JP2571252Y2 - 咬合子閉鎖用スライダー - Google Patents

咬合子閉鎖用スライダー

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JP2571252Y2 JP1992009321U JP932192U JP2571252Y2 JP 2571252 Y2 JP2571252 Y2 JP 2571252Y2 JP 1992009321 U JP1992009321 U JP 1992009321U JP 932192 U JP932192 U JP 932192U JP 2571252 Y2 JP2571252 Y2 JP 2571252Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、雌雄咬合子条から形
成された咬合具を使用した配線の結束チューブ、また通
常のスライドファスナーを端部に装着した工事用のスラ
イドファスナー付シートなどの接合、または連結のた
め、咬合子の閉鎖操作に使用する咬合子閉鎖用スライダ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、雌雄咬合子条から形成された咬合
具を使用した配線の結束チューブなどは、その筒状連結
のために閉鎖用スライダーを使用せず、やっとこなどの
治具を用いて連結していた。
【0003】また、スライドファスナー付工事用シート
の接合において、咬合子を上下で誘導する案内溝と、横
設の案内柱とを備えたスライダー胴体、この胴体に対し
引手が上下に回動するように形成した、スライドファス
ナー用のスライダーをシートの閉鎖用の操作に用いて、
工事用シートを接合することが知られている。(実公昭
47−36002号公報参照)さらに、スライドファス
ナーのスライダー胴体に引手を装着せず、スライダー胴
体の下翼片を突出させ、この突出部分に孔部を設け、ス
ライドファスナーを閉鎖する際、手近にあるピンなどを
孔部に差込み、摺動操作を行うように形成したスライダ
ーも知られている。(実公昭50−31126号公報参
照)
【0004】
【考案が解決しようとする課題】前項で述べた第一の公
知例は、雌雄咬合子条をスライダーを使用せず、やっと
こなどの治具を用いて咬合具を閉鎖していたもので、専
用治具ではないから作業能率はきわめて悪い。
【0005】また、第二の公知例は、工事用の防水シー
トなどの端部を重合して接続する場合に使用されるスラ
イダーであるから、左右両側からシートを突合せて接続
させる場合には使用できないスライダーである。従って
その使用範囲は自ずと限定されてしまうことである。ま
たスライダー胴体の案内溝にスライドファスナーチェー
ンを挿通する際、上下方向から咬合子を誘導し噛合させ
ねばならないが、通常のスライドファスナーは左右両側
からファスナーチェーンを誘導し、咬合子を噛合させる
よう設計されているから、特殊な噛合方式であるこの例
では、噛合動作が円滑に行えないことがある。
【0006】さらに、第三の公知例は、確かに引手は装
着されていないが、このスライダーは隠しファスナー用
であり、タイプが異なり、しかもスライダー胴体の前面
に下翼片が突出した部分に孔部を設けたもので、引具が
固定式であって回動または動するタイプのスライダー
とは異なるので、やはりスライダーの摺動操作が円滑に
行えず、使用範囲も自ずと限定されることである。
【0007】この考案は、上述の問題点を解決するため
考案されたもので、スライダーの構造が簡単であって、
しかも雌雄咬合子条またはスライドファスナーチェーン
を閉鎖する操作が、きわめて簡便に行うことができ、ま
たスライダーに咬合子条またはスライドファスナーチェ
ーンを挿通するのに、引具の存在が障害になることがな
く、取扱上も便利なスライダーを提供することが目的で
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、この考案の咬合子閉鎖用スライダーは、咬合子を
イドする案内柱と、案内柱の左右に咬合子を挿通しガイ
ドする案内溝とを備えたスライダー胴体の前端に、コ字
に形成された引具の基端部を枢支し、この引具を胴体
水平面内で動自在に形成し、胴体と引具との間に空
隙部を配設した咬合子閉鎖用スライダーを主な構成とし
ている。
【0009】そして、スライダー胴体の前端に引具の回
動を規制するため、引具を枢支するピンの周囲表面に
円形または扇形を呈して凹陥する凹窪部を胴体の前面が
開口する状態で凹設し、引具の動を一定範囲すなわち
半円形または扇形の凹窪内での揺動に規制した咬合子閉
鎖用スライダーである
【0010】さらに、左右の咬合子は、先端に凹溝条を
備えた雌咬合子条と凸条を備えた雄咬合子条からなる気
密タイプのファスナー、または通常のスライドファスナ
ーの咬合子を胴体に対し水平面内で噛合させる咬合子閉
鎖用スライダーである。
【0011】
【作用】この考案における咬合子閉鎖用スライダーの使
用態様について説明すると、まず説明上、雌雄咬合子条
から形成された咬合具について説明する。
【0012】最初にスライダー胴体に設けた咬合子案内
溝に、スライダーの肩口から雌咬合子条と雄咬合子条と
を挿通し、手近にある紐などを引具に引掛けて前方へ摺
動させると、図3に示したとおり、雌雄咬合子条は噛合
した状態でスライダーの後口部から送出される。このよ
うに左右の咬合子条を全長にわたって噛合させ、最終的
にはスライダーを咬合子条から抜脱し、次の新しい咬合
具の閉鎖作業にこのスライダーを使用する。このスライ
ダーは、咬合具またはスライドファスナーの閉鎖操作に
のみ使用される治具でもある。
【0013】
【実施例】以下、この考案の咬合子閉鎖用スライダーの
実施例について、図面を参照しながら具体的に説明す
る。
【0014】この考案の咬合子閉鎖用スライダーの第一
実施例は、図1から図4に示すとおり、このスライダー
は雌雄咬合子条から形成された咬合具に用いられるスラ
イダーであり、胴体1は上方側に上翼片2、下方側に下
翼片3が設けられ、上下翼片2、3の両側縁にフランジ
4が対設され、胴体1の前方中央に咬合子条案内柱5が
上下翼片2、3間に立設され、これらの構成によって咬
合子条案内溝6、6が形成され、一方の案内溝6には
端に凹溝条を備えた雌咬合子条7が、また他方の案内溝
6には先端に凸条を備えた雄咬合子条8がそれぞれ挿通
される。
【0015】胴体1の前端中央は突出状に形成され、こ
の突出部分にコ字状に形成された引具9が枢支されてい
る。胴体1の案内柱5内に透孔10が穿設され、上翼片
2、下翼片3の表面において透孔10の周囲に半円形を
呈する凹陥状の凹窪部11が胴体1の前面が開口する状
態で凹設され、引具9の回動する範囲を半円形の凹窪部
11内に規制し、引具9一定範囲水平面内で動で
きるように形成し、たとえば図1の二点鎖線で示した範
囲内を水平的に動できる形状に凹設されている。また
引具9の両端部12、13は薄く形成されピン14が嵌
入される挿入孔15、16が穿設され、一方の挿入孔1
5にはワッシャー17が嵌入され、ピン14を下方の挿
入孔16より挿入し、ピン14の先端をワッシャー17
にかしめつけ、引具9が擺動できるよう胴体1に枢着す
るとともに、引具9と胴体1の前端との間に空隙部18
が設けられている。なお図に示された19は咬合子条案
内部、20はスライダーの肩口、21は後口部である。
【0016】このスライダーは、まず胴体1の一方の肩
口20から雌咬合子条7の端部を案内溝6に挿入し、他
方の肩口20からは雄咬合子条8を挿入して、雌雄咬合
子条7、8を噛合させ、胴体1の後口部21から引出
し、その後はスライダーを摺動させて、雌雄咬合子条
7、8を噛合させ、雌雄咬合子条7、8の端部からスラ
イダー胴体1を抜脱する。たとえば図4に示したとお
り、配線22群を結束する結束チューブ23の両端縁に
装備された雌雄咬合子条7、8をスライダーによって噛
合させ、結束チューブ23は両端縁が接合され完成す
る。
【0017】次に図5、6に示されたスライダーについ
て説明すると、第一実施例と略同一形であり、異なる
ところはスライダー胴体24の前端が突出状に形成され
ていないこと、これによってピン25が挿入されている
上下翼片、たとえば図5に示されるとおり、コ字状の引
具26が動する範囲の上翼片27の凹窪部28が広
扇形に形成されている、勿論下翼片も同様であり、これ
以外はほとんど前例と同じ形で、案内柱29、フラン
ジ30、30、案内溝31、31、案内部32、また空
隙部33がそれぞれ備えられている。
【0018】そして、このスライダーの使用態様も全く
前例と同じで雌雄咬合子条の咬合具に適用され、たとえ
ば図6に示すように、一方の案内溝31に雌咬合子条3
4が挿通され、また他方の案内溝31には雄咬合子条3
5が挿通され、胴体24内で雌雄咬合子条34、35は
噛合し、胴体24から送出される。
【0019】最後に図7、8に示したスライダーについ
て説明すると、第一、二の実施例とは異なり、通常のス
ライドファスナー用のスライダーに適用した場合である
が、おおよその形態は前記各実施例と同一で、胴体36
には案内柱37、上下翼片38、39、フランジ40、
40、案内溝41、41が備えられ、案内柱37にはピ
ン42が挿入され、胴体36の前端にコ字状の引具43
が枢支され、水平面内で動できるよう形成され、かつ
胴体36の前面に空隙部44が設けられ、そして上下翼
片38、39には扇形の凹窪部45が凹設され、引具4
3の動動作を規制している。
【0020】スライダーの使用態様も前例と同様で、ま
ず一方の案内溝41にファスナーチェーンの一方を挿入
し、他方の案内溝41に他のファスナーチェーンを挿入
し、引具43に紐などを引掛けてスライダーを摺動さ
せ、両ファスナーチェーンを噛合させた後、スライダー
をファスナーチェーンから抜脱させ、再度使用する。
【0021】
【考案の効果】この考案の咬合子閉鎖用スライダーは、
以上説明したとおりの構成であり、この構成によって下
記の効果を奏する。
【0022】この考案のスライダーは、咬合子の案内柱
と案内溝とを備えた胴体の前端に、コ字状の引具を枢支
し、引具を水平面内で動自在に形成し、胴体と引具と
の間に空隙部を設けた咬合子閉鎖用スライダーであるか
ら、スライダーの構造はきわめて簡単で、引具が胴体に
対し水平面内で動し、かつ空隙部が存在するから、ス
ライダーの摺動操作の際、いろいろの方向からスライダ
ーを引張られても、一番効率のよい状態で対処できるこ
と、たとえば水平面内での引張りの対処は、引具の
動作で、また上下方向からの引張りについては、引具の
空隙部に紐などを引掛けることによって容易に対処で
き、あらゆる方向からの引張りにも適応できるスライダ
ーである。従って公知の第二例としてあげた工事用シー
トの接合の場合でも簡便に使用することができる。
【0023】また、引具は胴体の枢軸の周囲に揺動を規
制するための凹窪部を凹設することによって、動動作
規制されるので、咬合子条またはファスナーチェーン
をスライダー胴体に挿入させる作業の際、引具が障害に
ならない範囲内に揺動することができるから、挿入操作
における作業能率を向上させる効果があるなど、この考
案が奏する効果はきわめて顕著である
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の咬合子閉鎖用スライダーの平面図
である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】図2におけるB−B線断面図で、咬合子条を仮
想線で表示してある。
【図4】配線の結束チューブに使用した事例の部分斜視
図である。
【図5】第二実施例の咬合子閉鎖用スライダーの平面図
である。
【図6】図5におけるスライダーの断面平面図である。
【図7】第三実施例の咬合子閉鎖用スライダーの平面図
である。
【図8】図7におけるC−C線断面図である。
【符号の説明】
1、24、36 胴体 5、29、37 案内柱 6、31、41 案内溝 9、26、43 引具 11、28、45 凹窪部 14、25、42 ピン(枢軸) 18、33、44 空隙部

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 咬合子をガイドする案内柱5、29、3
    7と、案内柱5、29、37の左右に咬合子を挿通しガ
    イドする案内溝6、31、41とを備えたスライダーに
    おけるスライダー胴体1、24、36の前端に、コ字状
    の引具9、26、43のの基端部を枢支し、引具9、2
    6、43を水平面内で動自在に形成し、スライダー
    体1、24、36と引具9、26、43との間に空隙部
    18、33、44を配設したことを特徴とする咬合子閉
    鎖用スライダー。
  2. 【請求項2】 スライダーの胴体1、24、36の前端
    におけるピン14、25、42の周囲表面に引具9、2
    6、43の回動を規制する凹陥状の凹窪部11、28、
    45を凹設し、引具9、26、43の動を一定範囲内
    に規制した請求項1記載の咬合子閉鎖用スライダー。
  3. 【請求項3】 左右の咬合子を水平面内で噛合させる請
    求項1または2記載の咬合子閉鎖用スライダー。
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