JP2569399Y2 - 仮設テントのブラケット足場 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ビルその他各種建造物
の構築現場で使用され、降雨・降雪・風など天候に左右
されない空間を確保し、作業効率並びに作業環境の向上
をはかるために設置する工事用仮設テントのフレーム部
材に取付けて使用する仮設テントのブラケット足場に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】周知の通り、土木工事、建設工事はその
大部分が屋外で行われるので、降雨・降雪・風など自然
条件の影響を受け、降雨時、強風時または降雪時の工事
は、稼働率が極端に下がり、作業工程の遅延あるいは稼
働率の低下に伴う工事費の増大等の要因となっている。
また、上記のように自然条件の影響を受け易い屋外作業
は作業員の健康を損ねるばかりでなく、作業環境の悪化
によりスリップ、転落等人身事故が起こりやすく、一
方、コンクリートや鉄骨溶接の品質低下を招く原因とも
なっている。他方、都市部での土木建設工事では工事に
伴う粉塵、騒音の発生が避けられず、従ってこれに対す
る近隣周辺への配慮が不可欠となっている。

【０００３】昨今、上述のような作業環境の向上を目的
として、建設工事の敷地全体または一部分をすっぽりと
取り囲むことのできる構造の仮設テントあるいはドーム
形式の仮設屋根装置等が開発され、その一部はすでに実
用に供されている。

【０００４】本出願人らも、先に、風雨や降雪があって
も現場作業を可能とし、重機を用いた通常の建設作業を
屋根の下で進めることができるようにさせる目的で、次
のような内容の仮設テントとその施工法を提案している
（特願平４−２９９２４号）。

【０００５】すなわち、山形をした屋根部材と、その屋
根部材の両端に固定したローラ付き支柱部材とからなる
仮設テントのフレーム部材をあらかじめ用意しておき、
このフレームを足場に取り付けた桁の上にワン・フレー
ムずつ揚重して複数のフレームを所定間隔に固定した
後、高所作業車や自動足場等を用いて隣接するフレーム
間に母屋等を渡して接続することにより仮設テントのフ
レームユニットを組み立てる（小屋組みする）ととも
に、そのフレームユニットの屋根上面にキャンバスを張
設して架構した仮設テント及びその施工法の発明を提案
した。

【０００６】

【本考案が解決しようとする技術課題】ここにおいて本
考案者は、上記仮設テントの特殊のフレーム部材に、簡
単に取付けて使用できる仮設テントのブラケット足場を
開発したものであって、このブラケット足場を利用して
作業することにより仮設テントの屋根面やフレーム部材
のサイド面等に、安全かつ簡単にキャンバスを張設でき
るようにしたブラケット足場を提案するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】すなわち本考案は、２本
並べしたテントフレーム部材の支柱のそれぞれに、足場
板支持用の水平材と垂直材と持ち送り材とからなる金属
製のブラケットを相対応した位置に添設して前記垂直材
と支柱とを固着し、かつ水平材の一側に手すりを一体に
設けてなる仮設テントのブラケット足場を提案するもの
である。

【０００８】

【実施例】以下、実施例に基づいて本考案を具体的に説
明する。図１は本考案のブラケッ ト足場の側面図であっ
て、テントフレーム部材の支柱に固定した状態を示して
いる。また図２はその斜視図である。また図３はテント
フレームの屋根を専用のキャンバスで覆設した状態を示
した図、図４は仮設テントのフレームユニットをビルの
構築現場に取り付けた状態を示した説明図、図５はフレ
ーム部材の材料たる中空長尺型材の説明図である。

【０００９】まず、本考案が適用される仮設テントの構
造を説明しておくとは、図２、図３に示したように、単
位のフレーム部材３を２本使用して、２本並べしたフレ
ーム部材間を母屋４やブレース５を含んだサポート部材
で一体に連結することにより組み立てられた小屋ユニッ
ト（以下単にユニットということがある）を構築しよう
とする建造物の外部又はその建築用作業空間の両側に設
けた一対の外部足場７の上に揚重して並設させ、並設し
た複数のユニットの屋根及びフレーム部材のサイド面
を、テント用キャンバス１０で開閉自在に覆設して構成
されている。

【００１０】ここでフレーム部材３の構造を説明してお
くと、このフレーム部材３は、テントを小屋組みする際
に山形に固定されて屋根部を構成する垂木１やその垂木
の軒側端部に固定する支柱２として使用される。このフ
レーム部材は高強度軽量構造材より形成され、具体的に
はアルミ合金製の断面ほぼ長方形または正方形の中空長
尺型材から形成されている。前記中空長尺型材における
相対向する２側壁１１ａ、１１ｂの上下端部に、外向き
に開口する欠円状の凹溝１３、１３が形成されている。
この凹溝１３にはテント用キャンバス１０の端部１０ａ
を挿入するスライド溝として使用できるようにされてい
る。

【００１１】本考案のブラケット足場は図１と図２から
わかるように、２本並べしたテントフレーム部材の支柱
２，２の外側面のそれぞれに、足場板支持用の水平材２
１と垂直材２２と持ち送り材２３とからなる左右一対の
金属製３角ブラケット２０を相対応した位置関係に添設
させ、ロングボルトとナット等の固定金具２４により支
柱２に対して前記垂直材２２を固定して構成されてい
る。そして左右の水平材２１、２１には足場板３０が支
持され、また前記左右の水平材の一側には直交クランプ
等の繋結金具２５を利用しパイプ製の手すり３１を一体
に設けて全体を構成している。ちなみに符号３２は外部
足場から屋根部を構成する垂木１にハンガーを介して取
り付けたつり足場３３に上るためのタラップを示してい
る。

【００１２】各種建造物の構築現場に架設された仮設テ
ントの屋根上面にキャンバスを展張していく作業を行う
に当たっては、前述したようにキャンバス１０の端部１
０ａをフレーム部材の凹溝１３内に挿入したり、挿入し
たキャンバスを軒先まで引き下げたり、途中でつかえた
キャンバスを挿入し直す作業が必要であるが、通例支柱
の高さは約２．５〜３Ｍもあり、従って屋根が高いので
作業効率が悪く、危険な作業である。しかし、上記構成
のブラケット足場並びにつり足場を利用して作業を行え
ば、キャンバスを展張していく作業を安全にかつ極めて
効率よく行える。

【００１３】

【考案の効果】以上説明したように本考案たる仮設テン
トのブラケット足場によれば、キャンバスを展張してい
く作業をこのブラケット足場を利用して作業することに
より仮設テントの屋根面等に、安全かつ簡単にキャンバ
スを張設できるとともに特殊構造のフレーム部材に簡単
に取付けて使用できる点で実用上の効果が高いものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のブラケット足場の側面図であって、テ
ントフレーム部材の支柱に固定した状態を示している。

【図２】同上斜視図である。

【図３】テントフレームの屋根を専用のキャンバスで覆
設した状態を示した図である。

【図４】仮設テントをビルの構築現場に取り付けた状態
を示した説明図である。

【図５】フレーム部材の材料たる中空長尺型材の説明図
である。

【符号の説明】

１：垂木，２：支柱，３：フレーム部材，４：母屋，
５：ブレース，７：外部足場，１０：テント用キャンバ
ス，１３：凹溝，２０：３角ブラケット，２１：水平
材，２２：垂直材，２３：送り材，２４ボルトナット，
３０：足場板，３１：手すり，３３：つり足場

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 構築しようとする建造物の上部又はその
   建築用作業空間の上部に設ける仮設テントであって、２
   本並べしたテントフレーム部材の支柱のそれぞれに、足
   場板支持用の水平材と垂直材と持ち送り材とからなる金
   属製のブラケットを相対応した位置に添設して前記垂直
   材と支柱とを固着し、かつ水平材の一側に手すりを一体
   に設けてなる仮設テントのブラケット足場。