JP2004339387A - 熱水に耐性を有する樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間熱水に浸漬した後において、熱安定性、耐黄変性に優れたポリオレフィン系樹脂成形品を提供すること。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂100重量部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール0.01〜20重量部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.01〜20重量部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト0.01〜20重量部を含有する熱水に耐性を有する樹脂組成物。及びこれを用いた成形品。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂100重量部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール0.01〜20重量部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.01〜20重量部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト0.01〜20重量部を含有する熱水に耐性を有する樹脂組成物。及びこれを用いた成形品。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱水に直接接触する樹脂成形品用の樹脂組成物、及びそれを用いた成形品に関する。さらに詳しくは、熱水に対する熱安定性、耐黄変性に優れた樹脂組成物、及びそれを用いた成形品に関するものである。
【0001】
【従来の技術】
ポリオレフィン系樹脂が直接熱水に接する用途の一例として、熱水用金属管の内面被覆等が挙げられる。これは、ポリオレフィン系樹脂が優れた耐腐食性、耐薬品性を有しているためであり、給湯、冷暖房、化学プラント等の各種配管に広く使用されている。
【0002】
しかし、熱水等の高温流体に長時間接触した場合、熱酸化によるポリオレフィン系樹脂の劣化、変色(黄変)が問題となり、従来のポリオレフィン系樹脂組成物では、必ずしも満足できるものではなかった。
そこで、特定の樹脂に、特定のヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加することにより樹脂の熱安定性を改良する方法が考案されている(例えば、特許文献1参照。)が、変色防止に関しては十分では無く、両特性を満足する新規技術の開発が期待されていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−134287号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、熱水に対する、熱安定性、耐黄変性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の発明は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール0.01〜20重量部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.01〜20重量部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト0.01〜20重量部を含有する熱水に耐性を有する樹脂組成物である。
【0006】
第2の発明は、ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレンである第1の発明に記載の熱水に耐性を有する樹脂組成物である。
【0007】
第3の発明は、第1または第2の発明に記載の熱水に耐性を有する樹脂組成物を用いてなる成形品である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂(ホモ、ブロック、ランダム共重合)、ポリエチレン樹脂(高密度、中密度、低密度、直鎖状低密度、メタロセン系触媒より重合されたもの)、ポリブテン樹脂、αオレフィンとポリエチレンの共重合体、等が挙げられ、これらの樹脂の1種、または2種以上の併用も可能である。
【0009】
また、本発明で酸化防止剤として用いられる物質は、フェノール系酸化防止剤である(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、同じくフェノール系酸化防止剤である(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、リン系酸化防止剤である(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイトの3点である。
ポリオレフィン系樹脂に対して上記3点を配合することにより、熱水に対しての熱安定性、耐黄変性に優れた樹脂組成物を得ることができる。これら3点の内、1つでも欠けた場合は上記効果は得られない。
【0010】
本発明の熱水に耐性を有する樹脂組成物は、そのまま成形に供されるペレット状のもの(以下、コンパウンドという)であっても良いし、あるいは、酸化防止剤を高濃度に含有する、いわゆるマスターバッチと称されるものであっても良い(以下、マスターバッチという)。
【0011】
マスターバッチとコンパウンドを比較すると、これらを得るための加工工程等には大差なく、マスターバッチの方が酸化防止剤を高濃度に含有する分、コンパウンドよりややコスト高である。しかし、この場合、例えばマスターバッチ1重量部に対して安価な希釈樹脂5〜200重量部で希釈して成形品を得るとすると、コンパウンドで成形する場合よりコストの点で好ましい。
【0012】
本発明の熱水に耐性を有する樹脂組成物がコンパウンドである場合は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール0.01〜2重量部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.01〜2重量部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト0.01〜2重量部含有することが好ましい。
また、これらの酸化防止剤の各々が0.01重量部未満であると、熱安定性、耐黄変性等の効果が不十分である。さらに2重量部を越えると、成形品表面に係る化合物がブリードしやすくなるので好ましくない。
【0013】
本発明の熱水に耐性を有する樹脂組成物がマスターバッチである場合は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール0.05〜20重量部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.05〜20重量部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト0.05〜20重量部含有することが好ましい。酸化防止剤各々が0.05重量部未満であると効果が十分ではなく、20重量部を越えるとマスターバッチの製造が困難になる傾向がある。
【0014】
また、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、上記の(A)(B)(C)の酸化防止剤3点を各々0.05〜10重量部含有することが好ましい。特に好ましくは0.05〜5重量部である。
【0015】
本発明の熱水に耐性を有する樹脂組成物がコンパウンドの場合はそのままの組成で、またマスターバッチの場合は希釈樹脂と溶融混練後、射出成形、押出成形等により本発明の成形品が得られる。希釈樹脂としては、マスターバッチで用いたポリオレフィン系樹脂と相溶性がある樹脂が好ましく、同じ樹脂でも良い。
本発明の成形品としては、パイプ、熱水を通することを目的とした水道パイプ、もしくはそれらの継手、さらには、金属性パイプの内面被覆材料が例示できる。この他にシート、プレート、ボトル等、あらゆる形状のものが挙げられる。
【0016】
本発明の熱水に耐性を有する樹脂組成物及び成形品には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて他の成分を添加する事ができる。例えば、フェノール系、リン系、イオウ系、ラクトン系等、他種の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、滑剤(金属石鹸すなわち高級脂肪酸の金属塩:ステアリン酸カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム等、ラウリル酸カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム等、また、フッ素系化合物、ポリエチレン等のワックス種等)、帯電防止剤、金属不活性化剤、その他のポリマー用の添加剤等が挙げられる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明について、実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。以下、重量部は単に部という。表1に組成物の組成、表2に評価試験結果を示した。
<評価方法の説明>
・熱水浸漬試験
900mlのマヨネーズ瓶に試験片を入れ、日本薬局方精製水(小堺製薬(株)製)で満たした。ポリエチレン製のパッキンをしテフロン(登録商標)シートをかぶせて金蓋をした。これを90℃のオーブンで3000時間静置後、取り出した試験片を熱安定性試験、Yellow Index(以下、YI)測定用サンプルとした。
【0018】
・熱安定性試験(酸化誘導時間の測定)
(試験条件)
試験機:DSC−6200(セイコーインスツルメンツ社製)
試験温度:210℃(昇温範囲:40℃→210℃)
昇温速度:10℃/min
雰囲気:窒素→酸素(22min後に切り替え)
窒素流量:50cm3/min
酸素流量:50cm3/min
試料量:15mg
【0019】
・黄色度(YI)測定 (JIS K 7103−1977に準ずる)
色差計:アウカラー7(クラボウ社製)
光源:D−65(10)、反射法
ブランク(熱水浸漬試験前)との差を黄変度(ΔYI)とした。
【0020】
[実施例1]
ポリエチレン92部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:2部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:4部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:2部を配合し、この混合物を溶融混練造粒しマスターバッチを得た。
その後、マスターバッチ5部、希釈樹脂として上記と同じポリエチレン100部を溶融混練後、加圧し、2mm厚のシートを得た。
得られたシートを試験片として熱水浸漬試験を実施後、熱安定性試験及びYI測定して評価を行った。
【0021】
[実施例2]
ポリエチレン96部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:1部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:2部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:1部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチを得た。得られたマスターバッチを用いて実施例1と同様にシートを作製し、評価を行った。
【0022】
[実施例3]
ポリエチレン88部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:2部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:4部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:2部、(ア)コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジンとの重縮合物:4部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0023】
[実施例4]
ポリエチレン90部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:2部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:4部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:2部、(ア)コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジンとの重縮合物:2部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0024】
[実施例5]
ポリエチレン99.6部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:0.1部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:0.2部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:0.1部を配合し、この混合物を溶融混練造粒しコンパウンドを得た。
その後、得られたコンパウンドを溶融混練後、加圧し、2mm厚のシートを得た。得られたシートを試験片として実施例1と同様に熱水浸漬試験を実施後、熱安定性試験及びYI測定して評価を行った。
【0025】
[比較例1]
ポリエチレンのみを溶融混練後、加圧し、実施例1と同様に2mm厚のシートを得、同様に評価を行なった。
【0026】
[比較例2]
ポリエチレン96部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:4部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0027】
[比較例3]
ポリエチレン98部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:2部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0028】
[比較例4]
ポリエチレン96部に、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:4部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0029】
[比較例5]
ポリエチレン92部に、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:4部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:2部、(イ)ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]:2部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0030】
[比較例6]
ポリエチレン88部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:2部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:4部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト:2部、(ア)コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジンとの重縮合物:4部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0031】
[比較例7]
ポリエチレン84部に、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:8部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:4部、(イ)ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]:4部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0032】
[参考例1]
ポリエチレン99.7部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:0.1部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:0.1部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:0.1部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
[表の説明]
表1中の実施例1〜5において、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイトを配合することにより、長期間の熱水浸漬後における熱劣化を抑制すると共に、黄変を最小限(ΔYI < 50)に抑えていることが表2でわかる。
【0036】
【発明の効果】
本発明により、長期間の熱水浸漬による熱安定性に優れるとともに、黄変
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール0.01〜20重量部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.01〜20重量部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト0.01〜20重量部を含有するので、長期間の熱水浸漬後においても熱安定性に優れるとともに黄変が少ない。
【0037】
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂がポリエチレンであるので、長期間の少ない樹脂組成物、及びそれを用いた成形品を提供することが可能となる。の熱水浸漬後においても熱安定性に優れるとともに黄変が少ない。
【0038】
本発明の成形品は上記樹脂組成物を成形して得られるので、長期間の熱水浸漬されても熱安定性に優れるとともに黄変が少ないため、長期間にわたり品質が安定した成形品を提供できる効果を奏する。
本発明は、熱水に直接接触する樹脂成形品用の樹脂組成物、及びそれを用いた成形品に関する。さらに詳しくは、熱水に対する熱安定性、耐黄変性に優れた樹脂組成物、及びそれを用いた成形品に関するものである。
【0001】
【従来の技術】
ポリオレフィン系樹脂が直接熱水に接する用途の一例として、熱水用金属管の内面被覆等が挙げられる。これは、ポリオレフィン系樹脂が優れた耐腐食性、耐薬品性を有しているためであり、給湯、冷暖房、化学プラント等の各種配管に広く使用されている。
【0002】
しかし、熱水等の高温流体に長時間接触した場合、熱酸化によるポリオレフィン系樹脂の劣化、変色(黄変)が問題となり、従来のポリオレフィン系樹脂組成物では、必ずしも満足できるものではなかった。
そこで、特定の樹脂に、特定のヒンダードフェノール系酸化防止剤を添加することにより樹脂の熱安定性を改良する方法が考案されている(例えば、特許文献1参照。)が、変色防止に関しては十分では無く、両特性を満足する新規技術の開発が期待されていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−134287号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、熱水に対する、熱安定性、耐黄変性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の発明は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール0.01〜20重量部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.01〜20重量部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト0.01〜20重量部を含有する熱水に耐性を有する樹脂組成物である。
【0006】
第2の発明は、ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレンである第1の発明に記載の熱水に耐性を有する樹脂組成物である。
【0007】
第3の発明は、第1または第2の発明に記載の熱水に耐性を有する樹脂組成物を用いてなる成形品である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂(ホモ、ブロック、ランダム共重合)、ポリエチレン樹脂(高密度、中密度、低密度、直鎖状低密度、メタロセン系触媒より重合されたもの)、ポリブテン樹脂、αオレフィンとポリエチレンの共重合体、等が挙げられ、これらの樹脂の1種、または2種以上の併用も可能である。
【0009】
また、本発明で酸化防止剤として用いられる物質は、フェノール系酸化防止剤である(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、同じくフェノール系酸化防止剤である(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、リン系酸化防止剤である(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイトの3点である。
ポリオレフィン系樹脂に対して上記3点を配合することにより、熱水に対しての熱安定性、耐黄変性に優れた樹脂組成物を得ることができる。これら3点の内、1つでも欠けた場合は上記効果は得られない。
【0010】
本発明の熱水に耐性を有する樹脂組成物は、そのまま成形に供されるペレット状のもの(以下、コンパウンドという)であっても良いし、あるいは、酸化防止剤を高濃度に含有する、いわゆるマスターバッチと称されるものであっても良い(以下、マスターバッチという)。
【0011】
マスターバッチとコンパウンドを比較すると、これらを得るための加工工程等には大差なく、マスターバッチの方が酸化防止剤を高濃度に含有する分、コンパウンドよりややコスト高である。しかし、この場合、例えばマスターバッチ1重量部に対して安価な希釈樹脂5〜200重量部で希釈して成形品を得るとすると、コンパウンドで成形する場合よりコストの点で好ましい。
【0012】
本発明の熱水に耐性を有する樹脂組成物がコンパウンドである場合は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール0.01〜2重量部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.01〜2重量部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト0.01〜2重量部含有することが好ましい。
また、これらの酸化防止剤の各々が0.01重量部未満であると、熱安定性、耐黄変性等の効果が不十分である。さらに2重量部を越えると、成形品表面に係る化合物がブリードしやすくなるので好ましくない。
【0013】
本発明の熱水に耐性を有する樹脂組成物がマスターバッチである場合は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール0.05〜20重量部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.05〜20重量部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト0.05〜20重量部含有することが好ましい。酸化防止剤各々が0.05重量部未満であると効果が十分ではなく、20重量部を越えるとマスターバッチの製造が困難になる傾向がある。
【0014】
また、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、上記の(A)(B)(C)の酸化防止剤3点を各々0.05〜10重量部含有することが好ましい。特に好ましくは0.05〜5重量部である。
【0015】
本発明の熱水に耐性を有する樹脂組成物がコンパウンドの場合はそのままの組成で、またマスターバッチの場合は希釈樹脂と溶融混練後、射出成形、押出成形等により本発明の成形品が得られる。希釈樹脂としては、マスターバッチで用いたポリオレフィン系樹脂と相溶性がある樹脂が好ましく、同じ樹脂でも良い。
本発明の成形品としては、パイプ、熱水を通することを目的とした水道パイプ、もしくはそれらの継手、さらには、金属性パイプの内面被覆材料が例示できる。この他にシート、プレート、ボトル等、あらゆる形状のものが挙げられる。
【0016】
本発明の熱水に耐性を有する樹脂組成物及び成形品には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて他の成分を添加する事ができる。例えば、フェノール系、リン系、イオウ系、ラクトン系等、他種の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、滑剤(金属石鹸すなわち高級脂肪酸の金属塩:ステアリン酸カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム等、ラウリル酸カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム等、また、フッ素系化合物、ポリエチレン等のワックス種等)、帯電防止剤、金属不活性化剤、その他のポリマー用の添加剤等が挙げられる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明について、実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。以下、重量部は単に部という。表1に組成物の組成、表2に評価試験結果を示した。
<評価方法の説明>
・熱水浸漬試験
900mlのマヨネーズ瓶に試験片を入れ、日本薬局方精製水(小堺製薬(株)製)で満たした。ポリエチレン製のパッキンをしテフロン(登録商標)シートをかぶせて金蓋をした。これを90℃のオーブンで3000時間静置後、取り出した試験片を熱安定性試験、Yellow Index(以下、YI)測定用サンプルとした。
【0018】
・熱安定性試験(酸化誘導時間の測定)
(試験条件)
試験機:DSC−6200(セイコーインスツルメンツ社製)
試験温度:210℃(昇温範囲:40℃→210℃)
昇温速度:10℃/min
雰囲気:窒素→酸素(22min後に切り替え)
窒素流量:50cm3/min
酸素流量:50cm3/min
試料量:15mg
【0019】
・黄色度(YI)測定 (JIS K 7103−1977に準ずる)
色差計:アウカラー7(クラボウ社製)
光源:D−65(10)、反射法
ブランク(熱水浸漬試験前)との差を黄変度(ΔYI)とした。
【0020】
[実施例1]
ポリエチレン92部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:2部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:4部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:2部を配合し、この混合物を溶融混練造粒しマスターバッチを得た。
その後、マスターバッチ5部、希釈樹脂として上記と同じポリエチレン100部を溶融混練後、加圧し、2mm厚のシートを得た。
得られたシートを試験片として熱水浸漬試験を実施後、熱安定性試験及びYI測定して評価を行った。
【0021】
[実施例2]
ポリエチレン96部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:1部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:2部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:1部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチを得た。得られたマスターバッチを用いて実施例1と同様にシートを作製し、評価を行った。
【0022】
[実施例3]
ポリエチレン88部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:2部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:4部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:2部、(ア)コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジンとの重縮合物:4部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0023】
[実施例4]
ポリエチレン90部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:2部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:4部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:2部、(ア)コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジンとの重縮合物:2部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0024】
[実施例5]
ポリエチレン99.6部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:0.1部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:0.2部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:0.1部を配合し、この混合物を溶融混練造粒しコンパウンドを得た。
その後、得られたコンパウンドを溶融混練後、加圧し、2mm厚のシートを得た。得られたシートを試験片として実施例1と同様に熱水浸漬試験を実施後、熱安定性試験及びYI測定して評価を行った。
【0025】
[比較例1]
ポリエチレンのみを溶融混練後、加圧し、実施例1と同様に2mm厚のシートを得、同様に評価を行なった。
【0026】
[比較例2]
ポリエチレン96部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:4部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0027】
[比較例3]
ポリエチレン98部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:2部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0028】
[比較例4]
ポリエチレン96部に、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:4部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0029】
[比較例5]
ポリエチレン92部に、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:4部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:2部、(イ)ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]:2部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0030】
[比較例6]
ポリエチレン88部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:2部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:4部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト:2部、(ア)コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジンとの重縮合物:4部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0031】
[比較例7]
ポリエチレン84部に、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:8部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:4部、(イ)ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]:4部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0032】
[参考例1]
ポリエチレン99.7部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール:0.1部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:0.1部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト:0.1部を配合し、実施例1と同様にしてマスターバッチ、シートを得、評価を行なった。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
[表の説明]
表1中の実施例1〜5において、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイトを配合することにより、長期間の熱水浸漬後における熱劣化を抑制すると共に、黄変を最小限(ΔYI < 50)に抑えていることが表2でわかる。
【0036】
【発明の効果】
本発明により、長期間の熱水浸漬による熱安定性に優れるとともに、黄変
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール0.01〜20重量部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.01〜20重量部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト0.01〜20重量部を含有するので、長期間の熱水浸漬後においても熱安定性に優れるとともに黄変が少ない。
【0037】
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂がポリエチレンであるので、長期間の少ない樹脂組成物、及びそれを用いた成形品を提供することが可能となる。の熱水浸漬後においても熱安定性に優れるとともに黄変が少ない。
【0038】
本発明の成形品は上記樹脂組成物を成形して得られるので、長期間の熱水浸漬されても熱安定性に優れるとともに黄変が少ないため、長期間にわたり品質が安定した成形品を提供できる効果を奏する。
Claims (3)
- ポリオレフィン系樹脂100重量部に、(A)3,3’,3”,5,5’5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール0.01〜20重量部、(B)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.01〜20重量部、(C)サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイト0.01〜20重量部を含有する熱水に耐性を有する樹脂組成物。
- ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレンである請求項1に記載の熱水に耐性を有する樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の熱水に耐性を有する樹脂組成物を用いてなる成形品。
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