JP2565753C - - Google Patents

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JP2565753C
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polypropylene
ppm
odor
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English (en)
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住友化学工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は臭気が著しく改良されたポリプロピレン成形品、特に食品包装用とし
て好適なポリプロピレン成形品に関する。 [従来の技術] ポリプロピレンは機械的性質、成形性、外観等に優れており、それ自体単独で
、または他の樹脂をブレンドした組成物としてフィルム、押出し成形品、射出成
形品等に広く使用されている。 しかしながら、ポリプロピレンを原料として成形された製品には、特有の臭気
があり、食品包装用容器、袋あるいは収納容器等へ適用するにあたり、その臭気
が大きな問題となっている。 中でも、食品包装用容器、食品包装用袋および食品収納容器としてのポリプロ
ピレン成形品の場合には、食品の香りがこれら食品収納容器や食品包装用袋の臭
気により影響を受け、食品の価値を下げるだけでなく、食欲をも減退することか
ら臭気の問題は重大てあり、臭気の改善が特に強く求められている。 臭気の原因としては、主としてポリプロピレンの製造時に使用する揮発性溶剤
成分の残留が考えられ、ポリプロピレンを製造する際に使用される溶媒であるヘ
キサンおよび/またはヘプタンがポリプロピレン中に少量残存している場 合、添加されている酸化防止剤等の添加剤自身、および加熱溶融して成形する際
に生じるポリプロピレンの劣化物等が臭気成分として挙げられる。 人の嗅覚は極めて敏感であり、上記の揮発性成分が成形品中に微少量残存して
いても異臭を感じ、食品包装用としては不適なものになってしまう。 臭気の改良方法として、例えばポリプロピレンパウダーを乾燥する方法(特開
昭55−75410号)、ポリプロピレンパウダーをペレット化する際に押出機
のベント孔より真空ポンプで吸引する方法、特定の添加剤を添加する方法(待開
昭60−104145号、特開昭60−195141号)等が知られている。 しかしながら、いまだ充分満足すべき臭気レベルの食品包装用ポリプロピレン
成形品は得られていない。 [発明が解決しようとする課題] かかる現状において、本発明の課題は、前記した従来技術の欠点を解消するこ
とにあり、ポリプロピレン成形品に含有される特定の揮発成分を減少することに
より、臭気が著しく改良されたポリプロピレン成形品を提供することにある。 [課題を解決するための手段] 本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達したもので
ある。 すなわち本発明は、 ポリプロピレン100重量部に対して0.01〜5重量
部の酸化防止剤が添加された配合物を造粒して得られるペレットを50℃以上の
温度で、2時間以上乾燥させたもので、下記に定義されるk値が5.0以下であ
るポリプロピレンペレットを成形してなる食品包装用成形品であって、該成形品
中に含有されるヘキサンおよび/またはヘプタン含量が5ppm以下であり、か
つ2,4−ジメチル−ヘプテン−1含量が5ppm以下であることを特徴とする
食品包装用ポリプロピレン成形品に関するものである。 k値: 上記造粒後のペレットのメルトフローレイトをMFR0とし、このペレットを
280℃で2回繰返し造粒後のメルトフローレイトをMFR2としたとき、次式 k=MFR2/MFR0 で表わされる値 ポリプロピレンは、チィーグラー・ナッタ系触媒を用い、ヘキサンおよび/ま
たはヘプタン等の炭化水素化合物を溶媒とする溶媒重合法、塊状重合法あるいは
気相重合法等によって工業的に多量製造されるものであり、通常はパウダ ー状で得られるポリプロピレンパウダーを造粒後、またはそのまま成形加工する
ことにより成形品を製造する。 この成形加工の際に過酷な熱と機械的な力が加えられるが、この熱と力により
ポリプロピレンが一部分解し劣化物が生成する。この劣化物の生成量が多くなる
と、ポリプロピレン成形品の臭気が悪化する。劣化物としては種々の炭化水素化
合物が知られているが、その代表的なものとして2,4−ジメチル−ヘプテン−
1がある。 本発明は、ポリプロピレン成形時の劣化物である2,4−ジメチル−ヘプテン
−1と、ポリプロピレン製造時の溶媒であるヘキサンおよび/またはヘプタンの
ポリプロピレン成形品中における含有量を減じることにより、成形品の臭気を著
しく改善することができることを見出したことに基づくものである。 以下、本発明をさらに説明する。 本発明でいうポリプロピレン成形品の樹脂成分であるポリプロピレンは、プロ
ピレン単独重合体の他に、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、
4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの二元または三元ランダム共重合
体あるいはブロック共重合体を含み、さらに上記プロピレン成分を含有する重合
体に他の樹脂、例えばポリエチレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテ
ン−1、各種合成ゴム(例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−
ブテン−1共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、
ポリブタジエン、ボリイソプレン、スチレン−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等)、
石油樹脂等をブレンドしたポリプロピレン樹脂組成物を含むものであって、本発
明のポリプロピレン成形品は上記ポリプロピレンを原料として用い、T−ダイ法
、インフレーション法、一軸延伸法、二軸延伸法、カレンダー法、射出成形法、
ブロー法、インジェクションブロー法等の各種方法により加工して得られる容器
、フィルムあるいはシート等の一次成形品の他に、これら一次成形品を単独で、
または他のフィルムまたはシートと複合化(多層化)して食品包装用袋、または
食品収納容器等に二次加工されたものも含むものである。 本発明のポリプロピレン成形品は臭気が著しく改善されたものであるが、この
ような効果を奏するためには、ポリプロピレン成形品の2,4−ジメチル−ヘプ
テン−1の含有量が5ppm以下であることが必要であり、好ましくは3ppm
以下、さらに好ましくは2ppm以下である。 また、成形品中のヘキサンおよび/またはヘプタン含量が5ppm以下である
ことも必要であり、好ましくは3ppm以下、さらに好ましくは2ppm以 下てある。 ポリプロピレン成形品の2,4−ジメチル−ヘプテン−1の含有量と、ヘキサ
ンおよび/またはヘプタンの含有量を上記で特定の範囲にすることにより、本発
明の目的を達成することができるが、これら2,4−ジメチル−ヘプテン−1、
ヘキサンおよび/またはヘプタンを含めた全ての揮発成分量をポリプロピレン成
形品から減じることも臭気の低減に有効であって、ポリプロピレン成形品中の全
揮発成分量は、好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは25ppm以下で
あり、より好ましくは20ppm以下である。 本発明において、ポリプロピレン成形品が含有するヘキサン、ヘプタンおよび
2,4−ジメチル−ヘプテン−1等の揮発成分量は、ガスクロマトグラフィ法に
より分析される。 代表的な分析方法として、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、型式:GC−
9APF)とヘッドスペースサンプラ(島津製作所製、型式:HSS−2A)と
からなる全自動ヘッドスペース分析システムを利用した例を下記(1)〜(3)に示
す。 すなわち、 (1)ポリプロピレン成形品を数mm角の小片にしたものを試料とし、この試
料の約0.5gを精秤した後、窒素雰囲気下容量20mlのバイアルガラスビン
(試料ビン)に充填し、ヘッドスペースサンプラにセットする。 (2)試料ビンを150℃で60分間保温後、ガスタイトシリンジで気相部を
0.8ml採取し、ガスクロマトグラフに注入して揮発成分を分析する。 (3)得られた成分の濃度を気相部中の成分量に換算し、該換算値を試料の重
量で除して、成形品中の成分含有量として算出する。 本発明における臭気の改善されたポリプロピレン成形品を得るには、以下のよ
うな乾燥を行なうのが有効である。 すなわち、常法に従って得たポリプロピレンペレットを50℃以上、好ましく
は80℃以上の温度で、かつポリプロピレンが融解する温度以下の温度で乾燥す
る。この乾燥は加熱下に不活性ガス、例えば窒素を流通させて行なってもよいし
、減圧下で加熱してもよい。 乾燥時間は揮発成分の含有量にも依存するが、通常は2時間以上、好ましくは
3時間以上、30時間以内が好ましい。 成形加工時の劣化物の生成量を減少させて成形品の臭気を低減するには、ポリ
プロピレン成形加工時の安定性を強化することが有効である。ポリプロピレンの
安定性はペレットの繰返し造粒後のメルトフローレイト(MFR)の上昇度で容
易に評価できる。 周知のように第1回目の造粒後のペレットのメルトフローレイトをMFR0 とし、その後このペレットの造粒を所望の温度で繰返し実施し、例えば280℃
て2回繰返し造粒後のペレットのメルトフローレイトをMFR2とすると、一般
式 k=MFR2/MFR0 として表わされるK値が小さい方がポリプロピレンの安定性が優れるのである。 本発明におけるポリプロピレンのk値は、好ましくは5.0以下、より好まし
くは4.0以下である。 このために、種々の添加剤、特に酸化防止剤を添加することが有効である。 酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、トコフェ
ロール類等が挙げられ、酸化防止剤自身の臭気が少ないものが望ましい。 好ましい酸化防止剤の例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
(BHT)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリ
コール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト、2,2’−メチレン−
ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチレン−ビス
−(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[2−{3−(3−t
−ブチル−4−ハイドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1
,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウ
ンデカン等のフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4
−ビフェニレンフォスフォナイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、
ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト等の
リン系酸化防止剤およびα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフ
ェロール、δ−トコフェロール等が挙げられる。 これら酸化防止剤は1種類あるいは2種類以上を組合せて、好ましくはk値が
5以下になるように、ポリプロピレン100重量部に対して0.01〜5重量部
、好ましくは0.03〜1重量部添加される。 上記酸化防止剤の他、所望に応じて他の添加剤、例えば滑剤、帯電防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、充填剤、アンチブロッキング剤、顔料、着色剤等を 添加することができる。 [実施例] 本発明を更に具体的に説明するため、以下に実施例および比較例を示すが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 三塩化チタン−有機アルミニウム触媒系を使用して、ヘプタンを溶媒とした溶
媒重合法で製造したエチレン−プロピレンブロック共重合体パウダー(エチレン
含有量5.0重量%)100重量部に対して、ステアリン酸カルシウム0.05
重量部、イルガノックス(Irganox)1010(CIBA−GEIGY社
製ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]の商品名)0.1重量部、グッドライト(G
oodrite)3114(B.F.Goodrich社製トリス−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトの商品名)0.1
重量部、フォスファイト(Phosphite)168(CIBA−GEIGY
社製トリス(2,4−ジ−t−ブチル)フォスファイトの商品名)0.1重量部
を配合し、ベント付40mm径の押出機にて温度230℃でペレット化した。こ
のペレットのMFR0は、3.0g/10分であった。 次いで、このペレットをベント付40mm径の押出機を使用して、回転数50
rpm、温度280℃で繰返し2回の造粒を行なったところ、2回目の造粒後の
ペレットのMFR2は5.7g/10分であり、k値は1.9であった。 次いで、上記繰返し造粒前のペレットを大型乾燥機で130℃で4時間減圧乾
燥後、50mm系Tダイ押出機にて樹脂温度230℃で溶融押出しを行ない、2
5℃の冷却ロールにて冷却固化することによって、厚さ30μmの未延伸フィル
ムを得た。 得られたフィルムの揮発成分をガスクロマトグラフ(GC−9APF、島津製
作所製)とヘッドスペースサンプラ(HSS−2A、島津製作所製)からなる全
自動ヘッドスペース分析システムを利用して次のように測定した。 すなわち、 (1)フィルム0.5gを数mm角に小片に切断し、窒素雰囲気下容量20m
lのバイアルガラスビンに充填し、ヘッドスペースサンプラにセットした。 (2)ガラスビンを150℃で60分間保温後、ガスタイトシリンジで気相部
を1.0ml採取し、ガスクロマトグラフに注入して揮発成分を分析した。 (3)ガスクロマトグラフの分析条件は、以下のようにした。 カラム…Thermon 1000 25%、3mm径×3m、 カラム温度…60℃ → 5℃/分 → 230℃、 注入温度…240℃ 検出温度…240℃ キャリアーガス…N2、60ml/分 注入量…1ml。 (4)定量はヘプタン換算で行なった。 こうして得られたガスクロマトグラフを第1図に示すが、ヘプタンは約3分後
に、2,4−ジメチル−ヘプテン−1は約6分後に検出され、フィルム中のヘプ
タン含有量は1.4ppm、2,4−ジメチル−ヘプテン−1含有量は0.84
ppmであった。また、全揮発成分量は20ppmであった。 また、上記フィルム20gを数mm角の小片に切断後、容量250mlのガラ
ス製フタ付広口ビンに入れ、70℃に設定したオーブン中で30分間の状態調整
を行なった後、すばやく取出し、気相部の臭気強度を評価した。 臭気強度の評価は5名の判定員による1〜5の5段階評価により行ない、臭気
値は平均値で求めた。このフィルムの臭気は2.0であった。 但し、臭気の判定基準は以下の通りとした。 1;臭気強度非常に弱い(殆ど無臭) 2;臭気強度に弱い(かすかに臭う) 3;臭気強度中程度(明らかに臭う) 4;臭気強度強い(臭気強い) 5;臭気強度非常に強い(耐え難い)。 実施例2 実施例1と同様の三塩化チタン−有機アルミニウム触媒系を使用し、ヘプタン
を溶媒とした溶媒重合法で製造したポリプロピレンホモポリマーパウダー100
重量部に対して、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、Irganox 1
010 0.20重量部、ウルトラノックス(Ultranox)626(BO
RG WARNER社製ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリス
リトールジフォスファイトの商品名)0.20重量部を配合し、ベント付40m
m径押出機にてペレット化した。このペレットのMFR0は、0.5g/10分
であった。 次いで、実施例1と同様にして温度280℃で上記ペレットの繰返し2回の造
粒を行なった。繰返し2回造粒後のペレットのk値は2.9であった。 次いで、上記繰返し造粒前のペレットを大型乾燥機で130℃で6時間減圧乾
燥後、60mm径Tダイ押出機にて樹脂温度280℃で溶融押出しを行ない、エ
アーナイフ方式で、第1ロール温度60℃、、第2ロール温度20℃で冷却固化
することによって、厚さ0.8mmのシートを得た。 このシートの揮発成分を実施例1と同様の方法で分析して得られたガスクロマ
トグラムを第2図に示した。シートのヘプタン含有量は0.78ppm、2, 4−ジメチル−ヘプテン−1含有量は1.8ppmであり、全揮発成分量は21
.5ppmであった。また、臭気は2.2であった。 実施例3 実施例1と同様の三塩化チタン−有機アルミニウム触媒系を使用し、ヘプタン
を溶媒とした溶媒重合法で製造したエチレン−プロピレンランダム共重合体パウ
ダー(エチレン含有量4.0重量%)を120℃で8時間減圧乾燥後、パウダー
100重量部に対して、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、BHT0.2
0重量部、Irganox 1010 0.10重量部を配合し、ベント付40
mm径の押出機にてペレット化した。このペレットのMFR0は、5.3g/1
0分であった。 次いで、実施例1と同様にして温度280℃で上記ペレットの繰返し2回の造
粒を行なった。繰返し2回の造粒後のペレットのk値は1.7であった。 次いで実施例1と同様の方法で50mm径Tダイ押出機を使用して、厚さ30
μmの未延伸フィルムを得た。 このフィルムの揮発成分を実施例1と同様の方法で分析して得られたガスクロ
マトグラムを第3図に示した。フィルムのヘプタン含有量は0.66ppm、2
,4−ジメチル−ヘプテン−1含有量は0.40ppmであり、全揮発成分量は
12ppmであった。また、臭気値は1.4であった。 比較例1 ペレットを乾燥しなかったこと以外は実施例1と同様にして、厚さ30μmの
未延伸フィルムを得た。このフィルムのガスクロマトグラムを第4図に示した。 フィルムのヘプタン含有量は18ppm、2,4−ジメチル−ヘプテン−1含
有量は1.2ppmであり、全揮発成分量は37ppmであった。また、臭気値
は4.6であった。 比較例2 ポリプロピレンホモポリマーパウダー100重量部に対して、ステアリン酸カ
ルシウム0.05重量部、Irganox 1010 0.03重量部、Pho
sphite 168 0.03重量部を配合したこと以外は実施例1と同様に
して、厚さ30μmの未延伸フィルムを得た。このフイルムの揮発成分を実施例
1と同様の方法で分析して得られたガスクロマトグラムを第5図に示した。 ペレットのMFR0は、3.5g/10分であり、280℃で2回繰返し造粒
後のk値は6.0であった。また、フィルムのヘプタン含有量0.71ppm、
2,4−ジメチル−ヘプテン−1含有量は6.4ppm、全揮発成分量は31.
2ppmであり、臭気値は4.4であった。 比較例3 エチレン−プロピレンランダム共重合体パウダーを120℃で1時間減圧乾燥
したこと以外は実施例3と同様にして、厚さ30μmの未延伸フィルムを得た。
このフィルムのガスクロマトグラムを第6図に示した。 ペレットのMFR0は、5.2g/10分であり、280℃で2回繰返し造粒
後のk値は1.8であった。また、フィルムのヘプタン含有量は5.4ppm、
2,4−ジメチル−ヘプテン−1含有量は0.62ppm、全揮発成分量は28
ppmであり、臭気値は4.2であった。 [発明の効果] 以上に説明したように、本発明によって、臭気の著しく改善された、特に食品
包装用として好適なポリプロピレン成形品を提供することができるようになった
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明実施例1に係るガスクロマトグラム、 第2図は、本発明実施例2に係るガスクロマトグラム、 第3図は、本発明実施例3に係るガスクロマトグラム、 第4図は、本発明比較例1に係るガスクロマトグラム、 第5図は、本発明比較例2に係るガスクロマトグラム、 第6図は、本発明比較例3に係るガスクロマトグラムである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 ポリプロピレン100重量部に対して0.01〜5重量部の酸化防止剤が添加
    された配合物を造粒して得られるペレットを50℃以上の温度で、2時間以上乾
    燥させたもので、下記に定義されるk値が5.0以下であるポリプロピレンペレ
    ットを成形してなる食品包装用成形品であって、該成形品中に含有されるヘキサ
    ンおよび/またはヘプタン含量が5ppm以下であり、かつ2,4−ジメチル−
    ヘプテン−1含量が5ppm以下であることを特徴とする食品包装用ポリプロピ
    レン成形品。 k値: 上記造粒後のペレットのメルトフローレイトをMFR0とし、このペレットを
    280℃で2回繰返し造粒後のメルトフローレイトをMFR2としたとき、次式 k=MFR2/MFR0 で表わされる値

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