JP2567277B2

JP2567277B2 - 液体洗浄剤組成物

Info

Publication number: JP2567277B2
Application number: JP63272544A
Authority: JP
Inventors: 徹哉長島; 和之椿; 八千代鈴木
Original assignee: Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
Current assignee: Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
Priority date: 1988-10-27
Filing date: 1988-10-27
Publication date: 1996-12-25
Anticipated expiration: 2011-12-25
Also published as: JPH02117996A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は洗浄剤組成物に関し、さらに詳しくは特定の
脂肪酸組成物を有する脂肪酸ジエタノールアミドを含む
ことを特徴とする増粘性、起泡性、洗浄力および低温安
定性に優れた洗浄剤組成物に関するものである。

従来の技術従来、台所洗剤やシャンプーなどの主成分として、ア
ルキルサルフェート、α−オレフィンスルホネート、直
鎖アルキルベンゼンスルホン酸などの界面活性剤が用い
られており、さらにこれらの主成分を補助する目的で脂
肪酸ジエタノールアミドが広く使用されている。

脂肪酸ジエタノールアミドを構成する脂肪酸として
は、天然のヤシ油から得られるヤシ油脂肪酸が最も多く
用いられている。

ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドは、起泡力、洗浄力
および定温安定性は優れているが、かならずしも増粘性
が充分ではなく、希望する粘度を有する製品を得るのが
難しい場合がある。そこで、当業界ではヤシ油脂肪酸や
牛脂脂肪酸を分別し、それぞれ炭素数12、14、16、18を
主留分とする脂肪酸を得て、これらの分別脂肪酸からの
ジエタノールアミドを利用するなどしているが、前記の
全ての条件を満たすことはできない。

すなわち、炭素数12の脂肪酸を主留とする脂肪酸ジエ
タノールアミドは、起泡力および洗浄力が優れるが定温
安定性が充分でない。炭素数14以上の脂肪酸を主留とす
る脂肪酸ジエタノールアミドは、増粘作用は強いが、起
泡力、洗浄力、低温安定性が悪くなる。

また、増粘させる手段として、無機塩や高分子化合物
などの添加剤を加える方法も提案されているが、低温安
定性が悪くなったり、起泡力が劣ったりする欠点があ
る。

発明が解決しようとする課題および作用本発明の目的は、増粘性、起泡性、洗浄力および低温
安定性に優れた脂肪酸ジエタノールアミドを含有する洗
浄剤組成物を提供することである。

課題を解決するための手段上記課題を解決するため、本発明者等が鋭意研究した
結果、ある特定範囲の脂肪酸組成を有する脂肪酸ジエタ
ノールアミドのみが上記課題解決に有効であることを見
いだし、本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、脂肪酸ジエタノールアミドを構
成する脂肪酸として、・炭素数12未満の飽和脂肪酸:15％以下・炭素数12の飽和脂肪酸 :45〜55％．炭素数14の飽和脂肪酸 :12〜17％・炭素数18の不飽和脂肪酸（不飽和数:1 :12〜17％から成る脂肪酸ジエタノールアミドを含有することを特
徴とする洗浄剤組成物に関するものである。

本発明における脂肪酸ジエタノールアミドの脂肪酸組
成は、上記割合の混合脂肪酸系のものを用いることが好
ましく、この範囲を外れると以下のように不都合が生じ
る。

すなわち、炭素数12未満の脂肪酸が15％を超えると増
粘性が悪くなり、炭素数12の飽和脂肪酸が45％未満では
増粘性が劣り、55％を超えると低温安定性が低下してし
まう。炭素数14の飽和脂肪酸が12％未満では増粘性が劣
り、17％を超えると低温安定性が悪くなり、炭素数18の
不飽和脂肪酸が12％未満では増粘作用が劣り、17％以上
になると低温安定性が悪くなる。

本発明に用いられる脂肪酸ジエタノールアミドを製造
するには油や脂肪酸からの直接反応法、あるいは脂肪酸
の低級アルコールエステル法等、どのような方法であっ
てもよい。

脂肪酸組成の調整は、単一の脂肪酸を本発明の範囲に
混合してもよく、また天然の油を用いてこの範囲内にし
てもよい。また、脂肪酸とジエタノールアミンの反応モ
ル比は1:1または1:2のいずれでもよい。

本発明の洗浄剤組成物には使用目的に応じて、慣用さ
れているアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両
性界面活性剤などの各種界面活性剤、エタノール、尿
素、多価アルコール類、トルエンスルホン酸ナトリウム
などの可溶化剤、EDTAなどのキレート剤、クエン酸、リ
ンゴ酸などのpH調整剤、香料、着色剤などを用いること
ができ、またシャンプーなどに使用する場合は、グリコ
ール類、アミノ酸類、動植物エキスなどの保湿剤、アラ
ントイン、グリチルリチン酸塩などの抗炎症剤、殺菌
剤、防腐剤などを配合することができる。

実施例１〜３、比較例１〜12 第１表に示される炭素数の脂肪酸とジエタノールアミ
ンから合成した脂肪酸ジエタノールアミド（脂肪酸とジ
エタノールアミンの反応モル比は、1:1）のそれぞれを
以下に示す試験処方で台所用液体洗浄剤を調製し、その
起泡力、洗浄力、粘度、低温安定性を測定した。結果は
第１表中に示した。なお、各試験方法は以下の方法を採
用した。

・起泡力ロスマイルス法濃度0.25％,40℃ ・洗浄力リーナッツ法 JIS K3370 濃度0.03％,30℃ ・粘度Ｂ型粘度計 25℃ ・低温安定性 −５℃に７日間放置し、判定した。

○…均一透明 △…少し白濁 ×…白濁または分離試験処方％・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 16 ・脂肪酸ジエタノールアミド４・クエン酸 pH＝7.0とする量・水残第１表の結果から、実施例１〜３の各液体洗剤は、増
粘性、起泡力、洗浄力、低温安定性のいずれにも優れた
ものであるがわかる。

実施例４下記の処方で台所洗剤を調製した。なお、処方中の脂
肪酸ジエタノールアミドは実施例３の脂肪酸組成と同一
の脂肪酸を用いて合成した。

（Ａ）・α−オレフィンスルホン酸ナトリウム 14％・脂肪酸ジエタノールアミド（1:1型）６・尿素２・コハク酸 pH＝6.5とする量・水残（Ｂ）％・ポリオキシエチレン（３）ラウリルエーテル硫酸ナトリウム６・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム６・脂肪酸ジエタノールアミド（1:1型） 10 ・エチルアルコール２・リンゴ酸 pH＝７とする量・水残（Ｃ）％・ポリオキシエチレン（３）ラウリルエーテル硫酸ナトリウム６・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム６・ラウロイル−Ｎ−メチル−β− アラニンナトリウム（30％）^＊１） 12 ・ソジウムココイルイセチオネート６・ラウリルジメチルアミンオキシド２・ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン（30％）^＊２） 10 ・脂肪酸ジエタノールアミド（1:1型）５・ｐ−トルエンスルホン酸ナトリウム３・香料 0.1 ・色素微量・クエン酸 pH＝7.5とする量・EDTA・2Na 0.1 ・水残（Ｄ）・α−オレフィンスルホン酸ナトリウム 10 ・ポリオキシエチレン（５）ラウリルエーテル５・ポリオキシエチレン（５）ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド^＊３）５・ソジウムアルカンスルホネート５・脂肪酸ジエタノールアミド（1:1型）７・酒石酸 pH＝8.0とする量・香料 0.2 ・色素微量・水残実施例４の（Ａ）〜（Ｄ）の各台所洗剤は、起泡力、
洗浄力および低温安定性に優れ、手荒れも少なかった。

（注）＊1:商品名「アラノンALE」、川研ファインケミカル
（株）製使用＊2:商品名「ソフタゾリンLPB」、川研ファインケミカ
ル（株）製使用＊3:商品名「アミゼット5C」、川研ファインケミカル
（株）製使用実施例５下記の処方により各種液体洗浄剤を調製した。

（Ａ）ヘアーシャンプー％・ポリオキシエチレン（３）ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン６・ラウロイル−Ｎ−メチル−β− アラニンナトリウム（30％）５・ラウロイルメチルタウリンナトリウム２・脂肪酸ジエタノールアミド（1:1型） 4.5 ・Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシル−Ｌ−グルタミン酸トリエタノールアミン（30％）^＊４） 1.0 ・加水分解コラーゲン 0.5 ・EDTA・2Na 0.1 ・メチルパラベン 0.1 ・クエン酸 pH＝6.5とする量・水残（Ｂ）ベビーシャンプー％・２−アルキル−Ｎ−カルボキシメチル− Ｎ−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン（30％）^＊５） 40 ・ラウロイル−Ｎ−メチル−β−アラニントリエタノールアミン（30％） 10 ・脂肪酸ジエタノールアミド（1:1）３・グリセリン３・カルボキシメチルキチン 0.3 ・メチルパラベン 0.1 ・EDTA・2Na 0.1 ・クエン酸 pH＝6.5にする量・水残（Ｃ）ボディーシャンプー％・ラウロイルサルコシンナトリウム（30％）^＊６） 20
・ラウリン酸アミドプロピルジメチル酢酸ベタイン（30％） 24 ・ラウリンスルホサクシネートジナトリウム 3 ・脂肪酸ジエタノールアミド（1:1型） 2 ・混合アミノ酸^＊７） 1 ・メチルパラベン 0.1 ・プロピルパラベン 0.1 ・クエン酸 0.6 ・香料 0.1 ・ヒアルロン酸 0.01 ・アロエエキス 0.05 ・水残実施例５のシャンプー類は、洗浄力、起泡力、低温安
定性が優れており、使用感も良好で刺激も少ないことが
認められた。

（注）＊5:商品名「ソフタゾリンCH」、川研ファインケミカル
（株）製使用＊6:商品名「ソイポンSLE」、川研ファインケミカル
（株）製使用＊7:商品名「プロデュウ100」、味の素（株）製使用発明の効果本発明の脂肪酸組成が特定の脂肪酸ジエタノールアミ
ドを用いることにより、増粘性、起泡性、洗浄力および
低温安定性に優れた洗浄剤組成物を得ることができる。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】脂肪酸ジエタノールアミドを構成する脂肪
酸として、・炭素数12未満の飽和脂肪酸:15％以下・炭素数12の飽和脂肪酸 :45〜55％・炭素数14の飽和脂肪酸 :12〜17％・炭素数18の木飽和脂肪酸（不飽和数:1） :12〜17％から成る脂肪酸ジエタノールアミドを含有することを特
徴とする液体洗浄剤組成物。