JP2568270B2 - 通信装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、遠距離区間で電力輸送を行っている電力輸
送システムにおいて、遠方の電力需要側から電力供給側
に情報を伝送するための通信装置に関する。

＜従来技術＞ 従来、電力給電線を利用した通信手段は、電力線搬送
と呼ばれ、例えば第４図のような構成となっていた。第
４図において、１は電力供給側、２は需要側、３は電流
トランス、４は整流回路、５は平滑コンデンサ、６は信
号発生器、７は送信器、８は電流トランス、９は電力給
電線、Ｉは供給電流である。

需要側２は例えばランプで構成される。電流トランス
３は信号発生用電源を得るため用いられるもので、電力
給電線９に直列に挿入されている。送信器７は、一般に
は、信号発生器６の出力信号を変調して、電流トランス
８に供給する。

電流トランス８は、電力給電線９に直列に挿入されて
おり、電力給電線９によって輸送される電力に信号発生
器６の出力信号を重畳する。

第４図の従来例において、電流トランス３で得られた
交流電力を、整流回路４及びコンデンサ５で整流平滑し
て直流電力に変換する。信号発生器６及び送信器７は、
上述のようにして得られた直流電力を電源として動作す
る。信号発生器６の出力信号は、送信器７を介して電流
トランス８に供給され、電力給電線９中を輸送される電
力に重畳される。

＜発明が解決しようとする課題＞ 上述したように、従来技術では、信号発生器６及び送
信器７等の信号発生回路に電源を供給するためのトラン
ス３と、信号送信のためのトランス８の２つが必要であ
った。

本発明の課題は、信号発生回路に電源を供給するため
のトランスと、信号送信用のトランスとを共通にした通
信装置を提供することである。

＜課題を解決するための手段＞ 上述する課題を解決するために、本発明に係る通信装
置は、電力給電線に結合されたトランスと、前記トラン
スの出力電力を蓄積する蓄積回路と、前記蓄積回路の出
力電力を電源として動作し前記トランスに対して出力信
号を供給するように接続された信号発生回路と、前記信
号発生回路の出力信号が前記トランスに入力されると
き、前記トランス及び前記蓄積回路の間の電気的接続を
実質的に遮断する切替回路とを有することを特徴とす
る。

＜作用＞ 信号発生回路に出力信号が発生していない間は、切替
回路はトランスと蓄積回路とを接続する位置にあり、ト
ランスの出力電力が蓄積回路に供給され蓄積される。

信号発生回路に出力信号が発生すると、切替回路は、
トランス及び蓄積回路の間の電気的接続を実質的に遮断
する位置に切り替えられる。これにより、信号発生回路
の電源となる蓄積回路がトランスから実質的に切り離さ
れた状態となり、信号発生回路の出力側負荷はトランス
だけとなる。信号発生回路から送信された信号はトラン
スに供給され、電力給電線中を輸送される電力に重畳さ
れる。この切替動作により、トランスから蓄積回路への
電力供給はなくなるが、放電時定数及び信号送信時間を
適切に選定することにより、信号送信の間、信号発生回
路に対して、正常に機能できる直流電源を供給し、動作
を継続させることができる。

上述のように、信号送信時と送信電源を確保するため
のエネルギー蓄積時とを異る時刻とし、かつ、信号送信
時において、信号発生回路の電源となる蓄積回路を、ト
ランスから実質的に切り離すことにより、信号発生回路
の出力側負荷をトランスだけにし、信号発生回路に電源
を供給するためのトランスと、信号送信用のトランスと
を共通にすることができる。

＜実施例＞ 第１図は本発明に係る通信装置の具体的実施例におけ
るブロック図で示している。図において、10はトラン
ス、11は蓄積回路、12は信号発生回路、13は切換回路、
14はコンデンサである。コンデンサ14は省略できる。

トランス10は、巻線101と巻線102とを有する電流トラ
ンスで構成され、巻線101を電力給電線９に直列に挿入
接続してある。

蓄積回路11は巻線102より与えらる電力を蓄積する。
具体的には、巻線102に生じる交流電力を整流回路111に
よって整流し、コンデンサ112に蓄積する。

信号発生回路12は、蓄積回路11から出力される電力を
電源として動作する。実施例に示す信号発生回路12は、
信号発生器121及び送信器122等を含んで構成されてい
る。

切替回路13は、増幅器131、リレー133及び切替スイッ
チ133を備えて構成されている。増幅器131は、信号発生
器121に出力信号が発生したとき、この信号を増幅し
て、リレー132を励磁する。切替スイッチ133は、リレー
132の接点r₁、r₂によって構成されている。接点r₁、r₂
は、リレー132が励磁状態にないとき、トランス10の巻
線102を、蓄積回路11の整流器111に接続する位置にあ
り、信号発生器121に出力信号が発生して、リレー132が
励磁されると、トランス10の巻線102を、信号発生回路1
2に接続する位置に切り替わる。

次に、第１図の実施例の動作を、第２図のタイムチャ
ートを参照しつつ説明する。トランス10の巻線102に生
じた交流電力（第２図（ａ）参照）は、整流回路111に
よって整流され、コンデンサ112に直流電力として蓄積
される。これと同時に、コンデンサ112から信号発生回
路12に動作用の直流電源が供給される（第２図（ｂ）参
照）。

コンデンサ112から直流電源が供給されると、信号発
生器121に周期的パルス信号が発生する（第２図（ｃ）
参照）。この出力パルスは送信器122に入力されると共
に、増幅器131に入力されて、増幅器131の出力でリレー
132が励磁される。このため、接点r₁、r₂が送信器122側
に接続されて、トランス10から電力給電線９に送信信号
（第２図（ｄ）参照）が出力される。

接点r₁、r₂が送信器122側に接続されている間は、ト
ランス10の出力がコンデンサ112に入力されないため
に、直流電源が低下し始める（第２図（ｂ）参照）。し
かしながら、この放電時間特性は、送信出力信号を発生
している時間に比べて大きいので、送信信号の発生して
いる間、信号発生器121、送信器122、増幅器131及びリ
レー132には、これらが機能できる直流電源が供給され
る。

信号発生器121の出力信号（第２図（ｃ）参照）が消
滅すると、リレー132が非励磁となって、接点r₁、r₂が
トランス10の巻線102を整流回路111に接続する位置に切
り替えられる。

第３図は本発明に係る通信装置の別の実施例における
ブロック図を示している。図において、第１図と同一の
参照符号は同一性ある構成部分を示す。この実施例は、
トランス10側から見た送信器122側のインピーダンスが
高い場合にとり得る回路構成を示している。第３図にお
いて、整流回路111の入力側と送信器122の出力側は共通
に接続し、整流回路111とコンデンサ112の間に、切替ス
イッチ133を配置してある。この切替スイッチ133を送信
時に遮断して、トランス10及び蓄積回路11の間の電気的
接続を実質的に遮断する。

なお、接点は無接点スイッチによっても実現できるこ
とは明らかである。

＜発明の効果＞ 以上述べたように、本発明に係る通信装置は、電力給
電線に結合されたトランスと、その出力電力を蓄積する
蓄積回路と、この蓄積回路の出力電力を電源として動作
し、トランスに対して出力信号を供給するように接続さ
れた信号発生回路と、信号発生回路の出力信号がトラン
スに入力されるとき、トランス及び蓄積回路の間の電気
的接続を実質的に遮断する切替回路とを有するから、信
号送信時と送信電源を確保するためのエネルギー蓄積時
とを異る時刻とし、かつ、信号送信時において電源側を
トランスから切り離すことによって、信号発生回路の出
力側負荷をトランスだけにし、信号発生回路に電源を供
給するためのトランスと、信号送信用のトランスとを共
通にした通信装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る通信装置の実施例を示すブロック
図、第２図は第１図実施例を説明するためのタイムチャ
ート、第３図は本発明に係る通信装置の別の実施例にお
けるブロック図、第４図は従来の通信装置のブロック図
である。 10……トランス、11……蓄積回路 12……信号発生回路 13……切替回路

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電力給電線に結合されたトランスと、前記
   トランスの出力電力を蓄積する蓄積回路と、前記蓄積回
   路の出力電力を電源として動作し前記トランスに対して
   出力信号を供給するように接続された信号発生回路と、
   前記信号発生回路の出力信号が前記トランスに入力され
   るとき、前記トランス及び前記蓄積回路の間の電気的接
   続を実質的に遮断する切替回路とを有することを特徴と
   する通信装置。