JP2572179Y2 - マルチ移植機のシート支持装置 - Google Patents

マルチ移植機のシート支持装置

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JP2572179Y2 JP1992082309U JP8230992U JP2572179Y2 JP 2572179 Y2 JP2572179 Y2 JP 2572179Y2 JP 1992082309 U JP1992082309 U JP 1992082309U JP 8230992 U JP8230992 U JP 8230992U JP 2572179 Y2 JP2572179 Y2 JP 2572179Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、マルチ移植機のシート
支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】稲作の分野においては、苗株だけを出し
て田面をビニールフィルム等のシート部材で被覆するこ
とにより、雑草の生えるのを防止して除草剤による環境
汚染の問題を解決し、かつ、植付後における栽培管理の
簡略化と省力化が達成できるため、最近とみにマルチ水
稲栽培法が注目されつつある。
【0003】また、畑作の分野でも、特に、レタス、白
菜、キャベツ等の生鮮野菜の栽培において、圃場の保温
性を高めて種子の発芽や活着を良好にすると共に降雨時
の土の跳上がりや雑草の発生を防止するため、土壌表面
をシート部材で被覆するマルチ栽培が普及している。
【0004】そして、上記のようなマルチ栽培用の移植
機(マルチ移植機)は、一般に、走行機体の後方に植付
部を昇降自在に連結し、ロール支持部に横架されたロー
ル状シート部材を順次後方に繰出して圃場面を被覆しな
がら植付杆により苗を被覆されたシート部材の上から植
付けるようになっている。
【0005】ところで、上記のようなマルチ移植機にお
いては、圃場での作業中、一工程を終了して次工程に入
るべく枕地等で機体を回行する際には、その都度シート
部材を切断して既敷設シート部分を共連れしないよう機
体から分離する必要があるが、従来のマルチ移植機で
は、このようなシート部材を切断するための専用のカッ
タを機体に設けることなく、手持ちの鎌やナイフ等を使
用してシート部材を切断するようにしたものが多い。ま
た、専用のカッタを設けたものも一部提案されている
が、いずれも、シート部材を圃場面に接している位置よ
りも前方上方位置、すなわちフロートや押圧輪等による
圃場面への押圧作用位置よりも前方で切断するようにし
ている。
【0006】しかし、シート部材を圃場面に接している
位置よりも前方上方位置で切断すると、機体回行後、植
付部を下降接地させて次工程に入る前にその都度オペレ
ータが圃場に降りてシート部材の繰出先端側を少なくと
もフロートや押圧輪等によるシート部材の押圧作用位置
まで手で引出し(繰出し)てフロートや押圧輪等に対す
る位置関係が適正状態となるようセットし直さなければ
ならず、その作業が面倒で作業能率を徒に低下させると
いう問題がある。そのため、次工程におけるシート部材
の引出し操作を不要にすべく、シート部材を少なくとも
フロートや押圧輪等の踏み代分を残して予め長めに切断
することも考えられる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】ところで、シート部材
を長めに切断すると、機体回行の際、切断されたシート
部材の遊端側が垂れ下がって泥中を引き摺り、シート部
材が一側に偏ったり捩れたり、或はシート部材の材質
(例えば紙製等)によっては垂れ下がったまま回行する
と全体がよれよれになってしまい次工程の植付作業に支
障をきたす等の不都合がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案に係るマルチ移植
機のシート支持装置は、上記のような問題点を解消すべ
く創案されたものであって、走行機体の後方に植付部を
昇降自在に連結し、ロール支持部に横架されたロール状
シート部材を順次後方に繰出して圃場面を被覆しながら
植付杆により苗を被覆されたシート部材の上から植付け
るようにしたマルチ移植機において、前記ロール支持部
を植付部の前側下部に位置させて植付部に装着し、植付
部が上昇した状態にあるときシート部材の繰出遊端側を
下方から受止め支持するシート受体を植付幅方向に複数
本、植付部の前部寄り側から植付部の下方を迂回させて
後方に延設すると共に、シート受体の後端側を下方に向
かう傾斜面又は湾曲面に構成したことを要旨とする。
【0009】
【作用】植付作業中、枕地等で機体を回行する際は、植
付部を上昇させる前に運転席位置でカッタ取付用アーム
を操作してシート部材を植付部の後方位置で圃場面に被
覆されたまま切断する。シート部材を切断した後、植付
部を上昇させて機体を回行させる際、シート受体も植付
部と一体的に上昇するためシート部材の繰出遊端側はシ
ート受体により略水平に展開状態のまま受止め支持され
るが、シート受体の後端側が下方に向かう傾斜面又は湾
曲面に構成されているので、植付部をリフトアップした
ときにシート受体の後方突出端でシート部材に傷をつけ
たりする虞はない。機体の回行後は植付部を再度下降接
地させて次工程の植付を行うが、植付部を接地させる
と、シート受体は泥中に沈下した植付作業位置に復帰す
ると共に、シート部材の遊端側はローラフロートにより
圃場面に押圧される。
【0010】
【実施例】本考案の構成を図面に示された一実施例につ
いて説明すれば、図面にはマルチ移植機としてマルチ装
置を備えた乗用田植機(マルチ移植機)Aが例示されて
いる。1は前輪2及び後輪3を有し前部にエンジン4
を、後部寄りに運転席Sを搭載した走行機体(乗用田植
機の本機)で、その後方にはアッパリンク5及びロワリ
ンク6からなるヒッチH付き昇降リンク7と延長フレー
ム8を介して植付部Pが昇降自在かつ着脱自在に連結さ
れている。上記延長フレーム8は、図1及び図2に示す
ように植付部Pと一体に連結されており、この延長フレ
ーム8を介在させたことにより、その分、植付部Pが通
常の乗用田植機よりも後方へ移動し、また、昇降リンク
7の後端下方部分に空間部aが形成されるようになって
いて、この空間部aに後述のロール支持部を配設するよ
うにしてある。なお、植付部Pは本機の傾きに関係なく
圃場面(田面)に追随して走行すべく延長フレーム8に
対し支点軸9を介しローリング自在に連結されている。
10は本機1側のPTO軸1aと植付部P側のドライブ
ケース11の入力軸11aとを連結する自在継手軸で、
この自在継手軸10は中途部の対地高さをかせぐべく直
棒状のものではなく中途部で分割された屈曲軸が採用さ
れ、前後の軸10a,10bは上記空間部aの上部側に
位置して延長フレーム8に固定のホルダ10’に回転自
在に支持された中間軸10cを介して連結されており、
自在継手軸10により後述のロール支持部の配置スペー
スが減殺されないよう配慮している。
【0011】ところで、上記マルチ移植機Aには浅層用
と深層用の流動状肥料を別々に収容した肥料タンク1
2,13、施肥ポンプ14,15、吸引ホース16、吐
出ホース17及び上下2段の土中施肥部(施肥ノズル)
18,19等からなる施肥装置Bが装備されており、苗
の植付と同時に側条施肥されるようになっている。上記
施肥ノズル18,19のうち、18は浅層施肥施肥ノズ
ル、19は深層施肥ノズルで、これらの施肥ノズル1
8,19は実施例では後述のロール支持部30に夫々ブ
ラケット18a,19aを介して固定されている。な
お、施肥ノズル18,19は上下方向に回動調整固定自
在に構成することもできる。
【0012】植付部Pは前記ドライブケース11の他に
前高後低状の苗載台20、ロータリ式の植付杆21及び
前後に夫々回動自在に横架した複数本のローラフロート
22(実施例では植付幅全幅にわたる長尺ローラを前後
に2本配置しているが、ローラフロート22は左右に分
割したものでもよく、また前後に3本以上配置してもよ
い)等からなり、この植付部Pにマルチ装置が一体的に
組込まれた構造となっている。前記ローラフロート22
はドライブケース11の下面に固定のブラケット23に
ピン軸24を介し所定範囲上下回動自在に枢結されたフ
レーム25の先端に支軸26により上下揺動自在に連結
された三角形状の軸受27にシャフト22aを介し回転
自在に支持されている。そして、上記フレーム25の前
部側は弾機C付き屈伸機構Dを介して植付部Pの固定側
に連結されており、したがって、フレーム25はローラ
フロート22が受ける接地圧の変化に対応して公知慣行
のソリ状フロートと同様の動きをし、支軸26は前後の
ローラフロート22のイコライザ支点及び植付部昇降自
動制御機構の油圧感知用支軸となっている。また、ロー
ラフロート22は後述するシートの圃場面に対する押圧
ローラを兼ねるようになっていて、ローラフロート22
は浮力を充分発揮すべくシャフト22aに対する摺動部
等にはシール材が介装されていて内部に泥水が侵入しな
いようになっている。前記施肥装置Bの土中施肥部1
8,19はローラフロート22よりも前方に配置されて
おり、シート部材による田面被覆に先行して土中に施肥
されるようになっている。なお、油圧感知は図示しなか
ったがソリ状の専用部材で行うようにしてもよい。28
は感度調節レバー、29は植付深さ調節レバー、Gは図
示外の油圧バルブに連結された連結具である。
【0013】なお、本実施例ではシート部材bの横幅は
図5に示すように植付幅よりも広くなっており、また、
ローラフロート22としてシート部材bの横幅全幅にわ
たる長尺ローラを前後に2本配置した構造のものが示さ
れているが、ローラフロート22は左右に複数本に分割
したものでもよく、また、前後方向に3本以上配置して
もよい(図13参照)。さらに、ローラフロート22の
本数、サイズならびに材質等は実施に際し適宜変更し得
る。また、ローラフロート22は圃場条件等に対応して
交換可能に或は増減可能に構成することも可能である。
【0014】30はロール状に巻込んだシート部材(以
下単にロールともいう)bを収納支持するロール支持部
で、前記空間部aを利用し植付部Pの前側下部に位置さ
せて植付部Pに装着されている。すなわち植付部Pに横
架されているパイプフレーム31に固定された左右のロ
ールホルダ32が後輪3の近傍まで延出され、その延出
端側には後面側にシート繰出口33を有し、かつ左右両
端を開放したダクト状のロール収納用ケース34が固定
され、ケース34の左右開放部は後部側を支点35とす
る開閉式のロール収納口蓋36で覆われていて、ケース
34内へのシート部材bの装填(植付作業開始時及び作
業中の補給)は機体の左右いずれの側方からでも行える
ようになっている。そして、ロール収納口蓋36には外
方に手動によるシート繰出し用撮み37aを有するロー
ル支持軸37が回動自在に支持され、ロールbは芯軸
b’を介し左右のロール支持軸37間に弾発的に挟持さ
れるようになっている。
【0015】上記ロールbは、実施例では一工程での植
付幅全幅を同時に被覆すべく広幅の1本状のものが使用
され、ロールbを収納支持するケース34も略機幅に相
当する幅広に形成されているが、ロールb及びケース3
4は夫々複数本に分割した構成にしてもよい。分割式の
場合は、ロール収納用ケース34は段違い状又は前後に
ずらして配置する。なお、シート部材bはマルチ栽培に
使用されている通常の樹脂系フィルムを使用し得るが、
本考案では、シート部材bとして再生紙(例えば、段ボ
ール等を水に溶かして澱粉糊を加えたもので40〜50
日経過すると田面中の泥水に溶解する)を使用してい
る。
【0016】一方、ケース34の下部にはロールbの収
納作業を容易にするため、前後一対のガイドローラ40
がケース34内に突出した作用位置と下方に退避した非
作用位置と切換自在に設けられており、その切換操作は
レバー41でカム42を回動させて行うようになってい
る。38は左右のホルダ32間に支軸38aを介し上下
揺動自在に支持されたアームで、アーム38の揺動先端
側には下面側を開放したコ字状フレーム39が固定さ
れ、このフレーム39にガイドローラ40のローラ軸4
0aが支持されると共に前記カム42の従動ローラ42
aがローラ軸42b及び軸受42cを介し回転自在に軸
支されている。
【0017】43は植付部Pが上昇した状態(機体回行
時等)にあるとき、シート部材bの繰出遊端側を下方か
ら受止め支持するシート受体で、植付部Pの前部寄り側
から(実施例ではロール支持部30の下部側から)植付
部Pの下方を迂回させて後方へ延設されている。このシ
ート受体43は側面視で逆へ字形状を呈する丸棒状体又
は板状体等からなり植付幅方向に適間隔を存し複数本
(実施例では8本)配設されている。そして、これら各
シート受体43は前記レバー41の操作で前部側を支点
として略水平姿勢を保持する作用姿勢と下向きに傾斜す
る傾斜姿勢とに切換自在に構成されている。すなわち、
レバー41の基端部は左右のホルダ32間に回動自在に
横架されたカム軸44に固定され、カム軸44には前記
ガイドローラ40の上下作動用カム42と板バネからな
るスクレーパ45の押圧用カム46が固設されると共
に、カム軸44の端部側にアーム44aが固定されてい
る。一方、前記カム軸44の後方に位置して左右のホル
ダ32間に各シート受体43の基端側を固定した横軸4
7が回転自在に支持されており、この横軸47の端部側
に固定したアーム47aの遊端側にはL型プレート48
が枢結されると共に、このプレート48の折曲部48a
に対し前記アーム44aの遊端側に枢結されたロッド4
9が進退自在に貫挿され、ロッド49とプレート48は
圧縮バネfにより短縮方向に弾発付勢されていて、シー
ト受体43が略水平姿勢となる植付作用姿勢では圧縮バ
ネfの支点越えによりシート受体43の下降を、また上
限ストッパdによりシート受体43の上昇を規制してい
る(図9、図10参照)。この状態ではカム46がスク
レーパ45の末端側を押圧し、シート繰出口33に臨ま
せたスクレーパ先端側をロールbの前面に程よい力で圧
接しており、シート部材bの繰出し作用を円滑に行うよ
うになっている。eはシート受体43の下限ストッパで
ある。なお、シート受体43の切換操作レバーを別途に
設けてもよい。
【0018】ところで、各シート受体43の後端側は側
面視で下方に向かう傾斜面又は湾曲面Kに構成されてい
る。この傾斜面又は湾曲面Kはシート受体43の後端側
全体を下方に向け湾曲又は屈曲させることにより構成す
ることができ、或は上面側を面取り状又はアール状に加
工して構成することもできる(図22A〜E参照)。シ
ート受体43の後端側全体を湾曲又は折曲する場合は折
曲角度等は植付作業時の泥土抵抗等を考慮しやや緩やか
に設定したほうがよく、また、シート受体43を丸棒状
ではなく角棒又は板状のもので構成した場合には、シー
ト受体43の上面左右両角は少なくとも上記傾斜面又は
湾曲面Kの部分を面取り又はアール状に加工したほうが
よい。
【0019】50は植付部Pに対し支軸51を中心に上
下動自在に装着されたシート切断用のカッタで、このカ
ッタ50は基端操作部52aを運転席Sの近傍に臨ませ
た側面視倒へ字形状かつ平面視でコ字形状を呈するアー
ム52の後端にシート部材bの敷設幅全幅にわたって固
定されている。そして、アーム52の基端操作部52a
を押上げることによりアーム52後端のカッタ50部が
支軸51を支点として下方に回動し、これによりを田面
に被覆されたシート部材bを田面に接地している状態の
まま切断するようになっている。また、上記カッタ50
は一枚状のものではなく横方向に多数連続状に配置した
多数刃(実施例では8枚刃)により構成されており、各
刃の取付用ボルト50aを外すことにより部分交換可能
となっている。そして、カッタ50は切断時以外は上方
退避位置に位置決めすべくアーム52は図示外のスプリ
ング又はストッパ等の位置決め機構を介して図1及び図
2の実線図示の位置に保持されている。
【0020】なお、実施例では、カッタ50を植付部P
の後方に位置させ、シート部材bを植付部Pの後方近傍
位置で切断するように構成したものであるが、シート部
材bが田面に接地した状態で切断するものであれば、カ
ッタ50の配置個所及び切断位置は必ずしも植付部Pの
後方である必要はない。ただ、切断作用は少なくともロ
ーラフロート22よりも後方位置で行われるようにした
方がよい。機体回行後の次工程ではシート部材bの遊端
側をローラフロート22で田面に押圧させた状態で植付
を開始するからである。
【0021】走行機体1の左右両側方にはシート部材b
の予備ロール60を支持する予備ロール支持部61が走
行機体に沿わせて前後方向に配置されており、左右の予
備ロール支持部61は夫々外側方へ向け回動可能に構成
されている。すなわち、運転席Sの後方両側には支えフ
レーム62が先端側を機体の側方に若干張出した状態で
平面視ハ字形状に固定されており、その張出端側には、
予備ロール60を前後左右から受止め支持すると共に予
備ロール60出入れ時のガイド作用を果たさせるべく4
個のガイドローラ63を回転自在に軸支した予備ロール
支持部61が支軸64を介して外側方に回動可能に連結
されており、植付部Pを上昇させた状態で予備ロール支
持部61を外側方へ略90度回動させたとき、予備ロー
ル支持部61に支持されている予備ロール60が植付部
P側に横架されたロール支持部30のロール収納用ケー
ス34の収納口に合致し、ロール支持部30への予備ロ
ール60の装填作業(補給作業)を機体の片側から予備
ロール60を押込むようにして容易に行えるようになっ
ている。なお、予備ロール支持部61は図示しなかった
が適宜ストッパ機構により機体に沿うセット位置又は外
側方に回動したロール補給位置に夫々位置決めされるよ
うになっている。
【0022】さて、予備ロール60は、バンパー65の
前面側にも1本支持し得るようになっている。すなわ
ち、バンパー65にもブラケット66を介して予備ロー
ル支持部67が設けられ、この支持部67に予備ロール
60がバンド68で横向きに保持されており、この前部
側の予備ロール60が機体のバランスウエイトを兼ねる
ようになっている。
【0023】なお、上記実施例では、水田(稲作)用の
マルチ移植機Aを例にして説明したが、本考案は、畑作
作物の苗を圃場に移植する畑のマルチにも利用できる。
したがって、本考案は水田用に限らず、畑作用のものを
含めてマルチ移植機一般に採用し得る。
【0024】上記の構成において、植付作業を開始する
に際しては、先ず、植付部Pをリフトアップした状態に
してロール支持部30及び予備ロール支持部61,67
にロール状に巻込んだシート部材(ロール)bと予備ロ
ール60を夫々装填する。そして、シート繰出し用撮み
37aを回動操作してロール支持部30に装填したロー
ルbの繰出端部側をシート繰出口33からローラフロー
ト22の後方位置まで引出す。この際シート受体43を
下方に回動させておくことによりシート部材bの引出し
作用を容易に行える。ついで、シート受体43を上方に
回動復帰させ、植付部Pを下降接地させると、シート受
体43は泥中に没入すると共に、上記ロール支持部30
から引出されたシート部材bはローラフロート22によ
り田面に押圧させる。
【0025】この状態で植付部P及び施肥装置Bを始動
させて作業を開始すると、機体1の前進に伴ってシート
部材bがロール支持部30から順次繰出されて田面に被
覆(全面マルチ)され、被覆されたシート部材bの上か
ら植付杆21で苗が植付けられると共に、土中施肥部1
8,19により土中の浅層と深層の上下2段に側条施肥
される。
【0026】上記植付作業中、機体を回行させる場合
は、運転席S位置からアーム52の基端操作部52aを
持って上方に押上げれば、アーム52は支軸51を中心
にして後部のカッタ50側が下方に回動するため田面に
敷設されたシート部材bは植付部Pの後方位置で田面に
接地したままの状態で全幅にわたってカッタ50により
切断される。この際、ローラフロート22によりシート
部材bを介して均平に整地された田面が切断時における
シート部材bの受け台代わりとなるので、再生紙からな
るシート部材bが濡れた状態にあることと相俟って切断
作用が的確に行われる。
【0027】シート部材bを切断した後、植付部Pを上
昇させて機体を回行させる際、シート受体43も植付部
Pと一体的に上昇するためシート部材bの繰出遊端側は
シート受体43により略水平に展開状態のまま下方から
受止め支持される(図2、図5参照)。そのため、シー
ト部材bを植付部Pの後方(又はローラフロート22の
後方)で切断するものでありながら、機体回行時にシー
ト部材bの繰出遊端側が垂れ下がって泥中を引き摺るよ
うなことはなく、田面から浮上した安定姿勢に保持され
るので、シート部材bが一側に偏ったり捩れたりして次
工程の植付作業に支障をきたすようなことはない。
【0028】ところで、植付部Pをリフトアップしたと
きに、シート部材bの繰出遊端側が自重により図5に示
すように、シート受体43の後方突出端部で折曲がって
下方に垂下するが、上記シート受体43の後端側が下方
に向かう傾斜面又は湾曲面Kに構成されているので、シ
ート受体43の後方突出端でシート部材bに傷をつけた
りする虞はない。本実施例では、シート部材bとして再
生紙を利用しているので、植付部Pをリフトアップした
とき、シート受体43の後方突出端が角張っていると濡
れた紙の自重等でシート受体43の後方突出端から穴が
開きシート部材bが破れたりすることも考えられるが、
シート受体43の後方突出端部が下向き傾斜面又は湾曲
面Kに形成されているので、かかる不都合はない。
【0029】さて、機体の回行後は植付部Pを再度下降
接地させて次工程の植付を行うが、植付部Pを接地させ
ると、シート受体43は図1及び図4に示すように泥中
に沈下した植付作業位置に復帰すると共に、シート部材
bの繰出遊端側はローラフロート22により田面に押圧
されるので、従来のもののように次工程に入るたび毎に
シート部材bを手で所定位置(フロート等による押圧位
置)まで引出してセットする煩わしさはなく、そのまま
次工程の植付作業に入ることができる。
【0030】また、機体回行時にシート部材bの遊端側
がシート受体43により非接地状態で受止め支持される
ので、シート部材bの切断個所を従来のものよりも極力
後方寄りに設定でき、したがって機体回行後、次工程に
入る際のシート部材bの人手による引出し作業やシート
部材bの繰出し端側を植付部Pの所定位置にセットする
等の面倒な作業が不要となり、作業性を大幅に高めるこ
とができる。
【0031】ところで、本考案では、シート部材bとし
て再生紙を利用しているので、移植後40〜50日で再
生紙が泥中で溶解解消するため、慣行栽培技術の利用が
可能となるばかりでなく、シート部材回収の面倒な作業
が不要となり、マルチ栽培の省力化と天然資源の再利用
化が達成される。
【0032】
【考案の効果】本考案は上述したように構成したので、
シート部材の切断後、植付部を上昇して行う機体回行時
には、シート部材の遊端側がシート受体に受止め支持さ
れ、そのためシート部材の遊端側が圃場面上に垂下して
泥まみれとなったり左右片側に偏ったり、或は捩れたり
する不都合が解消され、もって次工程でのシート部材の
繰出し作用を円滑かつ確実に行うことができると共に、
植付部をリフトアップしたときにシート受体の後方突出
端でシート部材に傷をつけたりする虞がなく、シート部
材として紙シートを使用した場合であっても、濡れた紙
の自重等でシート受体の突出端側から穴が開きシート部
材が破れるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案を装備したマルチ移植機の作業状態を示
す側面図である。
【図2】植付部をリフトアップさせた状態を示す側面図
である。
【図3】マルチ移植機の平面図である。
【図4】要部の拡大側面図である。
【図5】植付部の上昇時におけるシート部材とシート受
体の作用を示す拡大側面図である。
【図6】予備ロール支持部の拡大平面図である。
【図7】カッタの取付構造を示す平面図である。
【図8】予備ロール支持部の拡大側面図である。
【図9】ローラフロートの作用を示す斜視図である。
【図10】ローラフロート取付部の側面図である。
【図11】ローラフロート取付部と油圧感知部の斜視図
である。
【図12】油圧感知部の分解斜視図である。
【図13】ローラフロートの他の実施例を示す平面図で
ある。
【図14】ガイドローラ、シート受体及びスクレーパの
作動機構の斜視図である。
【図15】ガイドローラ、シート受体及びスクレーパの
作動機構の分解斜視図である。
【図16】ガイドローラ下降、シート受体上昇、スクレ
ーパ作用状態を示す作用説明図である。
【図17】図16における圧縮バネの作用説明図であ
る。
【図18】ガイドローラ下降、シート受体下降、スクレ
ーパ作用状態を示す作用説明図である。
【図19】図18における圧縮バネの作用説明図であ
る。
【図20】ガイドローラ上昇、シート受体下降、スクレ
ーパ退避状態を示す作用説明図である。
【図21】図20における圧縮バネの作用説明図であ
る。
【図22】(A)〜(E)は夫々シート受体の後端側の
形状例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 走行機体 21 植付杆 22 ローラフロート 30 ロール支持部 41 切換操作レバー 43 シート受体 50 カッタ 52 カッタ取付用アーム 60 予備ロール 61 予備ロール支持部 A マルチ移植機 B 施肥装置 K シート受体後端側の傾斜面又は湾曲面 P 植付部 b シート部材(ロール)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−151805(JP,A) 特開 昭63−126409(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01G 13/00 303

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体の後方に植付部を昇降自在に連
    結し、ロール支持部に横架されたロール状シート部材を
    順次後方に繰出して圃場面を被覆しながら植付杆により
    苗を被覆されたシート部材の上から植付けるようにした
    マルチ移植機において、前記ロール支持部を植付部の前
    側下部に位置させて植付部に装着し、植付部が上昇した
    状態にあるときシート部材の繰出遊端側を下方から受止
    め支持するシート受体を植付幅方向に複数本、植付部の
    前部寄り側から植付部の下方を迂回させて後方に延設す
    ると共に、前記シート受体の後端側を側面視で下方に向
    かう傾斜面又は湾曲面に構成したことを特徴とするマル
    チ移植機のシート支持装置。
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