JP2565944Y2 - リッド装置 - Google Patents

リッド装置

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JP2565944Y2
JP2565944Y2 JP1992022372U JP2237292U JP2565944Y2 JP 2565944 Y2 JP2565944 Y2 JP 2565944Y2 JP 1992022372 U JP1992022372 U JP 1992022372U JP 2237292 U JP2237292 U JP 2237292U JP 2565944 Y2 JP2565944 Y2 JP 2565944Y2
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誠 中島
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Nagano Japan Radio Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は工作機械等の機体ケース
に付設した開閉自在のリッドと、リッドの開閉を補助す
る開閉補助機構を備えるリッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カッティングマシーン等の工作
機械は、安全性及び内部機構保護等の観点からカッター
を含む機構部を機体ケースの内部に収容するとともに、
機体ケースには開閉式のリッド装置を付設している。
【0003】図5は従来のリッド装置50を示す。同図
のリッド装置50は、機体ケース51の前面から上面に
かけて設けた開口部52に、ヒンジ53を介してリッド
54の後端を回動自在に取付けるとともに、リッド54
の中間位置と機体ケース51のヒンジ53付近の位置に
ガスダンパ又はスプリングステーを用いた開閉補助機構
55を架設していた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
のリッド装置50は次のような問題点があった。即ち、
リッド54の開閉ストロークに対する付勢力(リッドを
開く方向に作用する引張力)Wは、図4に点線で示す特
性曲線Paのように変化し、リッド54が閉じていると
きは比較的小さいとともに、開くに従って大きくなる。
このため、作業者は特に全閉状態から開く際と全開状態
から閉じる際に比較的大きな操作力を要し、開閉操作時
の労力負担が高くなるとともに、上昇時にはリッド54
が加速され、全開位置に達した際の衝撃が大きくなる難
点があった。
【0005】本考案はこのような従来の技術に存在する
課題を解決したものであり、開閉操作時の労力及び全開
閉位置に達した際の衝撃を大幅に軽減するとともに、簡
易化かつ省スペース化を実現できるリッド装置の提供を
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は機体ケース2に
対して斜め上下方向へスライド自在に設けた開閉自在の
リッド3と、リッド3の開閉を補助する開閉補助機構4
を備えるリッド装置1を構成するに際して、特に、先端
をリッド3に結合した繰出ワイヤ7を有するスプリング
バランサ6及び当該繰出ワイヤ7の先端7sのストロー
ク範囲よりも後方かつ上方に配設して繰出ワイヤ7をガ
イドするワイヤガイド8を具備し、リッド3をスライド
方向に対して所定角度で上昇方向に付勢するとともに、
リッド3が上昇するに従って付勢力Wが小さくなるスプ
リングバランサ機構5を用いた開閉補助機構4を備える
ことを特徴とする。
【0007】この場合、繰出ワイヤ7をガイドするワイ
ヤガイド8は回動自在なガイドローラ8rを用いること
が望ましい
【0008】
【作用】本考案に係るリッド装置1によれば、リッド3
は上下方向(斜め上下方向)にスライドし、下降により
閉じ、かつ上昇により開く。また、リッド3をスライド
方向に対して所定角度で上昇方向に付勢するスプリング
バランサ6を備えるため、上昇時には所定の付勢力Wが
付加されるとともに、下降時には逆方向に所定の付勢力
Wが付加される。
【0009】この場合、スプリングバランサ6から繰り
出した繰出ワイヤ7の先端7sをリッド3に結合すると
ともに、繰出ワイヤ7の先端7sのストローク範囲より
も後方かつ上方に、繰出ワイヤ7をガイドするガイドロ
ーラ8rを配設したため、リッド3が下降した全閉位置
ではリッド3のスライド方向と繰出ワイヤ7の角度は小
さくなり、リッド3に対する付勢力Wc、即ち、繰出ワ
イヤ7の引張力Fの分力は大きくなる。この結果、リッ
ド3を小さい操作力(又は自動)で開けることができ
る。一方、リッド3が上昇した全開位置ではリッド3の
スライド方向と繰出ワイヤ7の角度は大きくなり、リッ
ド3に対する付勢力Wo、即ち、繰出ワイヤ7の引張力
Fの分力は小さくなる。この結果、リッド3が全開位置
に達した際の衝撃は緩和される。また、全開位置では付
勢力Woが小さくなっているため、小さい操作力でリッ
ド3を閉じることができる。
【0010】なお、ガイドローラ8rは機体ケース2の
上端に配され、かつ繰出ワイヤ7はこのガイドローラ8
rを介して繰り出されるため、スプリングバランサ6は
任意の場所を選択して配設できる。
【0011】
【実施例】次に、本考案に係る好適な実施例を挙げ、図
面に基づき詳細に説明する。
【0012】まず、リッド装置1を備えるカッティング
マシーン(プリント基板カッター)の構成について、図
1及び図2を参照して説明する。
【0013】10はプリント基板カッターであり、機体
ケース2を備える。機体ケース2はケース上部2uとケ
ース下部2dからなり、ケース下部2dには主に機構部
等を内蔵するとともに、底面には複数のキャスタ11
…、ストッパ12…を備える。一方、ケース上部2uに
は主にプリント基板の装填部等を内蔵し、その前面は傾
斜面により形成する。また、ケース上部2uの前面一部
から上面一部にかけて開口部13を設けるとともに、前
面残部には操作パネル部14を配設する。そして、開口
部13には本考案に係るリッド装置1を付設する。
【0014】リッド装置1は開口部13と同形のリッド
3を備え、このリッド3は左右両側に設けたリニアタイ
プのベアリング21、22を介して開口部13に取付け
る。これにより、リッド3はケース上部2uの前面に沿
って斜め上下方向にスライド自在となり、開口部13を
開閉する。なお、15はリッド3の外面下部に取付けた
グリップである。
【0015】また、ケース上部2uの上端であって前後
方向中間位置にはガイドローラ(滑車)8rを回動自在
に取付ける。さらに、ケース上部2uの後上端にはスプ
リングバランサ6を配設する。スプリングバランサ6は
内部に巻回した繰出ワイヤ7を有し、この繰出ワイヤ7
の先端側は前方に繰り出されるとともに、繰出ワイヤ7
は内蔵した渦巻バネにより、巻取方向に付勢される。そ
して、繰出ワイヤ7はガイドローラ8rに架け、かつそ
の先端7sをリッド3の下端に結合する。これにより、
ガイドローラ8rは繰出ワイヤ7における先端7sのス
トローク範囲よりも後方かつ上方に配される。なお、ス
プリングバランサ6とガイドローラ8rはスプリングバ
ランサ機構5を構成する。このような構成により、ガイ
ドローラ8rは機体ケース2の上端に配されるととも
に、スプリングバランサ6は任意の場所における空スペ
ース等を利用して配設でき、構成の簡易化と省スペース
化を実現できる。
【0016】次に、本考案に係るリッド装置1の機能に
ついて、図1〜図4を参照して説明する。
【0017】まず、リッド3は下降した全閉位置におい
て、不図示のキャッチャにより保持されている。
【0018】この状態からリッド3を開く場合には、キ
ャッチャを操作し、リッド3の保持を解除すれば、スプ
リングバランサ6により繰出ワイヤ7は巻取方向に引張
られ、これにより、リッド3は上昇して自動で開く。こ
の場合、リッド3が全閉位置にあるときは図3に示すよ
うに、リッド3のスライド方向と繰出ワイヤ7の角度Q
cは比較的小さくなるため、繰出ワイヤ7の引張力Fの
分力、即ち、リッド3に対する付勢力Wc(=F・co
sQc)は大きくなる。
【0019】一方、リッド3が上昇した全開位置にある
ときは、同図に示すように、リッド3のスライド方向と
繰出ワイヤ7の角度Qoは比較的大きくなるため、繰出
ワイヤ7の引張力Fの分力、即ち、リッド3に対する付
勢力Wo(=F・cosQo)は小さくなる。このよう
なリッド3の開閉ストロークに対する付勢力Wは図4に
実線で示す特性曲線Pのようになる。
【0020】よって、リッド3は自動で開けることがで
きるとともに、全開位置に近づくに従って付勢力Wは小
さくなるため、上昇速度が減速され、全開位置に達した
際の衝撃は緩和される。他方、全開位置からリッド3を
閉じるときは作業者がグリップ15を手で持って下降さ
せればよく、小さい操作力で閉じることができる。この
ように、開閉操作時の労力が大幅に軽減される。
【0021】以上、実施例について詳細に説明したが、
本考案はこのような実施例に限定されるものではない。
例えば、ワイヤガイドとしてガイドローラを例示した
が、ガイドピン等であってもよい。その他、細部の構
成、形状、位置等において本考案の要旨を逸脱しない範
囲で任意に変更できる。
【0022】
【考案の効果】このように、本考案は機体ケースに対し
て斜め上下方向へスライド自在に設けた開閉自在のリッ
ドと、リッドの開閉を補助する開閉補助機構を備えるリ
ッド装置において、先端をリッドに結合した繰出ワイヤ
を有するスプリングバランサ及び繰出ワイヤの先端のス
トローク範囲よりも後方かつ上方に配設して繰出ワイヤ
をガイドするワイヤガイドを具備し、リッドをスライド
方向に対して所定角度で上昇方向に付勢するとともに、
リッドが上昇するに従って付勢力が小さくなるスプリン
グバランサ機構を用いた開閉補助機構を備えるため、リ
ッドに対する開閉操作時の労力及び全開閉位置に達した
際の衝撃を大幅に軽減できるとともに、簡易化かつ省ス
ペース化を実現できるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るリッド装置を明示するプリント基
板カッターの概略側面図、
【図2】同プリント基板カッターの外観斜視図、
【図3】同リッド装置の作用説明図、
【図4】リッドの位置に対する付勢力の特性図、
【図5】従来の技術に係るリッド装置の側面図、
【符号の説明】
1 リッド装置 2 機体ケース 3 リッド 4 開閉補助機構 5 スプリングバランサ機構 6 スプリングバランサ 7 繰出ワイヤ 7s 繰出ワイヤの先端 8 ワイヤガイド 8r ガイドローラ W 付勢力

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体ケースに対して斜め上下方向へスラ
    イド自在に設けた開閉自在のリッドと、リッドの開閉を
    補助する開閉補助機構を備えるリッド装置において、
    端をリッドに結合した繰出ワイヤを有するスプリングバ
    ランサ及び当該繰出ワイヤの先端のストローク範囲より
    も後方かつ上方に配設して繰出ワイヤをガイドするワイ
    ヤガイドを具備し、リッドをスライド方向に対して所定
    角度で上昇方向に付勢するとともに、リッドが上昇する
    に従って付勢力が小さくなるスプリングバランサ機構を
    用いた開閉補助機構を備えることを特徴とするリッド装
    置。
  2. 【請求項2】 ワイヤガイドは回動自在なガイドローラ
    であることを特徴とする請求項1記載のリッド装置。
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