JP2570056B2 - 無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

無段変速機の油圧制御装置

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JP2570056B2
JP2570056B2 JP4116416A JP11641692A JP2570056B2 JP 2570056 B2 JP2570056 B2 JP 2570056B2 JP 4116416 A JP4116416 A JP 4116416A JP 11641692 A JP11641692 A JP 11641692A JP 2570056 B2 JP2570056 B2 JP 2570056B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無段変速機の油圧制御装
置に関し、さらに詳しくは、ダンパクラッチ機構に対す
る油圧制御のための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用無段変速装置の制御機構とし
て、例えば、特公平2−40139号公報に示される構
造がのものがある。同公報には、前進クラッチあるいは
後進ブレーキを備えた前後進切換装置と、 同クラッチあ
るいはブレーキへの供給油圧を制御するクラッチ圧制御
弁と、液体継手に設けられたロックアップクラッチへの
供給油圧を制御するロックアップクラッチ制御弁と、電
磁弁と、同電磁弁からの制御圧を上記クラッチ圧制御弁
側へ供給するか、または上記ロックアップクラッチ制御
弁側へ供給するかを切り換える切換弁とを備えた自動変
速機の油圧回路が開示されている。この切換弁は、変速
モータの回転によって切り換えられるようになってお
り、変速比が最大となるようにモータの回転量が設定さ
れると、切換弁は電磁弁からの制御圧をロックアップク
ラッチ制御弁側からクラッチ圧制御弁側へと切り換えら
れるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した変
速比が最大の状態となる場合として、発進時の他に、
例えば、「D」レンジにおいて低速走行時でのキックダウ
ンがある。しかしながら、この場合、上述した変モ−
は、電磁弁による制御圧の供給先をロックアップクラ
ッチ制御弁側からクラッチ圧制御弁側へ切り換えるよう
に切換弁の態位を設定することとなるので、今まで行わ
れていたロックアップ制御が不安定になる。しかも、ク
ラッチへの供給圧を、その時の運転状態にあわせて調整
せざるを得ず、クラッチ圧制御弁が誤作動等を引き起こ
す虞れもある。
【0004】そこで、本発明の目的は、上述した従来の
油圧制御機構、特に、ロックアップ制御構造における問
題に鑑み、切換弁の切換作動に影響されないクラッチへ
の油圧制御が行なえる構造を備えた無段変速機の油圧制
御装置を提供することにある。また、本発明の別な目的
は、油圧制御に用いられるソレノイドを少なくしても、
上記切換弁の切換作動に影響されないクラッチへの油圧
制御が行なえる構造を備えた無段変速機の油圧制御装置
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、ダンパクラッチ機構付き流体継ぎ手と、
前後進切換機構と、上記前後進切換機構を前進及び後進
段に切り換え可能な油圧アクチュエータと、上記油圧ア
クチュエータへの供給油圧を制御する油圧制御装置と、
を備えた無段変速機において、上記油圧制御装置は、
つのデューティソレノイド弁と、オイルポンプからの吐
出圧を所定の基準圧に調整する調圧弁と、上記デューテ
ィソレノイド弁からの制御圧に応じて上記基準圧を調圧
し、上記油圧アクチュエータへの供給油圧とするクラッ
チ圧制御弁と、上記デューティソレノイド弁からの制御
圧に応じて上記ダンパクラッチ機構の動力断接態位を制
御するダンパクラッチ制御弁と、上記基準圧を検出する
基準圧検出手段および上記供給油圧を検出する供給圧検
出手段とを有するとともに、上記制御圧を上記クラッチ
圧制御弁およびダンパクラッチ制御弁に導く油路中に配
設され、上記制御圧を上記クラッチ圧制御弁側に導く第
1位置と上記ダンパクラッチ制御弁側に導く第2位置と
の間で移動可能なスイッチング弁と、を備え、上記スイ
ッチング弁は、上記基準圧と上記油圧アクチュエータへ
の供給油圧との差が所定値以上のとき上記第1位置とさ
れ、上記基準圧と上記油圧アクチュエータへの供給油圧
との差が所定値未満となったときに上記第2位置にそれ
ぞれ設定することを特徴としている。
【0006】
【作用】本発明では、運転時のセレクトモードが
「N」、「P」モードから「D」、「2」あるいは
「L」等の前進モードにシフトされたとき、スイッチン
グ弁において、基準圧と上記油圧アクチュエータへの供
給油圧との差が所定値以上のときにデューティソレノイ
ド弁の制御圧がクラッチ圧制御弁側に作用する第1位置
とされる。これにより、前進クラッチ圧が制御されて徐
々に高くなるので、前進クラッチが係合する。また、
準圧と上記油圧アクチュエータへの供給油圧との差が所
定値未満となったときには、デューティソレノイド弁の
制御圧がダンパクラッチ制御弁に作用する第2位置とさ
れる。これにより、ロックアップクラッチ機構は、動力
の断接状態が制御されることになる。このとき、クラッ
チ圧制御弁は、デューティソレノイド弁の制御圧から隔
てられ、強制的に「D」から「N」あるいは「P」のセ
レクトモードが設定された場合と同様な状態である前進
クラッチ圧を「0(ゼロ)」にしない限り第2位置を維
持され、制御圧が専らダンパクラッチ圧制御弁の制御に
のみ用いられる。
【0007】
【実施例】以下、図1および図2において、本発明実施
例の詳細を説明する。図1は、本発明実施例による油圧
制御機構の構成を説明するための油圧回路図である。こ
の回路について説明する前に、この回路が用いられる無
段変速機構につき、図2を用いて説明すると次のとおり
である。すなわち、本実施例に用いられる無段変速機構
は、エンジン1の出力軸1Aに対して連結されたフル−
ドカップリング2を備えている。そして、このフル−ド
カップリング2は、ロックアップ機構付きのものであ
り、ダンパクラッチの油圧室2Aの油圧を制御すること
により入力側のポンプインペラ−2Bと出力側のタ−ビ
ンランナ−2Cとを摩擦係合関係にあるいは離間させて
摩擦係合関係の解除が行われるようになっている。上述
したフル−ドカップリング2は、その出力側に出力軸2
Dを一体回転可能に設けられており、この出力軸2D
は、前・後進切換機構3に連結されている。
【0008】前・後進切換機構3は、周知構造の遊星歯
車機構4、前進用クラッチ5および後進用ブレ−キ6と
を備えて構成されており、前進用クラッチ5あるいは後
進用ブレ−キ6に対する油圧制御によって遊星歯車機構
4の出力側に連結されている回転軸4Aの回転方向を切
り換えるようになっている。
【0009】一方、上述した回転軸4A上には、無段変
速機構の主要部の一つを成す駆動プ−リ7が設けてあ
る。この駆動プ−リ7は、回転軸4Aに一体の固定円錐
板7Aと、この固定円錐板7Aに対向する位置で固定円
錐板7Aのボス部に挿嵌されて軸方向に移動可能な可動
円錐板7Bとで構成され、可動円錐板7Bの背面側には
油圧室7Cが形成されている。この油圧室7Cは、第1
および第2の室7C1、7C2とで構成されている。
【0010】また、駆動プ−リ7はベルト8により従動
プ−リ9を連動させるようになっており、従動プ−リ9
は、駆動プ−リ7を回転力の入力側とすると出力側に位
置し、駆動プ−リ7の可動円錐板7Bと対向する側に固
定円錐板9Aが配置され、そしてこの固定円錐板9Aの
ボス部に可動円錐板9Bが挿嵌されて軸方向に移動可能
に設けられている。上述した従動プ−リ9においても可
動円錐板9Bの背面に油圧室9Cが形成されていて、こ
の油圧室9C内での油圧制御により、駆動プ−リ7側と
協働して溝幅を変更でき、ベルトの押付け力を発生させ
るようになっている。また、油圧室9Cの固定壁をはさ
んで対向する油圧室9Dは、遠心油圧バランス室とさ
れ、回転時に作動流体に生じる遠心油圧による可動円錐
板9Bを変位させる力を打ち消すようになっている。そ
して、従動プ−リ9における固定円錐板9Aには、従動
軸10が一体に設けられるとともに、この従動軸10に
は駆動ギヤ11が取り付けられており、この駆動ギヤ1
1がトランスファギヤ12、13を介して差動歯車機構
17の入力側に位置するファイナルギヤ16を連動さ
せ、駆動プーリ7側からの回転力を差動歯車機構17の
出力軸14、15に伝達できるようになっている。
【0011】一方、上述した無段変速機構における駆動
プ−リ7および従動プ−リ9の油圧室7C、9Cへの油
圧制御構造は、図1に示してある。図1は、運転席に設
けてあるセレクトレバ−の位置が中立状態に設定されて
いるときの各弁の態様を示している。なお、各弁におけ
る符号xは、ドレインを示している。すなわち、油圧制
御構造は、オイルポンプ18と、各プ−リ7、9への油
圧設定部を構成するライン圧調圧弁19、ライン圧制御
用ソレノイド弁20Aおよび変速比コントロール用ソレ
ノイド弁20Bを有するソレノイド弁20、変速比コン
トロ−ル弁21、クラッチコントロ−ル圧スイッチング
弁22、ダンパクラッチコントロ−ル弁23、クラッチ
圧コントロ−ル弁24、運転モ−ドセレクト用マニュア
ル弁25およびソレノイド弁26等から構成されてい
る。上述したオイルポンプ18は、タンク27内のオイ
ルをストレ−ナ28を介して吸引して油路29に吐出す
るようになっており、油路29の吐出オイルはライン圧
調圧弁19のポ−ト19Aに導入され、各弁の作動用ラ
イン圧として所定圧力に調整されるようになっている。
【0012】油路29は、従動プ−リ9の油圧室9C、
変速比コントロ−ル弁21のポ−ト21Aおよびダンパ
クラッチコントロール弁23のポート23A、さらには
コントロール圧モジュレータ弁30のポ−ト30Aそし
てクラッチ圧モジュレータ弁31のポート31にも連
通している。コントロール圧モジュレータ弁30におい
て調圧された作動圧は、デューティソレノイド弁20
A、20Bおよび26に供給され、各ソレノイド弁のデ
ューティ作動によりソレノイド制御圧を発生させるよう
になっている。
【0013】また、上述したソレノイド弁20、26の
うち、ライン圧制御用ソレノイド弁20Aおよび変速比
コントロール用ソレノイド弁20Bは、プ−リにおける
可動円錐板の変位量を設定する際に用いられるデュ−テ
ィ制御弁であり、そのうちの一方20Bは直接変速比コ
ントロ−ル弁21にオイルの圧力を作用させて駆動プ−
リ7側での可動円錐板7Bの変位量を設定し、また、他
方20Aは、ライン圧調圧弁19に作用して従動プ−リ
9側にベルト押付け力を発生させる。そして、このライ
ン圧制御用ソレノイド弁20Aは、例えば、エンジン回
転数、負荷、そして、車速等の情報を基にしてエンジン
側トルクの伝達を可能にするベルト押付け力と変速比を
設定するためにプ−リ側での溝幅を調整するようになっ
ている。
【0014】一方、コントロール圧モジュレータ弁30
の吐出路には、油圧アクチュエータの一つをなす前進ク
ラッチ32への供給油圧をデューティ制御するための
圧制御装置の一部材を構成するソレノイド弁26が接続
されており、このソレノイド弁26に上述したクラッチ
コントロール圧スイッチング弁22が接続されている。
さらにクラッチコントロールスイッチング弁22にお
ける一方側に相当するスプールの一端寄りに位置する吐
出ポート22Aには、クラッチ圧制御弁をなすクラッチ
圧コントロール弁24が接続されている。このクラッチ
圧コントロール弁24には、運転モードセレクトマニュ
アル弁25を介して前進クラッチ32および油圧アクチ
ュエータの他の一つをなす後進ブレーキ33が接続され
ている。そして、クラッチコントロール圧スイッチング
弁22における他方側に相当するスプールの他端寄りに
位置する吐出ポート22Dには、ダンパクラッチコント
ロール弁23を介してフルードカップリング2への油路
およびダンパクラッチ油圧室2Aへの油路がそれぞれ
続されている。
【0015】クラッチ圧モジュレータ弁31からの吐出
油路31Aは、クラッチコントロール圧スイッチング弁
22におけるスプールの一端に位置するポート22B
に接続されるとともに、クラッチ圧コントロール弁24
にも接続されている。これにより、クラッチ圧コントロ
ール弁24は、クラッチコントロール圧スイッチング弁
22におけるポート22Aに作用するソレノイド弁26
からの制御圧に応じて吐出油路31Aから運転モードセ
レクト用マニュアル弁25を介して前進クラッチ32あ
るいは後進ブレーキ33に供給されるオイルの圧力を調
整するようになっている。 クラッチコントロール圧スイ
ッチング弁22におけるポート22Bと反対側に相当す
るスプールの他端に位置するポート22C、前進クラ
ッチ32からの油路接続されている。ポート22Cに
は、前進クラッチ32に供給されるオイルの圧力が作用
するようになっている。この場合の圧力は、前進クラッ
チ32に対する供給油圧に相当している。ポート22C
に作用する前進クラッチ32からのオイルの圧力とポー
ト22Bに作用しているクラッチ圧モジュレータ弁31
からのオイルの圧力との間で圧力差が生じた場合には、
その圧力差に応じてクラッチコントロール圧スイッチン
グ弁22内で、ソレノイド弁26からのオイルの流路が
切り換えられるようになっている。クラッチコントロー
ル圧スイッチング弁22は、クラッチ圧モジュレータ弁
31により調圧されてスプールを移動させるための基準
圧に相当している圧力と前進クラッチ32に供給される
圧力との差によってソレノイド弁26からの制御圧をク
ラッチ圧コントロール弁24に供給する態位とダンパ
クラッチ制御弁23に供給する態位とに切り換えられる
ことができるようになっている。このため、クラッチコ
ントロール圧スイッチング弁22は、図に示すように、
内蔵しているスプールを、ソレノイド弁26からの制御
圧をクラッチ圧コントロール弁24に作用させること
できる第1位置とダンパクラッチ制御弁23に作用さ
せることできる第2位置とに変位させることができる
ように構成されている。後述する運転モードセレクト用
マニュアル弁25が「N」モードから「D」を始めとす
る前進モードにシフトされたとき、クラッチ圧モジュレ
ータ弁31からの基準圧と前進クラッチ32への供給油
圧との差が所定値以上にある場合、クラッチコントロー
ル圧スイッチング弁22は、上記第1位置に設定され
る。これにより、ソレノイド弁26の制御圧吐出路とク
ラッチ圧コントロール弁24とが連通可能な状態に設定
される。上記前進モードにシフトされている状態で、ク
ラッチ圧モジュレータ弁31からの基準圧と前進クラッ
チ32への供給油圧との差が所定値に達しない状態であ
る所定値未満である場合、クラッチコントロール圧スイ
ッチング弁22は、上記第2位置に設定される。これに
より、ソレノイド弁26の制御圧吐出路とダンパクラッ
チ制御弁23の制御用油路とが連通可能な状態に設定さ
れる。従って、後述する運転モードセレクト用マニュア
ル弁25において、「D」レンジ等の前進運転モードが
選択された状態で、クラッチコントロール圧スイッチン
グ弁22に導入される基準圧と前進クラッチ32への供
給油圧との差が所定値未満の場合には、ダンパクラッチ
の油圧室2Aに対する油圧制御が維持されることにな
る。上記クラッチコントロール圧スイッチング弁22
は、ポート22Bに作用するクラッチ圧モジュレータ弁
31からの圧力とポート22Cに作用する前進クラッチ
32への供給油圧との差を割り出すようになっているの
で、ポート22Bが基準圧の検出手段として用いられ、
また、ポート22Cが前進クラッチ32への供給油圧の
検出手段として用いられるようになっている。
【0016】また、このクラッチコントロール圧スイッ
チング弁22が第1位置に設定されて前進クラッチ32
および後進ブレーキ33へのオイルの圧力伝達を制御す
状態となっている場合、クラッチ圧制御弁24は、油
路31Aから導入されクラッチモジュレート圧を、運
転モードセレクト用マニュアル弁25を介して前進クラ
ッチ32あるいは後進ブレーキ33に作用させることが
できるようになっている。この場合、クラッチコントロ
ール圧スイッチング弁22に導入されるソレノイド弁2
4からの制御圧によりクラッチ圧制御弁24から吐出さ
れるクラッチモジュレート圧が調整され、その調整され
た圧力が運転モードセレクト用マニュアル弁25を介し
前進クラッチ32あるいは後進ブレーキ33に作用す
るようになっている。
【0017】上述した運転モ−ドセレクト用マニュアル
弁25は、運転者により操作されるセレクトレバ−に連
動して前進クラッチ32および後進ブレ−キ33への油
路を設定するようになっており、図示の中立(N)位置か
らスプールが右側、換言すれば、前進(D)方向にスプー
ルが移動するとクラッチ圧コントロ−ル弁24と前進ク
ラッチ32との間の油路を設定し、また、スプールが上
述した位置から逆方向に移動すると、換言すれば、後進
(R)方向に移動すると、クラッチ圧コントロ−ル弁24
と後進ブレ−キ33との間の油路を設定するようになっ
ている。従って、運転モードセレクト用マニュアル弁2
5による前進クラッチ32あるいは後進ブレ−キ33へ
の油路が設定された場合には、ソレノイド弁26のデュ
ーティ作動によりクラッチ圧コントロール弁24により
圧力を設定されたオイルが各油路へ導入されるようにな
っている。
【0018】また、図1において符号35は、上述した
クラッチ圧コントロ−ル弁24の吐出ポ−トと運転モ−
ドセレクト用マニュアル弁25の導入用ポ−トとの間に
位置する油路34に配置された油圧センサを示してお
り、この油圧センサ35は、「N」から「D」、「N」
から「R」の如きマニュアル操作時での油路34のクラ
ッチ圧を検出して、ソレノイド弁26のデューティ作動
状態をフィードバック制御させるために設けられ、これ
により、ショックのない「N」から「D」あるいはこの
逆の方向への制御を得ることができる。
【0019】本実施例は以上のような構造であるから、
運転モ−ドが図示状態の「N」レンジにあるときには、ク
ラッチコントロ−ル圧スイッチング弁22においては、
ソレノイド弁26とクラッチ圧コントロ−ル弁24に向
けての油路とが連通し、ダンパクラッチコントロ−ル弁
23への油路は遮断されている。
【0020】一方、運転モードセレクト用マニュアル弁
25において、「D」、「2」あるいは「L」等の前進
運転モードでのレンジが選択されると、クラッチコント
ロール圧スイッチング弁22では、ポート22Bに作用
する基準圧力とポート22Cに作用する前進クラッチ3
2への供給圧力との差に応じて、第1、第2位置が選択
される。 ポート22Bでの基準圧力とポート22Cでの
供給圧力との差が所定値以上である場合には、クラッチ
コントロール圧スイッチング弁22が第1位置に設定さ
れる。この位置が設定されると、ソレノイド弁26の制
御圧吐出路とクラッチ圧コントロール弁24とが連通
態に設定される従って、クラッチ圧コントロール弁2
4では、クラッチ圧モジュレータ弁31からの供給油圧
に対してソレノイド弁26において設定される制御圧に
応じて前進クラッチ32への制御圧が高められ、前進ク
ラッチ32を係合させることができる。前進クラッチ3
2への制御圧が高められる、クラッチコントロール圧
スイッチング弁22のポート22Cに作用する圧力も高
まることになる。これによって、ポート22Bに作用す
る基準圧力と前進クラッチ32の供給圧力との差が所定
値未満になった場合、クラッチコントロール圧スイッチ
ング弁22が第2位置に設定される。この位置が設定さ
れると、ソレノイド弁26とクラッチ圧コントロール弁
24との連通状態が解除される一方、ソレノイド弁26
とダンパクラッチコントロール弁23とが連通する状態
に設定される。従って、ダンパクラッチの油圧室2Aに
対してソレノイド弁26からの制御圧が作用してロック
アップ機構の動力断接状態の制御が維持されることにな
。このように、「D」レンジおよびこれに相当するレ
ンジが運転モードとして選択されると、クラッチコント
ロール圧スイッチング弁22は、前進クラッチ32への
供給油圧によってのみ、ロックアップ機構側での制御弁
とクラッチ側での制御弁との切り換えが行われることに
なる
【0021】そして、このときクラッチコントロール圧
スイッチング弁22においてクラッチ圧コントロール弁
24に連通する油路は排出回路に接続されているので、
クラッチ圧コントロール弁24が一定圧に制御され、
「N」あるいは「P」レンジにシフトして前進クラッチ圧を
低下させない限り、スイッチング弁22の選択位置は切
換わらない。
【0022】
【発明の効果】以上、本発明によれば、運転時のセレク
トモードが「N」、「P」モードから「D」、「2」あ
るいは「L」等の前進モードにシフトされたとき、スイ
ッチング弁において、基準圧と上記油圧アクチュエータ
への供給油圧との差が所定値以上のときにデューティソ
レノイド弁の制御圧がクラッチ圧制御弁側に作用する第
1位置とされる。これにより、前進クラッチ圧が制御さ
れて徐々に高くなり、前進クラッチを係合させることが
できるので、キックダウン時でのロックアップ制御弁都
クラッチ圧制御弁とを切り換えるために設けられている
切換弁の切換作動に影響されることなくクラッチへの油
圧制御を可能にすることができる。また、本発明によれ
ば、基準圧と上記油圧アクチュエータへの供給油圧との
差が所定値未満となったときには、デューティソレノイ
ド弁の制御圧がダンパクラッチ制御弁に作用する第2位
置とされる。これにより、ロックアップクラッチ機構
は、動力の断接状態が制御されることになる。 このと
き、クラッチ圧制御弁は、デューティソレノイド弁の制
御圧から隔てられ、強制的に「D」から「N」あるいは
「P」のセレクトモードが設定された場合と同様な状態
である前進クラッチ圧を「0(ゼロ)」にしない限り第
2位置を維持され、制御圧が専らダンパクラッチ圧制御
弁の制御にのみ用いられるようにすることができるの
で、油圧制御に用いられるソレノイドを少なくしても、
一旦、ダンパクラッチ機構側への油路を設定した際に、
切換弁の切換作動に影響されることがなく、不用意にダ
ンパクラッチの摩擦係合が解除されてしまうような事態
を未然に防止できるとともに、クラッチ圧の変動をする
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例による油圧制御機構を説明するた
めの油圧回路図である。
【図2】図1に示した制御機構を適用する無段変速装置
の構造の一例を示す模型図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 ダンパクラッチ機構付きフル−ドカップリン
グ 7 駆動プ−リ 7B 可動円錐板 8 ベルト 9 従動プ−リ 9B 可動円錐板 18 オイルポンプ 19 ライン圧調圧弁 22 クラッチコントロ−ル圧スイッチング弁 23 ダンパクラッチコントロ−ル弁 24 クラッチ圧コントロ−ル弁 25 運転モ−ドセレクト用マニュアル弁 26 ソレノイド弁 29 ライン圧の油路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダンパクラッチ機構付き流体継ぎ手と、 前後進切換機構と、上記前後進切換機構を前進及び後進段に切り換え可能な
    油圧アクチュエータと、 上記油圧アクチュエータへの
    供給油圧を制御する 油圧制御装置と、を備えた無段変速機において、 上記油圧制御装置は、 1つのデューティソレノイド弁と、 オイルポンプからの吐出圧を所定の基準圧に調整する調
    圧弁と、 上記デューティソレノイド弁からの制御圧に応じて上記
    基準圧を調圧し、上記油圧アクチュエータへの供給油圧
    とする クラッチ圧制御弁と、上記デューティソレノイド弁からの制御圧に応じて上記
    ダンパクラッチ機構の動力断接態位を制御する ダンパク
    ラッチ制御弁と、上記基準圧を検出する基準圧検出手段および上記供給油
    圧を検出する供給圧検出手段とを有するとともに、上記
    制御圧を上記クラッチ圧制御弁およびダンパクラッチ制
    御弁に導く油路中に配設され、上記制御圧を上記クラッ
    チ圧制御弁側に導く第1位置と上記ダンパクラッチ制御
    弁側に導く第2位置との間で移動可能な スイッチング弁
    と、 を備え、 上記スイッチング弁は、 上記基準圧と上記油圧アクチュエータへの供給油圧との
    差が所定値以上のとき上記第1位置とされ、上記基準圧
    と上記油圧アクチュエータへの供給油圧との差が所定値
    未満となったときに上記第2位置にそれぞれ設定する
    とを特徴とする無段変速機の油圧制御装置。
JP4116416A 1992-05-08 1992-05-08 無段変速機の油圧制御装置 Expired - Fee Related JP2570056B2 (ja)

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