JP2571519Y2

JP2571519Y2 - 包装用箱

Info

Publication number: JP2571519Y2
Application number: JP1993009738U
Authority: JP
Inventors: 昇福岡
Original assignee: 鐘紡株式会社
Priority date: 1993-02-13
Filing date: 1993-02-13
Publication date: 1998-05-18
Anticipated expiration: 2008-02-13
Also published as: JPH0665219U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、化粧品等の商品を収納
包装し、店頭で陳列販売するために用いられる包装用箱
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、化粧品等の商品は、箱に一個づ
つ個装された状態で販売されている。特に近年は、消費
者が店頭で店員と相談して棚から商品を出して見せても
らうという煩わしさをなくした、所謂セルフ販売が好ま
れる傾向にあり、吊り下げ陳列販売方式が多く採用さ
れ、そのための吊り下げ用箱が種々開発されている。例
えば、図４に示すように、箱本体（２１）の背面部（２
２）の上端縁から上方に吊り下げ用タブ（２３）を延設
し、この吊り下げ用タブ（２３）に吊り下げ用孔（２
４）を穿設したもの等が汎用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
吊り下げ用箱においては、初めから吊り下げ用タブ（２
３）が箱本体（２１）から起立した状態となっているた
め、この吊り下げ用箱を外箱にて集積包装するときや、
最近多用されているシュリンクフィルムにて集積包装す
るときには、様々な工夫が必要とされている。即ち、こ
の吊り下げ用箱を外箱内に集積包装すると、起立状態の
吊り下げ用タブ（２３）が輸送中の衝撃で変形しやす
く、それを防止するためには、吊り下げ用タブ（２３）
自体の強度を上げるか、予め吊り下げ用タブ（２３）を
箱本体（２１）側に折り曲げてから外箱に収容する必要
が生じていた。また、シュリンクフィルムで集積包装を
行った場合には、輸送中にフィルムが吊り下げ用タブ
（２３）の角で破損される問題が発生するため、やはり
吊り下げ用タブ（２３）を箱本体（２１）側に折り曲げ
てからシュリンク包装を施さざるをえなかった。従っ
て、店頭においては、上記のように折り曲げられた状態
の吊り下げ用タブ（２３）を再び起立させてから吊り下
げ用孔（２４）を吊り下げ用フックに挿通して吊り下げ
る必要があり、非常に手間がかかるとともに、一旦折り
曲げられた折り癖により吊り下げ用タブ（２３）の起立
状態がまちまちになるという問題があった。更に、この
構成をとる箱は、吊り下げ販売用に用途限定されてしま
うという欠点もあった。

【０００４】この考案は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、外箱やシュリンクフィルムに
よる集積包装に適合し、吊り下げ販売方式と棚置き販売
方式とのいずれにも適用できるとともに、吊り下げ販売
時には所定の位置に安定した状態で吊り下げ用タブを位
置決め固定することのできる包装用箱の提供を目的とす
るものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案に係る包装用箱は以下のような構成をとっ
ている。即ち、箱本体の一側面部の上端縁から吊り下げ
用タブを延設してなる一枚のシートから組み立てられた
一体の包装用箱であって、上記吊り下げ用タブの左右
に、先端部に嘴状の係止部を有する差し込みフラップを
連結するとともに、箱本体において上記吊り下げ用タブ
の延設された側面部と対向する対向面部の左右両端部
に、上記吊り下げ用タブが箱本体の上面部に対して斜め
に傾斜する９０度未満の所定角度に起立した状態で、上
記差し込みフラップに設けられた嘴状の係止部を係止す
る切り欠き部を穿設したことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】上記の包装用箱は、外箱やシュリンクフィルム
により包装を施す際には、差し込みフラップを箱本体の
内側に収納し、吊り下げ用タブを箱本体の面上に重ねて
包装に供することができるように構成されているため、
吊り下げ用タブが包装の邪魔になったり輸送中の衝撃で
変形したりする問題を引き起こすことがない。そして、
吊り下げ販売時には、吊り下げ用タブを箱本体の上面部
に対して斜めに傾斜する９０度未満の所定角度まで起立
させ、差し込みフラップに設けられた嘴状の係止部を箱
本体に設けられた切り欠き部に係止することにより、吊
り下げ用タブを確実に位置決め固定することができ、安
定した吊り下げ状態を実現することができる。即ち、吊
り下げ用タブが箱本体の上面部に対して斜めに傾斜して
いるため、吊り下げの支点が箱本体の上面部の上部方向
に位置することになり、箱本体全体が前傾または後傾す
ることなく安定した吊り下げ状態が実現されるのであ
る。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。

【０００８】図１及び図２は、本考案の包装用箱の一実
施例を示している。これらの図に示すように、この包装
用箱は、化粧品のコンパクト容器等を収容するための薄
型の箱本体（１）の背面部（２）の上端縁から吊り下げ
用タブ（３）を延設して形成されており、図１はこの吊
り下げ用タブ（３）を起立させた状態、図２はこれを折
り畳んで箱本体（１）の上に伏せた状態を示している。
そして、この吊り下げ用タブ（３）の左右には、略円弧
状をなす一対の差し込みフラップ（４ａ）、（４ｂ）が
連結されるとともに、この差し込みフラップ（４ａ）、
（４ｂ）の先端側には、嘴状の係止部（５ａ）、（５
ｂ）が形成されている。また、上記吊り下げ用タブ
（３）を設けた背面部（２）と対向する正面部（６）の
左右両端縁の折罫線（ｆ）上には、その上端縁近傍に縦
型スリット状の切り欠き部（７ａ）、（７ｂ）が穿設さ
れている。尚、上記吊り下げ用タブ（３）の略中央部に
は、吊り下げ用フック等に挿通するための吊り下げ用孔
（８）が穿設されている。

【０００９】このように構成された包装用箱は、次のよ
うにして店頭で吊り下げ使用することができる。即ち、
図２の状態から、上記吊り下げ用タブ（３）を図１の矢
印方向に起立させることによって、箱本体（１）の内側
に差し込まれている差し込みフラップ（４ａ）、（４
ｂ）が円弧を描きながら上方向に移動する。そして、こ
の差し込みフラップ（４ａ）、（４ｂ）が、移動途中に
箱本体（１）の正面部（６）に設けられた上記縦型スリ
ット状の切り欠き部（７ａ）、（７ｂ）に嵌挿され、切
り欠き部（７ａ）、（７ｂ）から突出してここに係止し
た状態となる。この状態において、吊り下げ用タブ
（３）は、所定角度（本実施例では約６０°）起立して
その位置に固定保持されているため、吊り下げ用フック
等に吊り下げ用孔（８）を挿通させることにより、安定
した吊り下げ状態で展示販売に供することが可能とな
る。更に、このとき、吊り下げの支点は、箱本体（１）
の片面側に偏っていないため、箱本体（１）が前傾した
りすることなく、正面部（６）を真っ直ぐ前に向けた吊
り下げ状態が実現されることとなる。

【００１０】そして、吊り下げ陳列を必要としない場合
や、外箱やシュリンクフィルムで集積包装する場合に
は、上記吊り下げ用タブ（３）を図１の矢印の方向と逆
方向に押し下げることにより、差し込みフラップ（４
ａ）、（４ｂ）を箱本体（１）の内部に収納して箱本体
（１）の上面部（９）の上に吊り下げ用タブ（３）を重
ね合わせた図２の状態とすることができる。

【００１１】上記の構成をなす包装用箱は、例えば図３
に示すような一枚のシートを組み立てることにより制作
することができる。即ち、同図において、上から、吊り
下げ用タブ（３）、背面部（２）、下面部（１０）、正
面部（６）、上面部（９）及び糊代部（１１）が、折罫
線（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）、（ｅ）を介して順
次連設されている。また、正面部（６）の左右両端縁か
らは、蓋部（１２ａ）、（１２ｂ）が互いに対称に連結
されるとともに、上面部（９）及び下面部（１０）の左
右両端縁からは、フラップ（１３ａ）、（１３ｂ）、
（１３ｃ）、（１３ｄ）がそれぞれ連結されている。

【００１２】そして、上記正面部（６）と蓋部（１２
ａ）、（１２ｂ）との境目の折罫線（ｆ）上には、上面
部（９）に近い側に縦型スリット状の切り欠き部（７
ａ）、（７ｂ）が穿設されている。また、上記吊り下げ
用タブ（３）には、その略中央部に吊り下げ用孔（８）
が穿設されるとともに、左右両端縁には、先端に嘴状の
係止部（５ａ）、（５ｂ）を有する略円弧状の差し込み
フラップ（４ａ）、（４ｂ）が互いに対称に連結されて
いる。以上のような構成をとる一枚のシートは、各折罫
線を折り曲げ、上記糊代部（１１）を背面部（２）の上
端裏側と貼着することにより包装用箱に組み立てること
ができる。

【００１３】尚、上記の展開図において、フラップ（１
３ａ）、（１３ｂ）を省略したものを組み立てた場合に
も、同様の包装用箱を形成することができ、その機能に
差は生じない。更に、上記実施例では、吊り下げ用タブ
（３）を箱本体（１）の背面部（２）側から延設した例
を挙げたが、この吊り下げ用タブ（３）を箱本体（１）
の正面部（６）側から延設する等、いずれの側面部から
延設した構成にしても、その対向面部に切り欠き部を穿
設することにより、上記実施例のものと同様の作用を奏
するものを得ることができる。そして、吊り下げ用タブ
（３）の起立角度は、吊り下げ用タブ及び差し込みフラ
ップと切り欠き部との位置関係を変えることにより適宜
調節することができる。また、この包装用箱の材質とし
ては、紙、プラスチックシート等、従来の包装用箱の材
質として用いられているものの中から用途に応じて適宜
選択したものを使用することができる。

【００１４】

【考案の効果】以上のように、本考案の包装用箱は、外
箱やシュリンクフィルムによる集積包装を全く支障なく
行うことができ、また、棚置き販売方式及び吊り下げ販
売方式のいずれにも適用することのできる極めて実用的
価値の高いものである。更に、本考案によれば、吊り下
げ陳列した場合に箱本体全体が前傾または後傾すること
がなく、安定した吊り下げ状態を実現しうる包装用箱
を、一枚のシートから一体に組み立てることによって容
易に得ることができるのである。そして、このような効
果を奏する構成をなす本考案の包装用箱は、あらゆる商
品の包装用箱として広く使用することのできるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の包装用箱の一実施例を示し、吊り下げ
用タブを起立させた状態の斜視図である。

【図２】同実施例の包装用箱の吊り下げ用タブを伏せた
状態の斜視図である。

【図３】同実施例の包装用箱の展開平面図である。

【図４】従来の吊り下げ用箱の一例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１箱本体２背面部３吊り下げ用タブ４ａ、４ｂ差し込みフラップ５ａ、５ｂ係止部６正面部７ａ、７ｂ切り欠き部８吊り下げ用孔

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】箱本体（１）の一側面部（２）の上端縁
から吊り下げ用タブ（３）を延設してなる一枚のシート
から組み立てられた一体の包装用箱であって、上記吊り
下げ用タブ（３）の左右に、先端部に嘴状の係止部（５
ａ）、（５ｂ）を有する差し込みフラップ（４ａ）、
（４ｂ）を連結するとともに、箱本体（１）において上
記吊り下げ用タブ（３）の延設された側面部（２）と対
向する対向面部（６）の左右両端部に、上記吊り下げ用
タブ（３）が箱本体（１）の上面部（９）に対して斜め
に傾斜する９０度未満の所定角度に起立した状態で、上
記差し込みフラップ（４ａ）、（４ｂ）に設けられた嘴
状の係止部（５ａ）、（５ｂ）を係止する切り欠き部
（７ａ）、（７ｂ）を穿設したことを特徴とする包装用
箱。