JP2572473B2 - 着色顔料及びその製造方法 - Google Patents

着色顔料及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は塗料に使用される着色顔料及びその製造方法
に関する。
〔従来の技術〕
従来、塗料用の着色顔料には無機顔料および有機顔料
が使用されているが、無機顔料はカバーできる色域が狭
く、鉛、クロム、およびカドミウムなどの重金属を含む
顔料は環境保全の観点から今後使用が規制される可能性
がある。一方有機顔料は高価である。またこれらの顔料
には金属が持っている光沢がない。
本出願人は特願平1−140998号においてCu100-a-bNia
PB(ただし、a、bは原子%で5≦a≦40、15≦b≦2
0)で示される組成を有し、非晶質相からなり、厚さ5
μm以下、アスペクト日(短径及び長径の比)5以上、
短径及び長径5〜500μmの形状を有する塗料用着色合
金粉末を提案した。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の一般的顔料は金属光沢と発色とを兼ね備えた塗
料用顔料ではなかった。
一方、本出願人が提案したCu−Ni−P系着色顔料は金
属光沢と発色を兼ねているが、塗料の焼付温度(最高約
200℃)にて変色あるいは色むらを呈することがあるこ
とが分かった。この原因は顔料の着色を呈する粉末表面
が塗料の焼付雰囲気において耐酸化性が十分でないため
に、また焼付温度における耐熱性が十分でないために、
なんらかの表面構造の変化が起こることによると考えら
れる。
本発明はこのような問題点を解消して均一着色可能な
顔料およびその製造方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る着色顔料は、Cr5〜20at%、P7〜17at
%、C8〜15at%、残部Feからなる組成、好ましくは、さ
らにNi10at%以下およびMo5at%以下の1種以上を含有
する組成を有し、表面に着色膜が形成された扁平形状の
急冷凝固粉末からなることを特徴とする。
以下、本発明の構成を説明する。
先ず、組成限定理由を説明する。
本発明は、以下述べる合金元素と不純物以外は鉄から
なる鉄系材料を顔料とするものである。
Crが5at%以下であると耐食性および耐熱性が低下
し、以下説明する発色のための熱処理条件が塗料焼付条
件より高温かつ/または長時間になると、塗料焼付の際
に発色むらが起こる。熱処理条件より塗料焼付条件が低
温かつ/または短時間であると、塗料焼付の際に発色む
らが起こらないが、色調が赤系統に限定されてしまい、
多種の色調を提供することができないので、本発明では
Cr5at%以下に限定する。一方、Cr含有量が20at%を超
えると非晶質形成能が低下し、これに伴って結晶組織生
成傾向が強まる。そうすると結晶内あるいは結晶間での
わずかな組成のずれが起こり、顔料の色調は非常に不安
定となる。これは粉末全体の組成および着色のための加
熱温度が同じであっても二次相の大きさ、種類などによ
って、表面に形成される酸化膜が影響されるためと考え
られる。したがって、非晶質形成能が劣る鉄系材料粉末
は顔料として要求される一定色調を呈しないので、本発
明では20at%以下にCr含有量を限定する。以下説明する
PおよびCの含有量を非晶質構造が容易に形成されるよ
うに限定するのも同様の理由からである。
Pは非晶質の形成を容易にする元素である。P含有量
が7at%以上であると非晶質形成が容易になる。一方、
P含有量が17at%を超えると顔料が脆くなって、塗料と
混合するときに割れ、発色している酸化表面より内部の
鉄合金が露出され、これが原因となって本来の色調を失
うなどの問題が起こる。
CはPと同様に非晶質化を容易にする。C含有量が8a
t%未満であると、非晶質化が困難になり、15at%を超
えると脆化を招きPと同様に問題がある。
Niは光沢が極めて良好な滑らかな顔料表面の形成に効
果がある。MoもNiと同様の効果がある。但し、Niの含有
量が10at%を超えまたMoが5at%を超えると、非晶質化
が困難になるので、Ni含有量を10at%以下、Mo含有量を
5at%以下に限定する。NiとMoを含有させる時はその合
計量を11at%以下にすることが望ましい。
顔料粉末の形状はリーフィング現象を効果的に起こさ
せて光沢を高めるためには扁平形状であることが必要で
ある。
また、顔料粉末材料の構造は、組成の均一性を確保す
るために急冷凝固粉末であることが必要である。本願で
いう急冷凝固とはアトマイズ法よりは急速冷却になる方
法であって、溶融金属を強制冷却されている回転体に吹
き付けて冷却すると同時に粉末を得る方法を意味する。
さらに、顔料粉末は表面に着色膜を有するものであ
る。粉末自体は鉄合金特有の色(酸化されていない時は
銀色の金属光沢、酸化されている時は赤もしくは茶の錆
色、多くの場合はこれらが混じった美観を欠く色調)を
有するのであるが、これは顔料として使用されるに適す
る美しい色調ではない。本発明においては表面が美しい
色調を呈する。またその色調は急冷凝固粉末を酸素含有
雰囲気で加熱することにより得られるために酸化物に起
因するものと考えられる。
急冷凝固粉末の粉末の厚さ、短径および長径寸法につ
いて種々検討したところ、厚さが5μmを超えると塗膜
の平滑度が悪くなり、短径が5μm以下では粉末相互の
重なりが不均一となり、長径が500μmを超えると塗膜
の強度が劣化し、アスペクト比が5未満であるとリーフ
ィング現象が起こりにくくなることが分かった。したが
って、塗膜状態を良好に維持しつつリーフィング現象を
効果的におこさせて光沢を高めるためには厚さ5μm以
下、アスペクト比(厚さに対する長径の比)5以上、短
径及び長径5〜500μmの範囲が好ましい。
本発明に係る好ましい着色顔料の製法は、所定組成を
有する合金溶湯を急冷凝固させて非晶質構造を有する、
扁平形状の粉末とし、該粉末を150℃〜700℃の温度で酸
素含有雰囲気で加熱する方法である。急冷凝固粉末が酸
素含有雰囲気で調製された時は若干酸化しており、これ
が均一発色の妨げとなるから、粉末調製後酸洗後で表面
の調節をすることが好ましい。酸洗などは急冷凝固粉末
が表面酸化されていないときは必要ない。
本発明の着色顔料のさらに好ましい製造法としては、
前述した組成を有する合金の溶湯をノズルから流出さ
せ、この溶湯にガスを噴霧することによって溶湯の液滴
流方向に配置された傘型の回転冷却体の表面に、前記液
滴を凝固しないうちに衝突させ急冷凝固させる方法が挙
げられる。そして、必要に応じて、得られた粉末から前
述した形状特性を有するものを分取すればよい。この方
法によれば、前述した形状特性を有する合金粉末を70%
以上の収率で製造することができる。
第1図には、本発明の合金粉末を製造するための装置
の一例が示されている。すなわち、図示しないルツボに
て溶融された合金の溶湯1を流出するノズル2が設置さ
れており、落下する溶湯1に対して高圧の噴射ガスを吹
き付ける噴霧化ノズル3が設置されている。噴霧化ノズ
ル3はノズル2を囲むように例えば円形に配置され、多
数の噴出口から溶湯1の流れに向けて高速ガスを噴出す
る構造となっている。ノズル2の下方には、傘型の回転
冷却体4がその回転軸をノズル2の直下からやや横方向
にずらして配置されている。したがって、ノズル2から
流出し落下する溶湯1の流れに対して、噴霧化ノズル3
から高圧の噴出ガスが吹き付けられ、これによって溶湯
1の液滴5が形成される。この液滴5は下方に向けて広
がりながら飛散し、回転冷却体4の円錐面に衝突し急冷
凝固し、扁平化されたフレーク状の合金粉末6が形成さ
れる。
なお、噴霧化ノズル3からの噴射ガス圧は、好ましく
は30kg/cm2以上とされる。また、噴射ガスとしては、例
えばアルゴン、ヘリウム、窒素、空気、あるいは混合ガ
スなど各種のものが使用可能である。さらに、回転冷却
体4は、例えば水冷などの手段によって50℃以下に冷却
され、回転数は1000−20000rpmとされることが好まし
い。
また熱処理条件についても温度、時間について種々検
討した結果、150℃未満ではかなりの長時間熱処理して
初めて着色し、一方700℃を超えると短時間熱処理で粉
末の凝集が起こりまた表面光沢がなくなることが分かっ
た。
なお、結晶化は約450℃から起こるが、結晶化によっ
ては着色が失われない。
発色は低温・短時間条件では赤色であり、高温・長時
間条件になるにしたがって着色は順に赤、青、緑、茶、
紫と各種の色に変化させることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
[実施例] 実施例1 第1図に示した装置を用い、Fe−Cr10−P10−C10の組
成の合金をそれぞれルツボに入れ、1100℃で溶融させて
溶湯1とした。ノズル2から流出滴下する溶湯1に対し
て噴霧化ノズル3よりアルゴンガスを100kg/cm2の圧力
で吹き付けて液滴5を形成し、この液滴5を凝固しない
うちにロール径200mmφ、円錐角度90゜、回転数7200rpm
の回転冷却体に衝突させ、木の葉形のフレーク状粉末6
を得た。この粉末は、厚さ2μm粒径20〜150μmの扁
平円盤および扁平楕円板状粉末であった。それを希硫酸
により表面調質し、20℃真空中5時間の脱水を行った。
十分表面から水分を除去した後、均熱炉により大気中雰
囲気で着色した。着色により表1の結果を得た。
その粉末をアクリル塗料に添加して塗装した。塗装方
法はアクリル樹脂(日本油脂(株)製、商品名アクリッ
ク#500)100部−粉末30部の割合で配合し溶剤で粘性を
調整した後、口径1.2mmφのスプレイガンでアルミ板上
に塗布厚さ20〜30μmに塗布した後、120℃×20分で焼
付けした。その後アクリルラッカーを30〜40μmの厚さ
に塗布し、160℃×25分の焼付けした。
色差計(東京電色(株)製)により塗膜形成後の色差
を測定したところ、 L:Value lightness 明度 tan θ:hue 色相 (a2+b21/2:chroma 釈度 の色立体から算出されたΔE(色差) ΔE=(ΔL2+Δa2+Δb21/2 の値は0.3以下(目で見て殆ど変化のない水準)であっ
た。
実施例2 実施例1と同様な方法で、表2の組成の合金の扁平粉
末を得た。
No.1はCr含有量が少ない比較例、No.7はP,C含有量が
少ない比較例、No.8はP含有量が多く、C含有量が少な
い比較例である。扁平粉末を希硫酸により表面調質した
のち十分脱水し、600℃×5時間の処理により表2に示
す色調を得た。
実施例1と同じガンを使って焼付温度の高いフッ素樹
脂を塗料100重量部に対して30重量部混合し、実施例1
と同じスプレイガンを使用して鋼板の上に20〜40μmの
膜厚で塗布し、200℃×10分焼付けを行った。次にアク
リルラッカー30μm塗布した後160℃×20分焼付けを行
った。
色差計により実施例1と同様に色調の変化を測定し耐
熱性を評価した。
また3%NaClより耐食性を評価した。結果を表2に示
す。
No.1は耐食性が劣った。No.7,8は平滑性および丸みが
劣るため光沢が欠けていた。
本発明範囲の組成を有する粉末はΔE=0.3以下であ
った。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明により、金属光沢と発色を
兼ね備え、塗料の焼付温度において耐熱性・耐食性に優
れた着色の安定した、光輝性のある塗料用顔料が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は急冷凝固装置の図面である。 1……溶湯、2……ノズル、3……噴霧化ノズル、4…
…回転冷却体

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cr5〜20at%、P7〜17at%、C8〜15at%、
    残部Feからなる組成を有し、表面に着色膜が形成された
    扁平形状の急冷凝固粉末からなる着色顔料。
  2. 【請求項2】Ni10at%以下およびMo5at%以下の1種以
    上をさらに含有することを特徴とする請求項1記載の着
    色顔料。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の組成を有する合金
    溶湯を急冷凝固させて非晶質構造を有する、扁平形状の
    粉末とし、該粉末を150℃〜700℃の温度で酸素含有雰囲
    気で加熱することを特徴とする着色顔料の製造方法。
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