JP2569985Y2 - 電動歯ブラシ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は電動歯ブラシに係り、
特に電動モータからの回転力を回転力変換機構によって
ローリング運動やスライド運動に変換するものや偏心用
重錘を電動モータの回転軸に装着した振動式のものがあ
り、歯ブラシ部を歯に接触させて歯の表面を磨く電動歯
ブラシに関する。

【０００２】

【従来の技術】歯ブラシには、把持部と歯ブラシ部とを
一体的に形成して手動により使用する一般的なものや、
電池やコンセントからの電流によって駆動される電動モ
ータを内蔵させた電動歯ブラシがある。

【０００３】この電動歯ブラシは、内蔵される電動モー
タからの回転力を回転力変換機構によって例えばローリ
ング運動やスライド運動に変換するものや偏心用重錘を
電動モータの回転軸に装着した振動式のものがあり、歯
ブラシ部を歯に接触させて歯の表面を磨くとともに歯ぐ
きをマッサージし、歯と歯ぐきの健康を守る衛生器具で
ある。

【０００４】また、前記電動歯ブラシは、一般に、歯ブ
ラシ部の機能劣化の際の交換を可能とするために、把持
部と歯ブラシ部とが取り外し可能に構成されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】ところで、従来の電動
歯ブラシにおいては、把持部に歯ブラシ部を取り付ける
際に、把持部と歯ブラシ部との夫々に螺合部及び被螺合
部を形成し、螺合させて固定するものや、スプリング等
の弾性部材を利用したストッパにより固定するもの等が
種々開発されている。

【０００６】しかし、上述の夫々の従来の電動歯ブラシ
においては、取付部位の構成が複雑であるという共通性
を有している。

【０００７】この結果、電動歯ブラシの、特に取付部位
の製作が困難となり、コストが大となって経済的に不利
であるという不都合がある。

【０００８】また、電動歯ブラシの取付部位の構成が複
雑であることにより、電動歯ブラシが大型化するととも
に、電動歯ブラシの重量が大となる惧れがあり、電動歯
ブラシの使い勝手が悪いという不都合がある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】そこで、この考案は、上
述不都合を除去するために、把持部とこの把持部に係合
する歯ブラシ部とからなる電動歯ブラシにおいて、前記
把持部の係合部位に大径幹部とこの大径幹部よりも小径
の先端突起と大径幹部と先端突起とを連絡するテーパ部
とからなる係合突起部を形成し、この係合突起部の大径
幹部を圧入させる入口側大径孔部と前記先端突起を圧入
させる奥側小径孔部と入口側大径孔部と奥側小径孔部と
を連絡するテーパ状孔部とからなる断面円形状の係合孔
部を現出させるべく前記歯ブラシ部を弾性材料により形
成するとともに前記先端突起の外径Ｄと前記奥側小径孔
部の内径ｄとの関係を、 ｄ＜Ｄ に設定したことを特徴とする。

【００１０】

【作用】上述の如く考案したことにより、把持部の係合
突起部を歯ブラシ部の断面円形状の係合孔部に圧入して
歯ブラシ部を把持部に固定させ、電動歯ブラシの把持部
と歯ブラシ部との係合部位の構成を簡略化することがで
き、製作を容易とし、コストを低廉とし得るとともに、
電動歯ブラシの小型・軽量化を果たしている。

【００１１】

【実施例】以下図面に基づいてこの考案の実施例を詳細
に説明する。

【００１２】図１〜図９はこの考案の実施例を示すもの
である。図２において、２は電動歯ブラシ、４は把持
部、６は歯ブラシ部である。

【００１３】把持部４はプラスチック製材料によって円
筒状に形成される。この把持部４の一端４ａ側の係合部
位に係合突起部８を形成し、他端４ｂにスイッチ機能を
有するキャップ１０を係合する。このキャップ１０のス
イッチ機能は、図９に示す如く、キャップ１０を時計回
りたる右回り（図９の黒太矢印参照）に回転させること
により、キャップ１０が締め込まれ、スイッチがＯＮ動
作し、逆にキャップ１０を反時計回りたる左回り（図９
の白抜き矢印参照）に回転させることにより、キャップ
１０が緩められ、スイッチがＯＦＦ動作するものであ
る。

【００１４】また、前記把持部４の内部には、図示しな
い電動モータや回転力変換機構（図示しない）あるいは
図示しない偏心用重錘、そして例えば単４の乾電池１２
を１本内蔵する。

【００１５】更に、前記歯ブラシ部６の一端６ａに豚毛
やプラスチック製の線状部材からなるブラシ１４を設
け、他端６ｂには係合孔部１６を形成する。

【００１６】そして、前記係合突起部８を圧入させる断
面円形状の係合孔部１６を現出させるべく前記歯ブラシ
部６を弾性材料により形成する構成とする。

【００１７】このとき、前記把持部４の係合部位の係合
突起部８を、係合孔部１６に圧入して歯ブラシ部６を固
定すべく係合孔部１６を形成する歯ブラシ部６よりも硬
質材料により構成する。

【００１８】詳述すれば、前記係合突起部８を、図１に
示す如く、大径幹部１８とこの大径幹部１８よりも小径
の先端突起２０と大径幹部１８と先端突起２０とを連絡
するテーパ部２２とにより形成する。大径幹部１８及び
先端突起２０を例えば硬質プラスチック製や金属製材料
により円柱状に形成する。このとき、先端突起２０の外
径をＤとする。

【００１９】また、前記歯ブラシ部６の基部を、硬質プ
ラスチック製や金属製材料からなる先端突起２０よりも
軟質な弾性部材、例えばプラスチック製材料によって形
成し、歯ブラシ部６の他端６ｂに、図１及び図４〜図６
に夫々示す如く、入口側大径孔部２４と奥側小径孔部２
６とこれら入口側大径孔部２４と奥側小径孔部２６とを
連絡するテーパ状孔部２８とからなる断面円形状の前記
係合孔部１６を現出させる。

【００２０】更に、奥側小径孔部２６は、図６に示す如
く、断面円形状に形成され、前記先端突起２０の外径Ｄ
と奥側小径孔部２６の内径ｄとの関係が、ｄ＜Ｄを満足
するように設定される。

【００２１】次に作用について説明する。

【００２２】前記歯ブラシ部６の係合孔部１６に把持部
４の係合突起部８を圧入することにより、先端突起２０
が奥側小径孔部２６を少許拡張しつつ挿入される。この
とき、前記大径幹部１８も入口側大径孔部２４を少許拡
張しつつ挿入される。

【００２３】そして、前記歯ブラシ部６が把持部４に堅
固に固定され、図示しない電動モータによって歯ブラシ
部６を振動、あるいはローリング運動またはスライド運
動させる。

【００２４】これにより、前記電動歯ブラシ２の把持部
４と歯ブラシ部６との係合部位の構成を極めて簡略化す
ることができ、製作が容易となり、コストを低廉とし得
て、経済的に有利である。

【００２５】また、前記電動歯ブラシ２の把持部４と歯
ブラシ部６との係合部位の構成を簡略化できることによ
り、電動歯ブラシ２の小型・軽量化を果たし得て、電動
歯ブラシの使い勝手を向上させることができ、実用上有
利である。

【００２６】更に、前記把持部４の先端突起２０を歯ブ
ラシ部６の奥側小径孔部２６内に圧入するとともに、大
径幹部１８も入口側大径孔部２４内に圧入することによ
り、２箇所によって歯ブラシ部６が把持部４に堅固に固
定されることとなり、使用時に歯ブラシ部６が把持部４
から脱落する惧れが全くないものである。

【００２７】更にまた、前記先端突起２０の外径Ｄと奥
側小径孔部２６の内径ｄとの関係を、 ｄ＜Ｄ に設定したことにより、歯ブラシ部６の把持部４への固
定が確実となり、信頼性を向上し得るものである。

【００２８】また、前記係合孔部１６の入口側大径孔部
２４と奥側小径孔部２６とを連絡するテーパ状孔部２８
によって、圧入時に前記係合突起部８の先端突起２０を
奥側小径孔部２６に確実に案内させることができること
により、圧入動作を簡便に果たし得て、使い勝手を向上
し得る。

【００２９】

【考案の効果】以上詳細に説明した如くこの考案によれ
ば、電動歯ブラシの把持部の係合部位に大径幹部とこの
大径幹部よりも小径の先端突起と大径幹部と先端突起と
を連絡するテーパ部とからなる係合突起部を形成し、係
合突起部の大径幹部を圧入させる入口側大径孔部と先端
突起を圧入させる奥側小径孔部と入口側大径孔部と奥側
小径孔部とを連絡するテーパ状孔部とからなる断面円形
状の係合孔部を現出させるべく歯ブラシ部を弾性材料に
より形成するとともに先端突起の外径Ｄと奥側小径孔部
の内径ｄとの関係を、 ｄ＜Ｄ に設定したので、電動歯ブラシの把持部と歯ブラシ部と
の係合部位の構成を極めて簡略化することができ、製作
が容易となり、コストを低廉とし得て、経済的に有利で
ある。また、前記電動歯ブラシの把持部と歯ブラシ部と
の係合部位の構成を簡略化できることにより、電動歯ブ
ラシの小型・軽量化を果たし得て、電動歯ブラシの使い
勝手を向上させることができ、実用上有利である。更
に、前記把持部の先端突起を歯ブラシ部の奥側小径孔部
内に圧入するとともに、大径幹部も入口側大径孔部内に
圧入することにより、２箇所によって歯ブラシ部が把持
部に堅固に固定されることとなり、使用時に歯ブラシ部
が把持部から脱落する惧れが全くないものである。更に
また、前記先端突起の外径Ｄと奥側小径孔部の内径ｄと
の関係を、 ｄ＜Ｄ に設定したことにより、歯ブラシ部の把持部への固定が
確実となり、信頼性を向上し得るものである。また、前
記係合孔部の入口側大径孔部と奥側小径孔部とを連絡す
るテーパ状孔部によって、圧入時に前記係合突起部の先
端突起を奥側小径孔部に確実に案内させることができる
ことにより、圧入動作を簡便に果たし得て、使い勝手を
向上し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す電動歯ブラシの把持部
への歯ブラシ部の挿入状態の概略拡大断面図である。

【図２】電動歯ブラシの正面図である。

【図３】電動歯ブラシの歯ブラシ部の一部切欠き断面図
である。

【図４】電動歯ブラシの歯ブラシ部の背面図である。

【図５】電動歯ブラシの歯ブラシ部の正面図である。

【図６】電動歯ブラシの歯ブラシ部の他端側から拡大図
である。

【図７】電動歯ブラシの把持部への歯ブラシ部の挿入状
態を示す概略斜視図である。

【図８】電動歯ブラシの把持部への電池の組み込み状態
を示す概略斜視図である。

【図９】電動歯ブラシの把持部のスイッチ機能を説明す
る概略斜視図である。

【符号の説明】

２ 電動歯ブラシ ４ 把持部 ４ａ 一端 ４ｂ 他端 ６ 歯ブラシ部 ６ａ 一端 ６ｂ 他端 ８ 係合突起部 １０ キャップ １２ 乾電池 １４ ブラシ １６ 係合孔部 １８ 大径幹部 ２０ 先端突起 ２２ テーパ部 ２４ 入口側大径孔部 ２６ 奥側小径孔部 ２８ テーパ状孔部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 把持部とこの把持部に係合する歯ブラシ
   部とからなる電動歯ブラシにおいて、前記把持部の係合
   部位に大径幹部とこの大径幹部よりも小径の先端突起と
   大径幹部と先端突起とを連絡するテーパ部とからなる係
   合突起部を形成し、この係合突起部の大径幹部を圧入さ
   せる入口側大径孔部と前記先端突起を圧入させる奥側小
   径孔部と入口側大径孔部と奥側小径孔部とを連絡するテ
   ーパ状孔部とからなる断面円形状の係合孔部を現出させ
   るべく前記歯ブラシ部を弾性材料により形成するととも
   に前記先端突起の外径Ｄと前記奥側小径孔部の内径ｄと
   の関係を、 ｄ＜Ｄ に設定 したことを特徴とする電動歯ブラシ。