JP2566718Y2 - 内燃機関用クランクシャフト素材 - Google Patents

内燃機関用クランクシャフト素材

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JP2566718Y2
JP2566718Y2 JP6235192U JP6235192U JP2566718Y2 JP 2566718 Y2 JP2566718 Y2 JP 2566718Y2 JP 6235192 U JP6235192 U JP 6235192U JP 6235192 U JP6235192 U JP 6235192U JP 2566718 Y2 JP2566718 Y2 JP 2566718Y2
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JP
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bridge
crankshaft material
combustion engine
internal combustion
crankshaft
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敏一 竹内
康 川人
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Honda Motor Co Ltd
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  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は内燃機関用クランクシャ
フト素材、特に、クランクピンを支持する一対のクラン
クアームがそれぞれバランスウエイトを備え、鋳造法お
よび鍛造法の何れか一方により製造されたクランクシャ
フト素材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種クランクシャフト素材は相
隣る両バランスウエイト間を開放させて両クランクアー
ムおよびクランクピンがコ字形をなすように成形されて
いる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながらクランク
シャフト素材を前記のように成形すると、前記コ字形構
造に起因して鋳造または鍛造後の離型過程、それに次ぐ
熱処理過程において両バランスウエイト間が開き傾向に
なる、といった変形を生じるためクランクシャフト素材
が曲がりを発生し、その結果、熱間矯正加工を必須とす
るので、それに応じてクランクシャフトの生産性が低下
する、という問題があった。
【0004】本考案は前記に鑑み、鋳造後の離型過程等
における曲がりの発生を防止し得るようにした前記クラ
ンクシャフト素材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案は、クランクピン
を支持する一対のクランクアームがそれぞれバランスウ
エイトを備え、鋳造法および鍛造法の何れか一方により
製造された内燃機関用クランクシャフト素材において、
両バランスウエイト間に、各バランスウエイトとの結合
端にくびれ部を有するブリッジを架設したことを特徴と
する。
【0006】
【作用】前記のように両バランスウエイト間にブリッジ
を架設すると、両クランクアーム、クランクピンおよび
ブリッジが閉断面構造の剛性枠を構成するので、鋳造後
等における離型過程、それに次ぐ熱処理過程で両バラン
スウエイト間が開き傾向になることがなく、これにより
クランクシャフト素材の曲がりを確実に防止することが
できる。また熱処理後において、ブリッジをハンマ等に
よって叩けば、くびれ部が簡単に折れるので、ブリッジ
の除去を容易に行うことができる。
【0007】
【実施例】図1〜図3において、多気筒内燃機関用クラ
ンクシャフト素材1は鋳造法により製造されたもので、
各気筒に対応するように各一対のクランクアーム2を備
え、それらクランクアーム2の一端部間にクランクピン
3が支持される。隣接する気筒に属するクランクアーム
2間と、最外側の両クランクアーム2とにそれぞれ同軸
上に位置するようにクランクジャーナル4が設けられ
る。
【0008】クランクピン3を支持する各一対のクラン
クアーム2の他端部はそれぞれバランスウエイト5に形
成され、両バランスウエイト5間に、各バランスウエイ
ト5との結合端にくびれ部6を有するブリッジ7が架設
される。各ブリッジ7はクランクシャフト素材1の鋳造
過程で成形されたものである。図3に明示するように、
各ブリッジ7はクランクピン3およびクランクジャーナ
ル4の両中心O1 ,O2 を通る直線L上で、且つ両バラ
ンスウエイト5における対向面8の最外周部に配設され
る。
【0009】このように両バランスウエイト5間にブリ
ッジ7を架設すると、両クランクアーム2、クランクピ
ン3およびブリッジ7が閉断面構造の剛性枠を構成する
ので、鋳造後における離型過程、それに次ぐ熱処理過程
で両バランスウエイト5間が開き傾向になることがな
く、これによりクランクシャフト素材1の曲がりを確実
に防止することができる。両バランスウエイト5間の開
きを阻止するためには、図示例のようにブリッジ7をク
ランクピン3から十分に離して配設するのが良い。
【0010】また熱処理後において、ブリッジ7をハン
マ等によって叩けば、くびれ部6が簡単に折れるので、
ブリッジ7の除去を容易に行うことができる。各バラン
スウエイト5に残置されたブリッジ7の痕跡部分は、コ
ンロッドとの干渉を防止するため機械加工によって除去
され、図4に示すクランクシャフト9が得られる。
【0011】図5,図6はクランクシャフト素材鋳造用
金型10を示し、その金型10は合せ面Dfを持ち対称
関係にある一対の半体11より構成される。金型10の
上下方向に延びるクランクシャフト素材成形用キャビテ
ィ12の下部に、金型10上面に存する受け口13が湯
口14、湯道15および堰16を介して連通し、またキ
ャビティ12の上部に、金型10上面に開口するガス抜
き孔17が連通する。キャビティ12において、各気筒
に対応する一対のクランクアーム成形領域18内のバラ
ンスウエイト成形部18a間はブリッジ成形領域19に
より相互に連通する。
【0012】キャビティ12が前記のようなブリッジ成
形領域19を備えていない場合には、バランスウエイト
成形部18aの外周側が閉鎖状態にあることから、クラ
ンクシャフト素材鋳造時にその外周域において湯回り不
良を生じることがあるが、前記のようなブリッジ成形領
域19が存在すると、そのブリッジ成形領域19を通じ
て両バランスウエイト成形部18a間に溶湯の流れが生
じるので、それら成形部18aにおける湯回り性を良好
にして鋳造欠陥の発生を確実に防止することができる。
【0013】図7,図8は他の実施例を示し、ブリッジ
7を各一対のバランスウエイト5の外周面20相互を
結合するよう設したものである。このように構成す
ると、前記実施例と同様の効果が得られる外、バランス
ウエイト5外周面は他物と干渉しないのでブリッジ7除
去後その痕跡部分を除去しなくてもよい、といった利点
がある。
【0014】クランクシャフト素材1は前記金型鋳造に
限らずフルモールド法の適用下でも製造される。このフ
ルモールド法適用下においては、模型がクランクシャフ
ト素材1と同一形状であることからその剛性が向上し、
これにより模型の変形が防止される。またクランクシャ
フト素材1は鍛造法の適用下でも製造される。
【0015】
【考案の効果】本考案によれば、両バランスウエイト間
にブリッジを架設する、という極めて簡単な構成によ
り、鋳造または鍛造後の離型過程、それに次ぐ熱処理過
程で曲がりを発生することがなく、したがって熱間矯正
加工を不要にしてクランクシャフトの生産性を向上し得
るクランクシャフト素材を提供することができる。また
ブリッジはそのくびれ部を簡単に折って容易に除去され
るので、ブリッジ除去作業がクランクシャフトの生産性
に悪影響を及ぼすことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】クランクシャフト素材の一実施例を示す要部拡
大正面図である。
【図2】図1の2矢視図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】クランクシャフトの正面図である。
【図5】クランクシャフト素材鋳造用金型の要部破断正
面図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】クランクシャフト素材の他の実施例を示す要部
正面図である。
【図8】図7の8矢視図である。
【符号の説明】
2 クランクアーム 3 クランクピン 5 バランスウエイト 6 くびれ部 7 ブリッジ 8 対向面 20 外周面

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクピン(3)を支持する一対のク
    ランクアーム(2)がそれぞれバランスウエイト(5)
    を備え、鋳造法および鍛造法の何れか一方により製造さ
    れた内燃機関用クランクシャフト素材において、両バラ
    ンスウエイト(5)間に、各バランスウエイト(5)と
    の結合端にくびれ部(6)を有するブリッジ(7)を架
    設したことを特徴とする内燃機関用クランクシャフト素
    材。
  2. 【請求項2】 前記ブリッジ(7)を、両バランスウエ
    イト(5)における対向面(8)の外周部間に配設し
    た、請求項1記載の内燃機関用クランクシャフト素材。
  3. 【請求項3】 前記ブリッジ(7)を、両バランスウエ
    イト(5)の外周面(20)相互を結合するように配設
    した、請求項1記載の内燃機関用クランクシャフト素
    材。
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