JP2568418Y2 - ニッケルアレルギ防止装飾品 - Google Patents

ニッケルアレルギ防止装飾品

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JP2568418Y2
JP2568418Y2 JP1991103745U JP10374591U JP2568418Y2 JP 2568418 Y2 JP2568418 Y2 JP 2568418Y2 JP 1991103745 U JP1991103745 U JP 1991103745U JP 10374591 U JP10374591 U JP 10374591U JP 2568418 Y2 JP2568418 Y2 JP 2568418Y2
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nickel
plating
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white
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Inventor
英三 高松
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高松メッキ工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はニッケルを主体とした基
材又はニッケル含有メッキを形成した基材からなる白色
系の装飾品に係り、特にこのような装飾品の使用時に生
じる皮膚アレルギーの防止に有効なニッケル系白色装飾
品に関する。
【0002】
【従来の技術】白色の外観を呈するメガネフレーム等の
装飾品は従来主としてニッケル−クロム合金、洋白、モ
ネル等の素材又はこれらに各種ニッケル合金からなる下
地メッキ、仕上げメッキを形成することによって得られ
ている。
【0003】
【考案が解決すべき課題】しかし、これらの白色装飾品
にはニッケルが数%〜数十%程度含有されているため、
使用時にニッケルが遊離してメガネフレーム等の場合の
ように直接皮膚に触れる場合ではいわゆるニッケルアレ
ルギーを生じるおそれがある。
【0004】このニッケルアレルギーは現在各国で問題
視されているが、特にEC圏においてはニッケル含有合
金又はニッケル含有物質で被覆された材料からなる金属
製品に対して法的規制が適用され、所定量以上の遊離ニ
ッケルを生じさせる物に対しては販売禁止の行政処置が
とられている場合もある。
【0005】しかし、白色装飾品の現状においてはチタ
ン等の高級素材を用いる場合はは別として、メガネフレ
ーム等の素材或いはそのメッキ層にはほとんどの場合ニ
ッケルが含有されており、このような白色系装飾品にと
っては色調およびコストの点でニッケルの代替品は容易
には見当らない。
【0006】
【課題を解決するための手段】前期従来技術の課題はニ
ッケル含有基材に対して、ニッケル含有分が40%以下
のPd−Ni系の下地メッキを介して、Pd系合金から
なる白色仕上げメッキ層を平均0.5〜5μmの厚さで
形成したニッケルアレルギ防止装飾品によって解決され
る。
【0007】
【作用】本考案においてはニッケル含有基材に対してP
dおよびPd系合金又はSn合金系からなる白色仕上げ
メッキ層が施されており、その外観は従来のニッケル含
有基材またはかゝる基材にニッケル合金を含むメッキを
形成したものとほゞ同等な白色を呈する。また基材中に
含有されるニッケルは前記仕上げメッキ層によって表面
への遊離を抑止されるので、これらの装飾品を直接皮膚
に接触するような状態で使用してもニッケルアレルギー
を誘発しない。
【0008】現在ECにおいてニッケル製品に適用され
ている法規制による遊離ニッケルの規制値は0.5mg/cm2/
weekとされており、その分析法にはニッケルに対して特
異な呈色反応を示す試薬としてジメチルグリオキシムが
用いられる。
【0009】すなわちジメチルクリオキシムの1%エタ
ノール溶液および水酸化アンモニウムの10%水溶液を二
滴づつ滴下したガーゼによって被検物品の表面を一定の
動作で30秒間摩擦し、薄いバラ色から鮮やかなチエリ
ー色までの範囲の赤色の発色があれば、0.5mg/cm2/week
以上の遊離ニッケルが存在するものとみなされる。
【0010】こゝで現在白色装飾品の基材として用いら
れている洋白、洋銀、ニッケル合金、SUS −304 、白色
メッキとしてのニッケル、Pd−Ni合金(Ni>15
%)のメッキ層ではいずれも遊離ニッケルが前記規制値
を越えている。
【0011】本考案においてはこのようなニッケル含有
基材を前記Pd系又はAu−Sn系等のニッケルを含ま
ない仕上げメッキ層で被覆しているため基材からのニッ
ケルの遊離が効果的に防止される。
【0012】図1は本考案に係る装飾品のニッケルを含
有する基材に下地メッキ層(後述)を介して仕上げメッ
キ層を形成した状態を示す説明図、図2は本考案を適用
したメガネフレームの要部を示す斜視図である。
【0013】図1において、ニッケルを含有する基材1
に形成される仕上げメッキ層IIの厚さが0.5 μm以下で
は前記試験に際してメッキ層が摩耗しやすく表面へのニ
ッケルの遊離が充分に防止できない。仕上げメッキ層の
厚さを平均約0.5 μとしたときは前記発色試験を3サイ
クル(30秒×3)反復しても実質的な発色は認められな
い。
【0014】装飾品たとえばメガネフレーム等のメッキ
においては各部の形状によって電着量が大きく異なり、
通常は図2に示すフレームのつるの曲がり部分(皮膚に
接触する下側部分)1における電着量を平均的な代表値
とする。しかし、メッキ層の薄い部分と図中の厚い部分
(たとえば、図2の部分2および3)では2倍程度の差
を生じることもあるため、実際の製品においては仕上げ
メッキ本来の目的である耐摩耗性や耐蝕性の向上に加え
て、仕上げメッキ層IIを厚目にして遊離ニッケルの値を
規格値よりも充分に小さくすることが必要であると考え
られ、安全係数を規格の3倍にとって仕上げメッキ層II
の厚さの下限値を平均0.5 μとした。
【0015】一方基材I中のニッケル含有分にもよるが
メッキ層の厚さが約2.0 μになると、基材Iからのニッ
ケルの遊離はほとんどなくなり、5.0 μを越えて増大さ
せても単にメッキコストが増大する結果となる。さらに
Pd系合金等の仕上メッキでは厚さの増大と共にクラッ
ク等の欠陥が生じやすくなり前記のように各部の形状に
よって著しく電着量が変化するため、不均一に厚くメッ
キされた部分ではかえって欠陥部分から下地のニッケル
基材が露出するおそれがある。このため仕上げメッキ層
IIの厚さの上限値は平均 5.0μとする。
【0016】尚仕上げメッキ層IIの材料としては、ニッ
ケルを含まないこと、メッキの外観がニッケルメッキの
場合と同等な白色であること、耐摩耗性のあること、基
材Iとのなじみの良いことが要求され、Pd、Au−P
d等のPd系合金、Au−Sn等のSn系合金が適して
いる。
【0017】尚本考案においては、基材Iに対して表面
の傷、荒れ、ピンホール等を平滑化するために予め下地
メッキ層 IIIを形成しておいてもよい。この場合下地メ
ッキ層 IIIとしてはニッケルを含むたとえばPd−Ni
合金メッキを1μ以上の厚さで施すことが好ましい。下
地メッキ層 III中のPdおよびNi成分は仕上げメッキ
層IIのPdおよび基材IのNiに対してなじみがよく、
したがって基材Iと仕上げメッキ層IIとの密着性を良好
にする。
【0018】下地メッキ層 IIIは従来の下地メッキとは
異なって基材Iの傷やピンホールを修復、平滑化させる
程度の厚さであれば充分であり(1μ以上)、耐摩耗性
及び耐蝕性等はニッケル遊離の防止を目的として与えら
れる。下地メッキ層 IIIのニッケル含有分は基材Iのニ
ッケル含有分より小さいことが好ましく、約40%を限
度として通常20〜40%の範囲とする。
【0019】実施例1 ニッケル−クロム合金(Ni80−95%、Cr5−15%、
他Ag、Mg等)からなるメガネフレームの素材に対し
てメッキ浴1リットル当りPd(金属換算)2−10g、
Ni(金属換算)5−15g、導電塩50−100 g、有機添
加剤1−10ccを含む浴組成を用い、pH7.5 〜8.5 、
液温20−40℃、時間10分、電流密度、0.5 〜1.5 A/
dm2 のメッキ条件でPd−Ni合金の下地メッキを約
2μmの厚さで形成した。
【0020】次いでこの下地メッキを施されたメガネフ
レームに対して浴液1リットルに対してPd(金属換
算)5−25g、導電塩50−100 g、水酸化アンモニウム
10−20gおよび有機光沢剤2−10ccを含むの組成の浴
を用いて、pH12−13、液温25−40℃、時間15分、電流
密度0.5−1.5 A/cm2 のメッキ条件でPd仕上げメ
ッキを2μmの厚さで形成した。
【0021】得られたメガネフレームの外観は白色でN
i、Pd−Niメッキを施した通常の製品とほゞ同等の
色調を呈した。
【0022】このメガネフレームは前記ジメチルグリオ
キシムによる発色試験において、規定の呈色テストを3
サイクル反復しても全く発色せずニッケルの遊離値が規
格値以下であることを示した。
【0023】実施例2 ニッケルークロム合金(Ni80ー95%、Cr5ー1
5%、他Ag、Mg等)および洋白(Cu60ー70
%、Ni15ー20%、残部Zn)からなるメガネフレ
ームに対して浴液1リットルに対してPd(金属換算)
5−25g、導電塩50−150 g、水酸化アンモニウム10−
20gおよび有機光沢剤2−10ccを含むの組成の浴を用
いてpH12−13、液温25−40℃、時間15分、電流密度0.
5−1.5 A/cm2 のメッキ条件でPd仕上げメッキを
2μmの厚さで形成した。
【0024】得られたメガネフレームの外観は白色でN
i、Pd−Niメッキを施した通常の製品とほゞ同等の
色調を呈した。
【0025】このメガネフレームは前記ジメチルグリオ
キシムによる発色試験において、規定の呈色テストを3
サイクル反復しても全く発色せずニッケルの遊離値が規
格値以下であることを示した。
【0026】参考例 純チタン(チタン含有分99.9% 以上) からなるメガネフ
レームに対して実施例1および2の仕上げメッキと同様
なPdメッキ浴組成を用いて同様な条件で厚さ2μの仕
上げメッキ層を形成した。得られたメガネフレームは各
実施例と同様な白色外観を示した。
【0027】
【考案の効果】本考案によればニッケルを含有する又は
ニッケル含有メッキを形成した基材からのニッケルの遊
離を防止し使用中のニッケルアレルギを防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の装飾品の断面を示す説明図である。
【図2】本考案を適用したメガネフレームの要部の斜視
図である。
【符号の説明】
I 基材 II 仕上げメッキ層 III 下地メッキ層

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル含有基材に対して、ニッケル含
    有分が40%以下のPd−Ni系の下地メッキを介し
    て、Pd系合金からなる白色仕上げメッキ層を平均0.
    5〜5μmの厚さで形成したニッケルアレルギ防止装飾
    品。
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