JP2567331B2 - 化合物半導体単結晶薄膜の成長法 - Google Patents

化合物半導体単結晶薄膜の成長法

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JP2567331B2
JP2567331B2 JP4322680A JP32268092A JP2567331B2 JP 2567331 B2 JP2567331 B2 JP 2567331B2 JP 4322680 A JP4322680 A JP 4322680A JP 32268092 A JP32268092 A JP 32268092A JP 2567331 B2 JP2567331 B2 JP 2567331B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化合物半導体の単結晶成
長層を2分子層単位で半導体単結晶基板上にエピタキシ
ャル形成するのに好適な化合物半導体単結晶薄膜の成長
法に関する。特に少なく共2種類の原料ガスを交互に導
入し、表面交換反応で化合物半導体単結晶をエピタキシ
ャル成長する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から半導体の薄膜結晶を得るための
気相エピタキシー技術として、有機金属気相成長法(以
下、MO−CVD法と呼ぶ)、分子線エピタキシー法
(以下、MBE法と呼ぶ)、原子層エピタキシー(以
下、ALE法と呼ぶ)などが知られている。しかし、M
O−CVD法はソースとしてIII族、V族元素を水素
ガス等をキャリアとして、同時に反応室へ導入し、熱分
解によって成長させるため、成長層の品質が悪い。ま
た、単分子層オーダーの制御が困難である等の欠点があ
る。
【0003】一方、超高真空を利用した結晶成長法とし
てよく知られるMBE法は、物理吸着を第一段階とする
ために、結晶の品質は化学反応を利用した気相成長法に
劣る。GaAsのようなIII−V族間の化合物半導体
を成長する時には、III族、V族元素をソースとして
用い、ソース源自体を成長室の中に設置している。この
ため、ソース源を加熱して得られる放出ガスと蒸発量の
制御、および、ソースの補給が困難であり、成長速度を
長時間一定に保つことが困難である。また、蒸発物の排
気など真空装置が複雑になる。更には、化合物半導体の
化学量論的組成(ストイキオメトリー)を精密に制御す
ることが困難で、結局、高品質の結晶を得ることができ
ない欠点がある。
【0004】更にALE法は、T.Suntola(ツ
オモ・サントラ)がU.S.P.No.4058430
(1977)(特開昭51−77589号公報)で説明
しているように、MBE法を改良し半導体元素のそれぞ
れをパルス状に交互に供給し、単原子層をガラス基板に
交互に付着させ、薄膜を原子層ずつ成長させるもので、
原子層のオーダーで膜厚を制御できる利点があるが、M
BE法の延長でありMBEと同様に結晶性が良くない。
また成長した薄膜もCdTe、ZnTe等のII−IV
族化合物半導体に限られ、現在超LSI等の半導体装置
の主力であるSiやGaAsに関しては成功していな
い。GaAs等のIII−V族化合物半導体で成功して
いないのはII−VI族化合物半導体はその構成元素の
蒸気圧が高いため、単原子層吸着が比較的容易に実現さ
れるが、III−V族化合物半導体についてはIII族
素の蒸気圧が極端に低いため、III族元素の単分子層
吸着条件が実現されにくいという問題もそのひとつの理
由である。ALEを改良して単原子層の上にガス状化合
物分子を導入し、表面での化学反応を利用した成長も特
開昭55−130896号公報に示されるように試みら
れてはいるがZnSの多結晶もしくはTaのアモ
ルファスの薄膜の成長であり単結晶エピタキシャル成長
技術とはなっていない。
【0005】このように、MO−CVD法やMBE法で
は化学量論的組成を満足する高品質の結晶を単分子層オ
ーダーで形成することが困難な一方、ALE法では単結
晶が得られない欠点があった。また特開昭55−130
896号公報に示されるALEにおいてはガス導入25
00サイクルで1000ÅのTaの成長、450
0サイクルで4000ÅのZnSの成長、あるいは28
00サイクルで2200ÅのAlOの成長というよ
うに、ガス導入−サイクルで1/3分子層等の一分子層
膜厚相当よりはるかに小さな値の成長しか実現できず、
単分子層膜厚に自己停止機能を有したエピタキシャル成
長技術になっていないため膜厚制御性や再現性・均一性
が悪いという欠点があった。また、1サイクルで1/3
分子層しか成長しないので、所望の膜厚を得るのに極め
て長い時間が必要で、化学量論的組成からのずれが大き
いという欠点を有していた。前述したALEにおいては
不活性ガスをガス相拡散バリアとして用いないと表面交
換反応における反応工程の分離ができないものである
が、この不活性ガスが原料のガス状化合物分子の表面吸
着を阻害する欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の欠点を除き、化学量論的組成を制御することにより結
晶成長層の品質を改善し、ガス導入一サイクルに付き2
分子層のエピタキシャル成長膜を形成することができる
化合物半導体、とくにIII−V族化合物半導体の単結
晶薄膜の成長法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、ALE法で
は、単元素の原子吸着層をガラス基板上に形成したのに
対し、本発明は半導体単結晶基板上に成長させたい成分
元素を含む分子のガスを外部から交互に導入するサイク
ルを繰り返すことにより半導体単結晶基板上に単結晶を
エピタキシャル成長させるが、その際、成長槽内の圧
力、基板加熱温度、導入するガス量の1サイクル2分子
層の単結晶エピタキシャル成長するための最適値を実験
的に見い出し、半導体単結晶基板上に単結晶を形成する
ためのそれぞれの原料ガスの蒸気圧の差、たとえばII
I族元素とV族元素の蒸気圧の差に関係なく成長できる
ようにしたことを特徴としている。本発明は半導体単結
晶基板の表面に波長180〜600nmの光を照射し、
光のエネルギーで基板表面における吸着種の表面泳動等
の表面反応を促進し、より低温で高品質な化合物半導体
単結晶がエピタキシャル成長できるようにしたことを特
徴としている。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0009】図1は本発明の一実施例に係る化合物半導
体単結晶成長装置の構成図を示したもので、1は成長槽
で材質はステンレス等の金属、2はゲートバルブ、3は
成長槽1内を超高真空に排気するための排気装置、4,
5は例えばIII−V族化合物半導体のIII族、V族
の成分元素のガス状の化合物を導入するノズル、6,7
はノズル4,5を開閉するバルブ、8はIII族の成分
元素を含むガス状の化合物、9はV族の成分元素を含む
ガス状の化合物、10は基板加熱用のヒーターで石英ガ
ラスに封入したタングステン(W)線であり、電線等は
省略して図示しているもの、11は測温用の熱電対、1
2は化合物半導体の単結晶基板、13は成長槽内の真空
度を測るための圧力計である。バルブ6、7は成長層1
の外部に配置されている。
【0010】以上の構成で、成長槽1内の圧力、基板1
2の加熱温度、ガスの導入量等をパラメータとして結晶
成長状態を調べた結果、下記の条件にて結晶成長させる
と、高品質の単結晶薄膜を2分子層の単位でエピタキシ
ャル形成できることが実験的に確認できた。即ち、Ga
Asの単結晶をGaAs単結晶基板12上にエピタキシ
ャル成長させるには、先ずゲートバルブ2を開けて超高
真空排気装置3により、成長槽1内を10−7〜10
−8Pascal(以下、Paと略す)程度に排気す
る。次に、GaAs単結晶基板12を300〜600℃
にヒーター10により加熱し、Gaを含むガスとしてT
MG(トリメチルガリウム)8を成長槽1内の圧力が、
10−1〜10−7Paになる範囲で、より好ましくは
10−1〜10−4Paになる範囲で、0.5〜10秒
間バルブ6を開けて導入する。その後、バルブ6を閉じ
て成長槽1内のガスを排気後、今後はAsを含むガスと
してAsH(アルシン)9を成長槽1内の圧力が10
−1〜10−7Paになる範囲で、より好ましくは10
−1〜10−2Paになる範囲で、2〜200秒間バル
ブ7を開けて導入する。これにより、GaAs単結晶基
板12上にGaAsが2分子層成長できる。ガス導入の
低圧側の限界値は、GaAs基板表面を200%の被着
率で覆うための分子の個数から容易に決定できる。ガス
導入圧力とガス導入時間の積がGaAs基板表面に被着
する分子の個数を与えるので、導入圧力が低ければ導入
時間を長くする必要がある。以上の操作を繰り返し、2
分子層毎に次々と成長させることにより、所望の分子層
数のGaAsの単結晶成長層を2分子層の単位で成長さ
せることができる。
【0011】図2(a)は、導入ガスとして、TMGと
GaAsを用いた時の成長温度600℃での1サイクル
当りのTMGの導入量をパラメーターとして1サイクル
当りのGaAs膜の成長膜厚を示すものである。1サイ
クル当りのTMGの導入量が増えると成長膜厚がGaA
sの2分子層膜厚で飽和する。図2(a)は飽和直前ま
で示しているが、導入量をこれ以上1〜2桁増しても2
分子層膜厚で飽和し、一定膜厚となる。GaAs(10
0)面の2分子層の厚さは5.66Aで、GaAs(1
11)面の一分子層の厚さは6.52Åである。この飽
和値以上のガスの導入量で成長してやれば、たとえ、ガ
ス導入量やガス導入圧力あるいはGaAs単結晶基板温
度等が多小変動しても、確実に1サイクル2分子層に自
己停止機能を持って成長するため、分子層単位の精度の
膜厚が制御できる。本発明は基板表面での交換表面反応
および表面吸着反応を用いているので、2分子層吸着反
応を用いて1サイクル2分子層の成長が実現できる。2
分子層吸着反応は単分子層吸着反応の飽和領域の圧力よ
りガス導入圧力をさらに高くし、基板温度も高くすれば
良い。もちろんさらに圧力を高くすれば3分子層以上の
多分子層吸着となり1サイクル3分子層等の成長も可能
である。但し、1サイクル3分子層の成長は成長層表面
が荒れやすいので、現実的ではない。基板温度が高い方
が多分子層吸着は容易である。この飽和する条件でTM
GとAsHを交互に導入し、その導入回数と、GaA
sエピタキシャル成長層の膜厚の関係を示したものが図
2(b)である。この図から明らかなように、非常によ
い直線性を示すことから任意の膜厚が完全に制御できる
ことが判る。このようにして、得られたGaAsのエピ
タキシャル成長層を電子線回析およびX線回析で調べた
ところ、非常に完全性の高い薄膜単結晶となっているこ
とが判明した。
【0012】尚、Gaを含む原料ガスとしてはTMGの
みに限られずTEG,DEGaCl,MGaClやCa
Cl,GaBr,GaIのようなガスを用いても
同様に結晶性のよいGaAs薄膜が得られた。
【0013】図3は本発明の他の実施例を示したもので
あり、不純物添加をするためのものである。14,15
は不純物添加に用いるガス状化合物を導入するノズル、
16,17はノズル14,15を開閉するバルブ、18
はII族の成分元素を含むガス状の化合物、19はVI
族の成分元素を含むガス状の化合物である。不純物を添
加する以外の部分は図1の実施例と同一であるので説明
は省略する。
【0014】この構成で、p型成長層を形成する場合
は、導入ガスとしてTMG(トリメチルガリウム)8、
AsH(アルシン)9と添加する不純物ガスとしてD
MZn(ジメチル亜鉛)18の3つのガスをそれぞれ別
個の時間に循環式に導入する。また、別の方法としては
TMG8とDMZn18を同時にAsH9とは交互に
導入するか、AsH9とDMZn18を同時にTMG
8とは交互に導入することによって不純物添加ができ
る。更にまた、別の方法としてはTMGとDMZnとを
同時に導入、真空排気、AsH導入、真空排気という
第1ののサイクルと、TMGのみ導入、真空排気、As
導入、真空排出という第2のサイクルとを交互に繰
り返すことによって、Znのドープされた層とドープさ
れていない層を交互に、または多層ずつ交互に形成する
こともできる。
【0015】尚、不純物ガスとしてはDMCd(ジメチ
ルカドミウム)、DMMg(ジメチルマグネシウム)、
SiH(モノシラン)、GeH(ゲルマン)などで
もよい。また、DMCdとDMZnとを同時に導入して
も良い。
【0016】次に、n型成長層の形成は、添加する不純
物ガスとしてDMSe19(ジメチルセレン)をTMG
8、AsH9とそれぞれ別個の時間に循環式に導入す
る。別の方法としてはTMG8とDMSe19を同時に
AsH9とDMSe19とは交互に導入することによ
って不純物添加ができる。AsH9とDMSe19と
を同時に、TMG8とDMSe19とを交互に導入して
も良い。
【0017】尚、このときの不純物ガスとしてはDMS
(ジメチル硫黄)、HS(硫化水素)、HSe(セ
レン化水素)などを用いることができる。
【0018】この場合、不純物ガスの導入圧力をAsH
9,TMG8に比べ、例えば10−3〜10−6程小
さく取り、導入時間は0.5〜10秒にすることによ
り、厚さ方向に所望の不純物濃度分布を有する分子層エ
ピタキシャル成長層が形成できる。また、添加する不純
物ガスの量と時間を調整することにより、pn接合、不
均一不純物密度分布、npn、npin、pnp、pn
ip等のバイポーラトランジスタ構造、npinp、n
pn np等の電界効果トランジスタや静電誘導トラン
ジスタ、pnpnのサイリスタ構造等を実現できること
は勿論である。
【0019】図4は本発明の更に別の実施例を示したも
のであり、混晶化合物半導体を成長させるものである。
混晶としてGa1−xAlAsを例にとつて説明す
る。20はIII族のAlのガス状化合物を導入するノ
ズル、21は20を開閉するバルブ、22はIII族の
Alを含むガス状化合物である。50〜52については
後述する。他の部分は図1の実施例と同一であるので説
明は省略する。
【0020】導入ガスとしてAsH8、TMG9、T
MAl22(トリメチルアルミニウム)を用い、AsH
8、TMG9およびTMAl22を循環式にそれぞれ
別個の時間に基板温度300〜600℃で導入する。こ
のとき、TMAl22の導入圧力および導入時間をTM
G9に対して調節することによって、厚さ方向に所望の
成分比を有する混晶分子層エピタキシャル成長層をガス
導入1サイクルに付き2分子層膜厚で形成できる。
【0021】尚、TMG9とTMAl22は同時に導入
しても良い。また、導入ガス20にはTMGとTMAl
を混合したガスでも良い。また、Ga1−xAlAs
を例にとったが、GaAs1−x、InGa
1−xP、InGa1−xAs等の他のIII−V族
の混晶、Hg1−xCdTe等のII一VI族の混品
でも良い。
【0022】図6は本発明の更に別の実施例を示したも
のであり、禁制帯幅と格子定数を独立に制御できる4元
混晶以上の格子歪補正された混晶化合物半導体を成長さ
せるものである。一例としてGa0.7Al0.3As
0.990.11でGaAs基板上に成長させると格
子歪補正されることが知られているので混晶にGa
1−xAlAs1−yを例にとって説明する。
【0023】23,24は混晶元素を含むIII族のA
l、V族のPのガス状化合物を導入するノズル、25,
26はノズル23,24のそれぞれを開閉するバルブ、
27,28はIII族のAl、V族のPの成分を元素に
含むガス状化合物である。他の部分は図1と同一である
ので説明は省略する。導入ガスとしてAsH8、TM
G9、TMAl27,PH(ホスフィン)28を用
い、これらのガスを循環式に導入する。このとき、II
I族同志、V族同志は同時に導入しても良い。また、あ
らかじめガスを混合しておいても良い。成長温度、成長
圧力などは図1に示す実施例とほぼ同様であり、ガス混
合比又は導入圧力、導入時間を調整することによって格
子歪補正された混晶化合物半導体エピタキシャル成長層
を形成できる。
【0024】尚、以上の各実施例においては、いずれも
半導体単結晶基板12の加熱源を成長槽1内に設けた例
について述べてきたが、例えば図7に示すように、加熱
源として赤外線ランプ30を用い、これを成長槽1外の
ランプハウス31内に設け、そのランプハウス31から
出力する赤外線を石英ガラス32を介して半導体結晶基
板12に照射することにより、サセプター33に保持さ
せた半導体結晶基板12を加熱するようにしてもよい。
このようにすれば、成長槽1内から単結晶の成長に必要
ない部材を除くことができ、ヒーター加熱に伴う重金属
等の不要なガス成分の発生を未然に防止することができ
る。
【0025】また、成長槽1には、光学系40を取り付
け、その外部に水銀ランプ、重水素ランプ、Xeラン
プ、エキシマーレーザ、Arレーザ等の光源41を設
け、波長180〜600nmの光を半導体結晶基板12
に照射するようにしてもよい。このようにした場合には
表面マイグレーション(泳動)、吸着・離脱、吸着分子
の分解等の表面反応が促進され、半導体単結晶基板温度
を下げることができ、その結果、表面モルフォロジーや
電気的特性等に関し更に高品質の単結晶をエピタキシャ
ル成長させることができるようになる。2分子吸着層を
形成している吸着種が波長180〜600nmの光のエ
ネルギーで基板表面を泳動し、より安定な格子位置に取
り込まれるので高品質な結晶が得られる。多分子吸着層
は単分子吸着層に比べて表面が荒れやすくなる傾向があ
るので、波長180〜600nmの光により良好な表面
が得られる。
【0026】ところで、以上述べてきた実施例において
は、超高真空装置等はイオンポンプ等周知なものを使用
することができる。また、半導体単結晶基板を出し入れ
するための補助真空槽、結晶引出し装置等を付加するこ
とは容易にでき、量産性の優れたものにできることは言
う迄もない。また、単結晶成長に用いるガスは主にGa
Asについて説明をしてきたがInP、AlP、InG
aAs、GaP等他のII−V族化合物に適用できるこ
とは勿論である。更に、単結晶基板はGaAsに限らず
他の化合物半導体単結晶基板に成長させるヘテロエピタ
キシャル成長等でも良い。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ノズルを
用いて単結晶基板表面のみに原料ガスを導入しているの
で、余分なところにまわり込んだ残渣ガスや成長槽壁面
に吸着し、再脱離するガスの影響も少なく表面交換反応
が容易に実現できる。また、バルブ6、7、16、17
等も成長層の外部に配置されているので、残渣ガスや再
脱離するガスの影響も無く、バルブの開閉と真空排気の
みで表面交換反応が実現できる。本発明によればキャリ
アガス等の不活性ガスを用いていないので、不活性ガス
が基板表面に吸着し、原料ガスの表面吸着を阻害するこ
ともなく、100%の被覆率で原料ガスが吸着できる。
特に2分子層吸着は単分子層吸着に比べて他のガスとの
競合吸着が問題になるが、不活性ガスを用いていないの
で、競合吸着も生じず、良好な2分子層成長が実現でき
る。また本発明によれば、ガス導入一サイクルに付き2
分子層ずつ自己停止機能を持ってエピタキシャル成長で
きるため、ガス導入サイクルを数えるだけで、何ら特別
な膜厚モニターを用いたり、精密なガス導入量制御機構
等を用いたりしなくても2分子層単位で分子層数を数え
ることのできる精度を有した半導体単結晶薄膜のエピタ
キシャル成長が実現できる。また、1サイクル2分子層
の成長のため、短時間で所望の値が実現できるので上記
厚の高い一方の元素のみが離説すること無く、化学量論
的組成を満たすことが容易で半導体単結晶基板上に良質
な単結晶を形成させることができる。本発明によればT
MG、TEGのような表面吸着時に立体障害を起こすよ
うな大きい分子サイズの原料ガスを用いても表面反応の
結果2分子層で表面を200%覆うことが可能な導入圧
力および基板温度を用いているので、従来技術のMOC
VDで用いられていた原料ガスがすべて本発明に適用で
きるという利点がある。また、不純物の添加を2分子層
ずつ行なうことができるので、非常に急峻な不純物密度
分布を得ることができる等の利点を有している。本発明
によればガス導入1サイクルに付き2分子層ずつエピタ
キシャル成長するので、1サイクルにつき1/3分子層
程度しか成長しないALE法に比して短時間でかつ高精
度・高再現性で所望の膜厚を得ることができる。本発明
によれば、MBE法やMBE法を基礎としたALE法の
ようにソース源が成長槽の内部に設置されていないの
で、残渣ガスやソース源からの余分な放出ガスの問題も
なく、また操作も容易である。本発明によれば光照射に
より表面泳動等の表面反応が促進されているので、表面
モルフォロジーの良好な高品質の単結晶が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る結晶成長装置の構成
図。
【図2】(a)は図1における1サイクル当りのTMG
導入量と成長膜厚との関係を示すグラフ図、 (b)は
図1における成長層膜厚とバルブ開閉数との関係を示す
グラフ図。
【図3】本発明の他の実施例に係る結晶成長装置の構成
図。
【図4】本発明の別の実施例に係る結晶成長装置の構成
図。
【図5】図4の装置を用いて超格子構造を形成する場合
の説明図で、同図(a)は超格子構造説明図、同図
(b)はガス導入シーケンス図。
【図6】本発明の更に他の実施例に係る結晶成長装置の
構成図。
【図7】本発明の更に別の実施例に係る結晶成長装置の
構成図。
【符号の説明】
1 成長槽 2 ゲートバルブ 3 排気装置 4,5,14,15,20,23,24 ノズル 6,7,16,17,21,25,26 バルブ 8,9,18,19,22,27,28 ガス状化合物 10 ヒーター 11 熱電対 12 半導体単結晶基板 13 圧力計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 999999999 鈴木 壮兵衛 宮城県仙台市青葉区霊屋下1番3号 (72)発明者 西澤 潤一 宮城県仙台市米ヶ袋一丁目6番16号 (72)発明者 阿部 仁志 宮城県仙台市緑ヶ丘1−22−11 (72)発明者 鈴木 壮兵衛 宮城県仙台市霊屋下1番3号

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体の一方の成分元素を含むガ
    ス状化合物分子のみを成長槽内の圧力が10−1〜10
    −7パスカルになる範囲で0.5〜200秒間半導体単
    結晶基板上に第1のノズルを介して導入し、前記半導体
    単結晶基板に波長180〜600nmの光を照射し、
    気後、前記化合物半導体の残る他方の成分元素を含むガ
    ス状化合物分子のみを前記成長槽内の圧力が10−1
    10−7パスカルになる範囲で0.5〜200秒間前記
    半導体単結晶基板上に第2のノズルを介して導入し、排
    気する一連の操作を前記半導体単結晶基板を300〜8
    00℃に加熱して繰り返すことにより、所望の厚さの化
    合物半導体の単結晶薄膜を前記一連の操作一サイクルに
    付き2分子層の厚み単位で成長させ、これを繰り返すこ
    とにより所望の分子層数の単結晶薄膜を成長させること
    を特徴とする化合物半導体単結晶薄膜の成長法。
  2. 【請求項2】 特許請求の範囲第1項記載において、前
    記半導体単結晶基板上には少なくとも2種類の化合物半
    導体の単結晶薄膜を連続的に成長させる化合物半導体単
    結晶薄膜の成長法。
  3. 【請求項3】 特許請求の範囲第1項記載において、前
    記ガス状化合物分子の少なくとも一方と同時または別個
    に前記化合物半導体のp型またはn型不純物元素を含む
    ガス状分子を第3のノズルを介し導入することにより、
    厚さ方向に所望の不純物濃度分布を有する化合物半導体
    の単結晶薄膜を単分子層の単位で連続的に成長させる化
    合物半導体単結晶薄膜の成長法。
  4. 【請求項4】 特許請求の範囲第1項記載において、所
    定の繰り返しサイクル毎に少なくとも1回、前記ガス状
    化合物分子の少なくとも一方と同時に、p型またはn型
    不純物元素を含むガス状分子を導入することにより、不
    純物元素を含む分子層と不純物元素を含まない分子層と
    を周期的に連続的に形成する化合物半導体単結晶薄膜の
    成長法。
  5. 【請求項5】 特許請求の範囲第3項あるいは第4項記
    載において、前記化合物半導体のp型不純物元素を含む
    ガス状分子としてDMZn,DEZn,DECd,DM
    Hg,DEHg,Bのうちいずれかを、またn型
    不純物元素を含むガス状分子としてSiH,Ge
    ,SnH,PbH,ZnSe,ZnTe,H
    S,HSe,HTe,HPoのいずれかを前記化
    合物半導体の成分元素を含む前記ガス状化合物分子の少
    なくとも一方と同時または別個に導入することにより、
    厚さ方向に所望の不純物濃度分布を有する前記化合物半
    導体の単結晶薄膜を単分子層の単位で成長させる化合物
    半導体単結晶薄膜の成長法。
  6. 【請求項6】 特許請求の範囲第3項あるいは第4項記
    載において、少なくとも2種類以上の化合物半導体の不
    純物元素を含むガス状分子を導入する化合物半導体単結
    晶薄膜の成長法。
  7. 【請求項7】 特許請求の範囲第3項あるいは第4項記
    載において、少なくとも2種類以上の化合物半導体の不
    純物元素を混合した化合物半導体の成分元素を含む前記
    ガス状化合物分子を個別にそれぞれ異なったサイクルも
    しくは同じサイクルで異なる時間導入することにより異
    なった分子層に異なった不純物元素を含ませる化合物半
    導体単結晶薄膜の成長法。
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