JPS6245555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈取収穫作業を行ないながら播種作
業をも行なえるように、播種装置を対車体上下揺
動可能な刈取部に設けた播種装置付き刈取収穫機
に関する。

上記播種装置付き刈取収穫機において、従来で
は、播種装置を、刈取部に、固定支持、あるい
は、上下揺動可能に支持させるようにしている
が、これらの場合、刈取部を刈高さ調節のために
上下揺動させた際、あるいは、機体がピツチング
を起した際に、播種装置の対地姿勢が適正姿勢か
ら外れて、例えば、種子を所望の箇所に落下放出
させることができなくなる等、所望通りの播種作
業を行なえなくなる不都合があつた。

本考案は、上記実情に鑑みて為されたものであ
つて、その目的は、播種装置の対地姿勢を適正姿
勢に維持できるようにする点にある。

本考案、冒記播種装置付き刈取収穫機におい
て、前記播種装置に、それを対地姿勢を一定にす
る状態で支持する接地支持体を連設するととも
に、前記播種装置を刈取部に対して平行に上下可
能に、且つ、刈取部に対して横軸心周りに揺動可
能に支持するリンク機構を設けてあることを特徴
とする。

次に、本案構成による作用効果を述べる。

すなわち、リンク機構によつて、播種装置が刈
取部に対して平行上下動及び横軸心周りに揺動す
ることを許容させるように支持するとともに、接
地支持体によつて、播種装置を対地姿勢を一定に
する状態で対地支持させるようにしてあるから、
刈取部が刈高さ調節のために上下揺動したり、機
体がピツチングを起すようなことがあつても、播
種装置の対地姿勢を播種に適する適正姿勢に維持
させることができるのであり、もつて、冒記不都
合を解消して、一層良好に使用することが可能な
播種装置付き刈取収穫機を得るに至つた。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図に示すように、走行用ミツシ
ヨンケース１内の操向用伝動用クラツチによつて
各別に駆動断続可能な左右走行用クローラ２，２
を備えた走行機台を設け、横一側部に架設したフ
イードチエーン３によつて茎桿を挾持搬送しなが
ら投脱穀する装置４、脱穀処理後の排ワラを細断
して放出する円盤型排ワラカツタ５、脱穀処理後
の穀粒を袋詰め処理する装置６、エンジン７、及
び、運転席８の夫々を、前記走行機台に、搭載及
び取付けて、本機を構成するとともに、圃場に植
えられた稲麦等の茎桿を分草するデバイダ９、デ
バイダ９によつて左右一対の茎桿導入径路Ａ，Ａ
内に導入されてくる茎桿を引起す装置１０、引起
し茎桿の株元を切断するバリカン型刈刃１１、刈
取茎桿を後方上方へ搬送して前記フイードチエー
ン３に供給する茎桿搬送装置１２等を備えた刈取
部１３を、前記本機に、横軸心Ｘ周りで上下揺動
自在に枢支し、刈取部昇降操作用油圧シリンダ１
４を設け、もつて、機体進行に伴い圃場に植えら
れた茎桿を刈取収穫し、しかも、刈高調節や路上
走行時において対地接当回避のために、刈取部１
３を対機体昇降操作可能なコンバインを構成して
ある。

上記構成のコンバイン、通常は、機体左横側部
に未刈茎桿を位置させる状態で回り刈り作業を行
なうものであり、大豆等の作物の種子を機体右横
側部の既刈地部分に機体進行に伴つて条播する播
種装置１５を、刈取部１３に連結支持してある。

第３図乃至第８図に示すように、前記播種装置
１５を構成するに、棒状係止突起１６ａ付き円盤
状接地回転体１６及びそれの通過跡を接地押圧す
る接地ローラ１７を前後に適当間隔隔てて取付け
た枠体１８を設け、種子貯留タンク１９を、枠体
１８に連結するとともに、タンク１９からの種子
を前記回転体１６の通過跡に形成される凹溝内に
供給する種子供給パイプ２０を設け、さらに、前
記タンク１９内の種子取出量を一定に抑制するた
めの種子繰出しロール２１を前記回転体１６に、
それと一体回転するようチエーン２２によつて連
動連結させる状態で設け、もつて、回転体１６に
て繰出しロール２１を駆動回転させながらタンク
１９内の種子を条播するように構成し、しかも、
条播された種子の上部に、前記排ワラカツタ５か
らの細断ワラを種子保温等のために落下させるよ
うに構成してある。

前記播種装置１５を刈取部１３に取付けるに、
デバイダ支持フレーム２３から立設した縦軸２４
に、第１揺動アーム２５の後端部を横揺動自在に
枢着し、第１揺動アーム２５に一体回動するよう
付設したコの字状枠体２６と前記縦軸２４から連
結した舌片２７との間に、第１揺動アーム２５を
対刈取部所定横揺動位置に復帰付勢するための押
圧スプリング２８，２８を設け、第１揺動アーム
２５の前方遊端部に、横軸２９を縦軸心Ｐ周りで
前後揺動自在に枢着し、第２揺動アーム３０を、
前記横軸２９に揺動可能に枢着し、前記枠体１８
を前記第２揺動アーム３０に対して平行上下動可
能に連結する上下一対の揺動リンク３１，３１を
設け、さらに、それら揺動リンク３１，３１を下
降付勢するスプリング３２を設け、もつて、前記
回転体１６及びローラ１７によつて対地姿勢を一
定にする状態で接地支持される播種装置１５を、
第１揺動アーム２５の横揺動作用、及び、第１揺
動アーム２５を所定横揺動位置に復帰付勢するス
プリング２８，２８の付勢作用によつて、機体回
行時には回行方向と反対がわ方向に横移動可能で
ありながら、機体の直進移動に際しては機体とほ
ぼ平行な所定の横位置に復帰横移動可能に支持さ
せて、機体回行によつて種子の条が急激に屈曲す
ることを抑制できるように構成し、しかも、播種
装置１５を、一対の揺動リンク３１，３１の上下
動作用によつて対刈取部平行上下動可能に、且
つ、第２揺動アーム３０を介して横軸２９周りに
揺動可能に支持させて、機体のピツチング、及
び、刈高調節のための刈取部１３の上下揺動に拘
らず、適正対地姿勢に維持させるようにして良好
な播種作業を行なえるように構成してある。

前記播種装置１５の横外側方への移動範囲を規
制する杆状ストツパー３３を、プロテクターを兼
ねてデバイダ支持フレーム２３に連結支持させる
とともに、播種装置１５の横内側方への移動範囲
を規制する板状ストツパー３４を、デバイダ刈取
支持フレーム２３から突設し、もつて、播種装置
１５が不必要に大きな範囲に横移動することを阻
止するように構成してある。

前記第２揺動アーム３０の対横軸後方下方への
揺動範囲を規制するストツパー３５を、横軸２９
に付設し、第２揺動アーム３０を後方がわへ引張
り付勢するスプリング３６を設け、さらに、播種
装置１５の対第２揺動アーム３０の下降移動範囲
を、上下揺動リンク３１，３１の当りによつて規
制できるように構成し、もつて、刈取部１３を非
刈取作業範囲に上昇させた際に、播種装置１５を
吊下げ支持することができるように構成してあ
る。

前記播種装置１５を対地浮上させた高さに吊下
げ支持するための揺動フツク３７を、前記回転体
１６に係入させる状態で、且つ、その係入によつ
て回転体１６の回転を係止阻止させる状態で前記
縦軸２４に取付け、前記フツク係入孔３９を、回
転体１６に、その周方向に複数個形成し、さら
に、刈取部１３の下降に伴つて播種装置１３を対
地浮上させるためのスタンド４０を、前記枠体１
８に、下方作用姿勢と上方非使用姿勢とに切換揺
動可能に、且つ、両姿勢夫々においてピン固定可
能に取付け、もつて、中割作業時等の不要時に、
播種装置１５を対地浮上させた状態で、且つ、回
転体１６の回転を阻止させた状態で格納できるよ
うにしてある。尚、回転体１６がスポーク式の場
合においては、スポークを係止支持させて回転体
１６の回転を阻止させるようにするとよい。

本考案を実施するに、接地支持体としては、接
地回転体１６や接地ローラ１７に代えて、接地ソ
リ状体を設ける等、各種のものを使用できる。

そして、播種装置１５を接地支持体１６，１７
にて支持させるに、例えば種子貯留タンク１９を
機体がわに連結支持し、種子供給パイプ２０の吐
出口部分のみを接地支持体１６，１７にて支持さ
せるようにしてもよい。

又、本案は、左右走行装置として、クローラ
２，２に代えて、車輪を装備したバインダー等の
各種刈取収穫機に適用できる。

又、播種装置支持用リンク機構としては、前端
部が刈取部１３に上下揺動可能に枢支され、且
つ、後端部に播種装置１５を横軸心周りに揺動可
能に枢支する牽引リンクを設けるようにする等、
各種構造が考えられる。

又、播種装置１５を刈取部１３に取付ける位置
は、例えば刈刃１１の後方箇所に位置させる等、
各種変更可能である。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンバインの側面図、第２図は作業状
態の平面図、第３図は播種装置の側面図、第４は
同装置の平面図、第５図は同装置の正面図、第６
図は刈取部を上昇させた状態の側面図、第７図は
播種装置を対地浮上位置に固定させた状態の側面
図、第８図は第７図の−線断面図である。 １３……刈取部、１５……播種装置、１６，１
７……接地支持体、３０……揺動アーム、３１，
３１……揺動リンク、３５……ストツパー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 播種装置１５を、対車体上下揺動可能な刈取
   部１３に設けた播種装置付き刈取収穫機であつ
   て、前記播種装置１５に、それを対地姿勢を一
   定にする状態で支持する接地支持体１６，１７
   を連設するとともに、前記播種装置１５を刈取
   部１３に対して平行上下動可能に、且つ、刈取
   部１３に対して横軸心周りに揺動可能に支持す
   るリンク機構を設けてあることを特徴とする播
   種装置付き刈取収穫機。 前記リンク機構を構成するに、刈取部１３に
   対して横軸心周りに揺動可能な揺動アーム３０
   を設けるとともに、前記播種装置１５を前記揺
   動アーム３０に対して平行上下動可能に連結す
   る上下一対の揺動リンク３１，３１を設け、前
   記揺動アーム３０の揺動範囲を規制するストツ
   パー３５を設けてあることを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第項に記載の播種装置付き
   刈取収穫機。