JP2566311Y2

JP2566311Y2 - フロッピーディスク着脱機構

Info

Publication number: JP2566311Y2
Application number: JP1991003446U
Authority: JP
Inventors: 真紀脇田
Original assignee: Citizen Watch Co Ltd
Current assignee: Citizen Watch Co Ltd
Priority date: 1991-01-09
Filing date: 1991-01-09
Publication date: 1998-03-25
Anticipated expiration: 2006-01-09
Also published as: JPH0493940U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はフロッピーディスクドラ
イブ（以下ＦＤＤと略す）のフロッピーディスク（以下
ＦＤと略す）着脱機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】以下に従来技術におけるＦＤＤのＦＤカ
ートリッジ着脱機構を図面に基づいて詳述する。図４は
ＦＤを内装しているＦＤカートリッジが挿抜可能なアン
ローディング位置にあるＦＤＤの要部断面図、図５はＦ
Ｄが記録または再生可能なローディング位置にあるＦＤ
Ｄの要部断面図、図６はＦＤＤの部分断面図を含む要部
側面図である。

【０００３】まず、その構成について説明する。図４乃
至図６において、６はＦＤを内装したＦＤカートリッジ
であり、１はフレームで、図示しないＦＤ回転駆動機構
と図示しない磁気ヘッド位置決め機構が載設された底板
１ａとその両側に垂直に形成され、垂直方向に長い案内
溝１ｃを持つ側壁１ｂとにより構成されている。２はス
ライド板であり、フレーム１に対しＦＤカートリッジ６
の挿抜方向にスライド可能であり、その両側壁に左右１
対の水平部と斜部よりなるカム２ａを持つ。３はキャリ
アで、ＦＤカートリッジ６を装着した状態でアンローデ
ィング位置とローディング位置との間を昇降動作可能に
構成されている。４はガイドピンで、円筒形状をしてお
りキャリア３の両側壁に左右１対が前記カム２ａおよび
案内溝１ｃと嵌合するように植設されている。５は位置
決めピンで、フレーム１の底板１ａに植設され、キャリ
ア３がローディング位置にあるときに、ＦＤカートリッ
ジ６と係合して所定の位置と姿勢に支持する。

【０００４】次に、動作について説明する。キャリア３
は、図４および図６で示すアンローディング位置におい
て、４本のガイドピン４がスライド板２のカム２ａの水
平部分により略水平な状態で支持されている。ＦＤカー
トリッジ６が挿入されるとスライド板２が移動し、ガイ
ドピン４はカム２ａの斜部により支持され、略水平な状
態を維持しながら案内溝１ｃに沿って降下し、図５で示
すローディング位置にセットされる。ＦＤカートリッジ
６をイジェクトするときは、スライド板２の前面に設け
られたイジェクト操作部９をマニュアル操作してイジェ
クトさせる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来技術においてはキャリアとカムとの係合を円筒形の
ガイドピンを用いて行っていた。従って、ガイドピンを
キャリアとは別部材で形成し、カシメ等により接合しな
ければならなく、部品点数も多く組立工程も複雑となっ
ていた。また、２つの部品を接合するため、この接合時
の取付誤差が発生し易いため、キャリアの昇降動作時に
水平な状態を維持できないために、ＦＤと装置基盤との
着脱がスムーズに行われないという問題があった。

【０００６】本考案は上記従来の課題に鑑みなされたも
のであり、その目的は、部品点数を少なくすることが可
能であると共に、キャリアを高精度に水平な状態で昇降
動作させることで、ＦＤと装置基盤との着脱をスムーズ
にすることで、長期間の使用寿命と信頼性の高い磁気デ
ィスク装置を実現可能なフロッピーディスク着脱機構を
提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案の構成は、フレームと、このフレーム上に摺動
可能に設けられ、その両側に傾斜形状のカムを持つスラ
イド板と、フロッピーディスクを内装したＦＤカートリ
ッジを着脱自在であるキャリアと、このキャリアの両側
にキャリアと一体に設けられ前記カムと係合するカム係
合部材とを有し、前記スライド板の摺動に伴い、前記キ
ャリアがＦＤカートリッジを着脱可能なアンローディン
グ位置と前記フロッピーディスクに対して情報の記録ま
たは再生が可能なローディング位置との間を昇降動作す
るように構成されたフロッピーディスク着脱機構におい
て、前記カム係合部材の両側に曲げ部を有し、その一方
の曲げ部の曲げ角度が前記カムの傾斜形状にほぼ沿った
角度であることを特徴とする。また、前記カム係合部材
の上面が、前記キャリアの天板の上面と面一に形成され
ていることを特徴とする。また、前記曲げ部が、前記カ
ム係合部材の板厚より長く構成されていることを特徴と
する。また、前記曲げ部が、前記カム係合部材の両側に
おいて、互いに反対方向に曲げられていることを特徴と
する。

【０００８】

【作用】従って、本考案により得られるフロッピーディ
スク着脱機構は、キャリアに対しカム係合部材を同一材
料で一体に形成しているため、部品点数を少なくするこ
とが可能である。また、カム係合部材を板状にし、その
上面をキャリアの天板の上面と面一にすることで、加工
時における４つのカム係合部材のキャリアに対する位置
精度を向上させ、４つのカム係合部材を常に同時にカム
面に支持させキャリアを常に水平状態に保ちながら昇降
動作を可能にする。

【０００９】

【実施例】以下、図面により本考案の好適な一実施例を
詳述する。図１は本考案の要部を示す側面図、図２及び
図３は図１の要部断面を示す断面図である。

【００１０】図１乃至図３において、６はその内部に円
盤状のＦＤ（図示せず）を収納したＦＤカートリッジ
で、硬い樹脂で形成され内部のＦＤを機械的または熱的
衝撃等から保護している。１はフレームで底板１ａとそ
の両側に垂直に形成された側壁１ｂよりなる。底板１ａ
には前記ＦＤカートリッジ内に収納されたＦＤを回転駆
動するための回転駆動機構（図示せず）や前記ＦＤに対
し情報の記録または再生を行うための磁気ヘッド（図示
せず）を前記ＦＤの所定の位置に位置決めするヘッド位
置決め機構（図示せず）が載設されている。また、両側
壁１ｂには垂直方向に縦長の案内溝１ｃがそれぞれに１
つ設けられている。

【００１１】１２はスライド板であり、天板１２ａとそ
の両側に垂直に形成された側壁１２ｂよりなり、フレー
ム１上をＦＤカートリッジ６の挿抜方向に摺動可能に構
成されている。両側の側壁１２ｂにはそれぞれ２つのカ
ム１３が設けられている。このカム１３は水平カム１３
ａと斜めカム１３ｂとより構成されている。

【００１２】１４はキャリアであり、天板１４ａと両側
の側壁１４ｂそして側壁１４ｂを介して天板１４ａと対
向して設けられたＦＤ受け面１４ｃとによりＦＤカート
リッジ６を収納する空間を形成している。そして、キャ
リア１４はＦＤカートリッジ６を収納保持した状態で、
ＦＤカートリッジ６を着脱可能なアンローディング位置
とＦＤカートリッジに設けられている位置決め孔（図示
せず）が位置決めピン５と係合し、前記ＦＤが前記ター
ンテーブルに係合するローディング位置との間を昇降動
作可能に構成されている。

【００１３】１５はカム係合部材であり、キャリア１４
の両側にそれぞれ２つ前記カム１３に対応して突設さ
れ、板状部１５ａとその両側に互いに反対方向に曲げら
れた曲部１５ｂよりなる。そしてこのカム係合部材１５
はキャリア１４と同一な材料で一体に、且つその板状部
１５ａの上面が天板１４ａのＦＤカートリッジ６の収納
と反対側の面と面一に形成されている。カム係合部材１
５は案内溝１ｃ及びカム１３に係合支持されているた
め、キャリア１４は前記昇降動作時に常に水平な姿勢を
保ち且つ垂直に昇降動作が保証されている。

【００１４】５は位置決めピン、９はイジェクト操作部
で従来の技術で説明したものと同一の機能を有する部材
であるためその説明を省略する。

【００１５】図１はキャリア１４がアンローディング位
置のときの状態を示しており、カム係合部材１５はカム
１３の水平部１３ａによって支持されている。スライド
板１２はＦＤカートリッジ６の排出方向にバネ（図示せ
ず）により常時付勢されていて、アンローディング位置
ではこのバネに抗して係止部材（図示せず）によりこの
位置に係止されている。その後ＦＤカートリッジ６を更
に挿入すると、係止が解除され前記バネによりスライド
部材は図１の左方向に移動する。そしてカム係合部材１
５は斜めカム１３ｂにより支持されながら水平な状態を
維持しながら下方へ降下する。このときカム係合部材１
５は案内溝１ｃにより支持されているので垂直に降下す
ることが保証されている。

【００１６】上記の通り、ＦＤカートリッジ６を収納保
持したキャリア１４は水平な状態で垂直に降下し、前記
ローディング位置に装着される。ＦＤカートリッジ６を
イジェクトするときは、イジェクト操作部９を押し込む
ことで、スライド板１２を前記バネに抗して図１の右方
向にスライドさせキャリア１４をアンローディング位置
に戻すことにより行う。

【００１７】カム係合部材が斜めカム１３ｂを摺動する
とき、曲げ部１５ｂが当接することで、摺動を滑らかと
しキャリア１４の昇降動作、つまりＦＤカートリッジ６
の着脱動作をスムーズとすることが可能となっている。

【００１８】図３は図１における断面を示した断面図で
ある。図２は図３における要部の部分拡大図を示してい
る。図２において、ＦＤカートリッジ６を着脱するとき
装置内の下側ヘッド（図示せず）やターンテーブル（図
示せず）等との干渉を避けるため、所定の隙間Ｍが必要
である。この隙間Ｍは、図におけるＫ、Ｊの各寸法の加
算誤差の最大値をマージンとして持っている。従って、
装置の薄型化を図る場合は寸法ＫとＪの管理が重要とな
る。本実施例では従来技術のようにカム係合部材として
ピンをキャリアの側面に植設することなく、キャリア１
４の天板１４ａをそのままカム係合部材１５として構成
するために上記寸法の管理が容易である。

【００１９】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、フ
レームと、このフレーム上に摺動可能に設けられ、その
両側に傾斜形状のカムを持つスライド板と、フロッピー
ディスクを内装したＦＤカートリッジを着脱自在である
キャリアと、このキャリアの両側にキャリアと一体に設
けられ前記カムと係合するカム係合部材とを有し、前記
スライド板の摺動に伴い、前記キャリアがＦＤカートリ
ッジを着脱可能なアンローディング位置と前記フロッピ
ーディスクに対して情報の記録または再生が可能なロー
ディング位置との間を昇降動作するように構成されたフ
ロッピーディスク着脱機構において、前記カム係合部材
の両側に曲げ部を有し、その一方の曲げ部の曲げ角度が
前記カムの傾斜形状にほぼ沿った角度であるために、曲
げ部とカム溝との摺動面積が増大し、磨耗を減少させ、
装置の信頼性を向上させる効果を有する。また、前記キ
ャリアが降下する際に、キャリアの水平姿勢を維持する
ことが可能となり、したがってＦＤカートリッジを正確
に装着できる効果を有する。また、前記カム係合部材の
上面が、前記キャリアの天板の上面と面一に形成されて
いるために、カム係合部材のキャリアに対する加工時の
位置誤差を小さくすることが可能でこれに伴うＦＤカー
トリッジ着脱時の不要な空間を小さくし薄型化を可能と
する効果を有する。また、前記曲げ部が、前記カム係合
部材の板厚より長く構成されているために、曲げ部の加
工を容易とする効果を有する。また、前記曲げ部が、前
記カム係合部材の両側において、互いに反対方向に曲げ
られているために、曲げ部の曲げ角度を９０度より大き
くする必要が無く、加工を容易とする効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すＦＤ着脱機構の要部側
面図。

【図２】図１に示す実施例の要部断面図。

【図３】図１に示す実施例のアンローディング時の断面
図。

【図４】従来例のアンローディング時のＦＤ着脱機構の
断面図。

【図５】従来例のローディング時のＦＤ着脱機構の断面
図。

【図６】図４のＦＤ着脱機構の要部断面図。

【符号の説明】

１フレーム２スライド板３キャリア４ガイドピン５位置決めピン９イジェクト操作部１２スライド板１３カム１４キャリア１５カム係合部材

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】フレームと、このフレーム上に摺動可能
に設けられ、その両側に傾斜形状のカムを持つスライド
板と、フロッピーディスクを内装したＦＤカートリッジ
を着脱自在であるキャリアと、このキャリアの両側にキ
ャリアと一体に設けられ前記カムと係合するカム係合部
材とを有し、前記スライド板の摺動に伴い、前記キャリ
アがＦＤカートリッジを着脱可能なアンローディング位
置と前記フロッピーディスクに対して情報の記録または
再生が可能なローディング位置との間を昇降動作するよ
うに構成されたフロッピーディスク着脱機構において、
前記カム係合部材の両側に曲げ部を有し、その一方の曲
げ部の曲げ角度が前記カムの傾斜形状にほぼ沿った角度
であることを特徴とするフロッピーディスク着脱機構。
【請求項２】前記カム係合部材の上面が、前記キャリ
アの天板の上面と面一に形成されていることを特徴とす
る請求項１に記載のフロッピーディスク着脱機構。
【請求項３】前記曲げ部が、前記カム係合部材の板厚
より長く構成されていることを特徴とする請求項１に記
載のフロッピーディスク着脱機構。
【請求項４】前記曲げ部が、前記カム係合部材の両側
において、互いに反対方向に曲げられていることを特徴
とする請求項１に記載のフロッピーディスク着脱機構。