JP2572711C - - Google Patents

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JP2572711C
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、熱可塑性樹脂と特定のカーボンブラックからなり、導電性のばらつ
きが少ない熱可塑性樹脂組成物を、カーボンブラックの飛散がなくかつ高い生産
性で製造できる方法に関する。 【0002】 【従来技術】 熱可塑性樹脂にカーボンブラックを配合することにより導電性を付与した導電
性熱可塑性樹脂は、電子部品、コンピューター、家電製品などの制電防止や電磁
波シールドなどの用途を中心に近年著しく需要が延びている。 このような導電性熱可塑性樹脂の製造方法として、連続式二軸押出機を用いる
方法が従来より行われている。連続式二軸押出機を用いる製造方法における押出
機への供給方法としては、予めカーボンブラックと樹脂とをヘンシェルミキサー
あるいはタンブラーミキサー等によりブレンドし、その後各種フィーダーにより
供給する方法、定量フィーダーを用いて樹脂とカーボンブラックを各々定量的に
供給する方法が一般には用いられている。しかしながら、いずれの供給方法を用
いても樹脂とカーボンブラックとは真比重、嵩密度や形状などが異なるため、ブ
レンド段階あるいは押出機へ供給した後に分級し、その結果組成物中のカーボン
ブラックの濃度差が生じ、導電性のバラツキが少ない安定した導電性を有する樹
脂が得られず、実用に供し得ない場合もある。 【0003】 また、樹脂に導電性を付与する用途に使用されるカーボンブラックの嵩密度は
非常に低いため、多量のエアーを含んでおり、二軸押出機内でカーボンブラック
が樹脂中に分散する時に、多量のエアーが抜け、このエアーがカーボンブラック
の供給口より上昇するため、カーボンブラックがこのエアーの上昇に伴い飛散す
る。その結果、組成物中のカーボンブラックの濃度差が生じる、カーボンブラッ
クの飛散により作業環境が悪化する、浮遊したカーボンブラック微粒子が精密機
械内部に付着し内部の電子部品を破壊する、など様々な問題点も指摘されている
。このカーボンブラックの吹き上がりは、カーボンブラックの供給量と相関があ
るため、カーボンブラックが飛散する場合には、供給量を低下させなければなら
ず、従って生産性は低下する。 原料が微粉体である場合に適用できる製造方法として、材料供給口よりも下流
に開口部を設け、更に材料供給部と開口部間のスクリュー構成を材料の圧縮がな
く、溶融もしくは混練のみをおこなう構成にすることによる製造方法が提唱(特
開昭58−29644)されているが、本発明で用いるカーボンブラックの場合
には、この方法を用いても改良することはできなかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、導電性のばらつきが少ない熱可塑性樹脂組成物を、カーボンブラッ
クの飛散がなく、かつ高い生産性で製造できる方法を提供することを目的とする
。 【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明は、特定のカーボンブラックを用い、且つ連続式同方向回転二軸押出機
を用いた特定の製造方法により上記目的を達成できるとの知見に基づいてなされ
たものである。 すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂73重量部〜97重量部及び導電性カーボ
ンブラック27〜3重量部を含有してなる導電性カーボンブラック含有熱可塑性
組成物の製造方法であって、該導電性カーボンブラックとして比表面積700〜
1500m2/gのカーボンブラックを使用し、かつ連続式同方向回転二軸押出機
に熱可塑性樹脂を供給してゲル化させた後、連続式同方向回転二軸押出機の全バ
レル長を100とした場合に上流側から29%〜50%の位置に設置されたサイ
ドフィーダーから強制的に連続式同方向回転二軸押出機のバレル内に導電性カー
ボンブラックを供給し、導電性カーボンブラックが熱可塑性樹脂中に完全に分散
する前に、連続式同方向回転二軸押出機に設けた脱気孔から常圧で脱気した後、
混練を継続し、ダイから熱可塑性樹脂と導電性カーボンブラックの混練物を得る
ことを特徴とする導電性カーボンブラック含有熱可塑性組成物の製造方法を提供
する。 【0006】 本発明に用いる熱可塑性樹脂としては、導電性熱可塑性樹脂組成物の用途に応
じた強度、耐熱性、成形性を有する熱可塑性樹脂が用いられる。例えば、高、中
、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂;ポ
リプロピレン樹脂;ポリー1、2ーブタジエン樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重
合体、エチレンとメチルー、エチルー、プロピルー、ブチルーの各アクリレート
もしくは、メタクリレートとの共重合体、またはこれらをそれぞれ塩素化したも の、あるいはこれらの2種以上の混合物;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS
樹脂等のスチレン系樹脂;6−、6,6−、6,10−、12−、MXD−ナイ
ロン樹脂等のポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化
ビニル樹脂;熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂等の熱可塑性エ
ラストマー;ポリアセタール樹脂;変性ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリサル
フォン樹脂、変性ポリサルフォン樹脂、ポリアリルサルフォン樹脂、ポリケトン
樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケ
トン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂等のスーパーエ
ンジニアリング樹脂等があげられる。これらのうち、導電性樹脂の用途から、高
密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性
ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポ
リエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂が好ましい。 【0007】 本発明に用いるカーボンブラックは、嵩比重160g/l以下、比表面積70
0〜1500m2/g のものであり、好ましくは嵩比重150g/l以下、比表積
750〜1300m2/g のものである。嵩比重が160g/lより大きい値るい
は比表面積が700m2/gより小さい値を有するカーボンブラックを使用た場合
、得られた樹脂組成物に導電性を付与しにくくなるため好ましくない。また、本
発明に用いるカーボンブラックの配合量はカーボンブラックと熱可塑性樹脂の合
計量100重量部に対して3重量部〜27重量部、好ましくは5〜22重量部で
ある。3重量部より少ない配合量であると得られた樹脂組成物に導電性を付与し
にくくなり、また、27重量部より多い配合量であると得られた導電性樹脂組成
物の強度が著しく低下し、実用に供しないため好ましくない。 本発明組成物には、前記の必須成分以外に本発明の目的を損なわない範囲で公
知の充填材や添加剤を配合することができる。例えば、ガラス繊維、アスベスト 繊維、カーボン繊維、タルク、マイカ等の補強材、黒鉛、無機充填材、発泡材、
滑剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、カップリング剤、難燃化剤、耐熱安定剤など
があげられる。これらは、導電性カーボンブラックが熱可塑性樹脂中に分散した
後、バレル内に添加するのが好ましい。 【0008】 本発明の製造方法では、同方向回転二軸押出機の全バレル長を100とした場
合にモーター側から0〜10%、好ましくは0〜7%の位置に熱可塑性樹脂の投
入口が設置されるのがよい。該樹脂のバレル内への投入はポッパーからの自然落
下でもよく、強制的にバレル内へ供給してもよいが自然落下によるのがよい。 本発明では、このようにしてバレル内に供給された熱可塑性樹脂がバレル内に
設置されたスクリューの混練作用及び外部からの加熱によりゲル化した後、少な
くとも1つのサイドフィーダーから強制的に導電性カーボンブラックをバレル内
に供給してゲル化した樹脂中に導電性カーボンブラックを分散させる。ここで、
強制的に導電性カーボンブラックをバレル内に供給できれば任意のサイドフィー
ダーを用いることができるが、スクリューにより強制的に供給する方法を用いる
のが好ましい。具体的にはナカタニ機械製TWIN FEEDER251などが
あげられる。また、このサイドフィダーは樹脂がゲル化している位置のバレルに
設置されており、通常、押出機の全バレル長を100とした場合にモーター側か
ら29%〜50%、好ましくは33%〜50%の位置に設置するのが適当である
。樹脂がゲル化していない位置にサイドフィーダーが設置されているとサイドフ
ィーダーから投入されたカーボンブラックが樹脂投入口あるいは脱気孔より飛散
し生産性が低下し、また安定した導電性を有する導電性熱可塑性樹脂が得られな
いため好ましくない。同様に、該フィーダーの代わりに同じ位置に投入口を設け
、定量フィーダーを用い、投入口上部から自然落下によりカーボンブラックを投
入した場合、この投入口からカーボンブラックが飛散し生産性が低下し、また安
定した導電性を有する導電性熱可塑性樹脂が得られないため好ましくない。 【0009】 本発明では、又、導電性カーボンブラックが熱可塑性樹脂中に完全に分散する
前に、例えば、サイドフィーダーの設置位置から上流側17%〜下流側23%、 好ましくは上流側13%〜下流側17%のバレルに一箇所以上脱気孔が設置され
、ここから常圧により脱気する。尚、サイドフィーダーと同じ位置に脱気孔を設
ける場合には、円周方向に少なくとも45度間隔を置くのが好ましい。特に、脱
気孔はバレルの頂部(上方)に設けるのが好ましい。脱気孔の大きさは押出機の
大きさに応じて異なるが、通常1cm2〜80cm2が適当であり、好ましくは1
〜10cm2である。脱気孔を設置しないでカーボンブラックを投入した場合、
カーボンブラックに含まれているエアーがサイドフィーダーから抜け、その結果
カーボンブラックが投入できなくなるため生産性が低下するため好ましくない。 本発明で使用する同方向回転二軸押出機のスクリューとしては公知のものが用
いられ、直径は20mm〜150mm,長さは直径の20〜50倍のものが一般
的であり、押出機の本体およびモーターはスクリューの大きさに応じた公知のも
のが用いられる。 押出機のスクリューパーツとしても公知のものが用いられ、具体的にはプラス
チック成形加工学会誌「成形加工」第3巻第6号(1991)第431頁〜第4
03頁に記載されているようなエレメント、ライト型(R−KD)、レフト型(
L−KD)、ニュートラル型ニーディングディスク(N−KD)があり、これら
を、用いる樹脂の性状やカーボンブラックの配合量に応じて適当な順序で配置し
てもちいることができる。特に、搬送や逆送能力がなく混練のみを行うニュート
ラル型ニーディングディスク及び/又は搬送及び混練を行うライト型ニーディン
グディスクをサイドフィーダーが設置されている位置に配置するとカーボンブラ
ックの飛散がなく生産量が向上するため好ましい。 【0010】 本発明の熱可塑性樹脂は、上記した位置に設置された樹脂投入口から公知のフ
ィーダーを用いて投入されるが、安定した導電性を有する導電性熱可塑性樹脂組
成物を得る目的で、定量精度±1%以内の重量式定量フィーダーを用いるのが好
ましい。また、本発明のカーボンブラックは、樹脂をゲル化した後に、サイドフ
ィーダーにより強制的に供給される。安定した導電性を有する導電性熱可塑性樹
脂組成物を得る目的で、サイドフィーダーのスクリューは予めカーボンの投入速 度より高速で投入できるように回転させておき、カーボンブラックを定量精度±
1%以内の重量式定量フィーダーを用いてサイドフィーダーのスクリュー上に落
下させ、次いでサイドフィーダーにより押出機中に強制的に供給するのが好まし
い。樹脂とカーボンブラックの投入に用いる重量式定量フィーダーは、一方のフ
ィーダーの投入量の変化に応じて他方のフィーダの投入量も変化する連動式のも
のを用いると得られた導電性熱可塑性樹脂の導電性がより安定するため、特に好
ましい。 【0011】 本発明で用いる同方向二軸押出機のバレルの温度は、用いる熱可塑性樹脂のゲ
ル化温度により決定され、樹脂のゲル化温度よりも30℃〜150℃高い温度に
設定され、安定した導電性を有する樹脂組成物を得るためには、サイドフィーダ
ーが設置されているバレルの位置よりも10%上流側〜脱気孔が設置されている
位置までのバレルまでの温度を、樹脂のゲル化温度よりも60℃〜150℃、好
ましくは70℃〜150℃高い温度に設定し、脱気孔が設置されている位置より
下流のバレルの温度を30℃〜70℃、好ましくは30℃〜60℃高い温度に設
定することが望ましい。又、スクリューの回転数は、例えば、100〜300rp
m 程度とすることができる。 本発明では、常圧で脱気した後、混練を継続し、ダイから熱可塑性樹脂と導電
性カーボンブラックの混練物を、任意の形態、例えば、シート状、ペレット状、
線状などの形で得ることができる。 【0012】 【発明の効果】 本発明によれば、カーボンブラックの飛散がなく且つ良好な生産量で、安定し
た導電性を有する導電性熱可塑性樹脂組成物が得られる。従って、本発明により
得られる導電性樹脂組成物は、種々の用途、例えば、電磁波シールド材、高圧ケ
ーブルの被覆材、イグニッションコード、面状発熱体、面状スイッチ、電極等の
導電性材料の他、電子機器やIC等の包装材料や試験用の保持材への応用など多
くの分野に利用することができる。 また、本発明の製造方法は、粉体を樹脂に充填した組成物を得るのに適してい るため、嵩比重小の無機フィラーや金属を充填する場合や、プラスチックマグネ
ットや高比重プラスチックを得る場合等の粉体を樹脂に高充填する場合の製造方
法としても応用可能である。 次に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に
なんら限定されるものではない。 【0013】 【実施例】 実施例1 図1の(A)〜(D)に概略図を示した4種の連続式同方向回転二軸押出機(
スクリュー径:57mm、L/D:36、ナカタニ機械製NR−II57mm同方
向回転二軸ベント式押出機)を用いて、90重量部のポリカーボネート樹脂(出
光石油化学製 タフロンA−2200)及び嵩比重140g/l、比表面積81
0m2/gのカーボンブラック10重量部を表−1に示す方法で投入し、スクリ
ュー回転数220rpmにて導電性樹脂組成物を得た。 図1中、1〜12:バレルゾーン、13:ダイス、14:樹脂投入口、15:
密閉式サイドフィーダー、16:カーボンブラック投入口、17:脱気孔(4cm
×4cmの正方形)、18:脱気孔(4cm×4cmの正方形)、19:モーターであ
る。尚、バレルゾーン1〜12の各ゾーンの長さは、バレルの全長を100とし
たときの12等分の1の長さである。 スクリュー構成は、バレルゾーン1〜5では材料の圧縮がなく溶融、混練、搬
送をおこなう構成、バレルゾーン6および8では混練、圧縮、搬送を行う構成、
それ以外では圧縮および搬送を行う構成とした。 【0014】 樹脂とカーボンブラックの投入方法は次の通りである。投入方法A :図1(A)に示されるように、14に設置された投入口から樹脂と
カーボンブラックの混合物を定量フィーダー(クマエンジニアリング製アーキュ
レート602型)を用いて該混合物を自然落下させることにより二軸押出機中に
投入した。脱気孔は17の位置に設けられている。投入方法B :図1(B)に示されるように、14に設置された投入口から樹脂を 定量フィーダー(クマエンジニアリング製アーキュレート602型)を用いて樹
脂を自然落下させることにより二軸押出機中に投入し、又、図中、15に設置さ
れたサイドフィーダー(ナカタニ機械製TWIN FEEDER251)のスク
リューをカーボンブラックの投入速度より高速で投入できるように回転させてお
き、定量フィーダー(クマエンジニアリング製アーキュレート602型)を用い
てスクリュー上にカーボンブラックを自然落下させ、サイドフィーダーにより二
軸押出機中に強制的に供給した。脱気孔は17の位置に設けられている。 【0015】投入方法C :図1(C)に示されるように、14に設置された投入口から樹脂を
定量フィーダー(クマエンジニアリング製アーキュレート602型)を用いて樹
脂を自然落下させることにより二軸押出機中に投入し、又、図中、15に設置さ
れたサイドフィーダー(ナカタニ機械製TWIN FEEDER251)のスク
リューをカーボンブラックの投入速度より高速で投入できるように回転させてお
き、定量フィーダー(クマエンジニアリング製アーキュレート602型)を用い
てスクリュー上にカーボンブラックを自然落下させ、サイドフィーダーにより二
軸押出機中に強制的に供給した。脱気孔は18の位置に設けられている。投入方法D :図1(D)に示されるように、14に設置された投入口から樹脂を
定量フィーダー(クマエンジニアリング製アーキュレート602型)を用いて樹
脂を自然落下させることにより二軸押出機中に投入し、又、図中、16に設置さ
れた投入口から、定量フィーダー(クマエンジニアリング製アーキュレート60
2型)を用いてカーボンブラックを自然落下させることにより二軸押出機中に供
給した。脱気孔は17の位置に設けられている。 【0016】 二軸押出機の温度条件は次の通りである。 温度条件1: バレルゾーン1;冷却 バレルゾーン2〜6;320℃ バレルゾーン7〜12;280℃、 ダイス;280℃ 温度条件2: バレルゾーン1;冷却 バレルゾーン2〜6;320℃ バレルゾーン7〜12;320℃、 ダイス;280℃ 温度条件3: バレルゾーン1;冷却 バレルゾーン2〜6;240℃ バレルゾーン7〜12;280℃、 ダイス;280℃ サイドフィーダーが設置されているバレルゾーン5のスクリューパーツは、次
の通りである。 4N:ナカタニ機械製4N型ニーディングディスク 41:ナカタニ機械製41型スクリューエレメント 3N:ナカタニ機械製3N型ニーディングディスク 31:ナカタニ機械製3R型ニーディングディスク 【0017】 表−1に熱可塑性樹脂およびカーボンブラックの投入方法、サイドフィーダー
が設置されている位置と同じ位置のスクリューパーツの種類、各バレルの設定温
度条件、図1の位置5における樹脂のゲル化状態、カーボンブラックが全く飛散
しない場合の最大吐出量、吐出量を80kg/hrにした場合のカーボンブラッ
クの飛散状態、得られた導電性樹脂組成物の体積固有抵抗値を示す。 なお、樹脂のゲル化状態は図1の位置5で樹脂がゲル化している場合を○、ゲ
ル化していない場合を×として表した。 カーボンブラックの飛散状態はカーボンブラックが飛散しない状態を○、カー
ボンブラックが激しく飛散する状態を×として評価した。また、体積固有抵抗値
は、得られた熱可塑性樹脂組成物をプレス成形することにより10cm×10c
m×0.2cmのサンプルを5点作製し、これらのサンプルの体積固有抵抗値を
SRIS−2301の測定方法に準じて測定し、最大値および最小値を表−1に
示した。 【0018】 【表1】 【0019】 表−1の結果から本発明の方法によれば、カーボンブラックの飛散がなく、吐
出量が110〜120kg/hrとなり生産性が良好であり、またこの方法によ
り得られた導電性熱可塑性樹脂組成物は、体積固有抵抗値のばらつきがなく安定
した導電性を示すことがわかる。一方、比較例であるNo.6(サイドフィーダー
の代わりに同じバレルの位置の投入口から自然落下によりカーボンブラックを投
入する方法)、No.7(樹脂を投入する投入口から自然落下によりカーボンブラ
ックを投入する方法)、No.8(17の位置に脱気孔がない方法)、No.9(サ
イドフィーダーによりカーボンブラックを投入する位置における樹脂がゲル化し
ていない場合の方法)では、吐出量80kg/hrの場合カーボンブラックは激
しく飛散し、飛散を防止するために吐出量を、本発明の製造方法に比べ1/2〜
1/3に下げなければならず、従って生産性は低下することがわかる。 また、生産性を下げて作製した導電性熱可塑性樹脂組成物においても導電性の
ばらつきは4〜55倍(体積固有抵抗値最大値/体積固有抵抗値最小値)と激し
く実用に供しない。 【0020】 実施例2 図2に示した、樹脂投入口、脱気孔、強制サイドフィーダが設置された連続式
同方向回転二軸押出機(スクリュー径:57mm、L/D:36、ナカタニ機械
製NR−II57mm同方向回転二軸ベント式押出機)を用いて、所定量の熱可塑
性樹脂を33の投入口から実施例1と同じ方法により投入し、また所定量のカー
ボンブラックを34のサイドフィーダーにより強制的に供給し、スクリュー回転
数220rpmにて導電性樹脂組成物を得た。尚、図中、36のガラス繊維投入
口は、ガラス繊維を含まない組成の場合には密閉した。 スクリュー構成は図2のバレルゾーン20〜24には材料の圧縮がなく溶融、
混練、搬送を行う構成、バレルゾーン25および27は混練、圧縮、搬送を行う
構成、それ以外は圧縮および搬送を行う構成とした。尚、バレルゾーン20〜3
1の各ゾーンの長さは、バレルの全長を100としたときの12等分の1の長さ
である。 表−2に組成、サイドフィーダーが設置されている位置と同じ位置のスクリュ
ーパーツの種類、各バレルゾーンの設定温度条件、図2、34の位置の樹脂のゲ
ル化状態、カーボンブラックが飛散しない場合の最大吐出量、得られた導電性樹
脂組成物の体積固有抵抗値を示す。 なお、樹脂のゲル化状態および体積固有抵抗値は、実施例1記載の方法と同様
の方法により評価した。 【0021】 実施例2で用いた熱可塑性樹脂、カーボンブラック、ガラス繊維の種類および
二軸押出機のバレルの設定温度を以下に示す。 使用した熱可塑性樹脂 ポリプロピレン樹脂(PP):出光ポリプロJ−750H(出光石油化学製) ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT):東レPBT1401X04(東
レ製) 変性ポリフェニレンエーテル樹脂(M−PPE):ノリル115(日本ジーイ
ープラスチックス製) ポリエーテルイミド樹脂(PEI):ウルテム1010(日本ジーイープラス
チックス製) ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET):バイロペットEMC307×0
4(東洋紡績) 【0022】 ガラス繊維:CS03MA416(旭ファイバーグラス製) カーボンブラックA:嵩比重:140g/l、比表面積:810m2/gのカ
ーボンブラック カーボンブラックB:嵩比重:125g/l、比表面積:1240m2/gの
カーボンブラック カーボンブラックC:嵩比重:250g/l、比表面積:70m2/gのカー
ボンブラック 温度条件4: バレルゾーン20;冷却 バレルゾーン21〜26;280℃、
バレルゾーン27〜31;240℃、 ダイス;240℃ 温度条件5: バレルゾーン20;冷却 バレルゾーン21〜26;320℃、
バレルゾーン27〜31;280℃、ダイス;280℃ 温度条件6: バレルゾーン1;冷却 バレルゾーン2〜6;380℃、バレル
ゾーン7〜12;370℃、ダイス;370℃ 【0023】 【表2】 【0024】 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明を実施するための連続式同方向回転二軸押出機の概要を示す。 【図2】 本発明を実施するための別の連続式同方向回転二軸押出機の概要を示
す。 図中、1〜12及び20〜31はバレルゾーン、 13及び32はダイス、 14及び33は樹脂投入口、 15及び34はサイドフィーダー、 16はカーボンブラック投入口、 17、18及び35は脱気孔、 19及び37はモーター である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 熱可塑性樹脂73重量部〜97重量部及び導電性カーボンブラ
    ック27〜3重量部を含有してなる導電性カーボンブラック含有熱可塑性組成物
    の製造方法であって、該導電性カーボンブラックとして比表面積700〜150
    0m2/gのカーボンブラックを使用し、かつ連続式同方向回転二軸押出機に熱可
    塑性樹脂を供給してゲル化させた後、連続式同方向回転二軸押出機の全バレル長
    を100とした場合に上流側から29%〜50%の位置に設置されたサイドフィ
    ーダーから強制的に連続式同方向回転二軸押出機のバレル内に導電性カーボンブ
    ラックを供給し、導電性カーボンブラックが熱可塑性樹脂中に完全に分散する前
    に、連続式同方向回転二軸押出機に設けた脱気孔から常圧で脱気した後、混練を
    継続し、ダイから熱可塑性樹脂と導電性カーボンブラックの混練物を得ることを
    特徴とする導電性カーボンブラック含有熱可塑性組成物の製造方法。 【請求項2】 連続式同方向回転二軸押出機の全バレル長を100とした場合
    に、該サイドフィーダーがバレルに接続されている位置よりも上流側17%〜下
    流側23%の位置に設けられた脱気孔から脱気する請求項1記載の製造方法。 【請求項3】 サイドフィーダーから強制的にバレル内に供給される導電性カ
    ーボンブラックがバレル内に設けられた、搬送あるいは逆送能力がなく混練のみ
    を行うニュートラル型ニーディングディスク及び/又は搬送及び混練を行うライ
    ト型ニーディングディスクに供給される請求項1記載の製造方法。

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