JP2566535B2 - パターヘッド方向決め装置つきパターおよびパターの振り規正装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願発明は、ゴルフのパターを正
しく振る練習用として、パターヘッドを目標に対し直角
に向けるためのパターヘッド方向決め装置およびパター
ヘッドの振りを振り子運動に従って正しく行うためのパ
ターの振り規正装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、初心者にとってパター操作の基
本動作として、まず図３（イ）、（ロ）に示すようにパ
ターシャフトを振り子アームの一部としてプレーヤーの
首のつけ根部を中心とするパターヘッドの振り子運動に
従って振ること、次にパターのストロークおよびテーク
バックにおいてパターヘッドの向きを目標方向に対し直
角に保つこと、およびパターヘッドの軌道を目標方向に
対し平行に保つことが少くとも必要とされている。

【０００３】そこで、従来初心者は、庭等に人口芝の帯
状直線コース、およびその前端部に設けたホールからな
る練習コースを設置し、まず、セット位置においてパタ
ーをかまえて目測によりパターヘッドを目標（ホール）
方向に対し直角にセットし、ついで意識的に上記のパタ
ーヘッドの向きを保ちつつ上記振り子運動に従ってテー
クバックおよびストロークを行う動作を反復練習するの
である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の練習方
法では、上記パター操作の基本動作を維持継続すること
は容易ではなく、しかもフォームの欠点を自ら思い出す
ことは困難であるから、欠点のあるフォームのまま固ま
ってしまう傾向がある。

【０００５】本願第１発明は、セット位置においてパタ
ーヘッドを目標方向に対し正確に直角に向けることを課
題とし、

【０００６】本願第２発明は、パターヘッドを目標方向
に直角に向けたら、その向きを保ちつつパターを目標方
向と平行の振り子運動で振ることを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
として、本願第１発明は、パターのヘッド上部に隣接し
て取りつけられた反射鏡および水準器と、上記反射鏡
は、鏡面に鉛直中心線を有し、該鉛直中心線の延長上に
パターヘッドの打球スポットをおいた状態で、該反射鏡
面を上記パターヘッド打球面の延長面に対し４５度に傾
斜させたことと、上記水準器は、パターヘッドに取りつ
けられた水平線及び鉛直線を有する透明ケース内に、円
形鏡面を有し且つ該円形鏡面を常時水平に保つべく下端
に重錘を設けてなる回転子を全方向回転自在に支持して
なるもので、上記パターヘッドが所定の水平状態にある
とき該透明ケースの水平線が水平面上に位置し、且つ該
透明ケースの鉛直線が上記反射鏡の鉛直中心線の延長上
に位置する関係にあることと、から構成されるパターヘ
ッド方向決め装置つきパターを提供し、

【０００８】本願第２発明は、練習者の胴部前面に着脱
自在に取付けられる案内部材であって、正面からみて練
習者のほぼ首のつけ根部に振り子アームの中心をおく振
り子の左右揺動軌跡に平行する弧状に回曲され且つ平面
からみて左右直線状に延長する揺動案内部を有する揺動
案内部材と、上記揺動案内部に左右摺動自在に係合され
たスライドピースと、上記スライドピースに、上記振り
子の左右揺動面上で回転自在に突設されたブラケット
と、上記ブラケットに一端を、上記振り子のアームを通
り且つ振り子の左右揺動面に直交する面上で、上下揺動
自在に支持されたリンクと、上記リンクの他端にパター
シャフトの上端を、上記振り子のアームを通り且つ振り
子の左右揺動面に直交する面上で、揺動自在に且つ着脱
自在に連結された請求項１に記載のパターと、から構成
されるパターの振り規正装置を提供する。

【０００９】本願第１発明における上記反射鏡および水
準器がパターヘッド上部に「取りつけられた」とは、着
脱自在に取りつけられたもの、および固定状態に取りつ
けられたものを含む。着脱自在の取りつけ構造として
は、ネジ止め式、パターヘッドに設けられた穴に嵌めこ
む嵌めこみ式、材質に応じ磁石で吸着させる磁石式、ま
たはそれらの複合式等がある。また、上記「反射鏡」に
は、ガラス、金属板等からなる凸面鏡、平面鏡が用いら
れる。

【００１０】本願第２発明における上記スライドピース
のブラケットにリンクの一端を「支持された」構成は、
リンクの一端をブラケットに着脱自在に支持されたも
の、および取り外し不能に支持されたものを含む。ま
た、上記リンクの他端にパターグリップ上端が着脱自在
に「連結される」構成には、パターグリップの上端を除
いてパターシャフトの開口端に連結用ブラケットを取り
つけ、これをリンク他端に連結するもの、グリップの上
端に予め連結用ブラケットを設け、これをリンク他端に
連結するもの、その他種々の構成のものが含まれる。以
下図面を参照して本願発明の実施例について説明する。

【００１１】

【実施例】まず、パターヘッド方向決め装置つきパター
について説明する。図１はパターヘッド（１）に該方向
決め装置を着脱自在に取りつけた例で、取付台（２）
は、上板（３）の一側部左右両端から前側板（４）、
（４）を、他側部から後側板（５）をそれぞれ直角に延
出し、後側板（５）に締着ネジ（６）を螺合したもの
で、上記前、後側板（４）（４）、（５）間をパターヘ
ッド（１）の打球部（７）に被嵌すると共に上記締着ネ
ジ（６）の回し操作により該打球部（７）に着脱自在に
固定してあり、この取付台（２）の上板（３）上に支柱
（８）を起立し、該支柱（８）上端に反射鏡（９）を、
該支柱（８）から延出したアーム（１０）上端に水準器
（１１）を互に前後隣接してそれぞれ取りつけてある。

【００１２】上記反射鏡（９）は、鏡面に鉛直中心線
（１２）を記入された凸面鏡であって、その背面に突設
した継手部（１３）を上記支柱（８）の上端部にピン
（１４）にて垂直面上で揺動調節可能に支持してある。
この場合反射鏡（９）は、その鉛直中心線（１２）の延
長上に、上記パターヘッド打球部（７）前面（打球面）
の打球スポット（Ｐ）中心点をおいた状態で、該反射鏡
面を上記パターヘッド打球部（７）前面の延長面に対し
４５度に傾斜させ、それにより上記パターヘッド打球部
（７）前面を目標方向に直角に向けたとき、該反射鏡面
に映った前方の目標像を垂直上方へ反射させるようにし
てある。

【００１３】上記水準器（１１）は、上記アーム（１
０）先端に固定された透明中空球状ケース（１５）およ
び該ケース（１５）内に回転自在に封入された鏡面つき
半球状回転子（１６）からなる。上記球状ケース（１
５）は合成樹脂、ガラス等でつくられ、その球外側面に
水平線（１７）およびそれと直交する鉛直線（１８）を
設けてあり、一方、回転子（１６）は、合成樹脂、ガラ
ス等でつくられた椀状半球体の円形開口面に円形平面鏡
（１９）を設けると共に、半球体の半球内面中心に、上
記平面鏡（１９）を常時水平に保つための重錘（２０）
を取りつけ、これらケース（１５）および回転子（１
６）内にアルコール、エーテル等の液をそれぞれ封入し
て回転子（１６）の回転を容易化している。この場合上
記球状ケース（１５）は、パターヘッド（１）が所定の
水平状態にあるとき、その水平線（１７）が水平面上に
位置するようにアーム（１０）に固定されると共に、そ
の鉛直線（１８）が上記反射鏡（９）の鉛直中心線（１
２）延長上におかれている。（２１）はパターシャフト
である。

【００１４】パターヘッド（１）の方向決めは次のよう
に行う。図３（イ）、（ロ）のようにセット位置におい
てパター練習者がパターをかまえ、その状態で、まず水
準器（１１）における球状ケース（１５）の水平線（１
７）と回転子（１６）の円形鏡（１９）周縁（１９’）
とを見ながらパターヘッド（１）を微動させて両者（１
７）と（１９’）を合致させる。それによりパターヘッ
ド（１）が所定の水平状態となる。ついで、上記の水平
状態を維持しながら球形ケース（１５）の鉛直線（１
８）と回転子（１６）の円形鏡（１９）における該鉛直
線（１８）の映像とを見ながら目の位置を微動させて両
者（１８）とその映像を合致させる。それにより練習者
の目が水準器（１１）の垂直線上に位置する。次に上記
の状態を維持しつつ、反射鏡（９）に映る目標対象を見
ながらパターヘッド（１）を水平微動させて該目標対象
の映像を反射鏡（９）の鉛直中心線（１２）に合致させ
る。それによりパターヘッド（１）の打球部（７）前面
が目標方向に対し正確に直角に向くことなる。

【００１５】次に、パターの振り規正装置について説明
する。これはパターの振りを案内するためプレーヤーの
胴部前面に取りつけられる案内枠（２２）および該案内
枠（２２）とパターを連結するリンク（２３）から主と
してなる。

【００１６】まず、上記案内枠（２２）は図６に示すよ
うに横断面扁平リップつき溝形の適宜長の枠体で、正面
からみて前記練習者の首のつけ根を中心とする振り子の
左右揺動軌跡に平行する弧状に回曲され且つ平面からみ
て左右直線状に延長し、この案内枠（２２）の案内溝
（２２’）内にほぼ矩形板状のスライドピース（２４）
を摺動自在に係合し、該スライドピース（２４）の前面
がわに２又状ブラケット（２５）を、その背面に突設さ
れた軸（２６）を挿入して回転自在に取りつけてある。
（２７）は上記軸（２６）の抜け止めフランジである。

【００１７】上記案内枠（２２）の背面には練習者の胴
部にほぼ対応して湾曲する当て板（２８）を付設し、該
当て板（２８）の左右両端部にバンド（２９）を取りつ
けてある。

【００１８】上記リンク（２３）は一端部を上記ブラケ
ット（２５）の２又部内に挿脱自在に嵌入できる寸法に
形成され、その連結構造としては、まず、一方のブラケ
ット（２５）に２又間を横切る軸（３０）を取りつけ、
他方のリンク（２３）の端部に、上記軸（３０）が挿脱
できる幅の溝（３１）をリンク先端から長手方向に切り
こむと共に、該溝（３１）の一方の溝壁中間部に半円形
の軸受溝（３２）を設け、他方の溝壁に軸保持用湾曲板
バネ（３３）を取りつけてあり、上記リンク（２３）の
端部をブラケット（２５）の２又間に嵌入すると、上記
軸（３０）が溝（３１）内を通って湾曲板バネ（３３）
を押圧しつつ軸受溝（３２）内に回転自在に係合すると
共に、上記板バネ（３３）により係合状態を保持され、
リンク（２３）を強く引くと、上記軸（３０）が板バネ
（３３）に抗して軸受溝（３２）から離脱する。

【００１９】上記リンク（２３）の他端とパターの連結
構造としては、一方のパターのグリップ（３４）の石突
き部を切除して図６のようにシャフト（２１）の開口端
を露出させ、該開口端部に、上記ブラケット（２５）と
同一構造の軸（３６）を有する２又状ブラケット（３
５）を、その下面に突設されたロッド（３７）を挿入
し、固定ネジ（３８）を圧着して固定し、他方のリンク
（２３）の他端部に、上記一端部と同一構造の溝（３
９）、軸受溝（４０）および湾曲板バネ（４１）を設
け、上記と同様にリンク（２３）の軸受溝（４０）に軸
（３６）を着脱自在に係合させる構造である。この場合
上記ロッド（３７）のシャフト（２１）への固定は、パ
ターヘッドの打球部（７）前面が上記案内枠（２２）前
面と直角をなす位置関係でなされる。

【００２０】パターの振り規正装置の作用は次のようで
ある。練習者が上記パターヘッドの方向決め装置を備え
たパターを図３（イ）、（ロ）のようにセット位置にか
まえ、前述のように方向決め装置を用いてパターヘッド
（１）を目標方向に正確に直角に向ける。その状態を維
持しつつパターをテークバックに移動させると、上記リ
ンク（２３）の上端部がスライドピース（２４）を介し
て案内枠（２２）の溝（２２’）に案内されて移動し、
それにより正面からみて、前記練習者の首のつけ根を中
心とする振り子の左右揺動にならって揺動すると共に、
平面からみて、目標方向と平行の軌道上を揺動すべく規
正され、このリンク（２３）の受ける規正作用がパター
に及んでパターヘッド（１）を同様の揺動に誘導する。
パターをストロークに移動させたときもリンク（２３）
が上記と同様の規正作用を受け、パターヘッド（１）を
同様の揺動に誘導する。

【００２１】適宜上達した練習者が、打球時のインパク
トを強めたいとき等に手首を振る必要があるが、それに
そなえて上記のパター振り規正装置を用いた練習におい
て手首を振ったときは、上記リンク（２３）の上端部が
ブラケット（２５）の軸（２６）を介して回転し、該手
首の振りを許容する。

【００２２】なお、上記リンク（２３）は練習者の体格
に応じて長短複数種用意しておくとよい。

【００２３】上記リンク（２３）の一端をブラケット
（２５）に取り外し不能に支持させる場合は、該リンク
（２３）の溝（３１）を除いた一端部をブラケット（２
５）の二又部内に挿入して軸（３０）により回転自在に
軸支すればよい。

【００２４】図７はパターヘッド方向決め装置の他の実
施例で、パターヘッド（１ａ）の打球部（７ａ）背後に
角穴を有する支柱受け（４２ａ）を設け、これに、割り
溝（４３ａ）を切りこんだ角支柱（８ａ）を嵌脱自在に
嵌入するようにし、他の構造は図１、２と実質的に同一
である。

【００２５】図８はパター振り規正装置の他の実施例
で、２又状ブラケット（２５ａ）の基部をスライドピー
ス（２４ａ）前面に一部突出させ、該突出部（４４ａ）
からロックネジ（４５ａ）をスライドピース（２４ａ）
に着脱自在に螺着することにより、該ブラケット（２５
ａ）をスライドピース（２４ａ）に回転不能にロック
し、またはロックを解除するようにし、他の構造は図
４、５、６と実質的に同一である。本例によれば、初心
者が振り子運動に従ったパターの正しい振りを練習する
場合はロックネジ（４５ａ）によりブラケット（２５）
を回転不能にロックし、上達者が打球にインパクとを与
えるべく手首を振る練習をする場合はロックネジ（４５
ａ）をはずしてロックを解除するとよい。

【００２６】

【発明の効果】本願第１発明のパターヘッド方向決め装
置によれば、水準器によりパターヘッドを所定の水平状
態におくと共に練習者の目を水準器の垂直上方に位置づ
け、その目で反射鏡を見ながらその鉛直中心線上に目標
映像を見ることにより、パターヘッドを目標方向に対し
正確に直角に設定することができるようになるのであ
る。本願第２発明のパターの振り規正装置によれば、練
習者がパターをかまえてパターヘッド方向決め装置によ
りパターヘッドを目標方向に対し正確に直角に向けた後
パターをテークバックおよびストロークに振ったとき、
パターをリンクおよびスライドピースを介して案内部材
で案内して、正面からみて練習者の首のつけ根を中心と
する振り子の左右揺動に揺動することができると共に、
平面からみてパターヘッドを目標方向と平行の移動に誘
導することができ、それによりパターヘッドの向きを目
標方向に対し直角に且つパターヘッドの軌道を目標方向
に対し平行に保った正しい振りを行うことができるので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】（イ）パターヘッド方向決め装置の正面図であ
る。 （ロ）同上側面図である。

【図２】水準器の拡大垂直断面図である。

【図３】（イ）パターヘッド方向決め装置およびパター
振り規正装置の使用状態の正面図である。 （ロ）同上側面図である。

【図４】パター振り規正装置の一部省略拡大正面図であ
る。

【図５】図４のＶ−Ｖ線断面図である。

【図６】図４のＶＩ−ＶＩ線断面図である。

【図７】パターヘッド方向決め装置の他の実施例の拡大
斜面図である。

【図８】パター振り規正装置の他の実施例の案内枠部分
の拡大水平断面図である。

【符号の説明】

１、１ａ パターヘッド ９、９ａ 反射鏡 １１、１１ａ 水準器 １２ 鉛直中心線 １５、１５ａ 透明中空球状ケース １７、１７ａ 水平線 １８、１８ａ 鉛直線 １９ 円形平面鏡 ２０ 重錘 ２２、２２ａ 揺動案内枠 ２２’、２２’ａ 案内溝 ２３、２３ａ リンク ２４、２４ａ スライドピース ２５、２５ａ ブラケット ４５ａ ロックネジ

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パターのヘッド上部に隣接して取りつけ
   られた反射鏡および水準器と、 上記反射鏡は、鏡面に鉛直中心線を有し、該鉛直中心線
   の延長上にパターヘッドの打球スポットをおいた状態
   で、該反射鏡面を上記パターヘッド打球面の延長面に対
   し４５度に傾斜させたことと、 上記水準器は、パターヘッドに取りつけられた水平線及
   び鉛直線を有する透明ケース内に、円形鏡面を有し且つ
   該円形鏡面を常時水平に保つべく下端に重錘を設けてな
   る回転子を全方向回転自在に支持してなるもので、上記
   パターヘッドが所定の水平状態にあるとき該透明ケース
   の水平線が水平面上に位置し、且つ該透明ケースの鉛直
   線が上記反射鏡の鉛直中心線の延長上に位置する関係に
   あることと、 から構成されるパターヘッド方向決め装置つきパター。
2. 【請求項２】 練習者の胴部前面に着脱自在に取付けら
   れる案内部材であって、正面からみて練習者のほぼ首の
   つけ根部に振り子アームの中心をおく振り子の左右揺動
   軌跡に平行する弧状に回曲され且つ平面からみて左右直
   線状に延長する揺動案内部を有する揺動案内部材と、 上記揺動案内部に左右摺動自在に係合されたスライドピ
   ースと、 上記スライドピースに、上記振り子の左右揺動面上で回
   転自在に突設されたブラケットと、 上記ブラケットに一端を、上記振り子のアームを通り且
   つ振り子の左右揺動面に直交する面上で、上下揺動自在
   に支持されたリンクと、 上記リンクの他端にパターシャフトの上端を、上記振り
   子のアームを通り且つ振り子の左右揺動面に直交する面
   上で、揺動自在に且つ着脱自在に連結された請求項１に
   記載のパターと、 から構成されるパターの振り規正装置。
3. 【請求項３】 上記ブラケットを上記スライドピースに
   回転不能にロックするための係脱自在のロック手段を備
   えた、請求項２に記載のパターの振り規正装置。