JP2572462B2 - 真空ダイカストマシン - Google Patents

真空ダイカストマシン

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JP2572462B2
JP2572462B2 JP1297557A JP29755789A JP2572462B2 JP 2572462 B2 JP2572462 B2 JP 2572462B2 JP 1297557 A JP1297557 A JP 1297557A JP 29755789 A JP29755789 A JP 29755789A JP 2572462 B2 JP2572462 B2 JP 2572462B2
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孝夫 中村
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、固定金型と移動金型とによって形成される
キャビティ内を減圧して、キャビティの底部から溶湯を
押し上げて充填する真空ダイカストマシンに係り、特
に、溶湯押し込み手段とキャビティとの間に設けられた
溶湯供給路と、真空ポートとキャビティとの間を連通し
た真空メインベントとを、交番的に一方をシャットオフ
他方をオープンするようにした構成をとる真空ダイカス
トマシンに関する。
[従来の技術] 通常のダイカスト鋳造品は、例えばアルミニウム100g
当りトータルで約15〜25mlの微細な気泡を含有してい
る。そのために、鋳造品の機械的強度を上げる目的で熱
処理(約430〜530℃)を行うと、上記した気泡が膨れ上
がり、鋳造品の品質が低下するという問題がある。
これに対し、真空ダイカストマシンにおいては、キャ
ビティ内を減圧した後に溶湯をキャビティの底部から押
し上げるように充填しているので、例えばアルミニウム
鋳造品の場合、アルミニウム100g当りの気泡の含有量が
トータルで1〜5mlと極めて少量となり、上述したよう
な問題がなくなり、品質の良好なダイカスト鋳造品が得
られる。
ところで、該種真空ダイカストマシンにおいては、真
空ポートとキャビティとの間を連通した真空ベント内
に、キャビティ内に導入された溶湯の一部が入り込んで
しまうという事態を回避するため、これに対処するため
の構成をとることが多い。例えば、本願出願人が特願昭
63−115982号公報において提案したダイカストマシンに
おいては、溶湯押し込み手段とキャビティとの間に設け
られた溶湯供給路と、真空ポートとキャビティとの間を
連通した真空メインベントとを、交番的に一方をシャッ
トオフ他方をオープンするようにし、キャビティへの溶
湯高速充填時に真空メインベントに溶湯が侵入するのを
防止するようにしている。
第4図及び第5図は上記した先願による真空ダイカス
トマシンを示しており、第4図は溶湯を充填する途中の
状態を示す真空ダイカストマシンの要部断面図、第5図
は移動金型の側面図である。
第4図に示すように、固定ダイプレート1に対して移
動ダイプレート2が移動可能に配置され、固定ダイプレ
ート1には固定金型3が、移動ダイプレート2には移動
金型4がそれぞれ固定されている。固定ダイプレート1
の後方から固定金型3にかけてスリーブ5が貫通してお
り、そのスリーブ5の上側壁部には注湯口6が形成さ
れ、同図に示すように、注湯口6の上方には自動給湯装
置の給湯ラドル8が到来するようになっている。また、
スリーブ5内には、油圧シリンダ駆動のプランジャ7が
往復動可能に挿入されている。
第5図に示すように(なお、同図は2個取り金型の例
を示している)、移動金型4にはランナー9(第4図参
照)を形成するためのランナー形成用凹部10と、ゲート
11(第4図参照)を形成するためのゲート形成用凹部12
と、キャビティ13(第4図参照)を形成するためのキャ
ビティ形成用凹部14と、減圧のための溝の深さが3〜4m
m程度の真空メインベント15と、真空減圧手段(VAC)16
を接続するための真空ポート17が、それぞれ所定の個所
に形成されている。
さらに、一端が前記ランナー形成用凹部10と連通し、
他端が移動金型4の端縁に臨むエアベント8が1本また
は2本(図示の例では1本)形成されている。なお、こ
のエアベント18は、ランナー形成用凹部10と連通し溝の
深さが約0.1〜0.2mmの浅溝部18aと、移動金型4の端縁
に臨み溝の深さが約2〜4mmの深溝部18bとを有してい
る。
また、前記キャビティ形成用凹部14の端部には、1個
または複数個(図示の例では2個)のオーバーフロー部
20が設けられ、各オーバーフロー部20と前記真空ポート
17とが、それぞれ真空サブベント19によって連通してい
る。この真空サブベント19は、オーバーフロー部20と連
通し溝の深さが約0.1〜0.2mmの浅溝部19aと、真空ポー
ト17と連通し溝の深さが約2〜4mmの深溝部19bとを有し
ている。
さらに、ランナー形成用凹部10のエアベント18と連通
している個所より若干溶湯流れ方向の下流側で、各キャ
ビティ形成用凹部14へ分岐する手前の位置に、第1透孔
21が形成されている。この第1透孔21の径は、ランナー
形成用凹部10の溝幅より若干大きくなっている。また、
真空ポート17よりも若干溶湯流れ方向の上流側で真空メ
インベント15が一本になっている位置に、第2透孔22が
形成されている。この第2透孔22の径は、真空メインベ
ント15の溝幅よりも若干大きくなっている。
そして、第4図に示すように、前記第1透孔21には第
1シャットオフピン23が、また、前記第2透孔22には第
2シャットオフピン24がそれぞれ挿通されている。な
お、第1,第2透孔21,22内に溶湯が侵入しないように、
各透孔21,22と各シャットオフピン23,24との間には殆ど
クリアランスがないように設計されている。
第5図に示すように、移動金型4の四隅付近には、タ
イバー(図示せず)が貫通する孔31が形成されている。
前記第2シャットオフピン24の頭部には抜け止めワッ
シャ25が設けられ、このワッシャ25と移動金型4との間
にコイルスプリング26が介装されている。また、前記第
1シャットオフピン23の頭部は揺動アーム27の一端に当
接し、第2シャットオフピン24の頭部は揺動アーム27の
他端に当接している。なお、この揺動アーム27はピン28
を介して、支持部材29に揺動可能に支持されている。
溶湯30が注入される前の状態では、第4図に示すよう
に、前記コイルスプリング26の弾性力によって第2シャ
ットオフピン24は真空メインベント15から後退する方向
(オープン位置方向)に弾性付勢されて、真空メインベ
ント15は開通状態(オープン状態)になっている。そし
て、この第2シャットオフピン24のオープン位置への偏
倚により、前記揺動アーム27を介して第1シャットオフ
ピン23は前記固定金型3に突き当たるところまで前進し
てその位置(シャットオフ位置)で停止し、これによっ
て、前記ランナー9の途中が閉塞状態(シャットオフ状
態)となつている。この時第4図に示すように、第1シ
ャットオフピン23の先端面の一部は固定金型3に当接し
てランナー9の途中を閉塞しているが、残りの先端面は
ランナー9内で露呈するように、固定金型3には凹部32
が形成されている。第4図に示す如く固定金型3と移動
金型4とを型締めすることによって、所定の位置にラン
ナー9、ゲート11並びにキャビティ13がそれぞれ形成さ
れる。
さらに移動金型4には、押出し板33に連結された複数
本のエジェクトピン34が挿通されている。
型締めが完了した時点では、第4図に示すように、前
記プランジャ7は待機位置にあり、上述した如く、ラン
ナー9の一部はシャットオフ状態にあり、真空メインベ
ント15の方はオープン状態となっている。そこでこの状
態で、前記真空減圧手段(VAC)16を駆動して真空ポー
ト17から吸気することにより、ゲート11、キャビティ1
3、真空メインベント15並びに真空サブベント19などが
高真空の状態に維持される。
給湯ラドル8によって所定量の溶湯30が注湯口5に注
ぎ込まれ、プランジャ7を途中までは0.2〜0.3m/秒程度
の低速で往動することによって、溶湯30は低速でランナ
ー9側へ押しやられる。このプランジャ7の移動によっ
て、スリーブ5内のガス(主に空気)はエアベント18を
通って殆どすべて金型外部に排出される。前述のように
ようにエアベント18のうち浅溝部18aの深さは極めて浅
く、固定金型18との間に形成される隙間が微小であるた
め、換言すれば流通断面積が極めて小さいため、溶湯30
はこの浅溝部18aに侵入することはない。斯様にプラン
ジャ7を低速で往動することにより、エアベント18を通
しての排気が確実に行われる。なお、エアベント18の全
体を浅溝部18aで構成することもできるが、そうすると
空気抵抗(流通抵抗)が高くなり、スムーズな排気がで
きないため、前述したように一部深溝部18bが設けられ
る。
溶湯30が第1シャットオフピン23の先端面の所まで到
達すると、この時点の直前近傍から例えば2m/秒程度の
高速に切り替えられたプランジャ7による溶湯30の押し
上げ圧力によって、前記したコイルスプリング26の弾性
力に抗して、第1シャットオフピン23が後退する(オー
プン位置へ移行する)。この第1シャットオフピン23の
オープン位置へ移行に伴い、前記揺動アーム27が第4図
の状態から右旋・揺動し、第2シャットオフピン24がコ
イルスプリング26の弾性力に抗して固定金型3側へ移行
して(シャットオフ位置へ変位して)、真空メインベン
ト15の途中を遮断(シャットオフ)する。
従って、第1シャットオフピン23によるランナー9の
オープンと、第2シャットオフピン24による真空メイン
ベント15のシャットオフとは、複雑な制御手段を要する
ことなく略同時に且つ正確に行われる。このようにして
真空メインベント15からの吸気は停止されるが、前述の
真空サブベント19からの吸気は溶湯30の充填が完了する
まで引き続き行われる。
また、第1シャットオフピン23の後退によってランナ
ー9がオープンすると、溶湯30がランナー9からゲート
11を通りキャビティ13に導かれる。前にも述べたように
真空メインベント15並びに真空サブベント19からの減圧
により、ゲート11並びにキャビティ13は予め高真空の状
態に保たれており、しかも真空サブベント19からは常に
吸引していることから、キャビティ13内に溶湯30を高速
で射出することができる。そのため、溶湯30をキャビテ
ィ13の隅々まで導くことができると共に、射出時間の短
縮が図れる。なお、真空サブベント19には隙間の極めて
小さい部分(前記した浅溝部19a)があるため、溶湯30
が真空サブベント19内に侵入することはない。
このようにして射出が終了し、該射出終了後に真空減
圧手段(VAC)16が駆動停止され、この後溶湯30が冷却
・固化した時点で、型開き行われ、前記したエジェクト
ピン34によってダイカスト鋳造品が移動金型4から離型
される。このエジェクト動作に伴い第1シャットオフピ
ン23は支えを失い、コイルスプリング26の復元力により
揺動アーム27が左旋・揺動し、第1シャットオフピン23
が移動金型4より所定量突出し(シャットオフ位置へ移
行し)、また、第2シャットオフピン24が移動金型4側
へ引き込み(オープン位置へ移行し)、図示せぬストッ
パーによって両ピン23,24の待機位置が確保されるよう
になっていた。
[発明が解決しようとする課題] 前述した第4,5図の従来の真空ダイカストマシンにお
いては、真空ポート17とキャビティ13との間を連通した
真空メインベント15内に、キャビティ13に導入された溶
湯30の一部が入り込んでしまうという事態を、別途駆動
源を設けることなく簡単なメカニズムで回避することが
できる。
しかしながら、前記した従来構成においては、前記コ
イルスプリング26の復元力によって、第2シャットオフ
ピン24をシャットオフ位置からオープン位置へ移行させ
ると共に、第1シャットオフピン23を揺動アーム27を介
してオープン位置からシャットオフ位置へ移行させるよ
うにしていたため、ピン23,24の「かじり」(前記した
ように前記第1,第2透孔21,22とピン23,24とのクリアラ
ンスが殆どないこと等に起因する)や、鋳造材料のバリ
の噛み込みなどによって、コイルスプリング26の復元力
では第1,第2シャットオフピン23,24が完全に復元でき
ない(もしくは全く復元できない)と問題があることが
指摘されていた。
これに対処するため、コイルスプリング26のバネ力を
大きくすればよいが、こうすると今度は揺動アーム27を
介して第1シャットオフピン23に加わるバネ圧が強くな
って、射出時に溶湯30が第1シャットオフピン23を後退
させようとする力では、第2シャットオフピン24がオー
プン位置からシャットオフ位置へ完全に移行できずに、
すなわち、射出時に真空メインベント15が完全に閉止で
きずに、溶湯30が真空メインベント15に飛び込むという
事故が発生する虞があった。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的と
するところは、前記したコイルスプリングの力を弱くし
ても、エジェクト行程時に、第1シャットオフピン23を
オープン位置からシャットオフ位置へ確実に復動移行さ
せることができ、また第2シャットオフピン24をシャッ
トオフ位置からオープン位置へ確実に復動移行させるこ
とができ、以って信頼性の高い安定した動作をとり得る
真空ダイカストマシンを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記した目的を達成するため、金型のキャビ
ティ内に溶湯を供給するための溶湯押し込み手段と、該
溶湯押し込み手段と前記キャビティとの間に設けられた
溶湯供給路と、該溶湯路をシャットオフもしくはオープ
ンする第1シャットオフピンと、前記金型のキャビティ
内を減圧するための真空減圧手段と、該真空減圧手段と
接続された真空ポートと、該真空ポートと前記キャビテ
ィとの間を連通した真空メインベントと、該真空メイン
ベントをシャットオフもしくはオープンする第2シャッ
トオフピンと、前記真空メインベントとは別個に設けら
れて前記キャビティと前記真空ポートとを連通し溶湯の
侵入は阻止する真空サブベントとを備え、型締後の射出
前の時点では、前記第1シャットオフピンによって前記
溶湯供給路をシャットオフすると共に、前記第2シャッ
トオフピンをオープン位置において前記真空メインベン
トをオープン状態とし、射出行程の途上で、前記溶湯供
給路に供給された溶湯の圧力によって前記第1シャット
オフピンをシャットオフ位置からオープン位置に移行さ
せると共に、該第1シャットオフピンの移行により揺動
する揺動アームによって、前記第2シャットオフピンを
オープン位置からシャットオフ位置に移行させるように
した真空ダイカストマシンにおいて、揺動可能に保持さ
れた前記揺動アームの一端を、前記第2シャットオフピ
ンに設けられた該第2シャットオフピンの軸方向と略直
交する穴に挿入・係合すると共に、前記第2シャットオ
フピンに、真空でこの第2シャットオフピンがシャット
オフ位置に引き込まれないことを保証する程度の弱いバ
ネ力のバネにより、オープン方向への偏倚習性を付与
し、また、前記揺動アームの他端を前記第1シャットオ
フピンの端部に当接させ、鋳造品を金型からエジェクト
するための鋳造品押出し手段のエジェクト行程終期の駆
動力によって、前記揺動アームを揺動させて、これによ
り、前記第1シャットオフピンをオープン位置からシャ
ットオフ位置に押し込むように強制移行させると共に、
前記第2シャットオフピンをシャットオフ位置からオー
プン位置に引き抜くように強制移行させるようにし、ま
た、前記鋳造品押出し手段は押出しシリンダとされ、該
押出しシリンダで駆動される押出し板に螺合・付設した
押出しノブによって、エジェクト行程終期に前記揺動ア
ームの所定部位を押圧するようになすと共に、前記押出
しノブの突出高さを調整可能とした、構成とされる。
[作 用] 型締後の射出前の時点では、第2シャットオフピンは
バネ(コイルスプリング)の弾性力によってオープン位
置におかれ、真空メインベントはオープン状態におかれ
ている。また、一端が第2シャットオフピンに結合した
連動機構(揺動アーム)の他端が当接した第1シャット
オフピンは、同じく上記バネの力を受けて溶湯供給路た
るランナーの一部をシャットオフした状態にある。上記
したバネのバネ力は、真空吸引時に第2シャットオフピ
ンが真空圧でシャットオフ位置に引き込まれないことを
保証する程度の弱いバネ力に設定されている。
いま、注湯口から注ぎ込まれた溶湯がプランジャの前
進によって押し上げられ、ランナーの途中まで達する
と、プランジャの押圧力を受けた溶湯の圧力が、第1シ
ャットオフピンの先端面にかかり、第1シャットオフピ
ンがオープン位置に退避・移行し、ランナーがオープン
状態となる。また、この第1シャットオフピンのオープ
ン位置への移行に伴って揺動アームが旋回し、これによ
って第2シャットオフピンがオープン位置からシャット
オフ位置へ移行し、真空メインベントがシャットオフさ
れる。この際、第1,第2シャットオフピンを偏倚させて
いたバネの弾性力は小さい値に設定されているので、溶
湯圧力による上記した第1,第2シャットオフピンの移行
動作は確実・円滑に行われる。斯様に真空メインベント
が閉塞されても、キャビティは予め高真空の状態に保た
れており、しかも真空サブベントからは常に吸引してい
ることから、キャビティ内に溶湯を高速で射出・充填す
ることができる。
キャビティ内に充填された溶湯が冷却・固化した時点
で型開きが行われ、これによって、鋳造品を被着した移
動金型が固定金型から離間し始める。この型開き行程の
途上で、鋳造品押出し手段(例えば、油圧あるいはエア
圧駆動の押出しシリンダ)で駆動される押出し板が移動
して、押出し板に一端を固着したエジェクトピンが移動
金型に被着された鋳造品を該移動金型から突き出す。ま
た、この鋳造品のエジェクト後に、上記押出し板に螺合
・付設した押出しノブが、揺動アームの第1シャットオ
フピン側を押圧して、第1シャットオフピンをオープン
位置からシャットオフ位置に強制的に移行させると共
に、揺動アームを介して前記第2シャットオフピンをシ
ャットオフ位置からオープン位置に強制的に移行させ
る。
このようにすることによって、バネ力を弱くしても、
エジェクト行程時に、第1シャットオフピンをオープン
位置からシャットオフ位置へ、また第2シャットオフピ
ンをシャットオフ位置からオープン位置へそれぞれ確実
に移行させることができ、以って信頼性の高い安定した
動作がとり得る。
[実施例] 以下、本発明を第1図〜第3図に示した1実施例によ
って説明する。なお、同各図において、前記第4,5図の
従来構成と均等の部材、部位には同一符号を付し、その
説明は特に必要がない限り重複を避けるため省略する。
なおまた、金型も前記第5図と同等の構造を採っている
ので、移動金型を側面から見た図も重複を避けるため割
愛してある。
本実施例においては、前記真空メインベント15の途中
をシャットオフもしくはオープンする前記第2シャット
オフピン24は、第2図にその詳細を示すように、前記第
2透孔22内を殆どクリアランスがない状態で摺動するピ
ン体24aと、該ピン体24aの雌ねじ部24a−1にその雄ね
じ部24b−1を螺合することによってピン体24aに固着さ
れた係合体24bと、ピン体24aと係合体24bとの間に挾持
された鍔体24cとから構成されている。そして、上記鍔
体24cと前記移動金型4との間には前記したコイルスプ
リング26が介装されて、第2シャットオフピン24にオー
プン方向(図示左行方向)の偏倚習性を付与している。
このコイルスプリング26のバネ力は、真空吸引時に第2
シャットオフピン24が真空圧でシャットオフ位置に引き
込まれないことを保証する程度の弱い値に設定されてお
り、例えば、ピン体24aの直径が30mmの場合には、7kgf
より若干強い値に設定されている。(参考までに述べる
と、従来のピン径30mmの場合では、前記第1シャットオ
フピン23をオープン位置からシャットオフ位置へ移行さ
せるために、20〜30kgfのバネ力を必要とした。) 前記第2シャットオフピン24の係合体24bには係合穴2
4b−2が形成されており、この係合穴24b−2に、前記
移動金型4に固着された前記支持部材29にピン28を介し
て揺動可能に保持された前記揺動アーム27の一端27aが
挿入・係合されている。従って、揺動アーム27は前記コ
イルスプリング26によって、図示左旋方向の回動習性を
付与されている。なお、第3図は、第2図のA−A線に
沿った要部断面を示している。
本実施例においては、前記ランナー9の途中をシャッ
トオフもしくはオープンする前記第1シャットオフピン
23は、第2図にその詳細を示すように、前記第1透孔21
内を殆どクリアランスがない状態で摺動するピン体23a
と、該ピン体23aの雌ねじ部23a−1にその雄ねじ部23b
−1を螺合することによってピン体23aに固着された係
合体23bとからなっている。そして、前記したような回
動習性を付与された揺動アーム27の他端27bが上記係合
体23bに当接し、これによって、第1シャットオフピン2
3はシャットオフ方向(図示右行方向)の偏倚習性が付
与されている。
また、型開き行程の途上から駆動される前記押出し板
33における、前記揺動アーム27の他端27bと対向する部
位には、押出しノブ40が螺合して取付けられており、該
押出しノブ40が、押出板33の往動行程の終期に(前記エ
ジェクトピン34による鋳造品の移動金型4からの離型終
了後に)前記揺動アーム27の他端27bを押圧し、これに
よって、揺動アーム27を強制的に左旋させ、オープン位
置にある第1シャットオフピン23をシャットオフ位置に
移行させると共に、シャットオフ位置にある第2シャッ
トオフピン24をオープン位置に移行させるようになって
いる。
本実施例においては、前記押出しノブ40は、押出し板
33の雌ねじ部33aにその雄ねじ部40aを螺合しているた
め、ねじ込み量を調整することによって押出し板33から
の突出高さが可変でき、揺動アーム27の適正な変位量を
容易に設定することが可能となる。
なお、前記押出し板33は、例えば油圧(もしくはエア
圧)で駆動される押出しシリンダ41のピストンロッドに
連結されたい外部エジェクト板42に連結シャフト43を介
して結合され、押出しシリンダ41の駆動力によって往復
動される。(上記した押出しシリンダ41と押出し板33と
の結合機構はほんの1例であり、任意の機構が採用可能
である。) 上記した構成において、型締後の射出前の時点では第
1,2図に示したように、第2シャットオフピン24はコイ
ルスプリング26の弾性力によってオープン位置におか
れ、真空メインベント15はオープン状態におかれてい
る。また、一端27aが第2シャットオフピン24に結合さ
れた揺動アーム27の他端27bが当接した第1シャットオ
フピン23は、同じく上記コイルスプリング26の力を受け
て溶湯供給路たるランナー9の一部をシャットオフした
状態にある。
いま、前記注湯口6から注ぎ込まれた溶湯30がプラン
ジャ7の前進によって押し上げられ、ランナー9の途中
まで達すると、この時点の直前近傍から高速に切り替え
られたプランジャ7の押圧力を受けた溶湯30の圧力が、
第1シャットオフピン23の先端面にかかり、第1シャッ
トオフピン23がオープン位置に退避・移行し、ランナー
9がオープン状態となる。また、この第1シャットオフ
ピン23のオープン位置への移行に伴って揺動アーム27が
右旋回し、これによって第2シャットオフピン24がオー
プン位置からシャットオフ位置へ移行し、真空メインベ
ント15がシャットオフされる。この際、コイルスプリン
グ26の弾性力は小さい値に設定されているので、溶湯圧
力による上記した両シャットオフピン23,24の移行動作
は確実・円滑に行われる。前述したように、真空メイン
ベント15が閉塞されても、キャビティ13は予め高真空の
状態に保たれており、しかも前記真空サブベント19から
は常に吸引していることから、キャビティ13内に溶湯30
は高速で射出・充填される。
キャビティ13内に充填された溶湯30が冷却・固化した
時点で型開きが行われ、これによって、鋳造品を被着し
た移動金型4が固定金型3から離間し始める。この型開
き行程の途上で、押出しシリンダ41によって押出し板33
が往動(図示右側に移行)して、エジェクトピン34が移
動金型4に被着された鋳造品を該移動金型4から突き出
す。また、この鋳造品のエジェクト後に、押出し板33に
螺合・付設した押出しノブ40が、揺動アーム27の第1シ
ャットオフピン側(他端27b)を押圧してこれを揺動さ
せ、第1シャットオフピン23をオープン位置からシャッ
トオフ位置に強制的に移行させると共に、前記第2シャ
ットオフピン24をシャットオフ位置からオープン位置に
強制的に移行させる。
このように両シャットオフピン23,24を次のショット
に備えて強制復帰させるので、ピンの「かじり」や鋳造
材料の噛み込みがあっても、両シャットオフピン23,24
を所期の位置へ確実に復動移行させることができ、以っ
て信頼性の高い安定した動作がとり得る。しかも、エジ
ェクトピン34を保持した押出し板33の往動動作を利用し
て両シャットオフピン23,24を強制復帰させているの
で、別途新たに駆動源を付設する必要もない。さらに、
コイルスプリングのバネ力を小さくできるので、高速射
出時の溶湯の圧力で両シャットオフピン23,24は所期の
位置に確実に復動移行する。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、溶湯押し込み手段とキ
ャビティとの間の溶湯供給路と、真空ポートとキャビテ
ィとの間の真空メインベントとを、2つのシャットオフ
ピンで交番的に一方をシャットオフ他方をオープンさせ
るようにし、しかも射出時の溶湯圧力で両シャットオフ
ピンを連動して所期の位置に往動させる構成をとる真空
ダイカストマシンにおいて、エジェクト時に両シャット
オフピンを所期の位置へ確実に復動させることができ、
信頼性の高い確実な動作を行わせることができ、該種真
空ダイカストマシンにあってその価値は高い。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の1実施例に係り、第1図は真
空ダイカストマシンの要部断面図、第2図は第1図の一
部を拡大して示す要部断面図、第3図は第2図のA−A
線に沿う要部断面図、第4図及び第5図は従来例に係
り、第4図は真空ダイカストマシンの要部断面図、第5
図は移動金型の型開き面側の側面図である。 1……固定ダイプレート、2……移動ダイプレート、3
……固定金型、4……移動金型、5……スリーブ、6…
…注湯口、7……プランジャ、8……給湯ラドル、9…
…ランナー、11……ゲート、13……キャビティ、15……
真空メインベント、16……真空減圧手段、17……真空ポ
ート、18……エアベント、19……真空サブベント、21…
…第1透孔、22……第2透孔、23……第1シャットオフ
ピン、23a……ピン体、23b……係合体、24……第2シャ
ットオフピン、24a……ピン体、24b……係合体、24c…
…鍔体、26……コイルスプリング、27……揺動アーム、
28……ピン、29……支持部材、30……溶湯、33……押出
し板、34……エジェクトピン、40……押出しノブ、41…
…押出しシリンダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−66058(JP,A) 特開 昭57−152362(JP,A) 特開 昭62−151258(JP,A) 実開 昭62−131770(JP,U) 実公 昭44−17620(JP,Y1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型のキャビティ内に溶湯を供給するため
    の溶湯押し込み手段と、該溶湯押し込み手段と前記キャ
    ビティとの間に設けられた溶湯供給路と、該溶湯供給路
    をシャットオフもしくはオープンする第1シャットオフ
    ピンと、前記金型のキャビティ内を減圧するための真空
    減圧手段と、該真空減圧手段と接続された真空ポート
    と、該真空ポートと前記キャビティとの間を連通した真
    空メインベントと、該真空メインベントをシャットオフ
    もしくはオープンする第2シャットオフピンと、前記真
    空メインベントとは別個に設けられて前記キャビティと
    前記真空ポートとを連通し溶湯の侵入は阻止する真空サ
    ブベントとを備え、型締後の射出前の時点では、前記第
    1シャットオフピンによって前記溶湯供給路をシャット
    オフすると共に、前記第2シャットオフピンをオープン
    位置において前記真空メインベントをオープン状態と
    し、射出行程の途上で、前記溶湯供給路に供給された溶
    湯の圧力によって前記第1シャットオフピンをシャット
    オフ位置からオープン位置に移行させると共に、該第1
    シャットオフピンの移行により揺動する揺動アームによ
    って、前記第2シャットオフピンをオープン位置からシ
    ャットオフ位置に移行させるようにした真空ダイカスト
    マシンにおいて、 揺動可能に保持された前記揺動アームの一端を、前記第
    2シャットオフピンに設けられた該第2シャットオフピ
    ンの軸方向と略直交する穴に挿入・係合すると共に、前
    記第2シャットオフピンに、真空でこの第2シャットオ
    フピンがシャットオフ位置に引き込まれないことを保証
    する程度の弱いバネ力のバネにより、オープン方向への
    偏倚習性を付与し、また、前記揺動アームの他端を前記
    第1シャットオフピンの端部に当接させ、鋳造品を金型
    からエジェクトするための鋳造品押出し手段のエジェク
    ト行程終期の駆動力によって、前記揺動アームを揺動さ
    せて、これにより、前記第1シャットオフピンをオープ
    ン位置からシャットオフ位置に押し込むように強制移行
    させると共に、前記第2シャットオフピンをシャットオ
    フ位置からオープン位置に引き抜くように強制移行させ
    るようにし、また、前記鋳造品押出し手段は押出しシリ
    ンダとされ、該押出しシリンダで駆動される押出し板に
    螺合・付設した押出しノブによって、エジェクト行程終
    期に前記揺動アームの所定部位を押圧するようになすと
    共に、前記押出しノブの突出高さを調整可能としたこと
    を特徴とする真空ダイカストマシン。
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