JP2567643Y2 - 車両搬送用台車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、通常の台車としてはも
ちろんのこと、事故などでタイヤやホィールなどが破損
して自走できない車両（事故車など）を移動する場合に
おいて有用な車両搬送用台車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、自走できない事故車などに対処す
るには、レッカーレーラ、サブレーラ、ゴージャックな
どを用いて移動させたり、あるいはガレージジャッキや
パレットトラックなどを使用して牽引したりしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記レ
ッカーレーラ、サブレーラ、ゴージャックなどにあって
は装置が大掛かりとなり手軽な使用ができないことや、
タイヤを外した車両は使用できないなどの欠点があり、
また、ガレージジャッキやバレットトラックなどにあっ
ては、装置が比較的小型で手軽な使用に向いている反
面、牽引距離が大きくなると、不向きであるなどの問題
があった。

【０００４】本考案は、このような従来の実情に鑑みて
なされたもので、普段は通常の台車として使用できると
同時に、事故車などの移動にも対応し、車両の昇降の際
はガレージジャッキと併用することができる汎用性に富
んだ車両搬送用台車を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かゝる本考案の請求項１
記載の考案は、概略Ｕ字型のフレーム１と、該フレーム
１のＵ字型中央辺１ａの底面両隅部およびＵ字型左右の
遊端辺１ｂ，１ｂの底面部に設けたキャスター２と、前
記フレーム１のＵ字型左右の遊端辺１ｂ，１ｂの上面部
からＵ字型中央辺１ａの上面両隅部にわたって設置され
ると共に、その長手方向の左右の縁部に突起部３ａ，３
ａが形成され、この突起部３ａ，３ａ間に上面に凹み部
４ａを有する補助受台４が嵌め込まれる補助受台用支持
部材３とからなり、 前記Ｕ字型中央辺１ａの底面両隅部
間のキャスター２，２間隔が車両昇降具の受け入れられ
る幅とすると共に、前記フレーム１のＵ字型中央辺１ａ
の底面とキャスター２間の高さが車両昇降具の受け入れ
られる高さで、かつ前記Ｕ字型左右の遊端辺１ｂ，１ｂ
間の外幅が車両の車輪間の幅より小さく、当該車輪間に
搬入されて、車両の底面側のボデー部分を、前記Ｕ字型
左右の遊端辺１ｂ，１ｂで直 接受けるか、或いは前記補
助受台４の凹み部４ａを介して受けることを特徴とする
車両搬送用台車にある。

【０００６】本考案の請求項２記載の考案は、前記補助
受台４の底面側にはピン軸５を設けると共に、前記フレ
ーム１のＵ字型左右の遊端辺１ｂ，１ｂの上面側の補助
受台用支持部材３部分にはピン軸５と嵌合される嵌合穴
６を設け、これらのピン軸５と嵌合穴６によって、補助
受台４を着脱自在に係合させるようにしたことを特徴と
する請求項１記載の車両搬送用台車にある。

【０００７】

【作用】したがって、先ず、請求項１記載の台車では、
通常の台車としての使用はもちろんのこと、ガレージジ
ャッキなどの車両昇降具と組み合わせて用いれば、自走
できない事故車などの移動にも容易に対応することがで
きる。すなわち、車両昇降具で一旦事故車などの破損し
たボデー部分などを持ち上げた後、この台車を、その開
放部を前方として車両昇降具を跨いで入れ、その後、車
両昇降具を下降させて抜き取れば、フレーム上面に事故
車などの破損したボデー部分が載り、スムーズな移動が
可能となる。このようにボデー部分が載るため、仮に事
故車のタイヤが離脱したり、タイヤが車軸の曲げなどに
よって大きくずれていても何ら問題なく対応することが
できる。 また、請求項２記載の台車では、補助受台４と
フレーム１側とが、ピン軸５と嵌合穴６によって着脱自
在に係合されるため、安定した事故などのない係合関係
が得られる。

【０００８】

【実施例】図１は、本考案に係る車両搬送用台車の一実
施例を示したものである。１は概略Ｕ字型（コ字型）の
フレーム、２はフレーム１のＵ字型中央辺１ａの底面両
隅部およびＵ字型左右の遊端辺１ｂ，１ｂの底面部に設
けたキャスター、３はＵ字型左右の遊端辺１ｂ，１ｂの
上面部からＵ字型中央辺１ａの上面両隅部にわたって設
置された補助受台用支持部材、４はその上面に凹み部４
ａを有する補助受台、５は補助受台４の底面に植設され
たピン軸、６が補助受台用支持部材３上面に穿設された
嵌合穴、７はフレーム１の牽引時などに牽引用のフック
などが引っ掛けられる引掛部である。

【０００９】上記車両搬送用台車において、Ｕ字型中央
辺１ａの底面両隅部間のキャスター２，２間隔が車両昇
降具１０、例えば図４に示した如き、ガレージジャッキ
などの受け入れられる幅Ｗとすると共に、フレーム１の
Ｕ字型中央辺１ａの底面とキャスター２間の高さＨが非
上昇時（不使用時）におけるガレージジャッキなどが挿
入できる高さとしてある。

【００１０】上記補助受台４は、そのピン軸５を補助受
台用支持部材３上面の嵌合穴６に嵌め込むことにより着
脱自在に設置することができる。なお、好ましくは補助
受台用支持部材３の長手方向の左右の縁部に突起部３
ａ，３ａを設けて、補助受台４の回り止めとするとよ
い。また、嵌合穴６も補助受台用支持部材３の長手方向
に複数配列しておくとよい。そうすれば、左右の補助受
台４，４の設置位置を換えることにより、激しい損傷に
より事故車の持ち上げ部分が左右でずれた場合にも対応
することができる。またさらに、補助受台４にあって
は、その凹み部４ａまでの高さｈや長さＬの異なるもの
を予め数種類用意しておくとよい。これにより、種々の
車種や事故車の種々のケースに対応することができる。

【００１１】次に、本考案に係る上記車両搬送用台車を
用いて事故車を搬送する場合について、図２〜図３によ
り説明する。先ず、図２に示したように、事故車２０の
損傷したボデー部分２１底面に車両昇降具１０としての
ガレージジャッキを入れる。この後、ジャッキ１０を操
作してジャッキアーム１１を上昇させ、事故車２０の損
傷した車両ボデー部分２１を所定の位置まで持ち上げ
る。

【００１２】この持ち上げられた状態で、図３に示した
ように、予め補助受台用支持部材３上面に補助受台４を
設置した車両搬送用台車を、その開放部（Ｕ字型のオー
プン側）を前方として、ガレージジャッキ１０を跨いで
入れる。このとき、ガレージジャッキ１０のジャッキア
ーム１１は、ちょうど図４に示したように上昇した状態
にあるわけであるが、このジャッキアーム１１部分は開
放部、すなわちＵ字型の内部に収納されるため、車両搬
送用台車の搬入は何ら問題なく行われる。

【００１３】このようにして車両搬送用台車の搬入が終
わったら、ジャッキ１０を操作してジャッキアーム１１
を下降させる。そうすると、例えば事故車２０の損傷し
たボデー部分２１が補助受台４の凹み部４ａに載る。こ
の後、移動稈１２を引いてジャッキ１０を事故車２０の
車両底面から抜き取る。これにより、事故車２０は、台
車の各キャスター２と他方の正常なタイヤ部分２２で支
持されるため、例えば引掛部７に牽引用のフックなどを
引っ掛けて引くことにより、容易に移動させることがで
きる。

【００１４】なお、上記実施例では、補助受台４の設置
において、ピン軸５を補助受台４に設けた場合であった
が、ピン軸５を補助受台用支持部材３側に設け、このピ
ン軸５が係合される嵌合穴６を補助受台４側に設けるこ
とも可能である。

【００１５】

【考案の効果】以上の説明から明らかなように本考案に
係る車両搬送用台車によれば、次のような優れた効果が
得られる。 （１）ガレージジャッキなどの車両昇降具と組み合わせ
て用いれば、自走できない事故車などの移動にも容易に
対応することができる。この場合、車両搬送用台車は、
車両昇降具で一旦持ち上げられた事故車などの損傷した
ボデー部分に入れた後、車両昇降具を下降させて抜き取
るのみでよく、極めて簡単である。 （２）また、対象車両の底面側のボデー部分を受けるも
のであるため、車両が事故などによって、タイヤや車輪
自体が外れたり、車軸が曲がるなどしてタイヤや車輪自
体が元の位置から大きくずれた場合であっても、何ら問
題なく、対応す ることができる。さらに、車両の底面側
の車輪間の間に入る大きさで、小型化され、その構造自
体も簡単であるため、安価に提供できる利点も得られ
る。 （３）概略Ｕ字型のフレームの左右の遊端辺の上面部部
分に、その長手方向の左右の縁部に突起部が形成された
補助受台用支持部材を設けてあるため、補助受台の設置
がし易く、事故車などの損傷したボデー部分が安定して
保持される。また、この補助受台として、予め高さや長
さの異なるものを数種類用意しておけば、種々のケース
に幅広く対応することができる。また、この補助受台と
フレームの左右の遊端辺の補助受台用支持部材との設置
係合において、ピン軸と嵌合穴との関係を利用すれば、
より確実で安定した保持状態が得られる。 （４）もちろん、荷物などを載せたりする通常の台車と
して使用することもでき、高い汎用性が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車両搬送用台車の一実施例を示し
た部分分解斜視図である。

【図２】車両昇降具で事故車などの損傷したボデー部分
などを持ち上げた状態を示した側面図である。

【図３】本考案に係る車両搬送用台車に事故車などの損
傷したボデー部分などを載せた状態を示した側面図であ
る。

【図４】車両昇降具としてのガレージジャッキの一例を
示した斜視図である。

【符号の説明】

１ フレーム、 １ａ Ｕ字型中央辺、 １ｂ Ｕ字型左右の遊端辺、 ２ キャスター、 ３ 補助受台用支持部材、３ａ 突起部、 ４ 補助受台、 ５ ピン軸、 ６ 嵌合穴、 １０ 車両昇降具、 ２０ 事故車、

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 概略Ｕ字型のフレーム１と、該フレーム
   １のＵ字型中央辺１ａの底面両隅部およびＵ字型左右の
   遊端辺１ｂ，１ｂの底面部に設けたキャスター２と、前
   記フレーム１のＵ字型左右の遊端辺１ｂ，１ｂの上面部
   からＵ字型中央辺１ａの上面両隅部にわたって設置され
   ると共に、その長手方向の左右の縁部に突起部３ａ，３
   ａが形成され、この突起部３ａ，３ａ間に上面に凹み部
   ４ａを有する補助受台４が嵌め込まれる補助受台用支持
   部材３とからなり、 前記Ｕ字型中央辺１ａの底面両隅部間のキャスター２，
   ２間隔が車両昇降具の受け入れられる幅とすると共に、
   前記フレーム１のＵ字型中央辺１ａの底面とキャスター
   ２間の高さが車両昇降具の受け入れられる高さで、かつ
   前記Ｕ字型左右の遊端辺１ｂ，１ｂ間の外幅が車両の車
   輪間の幅より小さく、当該車輪間に搬入されて、車両の
   底面側のボデー部分を、前記Ｕ字型左右の遊端辺１ｂ，
   １ｂで直接受けるか、或いは前記補助受台４の凹み部４
   ａを介して受けることを特徴とする車両搬送用台車。
2. 【請求項２】 前記補助受台４の底面側にはピン軸５を
   設けると共に、前記フレーム１のＵ字型左右の遊端辺１
   ｂ，１ｂの上面側の補助受台用支持部材３部分にはピン
   軸５と嵌合される嵌合穴６を設け、これらのピン軸５と
   嵌合穴６によって、補助受台４を着脱自在に係合させる
   ようにしたことを特徴とする請求項１記載の車両搬送用
   台車。