JP2566240Y2 - 光輝性装飾シュリンクシート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、包装紙として利用され
る光輝性装飾シュリンクシートに関し、詳しくは、外光
が反射されて種々の反射光模様がシート表面に形成され
る光輝性装飾シュリンクシートに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、表面反射光により意匠的効果を発
揮させる光輝性装飾シュリンクシートとして、シュリン
クフィルムの表面にアルミニウム等の金属を平面的に蒸
着してなるシートが知られている。

【０００３】ところが、この蒸着シートの場合には、均
一な光反射を奏するにすぎず、反射光自体により模様を
形成するものではない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】したがって、本考案の
解決すべき技術的課題は、外光が反射されて種々の反射
光模様が表面に形成される光輝性装飾シュリンクシート
を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段・作用・効果】上記技術的
課題を解決するために、本考案にかかる光輝性装飾シー
トは以下のように構成される。

【０００６】すなわち、この光輝性装飾シュリンクシー
トは、ヒートシール性を有するシュリンクフィルム層
と、金属蒸着層や反射性インキ層等の光反射層と、ヒー
トシール性を有する透明エンボス樹脂層とが下から上に
向かって順に積層された積層構造を有する。そして、上
記エンボス樹脂層はその上面に一定の規則性を有する所
望の凹凸模様を有している。さらに、上記光反射層は上
記シュリンクフィルム層の下面に蒸着されてなる。

【０００７】上記構成において、シュリンクフィルム層
としては、例えば両面にヒートシール性接着剤層を有す
る二軸延伸ポリプロピレンフィルムが好ましい。

【０００８】光反射層は全面的又は部分的に形成するこ
とができ、その材料としては、金属蒸着の場合は、たと
えばアルミニウム、金、イットリウム、酸化スズ等が好
適に用いられる、光反射性インキの場合は金インキや銀
インキが好適に用いられる。

【０００９】透明エンボス樹脂層の材料としては、エン
ボス加工を施すのに適した熱可塑性を有する材料が用い
られ、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂、非晶質ポリエステル系樹脂等が好適に用いら
れる。

【００１０】上記構成においては、透明エンボス樹脂層
を透過した外光は、光反射層の鏡面で反射すると共に、
透明エンボス樹脂層の上面の凹凸模様に対応した反射光
模様が形成され、これにより意匠効果が非常に優れたも
のとなる。

【００１１】また、このシートの表面及び裏面はいずれ
もヒートシール性を有するので、このシートにより対象
物を包装した後、重ね合わせ部を加熱することにより、
容易に封をすることが可能である。

【００１２】上記構成において、エンボス樹脂層に凹凸
模様を形成するのは、従来公知のエンボス加工により容
易に行なうことができる。また、各層の積層は、従来公
知のフィルムラミネート技術やコーティング技術及び蒸
着技術により容易かつ低コストで大量生産することがで
きる。

【００１３】上記構成において、文字や絵柄等の印刷を
する場合には、その印刷層を透明エンボス樹脂層と光反
射層との間に形成すればよい。

【００１４】

【実施例】以下に、図１〜４にしたがって、本考案の実
施例を詳細に説明する。

【００１５】図１に、各種製品や包装箱の包装シートと
して好適な光輝性装飾シュリンクシートの断面を示して
いる。図に示されるように、このシートは、ヒートシー
ル性を有するシュリンクフィルム層１,具体的には二軸
延伸ポリプロピレンフィルムの両面にヒートシール層を
積層したものと、アルミニウムの金属蒸着光反射層４
と、印刷層３と、ポリエチレンの透明エンボス樹脂層２
とが下から上に順に積層された積層構造を有している。

【００１６】エンボス樹脂層２の上面は一定の規則性を
有する所望の凹凸模様を備えている。この凹凸模様の詳
細は図２,３に詳細に示している。

【００１７】図２,３に示した凹凸模様は、図２に示さ
れるように、Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅで示される４つの平行
なストリップで構成されている。各ストリップＡ〜Ｅは
それぞれ規則的な凹凸模様で形成されている。

【００１８】ストリップＡは平行な多数の縦線により形
成されている。ストリップＢは多数の平行な右上り斜線
で形成された部分Ｂ１と多数の右下がり平行斜線で形成
された部分Ｂ２とで構成されている。ストリップＣは多
数の平行横線で構成された部分Ｃ１と多数の平行縦線で
構成された部分Ｃ２とで構成されている。ストリップＤ
は多数の右上がり平行斜線で構成されている。ストリッ
プＥは多数の平行横線で構成された部分Ｅ１と多数の右
上り平行斜線で構成された部分Ｅ２とで構成されてい
る。

【００１９】図３の拡大図に示すように、図２において
示された各線はエンボス樹脂層２の上面の突条２aを示
すものである。これらの突条２ａの幅寸法は、たとえば
０.１mm以下が好ましい。

【００２０】上記したように、エンボス樹脂層２の上面
に多数のストリップＡ〜Ｅが形成され、かつ、各ストリ
ップ毎あるいは各ストリップの部分領域毎において、突
条２aの方向性が異なることにより、エンボス樹脂層２
に入射して金属蒸着反射層４の鏡面で反射する反射光
は、上記突条２ａの部分で屈折して外に出ることにな
る。これにより、エンボス樹脂層２の上面に形成された
凹凸模様に対応した反射光の模様がシートの表面に現れ
ることになる。

【００２１】図２,３に示した凹凸模様は単なる１例に
すぎず、その凹凸模様は所望に応じて種々変形すること
ができる。図４ＡおよびＢにその変形例を示している。
図４Ａの変形例は点模様を示している。すなわち、エン
ボス樹脂層２の上面には多数の半球状凹部が規則的に形
成されているのである。図４Ｂの変形例は、渦線模様と
波線模様で構成される凹凸模様を示している。このよう
に、凹凸模様を曲線で形成することにより、変化のある
意匠効果を得ることができる。

【００２２】なお、このシートは、包装した後、加熱に
より収縮せしめられるものであるから、透明エンボス樹
脂層２は余り厚いことは好ましくなく、実際的には１５
〜２５μ程度がよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例に係る光輝性装飾シュリン
クシートの断面図である。

【図２】 図１におけるシートのエンボス樹脂層の上面
の凹凸模様を示す要部平面図である。

【図３】 図２のＸ部の拡大図である。

【図４】 Ａ,Ｂはそれぞれ上記凹凸模様の変形例を示
す平面図である。

【符号の説明】

１ シュリンクフィルム、２ エンボス樹脂層、３ 印
刷層、２a 突条、４金属蒸着光反射層、Ａ〜Ｅ スト
リップ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｄ 65/18 Ｂ６５Ｄ 65/18

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヒートシール性を有するシュリンクフィ
   ルム層(１)と、光反射層(４)と、ヒートシール性を有す
   る透明エンボス樹脂層(２)とが下から上に向かって順に
   積層された積層構造を有してなり、 上記エンボス樹脂層(２)はその上面に一定の規則性を有
   する所望の凹凸模様を有し、 上記光反射層(４)は上記シュリンクフィルム層(１)の上
   面に蒸着されたことを特徴とする光輝性装飾シュリンク
   シート。
2. 【請求項２】 上記透明エンボス樹脂層(２)と光反射層
   (４)との間に印刷層(３)を有することを特徴とする請求
   項１記載の光輝性装飾シュリンクシート。
3. 【請求項３】 上記透明エンボス樹脂層(２)は、上記シ
   ュリンクフィルム層(１)に熱接着可能な樹脂からなるこ
   とを特徴とする請求項１又は２記載の光輝性装飾シュリ
   ンクシート。