JP2570804Y2 - 濁度測定装置 - Google Patents
濁度測定装置Info
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- JP2570804Y2 JP2570804Y2 JP1987066749U JP6674987U JP2570804Y2 JP 2570804 Y2 JP2570804 Y2 JP 2570804Y2 JP 1987066749 U JP1987066749 U JP 1987066749U JP 6674987 U JP6674987 U JP 6674987U JP 2570804 Y2 JP2570804 Y2 JP 2570804Y2
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Description
【考案の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
この考案は、液体中に含まれる光散乱性粒子による散
乱光を測定することにより液体の濁度を測定する装置に
関する。さらに詳しくは、この考案は、粒子径分布の広
い濁質を含む液体の濁度を正確に測定することができる
濁度測定装置に関する。 [考案の背景] 火力発電プラントや原子力発電プラントにおけるボイ
ラー水や冷却水中に浮遊している粒状物質は、熱交換の
際にプラントの配管内に堆積する性質があるので、プラ
ントの安全運転のために、この濃度を逐次測定すること
により水質管理をすることが必要になる。 こうした粒状物質の濃度を測定する方法としては、水
中に含まれる粒状物質(濁質)による光散乱を利用して
水の濁度を測定する方法が採用されている。この光散乱
を利用した濁度は、濁質を含む水を測定用のセルに導
き、ここに測定光を投射して、濁質を含む水を透過した
透過光と濁質により散乱した散乱光の比で表わされる。 この方法において、透過光は、測定光の光源がセル内
を通過して到達する光路上に設けられた第一の光感知性
の測定手段により測定され、濁質で散乱した散乱光は、
前記の光路に対して直交する位置に設けた第二の光感知
性の測定手段により測定する。この散乱光による濁度の
測定は、濁質の粒子径の分布幅が狭い場合には良好な精
度を示すことが知られている。すなわち、測定光の波長
に対して一定の範囲内の粒子径を有す濁質は、ほぼ定量
的に測定光の光路に対して直交する方向に測定光を散乱
(90度散乱)させるので、光路に対して直交する位置に
設けた第二の光感知性の測定手段により90度散乱光の光
量を測定することにより液体の濁度を正確に求めること
ができる。 しかしながら、上記のボイラー水や原子炉水に含まれ
る濁質は、粒子径分布幅が非常に広く90度散乱になるよ
うに測定光の波長を設定することが困難である。 そこで、このような場合には、濁質の中の代表的な粒
子径の粒子(通常は、広範な粒子径分布の中心部分に存
在する粒子)に対応した波長の測定光を用いるのが一般
的である。 したがって、代表的な粒子径を有する濁質による散乱
は90度散乱となるが、粒子径分布の裾の部分(粒子径分
布の中心からはずれた部分)の粒子径を有する濁質によ
る散乱は90度散乱にならない。こうした濁質は、粒子径
に対して測定光の波長が短い場合には前方散乱になり、
逆に波長が長い場合には散乱の方向性が無秩序になる。 その結果として、ボイラー水や原子炉水のような粒子
径の分布幅が非常に広い濁質を含む液体の濁度を従来の
90度散乱光による濁度測定装置を用いて測定すると、粒
子径分布の裾の部分にある濁質による前方散乱光および
後方散乱光が測定されないので、実際の濁度と測定した
濁度との間に誤差を生ずるとの問題があった。 [考案の目的] この考案は、前記問題点を解消するためになされたも
のであって、この考案は、粒子径分布幅の広い液体の濁
度を高い精度で測定することができる装置を提供するこ
とを目的とする。 さらに詳しくは、この考案は、火力発電プラントや原
子力発電プラントなどのボイラーの起動時の水質判定に
好適に使用することができる濁度測定装置を提供するこ
とを目的とする。 さらに、この考案は、濁度を高い精度で測定すること
ができると共に、濁質の粒子径分布をも同時に測定する
ことができる濁度測定装置を提供することを目的とす
る。 [前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するためのこの考案の構成は、濁質を
含有する液体を収容するセルと、前記セル中に測定光を
照射する光照射手段と、液体中を透過した透過光量を検
出する透過光検出手段と、濁質による後方散乱光量を検
出する後方散乱光検出手段と、濁質による実質的な90度
散乱光量を検出する90度散乱光検出手段と、濁質による
前方散乱光量を検出する前方散乱光検出手段と、前記透
過光検出手段から出力される透過光量検知信号と3基の
前記散乱光検出手段それぞれから出力される3種の散乱
光量検知信号とから濁度を演算する演算手段とを備えて
なることを特徴とする濁度測定装置である。 [作用] この考案では、濁度測定装置を前記のように構成した
結果、90度散乱光だけでなく、前方散乱光および後方散
乱光の光量を測定する手段を備えているので、濁質の粒
子径分布が広くて測定光として特定波長のものを使用で
きない場合であっても、粒子径分布の裾の部分の濁質に
より散乱された散乱光をも感知することにより、測定対
象の液体の濁度を正確に測定することができる。 [実施例] 第1図にこの考案の濁度測定装置を概念的に示す図で
ある。 第1図において、測定光用光源は、1で示されてい
る。測定光用光源としては、紫外線および可視光線など
を用いることができる。さらに水以外の液体の濁度を測
定する場合には赤外線も使用することができる。通常、
用いる測定用光線の中心波長は、濁質の中心的粒子の粒
子径の1/100〜100倍の範囲内(好ましくは1/10〜5倍の
範囲内)にある。この範囲内にすることにより、90度散
乱光の光量が主体になるので、分析精度が向上する傾向
がある。また、フィルター(図示なし)などを用いて測
定光用光源1からの測定光を単色光とするのが好まし
い。特に、プラントなどの冷却水の濁度測定用として
は、波長470mμ近傍の紫外光線を用いるのが好ましい。 測定光用光源1からの測定光をコリメータ2で平行光
線束にして、セル3に設けられた投射ウインドー4から
セル3内に投射する。 セル3を冷却水等の液体の配管に組み込むことによ
り、連続的な濁度の測定が可能になる。このセルは、通
常は、金属あるいはプラスチックなどで形成されてい
る。 セル3内には、濁質を含む測定対象の液体が導入され
る。セル3内に5で示したのは、濁質の一個の粒子であ
る。 平行光線束は、光路6上を投射ウインドー4からセル
3内に入り、その一部は、濁質5に衝突する。衝突した
平行光線束は、衝突した濁質の粒子径と測定波長が適合
していれば、90度拡散光7として、光路6に対して直角
の方向に散乱する。他方、粒子径が大きいと、前方散乱
光8になり、逆に粒子径が小さいと散乱光の方向性の秩
序がなくなり、後方散乱光9、90度拡散光7および前方
散乱光8など種々の方向に測定光が散乱する。 従来の濁度測定装置では、上記の散乱光の内の90度散
乱光7の光量を測定する90度散乱光検出手段を備えてい
た。この考案の濁度測定装置は、さらに前方散乱光8の
光量を測定する前方散乱光検出手段および後方散乱光9
の光量を測定する後方散乱光検出手段を備え、90度散乱
光7だけでなく、前方散乱光8および後方散乱光9をも
測定して散乱光量を三種類の散乱光の全体光量として補
足することにより、広範な範囲に粒子径分布を有する濁
質の散乱方向の相違による散乱光の光量の誤差を低減し
てより高い精度で濁度を測定することが可能になる。 90度散乱光検出手段としては、セル3の壁に直接に取
り付けた光センサーなどの検出手段を用いることもでき
るがこの考案においては、セル3にセルウインドー10a
を設け、このセルウインドー10aに光ファイバーケーブ
ル12aの一端を接続し、他端を光センサー14に接続した
検出手段が好ましい。同様に、前方散乱光検出手段およ
び後方散乱光検出手段としては、セルウインドー10b,10
cと、光ファイバーケーブル12b,12cと、光センサー14と
を含む検出手段を好適に用いることができる。 ここで、セルウインドー10a,10b,10cは、通常は、ガ
ラス、透明なプラスチックなどで形成されている。光フ
ァイバーケーブル11a,11b,11cとしては、通常のものを
使用することができる。光ファイバーケーブル11a,11b,
11cには、光遮断バルブ13a,13b,13cを設けることもでき
る。また、光センサ14としては、光を感知して、定量的
に電気信号などに変換し得る変換装置を使用することが
できる。 光センサー14では90度散乱光、前方散乱光および後方
散乱光を感知し、光電変換して散乱光量検知信号(TD)
を演算手段15に出力する。なお、18で示すのはプリアン
プである。 他方、投射ウインドー4からセル3内に投射され、濁
質により散乱されなかった測定光は、光路6上を進行し
て透過光ウインドー16からセル3外に導出され、透過光
セル17(たとえば、光センサー)で光電変換され、この
透過光セル17から透過光量検知信号(TP)が演算手段15
に出力される。 演算手段15として、マイクロコンピュータなどを好適
に使用することができる。 この演算手段15に送られた透過光量検知信号(TP)お
よび散乱光量検知信号(TD)は、次式に従って電気的に
演算処理されて濁度(T)として表示される。 ここで、Kは、係数である。 このように、この考案の濁度測定装置は、90度散乱光
だけでなく、前方散乱光および後方散乱光の光量を測定
する手段を備えているので、濁質の粒子径分布が広くて
測定光として特定波長のものを使用できない場合であっ
ても、粒子径分布の裾の部分の濁質により散乱された散
乱光をも感知することにより、測定対象の液体の濁度を
正確に測定することができる。 さらに、この考案の濁度測定装置は、90度散乱光、前
方散乱光および後方散乱光のそれぞれの光量と測定光の
波長との関係から、濁質の粒子径の分布を求めることが
できる。 上述のように、測定光の波長と粒子径との関係から濁
質による散乱光の散乱方向が変化する。 すなわち、粒子径が測定光の波長の1/20〜1/5倍の範
囲内にある場合には、測定光の直進光路に対して90度の
角度で散乱し、粒子径が測定光の波長の1/5〜10倍の範
囲内にある場合には、前方散乱になる。そして、粒子径
が1/20倍より小さい場合に濁質の周囲にほぼ均一に散乱
する。そして、この場合の散乱光の光量は、波長の1/5
未満の大きさの粒子までは、粒子径の3乗に比例して増
加し、粒子径が1/5以上より大きくなると光量は粒子径
の逆数に比例して増加する。 したがって、一定の波長(たとえば、470mμの単色
光)を用いて、後方散乱光、90度散乱光および前方散乱
光の光量の比率を求めることにより、測定光の波長の1/
20倍以下の粒子径を有する粒子の数、1/20〜1/5倍の範
囲内の粒子径を有する粒子の数および1/5〜10倍の範囲
内の粒子径を有する粒子の数の相対比率をもとめること
ができる。 この場合、光ファイバーケーブル11a,11b,11cの途中
に設けられている光遮断バルブ13a,13b,13cを用いて、
前方散乱光、90度散乱光および後方散乱光を選択的に光
センサー14に導入して、それぞれの散乱光を電気信号に
変換し、変換された電気信号を演算手段15に導入する。 演算手段15において、前記の粒子径と光量との関係に
基づいて演算を行なうことにより粒子の分布を求めるこ
とができる。 この考案の濁度測定装置は、特にボイラー水や原子炉
用冷却水に含まれる濁質の粒子径の分布幅が広い液体の
濁度の測定に好適に使用することができる。さらに、全
鉄分析計と組み合わせて用いることにより、ボイラー水
や原子炉水中に含まれる鉄分の含有率を連続的、かつ正
確に測定することもでき、プラントの冷却水の管理に有
効に利用することができる。特にプラントの起動時の水
質判定に好適に使用することができる。 [考案の効果] この考案の濁度測定装置は、前方散乱光、90度散乱光
および後方散乱光を測定する少なくとも三個の検出手段
を有することにより、一定の粒子径を有する濁質を含む
液体の濁度をより正確に測定することができるだけでな
く、従来の濁度径では、誤差が大きかった粒子径の分布
幅が広い濁質を含む液体の濁度を正確に測定することが
できる。 さらに、前方散乱光、90度散乱光および後方散乱光の
光量と測定光の波長との関係から濁質の粒子径分布を求
めることができる。 また、セルをプラントの配管に組み込むことにより、
冷却水などの管理を正確、かつ連続的に行なうことがで
きる。
乱光を測定することにより液体の濁度を測定する装置に
関する。さらに詳しくは、この考案は、粒子径分布の広
い濁質を含む液体の濁度を正確に測定することができる
濁度測定装置に関する。 [考案の背景] 火力発電プラントや原子力発電プラントにおけるボイ
ラー水や冷却水中に浮遊している粒状物質は、熱交換の
際にプラントの配管内に堆積する性質があるので、プラ
ントの安全運転のために、この濃度を逐次測定すること
により水質管理をすることが必要になる。 こうした粒状物質の濃度を測定する方法としては、水
中に含まれる粒状物質(濁質)による光散乱を利用して
水の濁度を測定する方法が採用されている。この光散乱
を利用した濁度は、濁質を含む水を測定用のセルに導
き、ここに測定光を投射して、濁質を含む水を透過した
透過光と濁質により散乱した散乱光の比で表わされる。 この方法において、透過光は、測定光の光源がセル内
を通過して到達する光路上に設けられた第一の光感知性
の測定手段により測定され、濁質で散乱した散乱光は、
前記の光路に対して直交する位置に設けた第二の光感知
性の測定手段により測定する。この散乱光による濁度の
測定は、濁質の粒子径の分布幅が狭い場合には良好な精
度を示すことが知られている。すなわち、測定光の波長
に対して一定の範囲内の粒子径を有す濁質は、ほぼ定量
的に測定光の光路に対して直交する方向に測定光を散乱
(90度散乱)させるので、光路に対して直交する位置に
設けた第二の光感知性の測定手段により90度散乱光の光
量を測定することにより液体の濁度を正確に求めること
ができる。 しかしながら、上記のボイラー水や原子炉水に含まれ
る濁質は、粒子径分布幅が非常に広く90度散乱になるよ
うに測定光の波長を設定することが困難である。 そこで、このような場合には、濁質の中の代表的な粒
子径の粒子(通常は、広範な粒子径分布の中心部分に存
在する粒子)に対応した波長の測定光を用いるのが一般
的である。 したがって、代表的な粒子径を有する濁質による散乱
は90度散乱となるが、粒子径分布の裾の部分(粒子径分
布の中心からはずれた部分)の粒子径を有する濁質によ
る散乱は90度散乱にならない。こうした濁質は、粒子径
に対して測定光の波長が短い場合には前方散乱になり、
逆に波長が長い場合には散乱の方向性が無秩序になる。 その結果として、ボイラー水や原子炉水のような粒子
径の分布幅が非常に広い濁質を含む液体の濁度を従来の
90度散乱光による濁度測定装置を用いて測定すると、粒
子径分布の裾の部分にある濁質による前方散乱光および
後方散乱光が測定されないので、実際の濁度と測定した
濁度との間に誤差を生ずるとの問題があった。 [考案の目的] この考案は、前記問題点を解消するためになされたも
のであって、この考案は、粒子径分布幅の広い液体の濁
度を高い精度で測定することができる装置を提供するこ
とを目的とする。 さらに詳しくは、この考案は、火力発電プラントや原
子力発電プラントなどのボイラーの起動時の水質判定に
好適に使用することができる濁度測定装置を提供するこ
とを目的とする。 さらに、この考案は、濁度を高い精度で測定すること
ができると共に、濁質の粒子径分布をも同時に測定する
ことができる濁度測定装置を提供することを目的とす
る。 [前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するためのこの考案の構成は、濁質を
含有する液体を収容するセルと、前記セル中に測定光を
照射する光照射手段と、液体中を透過した透過光量を検
出する透過光検出手段と、濁質による後方散乱光量を検
出する後方散乱光検出手段と、濁質による実質的な90度
散乱光量を検出する90度散乱光検出手段と、濁質による
前方散乱光量を検出する前方散乱光検出手段と、前記透
過光検出手段から出力される透過光量検知信号と3基の
前記散乱光検出手段それぞれから出力される3種の散乱
光量検知信号とから濁度を演算する演算手段とを備えて
なることを特徴とする濁度測定装置である。 [作用] この考案では、濁度測定装置を前記のように構成した
結果、90度散乱光だけでなく、前方散乱光および後方散
乱光の光量を測定する手段を備えているので、濁質の粒
子径分布が広くて測定光として特定波長のものを使用で
きない場合であっても、粒子径分布の裾の部分の濁質に
より散乱された散乱光をも感知することにより、測定対
象の液体の濁度を正確に測定することができる。 [実施例] 第1図にこの考案の濁度測定装置を概念的に示す図で
ある。 第1図において、測定光用光源は、1で示されてい
る。測定光用光源としては、紫外線および可視光線など
を用いることができる。さらに水以外の液体の濁度を測
定する場合には赤外線も使用することができる。通常、
用いる測定用光線の中心波長は、濁質の中心的粒子の粒
子径の1/100〜100倍の範囲内(好ましくは1/10〜5倍の
範囲内)にある。この範囲内にすることにより、90度散
乱光の光量が主体になるので、分析精度が向上する傾向
がある。また、フィルター(図示なし)などを用いて測
定光用光源1からの測定光を単色光とするのが好まし
い。特に、プラントなどの冷却水の濁度測定用として
は、波長470mμ近傍の紫外光線を用いるのが好ましい。 測定光用光源1からの測定光をコリメータ2で平行光
線束にして、セル3に設けられた投射ウインドー4から
セル3内に投射する。 セル3を冷却水等の液体の配管に組み込むことによ
り、連続的な濁度の測定が可能になる。このセルは、通
常は、金属あるいはプラスチックなどで形成されてい
る。 セル3内には、濁質を含む測定対象の液体が導入され
る。セル3内に5で示したのは、濁質の一個の粒子であ
る。 平行光線束は、光路6上を投射ウインドー4からセル
3内に入り、その一部は、濁質5に衝突する。衝突した
平行光線束は、衝突した濁質の粒子径と測定波長が適合
していれば、90度拡散光7として、光路6に対して直角
の方向に散乱する。他方、粒子径が大きいと、前方散乱
光8になり、逆に粒子径が小さいと散乱光の方向性の秩
序がなくなり、後方散乱光9、90度拡散光7および前方
散乱光8など種々の方向に測定光が散乱する。 従来の濁度測定装置では、上記の散乱光の内の90度散
乱光7の光量を測定する90度散乱光検出手段を備えてい
た。この考案の濁度測定装置は、さらに前方散乱光8の
光量を測定する前方散乱光検出手段および後方散乱光9
の光量を測定する後方散乱光検出手段を備え、90度散乱
光7だけでなく、前方散乱光8および後方散乱光9をも
測定して散乱光量を三種類の散乱光の全体光量として補
足することにより、広範な範囲に粒子径分布を有する濁
質の散乱方向の相違による散乱光の光量の誤差を低減し
てより高い精度で濁度を測定することが可能になる。 90度散乱光検出手段としては、セル3の壁に直接に取
り付けた光センサーなどの検出手段を用いることもでき
るがこの考案においては、セル3にセルウインドー10a
を設け、このセルウインドー10aに光ファイバーケーブ
ル12aの一端を接続し、他端を光センサー14に接続した
検出手段が好ましい。同様に、前方散乱光検出手段およ
び後方散乱光検出手段としては、セルウインドー10b,10
cと、光ファイバーケーブル12b,12cと、光センサー14と
を含む検出手段を好適に用いることができる。 ここで、セルウインドー10a,10b,10cは、通常は、ガ
ラス、透明なプラスチックなどで形成されている。光フ
ァイバーケーブル11a,11b,11cとしては、通常のものを
使用することができる。光ファイバーケーブル11a,11b,
11cには、光遮断バルブ13a,13b,13cを設けることもでき
る。また、光センサ14としては、光を感知して、定量的
に電気信号などに変換し得る変換装置を使用することが
できる。 光センサー14では90度散乱光、前方散乱光および後方
散乱光を感知し、光電変換して散乱光量検知信号(TD)
を演算手段15に出力する。なお、18で示すのはプリアン
プである。 他方、投射ウインドー4からセル3内に投射され、濁
質により散乱されなかった測定光は、光路6上を進行し
て透過光ウインドー16からセル3外に導出され、透過光
セル17(たとえば、光センサー)で光電変換され、この
透過光セル17から透過光量検知信号(TP)が演算手段15
に出力される。 演算手段15として、マイクロコンピュータなどを好適
に使用することができる。 この演算手段15に送られた透過光量検知信号(TP)お
よび散乱光量検知信号(TD)は、次式に従って電気的に
演算処理されて濁度(T)として表示される。 ここで、Kは、係数である。 このように、この考案の濁度測定装置は、90度散乱光
だけでなく、前方散乱光および後方散乱光の光量を測定
する手段を備えているので、濁質の粒子径分布が広くて
測定光として特定波長のものを使用できない場合であっ
ても、粒子径分布の裾の部分の濁質により散乱された散
乱光をも感知することにより、測定対象の液体の濁度を
正確に測定することができる。 さらに、この考案の濁度測定装置は、90度散乱光、前
方散乱光および後方散乱光のそれぞれの光量と測定光の
波長との関係から、濁質の粒子径の分布を求めることが
できる。 上述のように、測定光の波長と粒子径との関係から濁
質による散乱光の散乱方向が変化する。 すなわち、粒子径が測定光の波長の1/20〜1/5倍の範
囲内にある場合には、測定光の直進光路に対して90度の
角度で散乱し、粒子径が測定光の波長の1/5〜10倍の範
囲内にある場合には、前方散乱になる。そして、粒子径
が1/20倍より小さい場合に濁質の周囲にほぼ均一に散乱
する。そして、この場合の散乱光の光量は、波長の1/5
未満の大きさの粒子までは、粒子径の3乗に比例して増
加し、粒子径が1/5以上より大きくなると光量は粒子径
の逆数に比例して増加する。 したがって、一定の波長(たとえば、470mμの単色
光)を用いて、後方散乱光、90度散乱光および前方散乱
光の光量の比率を求めることにより、測定光の波長の1/
20倍以下の粒子径を有する粒子の数、1/20〜1/5倍の範
囲内の粒子径を有する粒子の数および1/5〜10倍の範囲
内の粒子径を有する粒子の数の相対比率をもとめること
ができる。 この場合、光ファイバーケーブル11a,11b,11cの途中
に設けられている光遮断バルブ13a,13b,13cを用いて、
前方散乱光、90度散乱光および後方散乱光を選択的に光
センサー14に導入して、それぞれの散乱光を電気信号に
変換し、変換された電気信号を演算手段15に導入する。 演算手段15において、前記の粒子径と光量との関係に
基づいて演算を行なうことにより粒子の分布を求めるこ
とができる。 この考案の濁度測定装置は、特にボイラー水や原子炉
用冷却水に含まれる濁質の粒子径の分布幅が広い液体の
濁度の測定に好適に使用することができる。さらに、全
鉄分析計と組み合わせて用いることにより、ボイラー水
や原子炉水中に含まれる鉄分の含有率を連続的、かつ正
確に測定することもでき、プラントの冷却水の管理に有
効に利用することができる。特にプラントの起動時の水
質判定に好適に使用することができる。 [考案の効果] この考案の濁度測定装置は、前方散乱光、90度散乱光
および後方散乱光を測定する少なくとも三個の検出手段
を有することにより、一定の粒子径を有する濁質を含む
液体の濁度をより正確に測定することができるだけでな
く、従来の濁度径では、誤差が大きかった粒子径の分布
幅が広い濁質を含む液体の濁度を正確に測定することが
できる。 さらに、前方散乱光、90度散乱光および後方散乱光の
光量と測定光の波長との関係から濁質の粒子径分布を求
めることができる。 また、セルをプラントの配管に組み込むことにより、
冷却水などの管理を正確、かつ連続的に行なうことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この考案の濁度測定装置を概念的に示す図で
ある。 1…測定光用光源、2…コリメータ、3…セル、4…投
射ウインドー、5…濁質粒子、6…光路、7…90度散乱
光、8…前方散乱光、9…後方散乱光、10a,10b,10c…
セルウインドー、12a,12b,12c…光ファイバーケーブ
ル、13a,13b,13c…光遮断バルブ、14…光センサー、15
…演算手段、16…透過光ウインドー、17…透過光セル
ある。 1…測定光用光源、2…コリメータ、3…セル、4…投
射ウインドー、5…濁質粒子、6…光路、7…90度散乱
光、8…前方散乱光、9…後方散乱光、10a,10b,10c…
セルウインドー、12a,12b,12c…光ファイバーケーブ
ル、13a,13b,13c…光遮断バルブ、14…光センサー、15
…演算手段、16…透過光ウインドー、17…透過光セル
Claims (1)
- (57)【実用新案登録請求の範囲】 1.濁質を含有する液体を収容するセルと、前記セル中
に測定光を照射する光照射手段と、液体中を透過した透
過光量を検出する透過光検出手段と、濁質による後方散
乱光量を検出する後方散乱光検出手段と、濁質による実
質的な90度散乱光量を検出する90度散乱光検出手段と、
濁質による前方散乱光量を検出する前方散乱光検出手段
と、前記透過光検出手段から出力される透過光量検知信
号と3基の前記散乱光検出手段それぞれから出力される
3種の散乱光量検知信号とから濁度を演算をする演算手
段とを備えてなることを特徴とする濁度測定装置。 2.前記90度散乱光検出手段を測定光の直進光路に対し
て直交する位置に設け、前記後方散乱光検出手段をセル
の測定光投射位置と90度散乱光検出手段の設けられた位
置との間に設け、前記前方散乱光検出手段を前記90度散
乱光検出手段の設けられた位置と透過光検出手段の設け
られた位置との間に配置されてなる実用新案登録請求の
範囲第1項に記載の濁度測定装置。 3.前記各検出手段が、セルに設けられたセルウインド
ー、一端が前記セルウインドーに接続している光ファイ
バーケーブルおよび前記光ファイバーケーブルの他端と
接続している光センサーを含んでなる実用新案登録請求
の範囲第1項に記載の濁度測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987066749U JP2570804Y2 (ja) | 1987-05-01 | 1987-05-01 | 濁度測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987066749U JP2570804Y2 (ja) | 1987-05-01 | 1987-05-01 | 濁度測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63172943U JPS63172943U (ja) | 1988-11-10 |
JP2570804Y2 true JP2570804Y2 (ja) | 1998-05-13 |
Family
ID=30905037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1987066749U Expired - Lifetime JP2570804Y2 (ja) | 1987-05-01 | 1987-05-01 | 濁度測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2570804Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0754291B2 (ja) * | 1989-01-21 | 1995-06-07 | 株式会社島津製作所 | 粒度分布測定装置 |
US11965900B2 (en) | 2018-11-09 | 2024-04-23 | Wyatt Technology, Llc | Indicating a status of an analytical instrument on a screen of the analytical instrument |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5524058B2 (ja) * | 1973-09-20 | 1980-06-26 | ||
JPS61139747A (ja) * | 1984-12-12 | 1986-06-27 | Canon Inc | 粒子解析装置 |
JPS61148349A (ja) * | 1984-12-22 | 1986-07-07 | Shizuoka Pref Gov | 懸濁状パルプの状態測定方法 |
-
1987
- 1987-05-01 JP JP1987066749U patent/JP2570804Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63172943U (ja) | 1988-11-10 |
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