができるとともに、レンズなどの光学素子の削減および全体の光
路長の短縮などが可能となり、ねじ止めなどの方法に比較して組立工程および構
造の簡略化や光ヘッドの寸法の小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例である光ヘッドの構成の一例を示す斜視図、 第2図はその要部を取り出して示す側面図、 第3図はその動作の一例を説明する説明図、 第4図は本発明の他の実施例である光ヘッドの構成の一例を示す略断面図、 第5図はその動作の一例を説明する説明図である。 1・・・光源、2・・・光、2a,2b,2c・・・反射光、3・・・コリ メートレンズ、4・・・ビームスプリッタ、4a・・・反射面、5・・・反射鏡
、6・・・対物レンズ、7・・・記憶媒体、8・・・集光レンズ、9・・・反射
鏡、10・・・ビームスプリッタ、10a,10b・・・光分離面、11,12
・・・光検出素子、11a,12a・・・受光面、11b〜11e,12b〜1
2e・・・受光領域、13・・・接着剤、14・・・紫外線、20・・・筐体、
21・・・光源、21a・・・発光素子、21b・・・カバー、21c・・・カ
バーガラス、22・・・光、22a,22b,22c・・・反射光、23・・・
対物レンズ、23a・・・可動機構、24・・・コリメートレンズ、24a・・
・1/4波長板、25・・・ビームスプリッタ、25a・・・第1の光分離面、
25b・・・第2の光分離面、25c・・・全反射面、26・・・光検出素子、
26a・・・受光面、27,28・・・接着剤、27a,27b,28,29a
,29b,30a,30b・・・受光領域、A,B・・・一次回折光成分。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.光源と、この光源から放射される光を対象物に導く第1の光分離面と前記
    対象物からの反射光を分岐させる第2の光分離面とを備えた光学素子と、分岐さ
    れた前記反射光を電気的な信号に変換する光検出素子とからなり、前記光源を接
    着剤を介して、かつ、前記光検出素子を光透過性の接着剤を介して前記光学素子
    に固定してなる光ヘッド。 2.前記第1および第2の光分離面は前記反射光の光軸方向に所定の角度をな
    して平行に配設され、前記反射光は前記第1の光分離面を透過して前記第2の光
    分離面に至るようにしたことを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。 3.光源と、この光源から放射される光を対象物に導く第1の光分離面と前記
    対象物からの反射光を分岐させる第2の光分離面とを備えた光学素子と、分岐さ
    れた前記反射光を電気的な信号に変換する光検出素子とからなり、前記光源およ
    び前記光検出素子を光透過性の接着剤を介して前記光学素子に固定してなる光ヘ
    ッド。 4.前記第1および第2の光分離面は前記反射光の光軸方向に所定の角度をな
    して平行に配設され、前記反射光は前記第1の光分離面を透過して前記第2の光
    分離面に至るようにしたことを特徴とする請求項3記載の光ヘッド。 5.前記接着剤が紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする請求項3または4
    記載の光ヘッド。

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