JP2569507Y2 - カーテンの昇降コード用ガイドリング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、例えばシェードなど
のカーテン開閉装置に用いるガイドリングに関し、より
詳しくは、カーテン地に対しての取付けが容易でありな
がらも確固とした取付け状態が得られるような、カーテ
ンの昇降コード用ガイドリングに関する。

【０００２】

【従来の技術】ガイドリングは、カーテン地の裏面に形
成した取付け環状に取付けるのであるが、ガイドリング
が単なるリング状体である場合、紐状体あるいはバンド
で形成した取付け環をガイドリングに挿通してからガイ
ドリングを回転し、取付け環にしばりつけるように取付
ける作業が必要であった。しかしガイドリングが小さい
ため、この作業には根気が必要である。そのため、取付
け環に対しての取付け作業を容易にするリングがある。
その構成は、リング状の一部に、カーテン地裏面に形成
した取付け環を導入するための間欠部をガイドリングの
径方向に形成するものである。そしてこの間欠部には、
導入した取付け環状が容易に外れないように縁部に対し
突起を形成したり、材料弾性を利用して間欠部を閉塞し
ようと閉塞片を形成したりしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、ガイドリング
の間欠部に対向する部分、すなわちカーテンの開閉時に
昇降コードが摺動する摺動部分は、円弧状に形成されて
いるため、カーテン開閉時には、ガイドリングの間欠部
に対して径方向のあらゆる方向から様々の大きさの力が
働く。そのため、ガイドリングの向きは変わり、間欠部
を閉塞している閉塞片は開くということが起こり、ガイ
ドリングがカーテン地から外れてしまうことがしばしば
あった。

【０００４】そして、この取付け状態の不安定さはカー
テン地を洗濯した時に如実にあらわれる。ぼろぼろ落ち
ているガイドリングを回収し、改めて取付けなければな
らない。そしてまた、ガイドリングには上述のような抜
止め用の間欠部の突起や閉塞片のため、カーテン地から
完全に外れず中途半端な外れ方をすることがある。その
状態のまま洗濯が行なわれた場合には、あらゆる方向か
らかかる力や衝撃などによってガイドリングが破損して
しまうことがある。

【０００５】そこでこの考案は、カーテン地に対しての
取り付け作業が容易であり、その取付け状態を強固に維
持することができる、カーテンの昇降コード用ガイドリ
ングの提供を課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めの手段を実施例の図２を用いて説明すると、その構成
は、ガイドリング１をその周方向で二分割し、上記二部
材１２，１２の一部に、前記取付け環を内周部に導入す
る切欠部１３を形成するとともに、上記二部材相互の上
記切欠部対応位置に、接合時に相互の切欠部１３を補完
する補完部１４を形成したカーテンの昇降コード用ガイ
ドリング１であることを特徴とする。

【０００７】

【作用】すなわち、上述の構成によれば、カーテン地裏
面の取付け環に対する取付けは、一方の部材をその切欠
部から取付け環に通し、取付け環を内周部に導入する。
そして例えば、取付け環を回転して補完部を取付け環に
対応させたのち、この一方の部材に他方の部材を接合す
ればよい。すると、各部材の切欠部は径方向に補完され
一つのリング状体となる。

【０００８】

【考案の効果】上述の結果、この考案によると、ガイド
リングを取付け環に取付けるとガイドリングはその径方
向には間欠しない、一つのリング状体となるので、従来
のガイドリングのように、たとい洗濯による衝撃を受け
ても不測に脱落してしまうことがなく、取付け状態を確
実に維持することができる。

【０００９】

【実施例】この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図１に示すのがガイドリング１であって、この
ガイドリング１は図４に見られるようなカーテン開閉装
置２に用いるものである。

【００１０】カーテン開閉装置２は、カーテンレール３
とカーテン地４とで構成し、カーテンレール３には、操
作コード５を有するコントロールユニット６と、複数個
の巻取りドラム７とを装着し、そしてカーテン地４の裏
面であって巻取りドラム７に対応する位置には、上下方
向にリングテープ８…を装着し、このリングテープ８…
上に取付けたガイドリング１に対して、巻取りドラム７
の昇降コード９を挿通するのである。リングテープ８…
は、図５に示すように中央に取付け帯１０を装着する。
この取付け帯１０の装着は、リングテープ８面との間に
所定間隔ごとの透きをあけて行ない、この透きの部分を
取付け環１１…としている。ガイドリング１，１はこの
取付け環１１…に対して取付けるのである。

【００１１】ガイドリング１は、合成樹脂製であり、図
２に示すような相互に係合しあう、同一形状の２つの部
材１２，１２で構成する。その部材１２は、円形断面を
有するリングを縦方向に二つ割りしたように（周方向で
二分割）一側面を周面とし、他側面を平面とした形状
で、一部に適宜長さの切欠部１３を形成して平面視形状
をＣ字状にしている。そしてこの切欠部１３に対向する
位置の平面部分には、切欠部１３と略同形の補完部１４
を形成し、この部分の断面視形状を円形としている。

【００１２】また、補完部１４の両側部分には、互いに
係合対応する形状の係合突起１５，１５と、係合孔１
６，１６とをそれぞれ同一の位置関係に形成している。
係合突起１５，１５と係合孔１６，１６とは、図３に示
すように、断面視形状が円形となるようにしている。す
なわち、係合突起１５は略中央に立設し、この上面を円
周面として材料弾性を利用した係合の円滑さを図り、外
周側には係合部１５ａを突設している。一方、係合孔１
６は、上述の係合部１５ａが係合する部分をその厚み部
だけ肉薄とする。

【００１３】このような形状の部材１２，１２で構成す
るガイドリング１の取付けは次のように行なう。まず、
分離された状態の部材１２のうちの一方を取付け環１１
に挿通して回転し、断面視形状が円形である補完部１４
を取付け環１１に対応させる。そしてこの状態の部材１
２に、他方の部材１２を係合して相互を接合し、一つの
リング状体となす。

【００１４】したがって取付け作業は、取付け環１１に
挿通した一方の部材１２に他方の部材１２を押し当てる
だけでよいので、簡単である。そして一度取付けると一
つのリング状態となり、係合突起１５と係合孔１６とで
強力に保持されて外れることがないので、カーテン地４
を洗濯をしても取付け状態を維持しておけ、紛失や破損
の心配がまったくなく有益である。

【００１５】また、断面視形状が略円形のリング状体と
なり余分な突出部分がないので、昇降コード９の摺動が
円滑に行なえ、カーテンの開閉操作も良好で、さらに製
造にあっては一種類の部材１２を成形すればよいので、
コストを低く抑えることもできる。なお、先の一実施例
では、部材同士の接合を嵌合によって行なったが、例え
ば接着剤による接合であるもよい。また、ガイドリング
の断面視形状は四角形であるもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】ガイドリングを示す斜視図。

【図２】ガイドリングの分解斜視図。

【図３】図１のＡ−Ａ線矢視断面図。

【図４】カーテン開閉装置を示す斜視図。

【図５】カーテン地裏面の一部を示す拡大平面図。

【符号の説明】

１…ガイドリング ４…カーテン地 ９…昇降コード １１…取付け環 １２…部材 １３…切欠部 １４…補完部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カーテン地の裏面に形成した取付け環に取
   付けられ、上下方向に沿って多数配設される昇降コード
   用ガイドリングであって、 上記ガイドリングをその周方向で二分割し、 上記二部材の一部に、前記取付け環を内周部に導入する
   切欠部を形成するとともに、 上記二部材相互の上記切欠部対応位置に、接合時に相互
   の切欠部を補完する補完部を形成したカーテンの昇降コ
   ード用ガイドリング。