JP2565474B2 - 光ファイバ端面のエッチング装置 - Google Patents

光ファイバ端面のエッチング装置

Info

Publication number
JP2565474B2
JP2565474B2 JP6087508A JP8750894A JP2565474B2 JP 2565474 B2 JP2565474 B2 JP 2565474B2 JP 6087508 A JP6087508 A JP 6087508A JP 8750894 A JP8750894 A JP 8750894A JP 2565474 B2 JP2565474 B2 JP 2565474B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
etching
holder
fiber
container
optical fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6087508A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07270631A (ja
Inventor
三章 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority to JP6087508A priority Critical patent/JP2565474B2/ja
Publication of JPH07270631A publication Critical patent/JPH07270631A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2565474B2 publication Critical patent/JP2565474B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバ端面に凸部
又は凹部を形成するエッチング装置に関し、更に詳しく
述べると、多数本配列した光ファイバの先端部を、エッ
チング容器の蓋体に形成した小孔から挿入して、エッチ
ング液中に所定の深さだけ確実に浸漬し、エッチング液
の蒸気によるファイバ側面部分の不要なエッチングを極
力抑えて、光ファイバ端面の凸又は凹成形が端面の極く
近傍のみで行われるようにした光ファイバ端面のエッチ
ング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ端面に凸形状又は凹形状を形
成する代表的な技術として、フッ酸によるエッチング法
がある。これは、光ファイバの端部を、単に容器内に満
たされているフッ酸溶液中に浸漬するという極く簡単な
方法である。しかし従来の方法では、エッチングされた
光ファイバを観察すると、フッ酸に浸漬されている部分
の外周は無論のこと、浸漬されていない部分もかなりの
範囲にわたって同時にエッチングされ、細くなってしま
う。
【0003】この問題を解決できるものとして、光ファ
イバの端面のみでエッチング液と接触させる技術が提案
された(特開平5−273436号公報)。これは、エ
ッチング液面に光ファイバ端面を接触させた後、光ファ
イバ端面をエッチング液面より僅かに上方位置に移動さ
せ、表面張力によって接触状態を維持して、光ファイバ
端面のみエッチングする方法である。そのため、光ファ
イバ端面とエッチング液の液面との接触状態を、接触面
からの反射戻り光を計測して検知、制御する方法を採用
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】確かに上記の方法で
は、光ファイバは端面のみでエッチング液に接触する。
しかし、エッチングは瞬時に行われるわけではなく、数
十℃に加温した状態で一定時間維持する必要があり、そ
のため端面のみでエッチング液に接触していたとして
も、発生するフッ酸蒸気によって光ファイバの側面がエ
ッチングされる問題が生じる。実験結果によれば、この
フッ酸蒸気による光ファイバ外周面のエッチングは非常
に強力であり、端面からかなりの範囲(長さ)にわたっ
て細径化する現象が生じた。つまり、光ファイバの端面
のみでエッチング液に接触していても、加温されている
エッチング液から大量の蒸気が発生し、それが光ファイ
バに沿って上昇して気相反応が生じるためである。この
ように、蒸気の影響によって、従来の装置では光ファイ
バの先端部分がかなりの範囲にわたってポーラスとな
り、且つ細径化して機械的に脆くなり、後の組み立て工
程での作業が非常に困難になる。
【0005】その上、上記の従来技術では、光ファイバ
1本ずつ、その端面位置を計測して制御するために、多
数本の光ファイバを一括処理することができず、量産性
に欠ける問題もある。
【0006】光ファイバ外周面のエッチングを低減する
には、エッチング液の蒸発を抑える必要があり、そのた
めにはエッチング液の温度を下げることが考えられる
が、液温を下げすぎれば、光ファイバ端面のエッチング
速度も遅くなり、作業性が著しく悪化する。光ファイバ
の外周面をエッチング液に不活性な材料でコーティング
することも考えられるが、細い光ファイバ1本1本にコ
ーティング処理を施すことは容易でなく、また工程が増
えるという問題が生じる。
【0007】本発明の目的は、エッチング液の蒸発によ
る光ファイバ外周面の広範囲にわたるエッチングを抑制
して不要な浸食とそれによる機械的脆弱化を防止でき、
端面では良好な凸形状もしくは凹形状を十分なエッチン
グ速度で再現性よく形成できるようにし、しかも多数本
の光ファイバを一括して処理でき量産性に適する光ファ
イバ端面のエッチング装置をを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、エッチング
液及びエッチング条件と光ファイバ端部形状の関係につ
いて種々の基礎実験を行った。その結果、 通常の方法では、作業中に加温されているエッチング
液が蒸発し、その蒸気による強力なエッチング作用を受
けて、光ファイバは端面からかなりの長さ範囲にわたっ
て細径化し、且つポーラスになって機械的に非常に脆く
なること、 エッチングによる細径化を先端面から1mm以内に抑え
ることができれば、機械的強度上、後の組み立て工程に
悪影響を及ぼさないこと、 そのためには、光ファイバの端面のみで接触している
のではなく、端部を確実にエッチング液に浸漬し、別に
エッチング液の蒸発を低減する対策を施した方が好まし
いこと、 などが判明した。本発明は、かかる知得に基づきなされ
たものである。
【0009】本発明の光ファイバ端面のエッチング装置
は、基本的には図1に示すような構成となっている。即
ち、先端部をストリップした多数本の光ファイバ10を
一定ピッチで且つ先端位置を揃えた状態で配列保持する
ファイバ保持具12と、該ファイバ保持具12をファイ
バ先端が下向きとなる状態で着脱自在の保持具ホルダ1
4と、エッチング液16を収容する浅底平型のエッチン
グ容器18と、そのエッチング容器18を温水循環によ
り加温制御する流動性間接加温装置22を具備してい
る。エッチング容器18は、容器本体18aと、ファイ
バ配列ピッチに一致するピッチで多数の小孔20を形成
した蓋体18bとからなる。更に、前記保持具ホルダ1
4を保持具着脱位置(符号Aで示す位置)からエッチン
グ容器18の上方(符号Bで示す位置)まで精密横方向
移動させる横方向搬送機構24と、該保持具ホルダ14
を各ファイバ先端がエッチング容器18の蓋体の小孔2
0を通ってエッチング液中の所定の深さに浸漬する位置
(符号Cで示す位置)まで精密縦方向移動させる縦方向
搬送機構26とを具備している。
【0010】ここで流動性間接加温装置22は、エッチ
ング容器18の下方に位置してエッチング液16を温水
で加温する加温槽28と、該加温槽28からの溢流を一
時的に溜めて温度調節を行う温度調節槽30と、該温度
調節槽30内の温水を前記加温槽に吐出させる循環ポン
プ32を備えている。更に前記加温槽28内に設置した
温度検出手段34と、該温度検出手段34の出力に応じ
て温度調節槽30内の水温を加温するヒータ36と、そ
の制御手段38を具備している。
【0011】
【作用】多数本の光ファイバ10を整列保持したファイ
バ保持具12は、符号Aで示す位置で、保持具ホルダ1
4に取り付けられる。そして横方向搬送機構24により
符号Bで示す位置まで移動する。次いで、縦方向搬送機
構26により符号Cで示す位置に移動し、それによって
光ファイバ10の先端部がエッチング容器18の蓋体1
8bに形成した小孔20を通って挿入され、先端面近傍
のみが所定の深さだけエッチング液16中に浸漬し、液
相で反応する。エッチング液、液温及び浸漬時間を制御
することによって光ファイバ端面に所定形状の凸部又は
凹部が形成される。
【0012】エッチング容器18内のエッチング液16
は、流動性間接加温装置22で所定の一定温度に加温維
持される。この温度制御は、温度検出器34で温度を検
出して制御手段38でヒータ36への通電を制御するこ
とで行われる。エッチング容器18及びその内部のエッ
チング液16は、加温槽28内の温水で間接加温され
る。加温槽28から溢流した温水は、温度調節槽30で
温度調節がなされ、循環ポンプ32で再び加温槽28に
戻される。このように一定温度の温水が循環すること
で、エッチング液16は、一定温度に維持されることに
なる。浅底平型のエッチング容器18は、エッチング液
面と蓋体下面との間隔が狭く、蒸気は飽和状態にある。
このため蒸発が抑えられて、気相反応が抑制され、且つ
液面が一定に保たれる。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る光ファイバ端面のエッチ
ング装置の一実施例について、図面により更に詳しく説
明する。まずファイバ保持具12は、図2に示すよう
に、2枚の保持片40a,40bを組み合わせ、ネジ4
1で結合する構造であり、一方の保持片40aの対向面
には光ファイバ10を配列する多数のV溝42が一定ピ
ッチで形成されている。先端部をストリップした光ファ
イバ10を各V溝42に配列し、先端位置を揃えた状態
でネジ41を締結することによって、両保持片40a,
40bで多数の光ファイバ10を整列挾持する。保持片
40a,40bの両側下端には段部が形成され、その段
差面sが取付け基準面となる。つまり、該段差面sと光
ファイバ先端との距離L0 が一定になるように、多数の
光ファイバ10を配列固定するのである。
【0014】光ファイバ先端位置の調整用治具を図3に
示す。この調整用治具は、基板43上に固定されている
ガイドレール44と、該ガイドレール44に沿って左右
に移動自在で且つ前記ファイバ保持具12を載置するた
めのスライド部材45と、基板43上に固定されている
L型部材46と、該L型部材46に取り付けられている
マイクロメータ47からなる。スライド部材45は、そ
の前方(L型部材46に対向する端)の両側がL型に立
ち上がっていて、その立ち上がり部45aが丁度ファイ
バ保持具12の段差面sに当接するような位置関係で、
ファイバ保持具12を支持する。マイクロメータ47を
回して、その先端部を所定の長さ突出させ、前記段差面
sとL型部材46の端面との間隔が丁度長さL0 になる
ようにスライド部材45の位置を調節固定する。そして
各光ファイバ10の先端がL型部材46の端面に当接す
るように突出長さを調整して、その状態でネジ41を締
め付ける。これによって、多数本の光ファイバ10の各
先端面を所定位置で揃えた状態でファイバ保持具12で
保持したものが得られる。
【0015】図4〜図7はエッチング装置の詳細を示し
ている。多数本の光ファイバを保持するファイバ保持具
12は、ファイバ先端が下向きとなる状態で、且つファ
イバ保持具12の段差面sを基準として、保持具ホルダ
14に装着される。保持具ホルダ14は、保持具着脱位
置からエッチング容器18の上方まで精密横方向移動さ
せる横方向搬送機構と、各光ファイバ先端がエッチング
液16に浸漬するように精密縦方向移動させる縦方向搬
送機構とで、所定の位置から所定の位置まで搬送され
る。
【0016】ここで横方向搬送機構は、横方向に架設し
たボールネジ50及びリニアガイド51と、該ボールネ
ジ50と螺合するボールネジナット52、及びリニアガ
イド51に嵌合するガイドブロック53を備え、パルス
モータ54の回転を、ベルト55を介して前記ボールネ
ジ50に伝達する構成である。これによって、ボールネ
ジナット52及びガイドブロック53を支持している移
動ベース56は、図4で左右方向に移動する。移動量
(移動位置)は、パルスモータ54で精密制御され、且
つ位置検出部57で精密位置検出がなされる。
【0017】縦方向搬送機構は、横方向搬送機構とほぼ
同様の構成であり、前記移動ベース56に縦方向に設け
たボールネジ58及びリニアガイド59と、該ボールネ
ジ58と螺合するボールネジナット60、及びリニアガ
イド59に嵌合するガイドブロック61を備え、パルス
モータ62の回転をベルトを介して前記ボールネジ58
に伝達する構成である。これによって、ボールネジナッ
ト60及びガイドブロック61に取付けられている保持
具ホルダ14は、図4で上下方向に移動する。移動量
(移動位置)は、パルスモータ62で精密制御され、且
つ位置検出部で精密位置検出がなされる。
【0018】エッチング容器18は、エッチング液16
を収容する浅底平型の小容量の容器本体18aと、ファ
イバ配列ピッチに一致するピッチで多数の小孔20を一
列に形成した蓋体18bとからなる。図8に詳細を示す
ように、容器本体18aの凹部内周面には段差18cを
形成し、その段差18cに蓋体18bの厚肉部分18d
が嵌まることで位置決めされ、ネジ18eで固定できる
ようになっている。このエッチング容器18は、収容す
るエッチング液に侵されないような材料、例えば4フッ
化エチレン樹脂などからなる。蓋体18bに形成する小
孔20は、ファイバ径0.9mmに対して、直径約1.5
mm程度に設定してある。これは、横方向搬送機構及び縦
方向搬送機構の位置決め精度で各光ファイバ芯線部が支
障なく挿通でき、且つ内部のエッチング液の蒸気が漏れ
出し難いという相反する要求を満たしうるような寸法で
ある。エッチング容器18内のエッチング液面と蓋体1
8bの下面との間隔は、4〜5mm程度とかなり狭く設定
し、その空間をなるべく小さくして蒸気が該空間内で漂
い飽和状態を維持するようにしてある。但し、前記間隔
が狭すぎると、蒸気が直接小孔20から外に散逸するた
め好ましくない。
【0019】エッチング容器18内のエッチング液16
は、流動性間接加温装置によって所定の温度に加温制御
される。この間接加温装置は、エッチング容器18の下
方に位置してエッチング液18を温水で間接的に加温す
る加温槽64と、その加温槽64からの溢流を一時的に
溜めて温度調節を行う温度調節槽66と、その温水を前
記加温槽64に吐出させる循環ポンプ68と、加温槽6
4内のエッチング容器18直下に設置した温度検出手段
である熱電対70と、該熱電対70の出力に応じて温度
調節槽66内の温水を加温するU型のヒータ72とを具
備している。加温槽64は、図8に示すように、その上
端面にエッチング容器18を載せてネジ74で固定する
構成であり、上端部の四辺に温水が溢流する凹部64a
を設けてある。加温槽64の上側部外周には、その溢流
を受ける受槽76を設け、受けた温水は出口76aを通
って温度調節槽66内に入る。温度調節槽66では、ヒ
ータ72で温水を加温制御する。その温水は、循環ポン
プ68で加温槽64へと戻される。加温槽64の内部下
方には吐出管78が設けられているが、その吐出管78
には両側斜め下向きに多数の小孔78aを形成した構造
である。循環ポンプ68から送られる温水は、吐出管7
8を通って流入し、各小孔78aから斜め下向きに吐出
される。これによって、加温槽64の底部の隅々まで所
定温度の温水が行き渡り、該加温槽64内の温水は所定
の温度に維持される。温度制御は、例えば50℃程度の
適当な値とする。温度を上げ過ぎると温度むらが大きく
なり、エッチングの制御が難しくなるし、温度を下げ過
ぎるとエッチング速度が小さくなり作業性が悪くなる。
【0020】このようにして、エッチング液16は常に
設定温度(数十℃)に維持され、発生する蒸気は液面と
蓋体18bとの間にとどまる。エッチング容器18は、
前記のように浅底平型であるので、エッチング液面と蓋
体下面との間隔は狭く、発生する蒸気は、飽和状態とな
ってその空間内にとどまるのみで、対流循環することは
なく、エッチング容器外へ散逸するのは極く僅かであ
る。このため液位変動も極めて少なく抑えられる。多数
本の光ファイバ10は、端部近傍のみ(常に一定の深
さ)で確実にエッチング液中に浸漬され、液相で反応す
る。そのため、エッチングによる凸部又は凹部の形状に
ばらつきがすくなく、安定した製品が得られる。エッチ
ング液面よりも上方での蒸気による浸食は抑制される。
【0021】本発明の装置では、多数本の光ファイバ1
0を、先端面を揃えてファイバ保持具12で保持し、保
持具取付位置で保持具ホルダ14に設置すればよい。な
お、作業中、長尺の光ファイバ10が邪魔にならないよ
うにファイバ束ねアーム80によって束ねておく。後は
自動的に、保持具取付位置からエッチング容器18の直
上位置まで、横方向搬送機構と縦方向搬送機構とで搬送
される。そして、各光ファイバの先端部分が所定の深
さ、所定の時間、所定温度のエッチング液16に浸漬
し、それによってエッチングがなされて凸部又は凹部が
形成される。エッチング処理後は、取り外して純水洗浄
を行う。
【0022】次に本装置を用いた実験結果について述べ
る。ここで使用した光ファイバは、コア部が酸化ゲルマ
ニウムをドープした材料からなる単一モードガラスファ
イバである。エッチング液として、フッ酸HF(4.5
重量%)とフッ化アンモニウムNH4 F(36.4重量
%)の混液を用い、温度50℃で1時間のエッチングを
行った。エッチング処理した後の光ファイバ先端部を走
査型電子顕微鏡で撮影し、その形状及び表面状態を観察
した。図9はそのときの電子顕微鏡写真を模写したもの
である。光ファイバの芯線部の直径D1 は125μmで
ある。エッチング液に浸漬した部分の長さ(エッチング
の範囲)L1 は先端から約250μmであり、その部分
は直径D2 (=約74μm)に細くなっている。エッチ
ングの影響範囲L2 は先端から約470μmまで及ん
だ。しかし、エッチング液の蒸気による影響範囲は約2
20μm(=L2 −L1 )と、従来技術に比べて著しく
短くできた。その部分はポーラスなザラ塊面であった
が、エッチングの影響範囲が短いために、後の組み立て
工程で問題となるほどの機械的な脆弱化は回避できた。
ファイバ先端面には図9のBに示すように綺麗な円錐状
の凸部が形成され、その底面の直径Dは約10μm(コ
ア部直径にほぼ一致する大きさ)で、高さHは約3.9
μmであり、頂角は約105°であった。この実験で
は、10本の光ファイバを一括してエッチング処理した
が、それぞれについてバラツキは殆ど無く、1回の処理
当たり数十本の光ファイバ一括エッチング処理すること
も容易であろうと推察された。またエッチングによる形
状の再現性は良好であった。
【0023】なお上記の実施例は、光ファイバ先端面に
凸部を形成するものであったが、エッチング液の選択と
エッチング条件の組み合わせによっては、凹部を成形す
ることもできる。例えば、フッ酸とフッ化アンモニウム
との比率を変えると(フッ酸の量を多くする)、凹部を
形成することができる。本発明の装置は、それらの両方
の場合に使用できる。上記は、本発明の一実施例であ
り、本発明はその構成のみに限定されるものではない。
各部材の具体的形状、縦方向及び横方向の搬送機構、流
動性間接加温装置などの構成は、設備の規模や使用条件
などに応じて適宜変更できる。
【0024】
【発明の効果】本発明は上記のように、多数本の光ファ
イバを配列保持して各光ファイバ先端部をエッチング液
中に浸漬し、且つエッチング容器は浅底平型構造で、多
数の小孔を有する蓋体で覆われ、該小孔を通して光ファ
イバ先端部が挿入される構造であるので、エッチング液
の蒸発による光ファイバ外周面の広範囲にわたる不要な
エッチングが抑えられ、ポーラスでザラついた部分が極
めて少なく、そのために機械的に脆弱化することが少な
く、その後の組み立てで障害となることはない。また本
発明装置では、エッチングが必要な光ファイバ端面につ
いては、十分なエッチング速度で処理できる。しかも多
数本の光ファイバを一括して処理できるため量産性にも
適している。エッチング液は、流動性間接加温方式で温
度制御されるため、所定の温度に安定に制御され、また
エッチング液は容器本体が蓋体で覆われているので、エ
ッチング液の蒸発が抑制され、液位変動も少ない。それ
らの理由で、エッチングによる形状の再現性も極めて良
好である。更に、エッチング液としてフッ酸などを使用
すると、作業者に対する危険性があるが、本発明装置で
は横方向及び縦方向の搬送装置を備えているために、一
旦ファイバ保持具を保持具ホルダに設置すれば、後は自
動的に作業が行われ、省力化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバ端面のエッチング装置
の概略構成図。
【図2】ファイバ保持具の一例を示す分解斜視図。
【図3】光ファイバ先端位置の調整用治具。
【図4】本発明に係るエッチング装置の一実施例を示す
正面図。
【図5】その平面図。
【図6】その左側面図。
【図7】その右側面図。
【図8】エッチング容器と加温槽の分解斜視図。
【図9】エッチングした光ファイバ端面形状を示す説明
図。
【符号の説明】
10 光ファイバ 12 ファイバ保持具 14 保持具ホルダ 16 エッチング液 18 エッチング容器 20 小孔 22 流動性間接加温装置 24 横方向搬送装置 26 縦方向搬送装置 28 加温槽 30 温度調節槽 32 循環ポンプ 34 温度検出手段 36 ヒータ 38 制御手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部をストリップした多数本の光ファ
    イバを一定ピッチで且つ先端位置を揃えた状態で配列保
    持するファイバ保持具と、 該ファイバ保持具をファイバ先端が下向きとなる状態で
    着脱自在の保持具ホルダと、 エッチング液を収容する浅底平型の容器本体及びファイ
    バ配列ピッチに一致するピッチで多数の小孔を形成した
    蓋体とからなるエッチング容器と、 該エッチング容器内のエッチング液を温水循環により加
    温制御する流動性間接加温装置と、 前記保持具ホルダを保持具着脱位置からエッチング容器
    の上方まで精密横方向移動させる横方向搬送機構と、 該保持具ホルダを各ファイバ先端がエッチング容器の蓋
    体の小孔を通ってエッチング液中に浸漬するように精密
    縦方向移動させる縦方向搬送機構と、を具備している光
    ファイバ端面のエッチング装置。
  2. 【請求項2】 流動性間接加温装置は、 エッチング容器の下方に位置して、その内部のエッチン
    グ液を温水で間接的に加温する加温槽と、 該加温槽からの溢流を一時的に溜めて温度調節を行う温
    度調節槽と、 該温度調節槽内の温水を前記加温槽に吐出させる循環ポ
    ンプと、 前記加温槽内に設置した温度検出手段と、 該温度検出手段の出力に応じて温度調節槽内の温水を加
    温するヒータと、を具備している請求項1記載のエッチ
    ング装置。
JP6087508A 1994-04-01 1994-04-01 光ファイバ端面のエッチング装置 Expired - Fee Related JP2565474B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6087508A JP2565474B2 (ja) 1994-04-01 1994-04-01 光ファイバ端面のエッチング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6087508A JP2565474B2 (ja) 1994-04-01 1994-04-01 光ファイバ端面のエッチング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07270631A JPH07270631A (ja) 1995-10-20
JP2565474B2 true JP2565474B2 (ja) 1996-12-18

Family

ID=13916931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6087508A Expired - Fee Related JP2565474B2 (ja) 1994-04-01 1994-04-01 光ファイバ端面のエッチング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2565474B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020081072A1 (en) 2000-12-27 2002-06-27 Kenji Ootsu Method of processing end portions of optical fibers and optical fibers having their end portions processed
JP2004061533A (ja) * 2002-07-24 2004-02-26 Univ Kansai 光ファイバの加工方法および光ファイバ
CN109491015A (zh) * 2018-12-28 2019-03-19 苏州安捷讯光电科技股份有限公司 一种用于光纤缆皮剥离的治具
JP6861921B1 (ja) * 2019-11-05 2021-04-21 株式会社トクヤマ シリコン芯線のエッチング装置およびシリコン芯線のエッチング方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07270631A (ja) 1995-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100366602B1 (ko) 반도체처리용도포방법및도포장치
KR100567967B1 (ko) 가스온도측정을이용한반도체웨이퍼온도측정및제어장치와그방법
KR102450184B1 (ko) 기판 액처리 장치
KR19990081907A (ko) 코팅 다이에 의해 기판을 코팅하는 방법 및 장치와 코팅 재료를코팅 다이에 공급하는 장치
US20090184234A1 (en) Method for adjusting position of laser emitting device
JP2565474B2 (ja) 光ファイバ端面のエッチング装置
KR20160149995A (ko) 도금 장치의 조정 방법 및 측정 장치
JP4111408B2 (ja) 石英ガラス部材の曲げ加工機
US4147432A (en) Apparatus for thermal diffusion by high frequency induction heating of semiconductor substrates
US20010003966A1 (en) Film forming apparatus
KR101469000B1 (ko) 글라스 박형화 장치 및 그 방법
JPH11354489A (ja) 半導体製造装置及び半導体装置のエッチング方法
JP2004101989A (ja) 光ファイバアレイおよびそれを用いた光モジュール
JP2006347068A (ja) グレーズエッチング装置及びグレーズエッチング方法
KR101317680B1 (ko) 에칭 대상물의 두께측정시스템
JPS58123730A (ja) 半導体ウエハ−エツチング装置
JP2003098172A (ja) センサデバイスの製造方法、センサデバイスの製造装置、スポッティング装置、及びスポッティング装置の針管体
CN113267425A (zh) 一种半固体挤压磨料流软硬度的测试装置及其测试方法
JP3657693B2 (ja) 半導体ウエーハのエッチング方法
CN105340073A (zh) 处理衬底表面的方法及装置
JPS587709B2 (ja) エツチング装置
KR200198436Y1 (ko) 반도체웨이퍼의산화막증착장치용버블러
JP3032335B2 (ja) 半導体ウェーハのレジン成形金型
JPH08102445A (ja) ウエハ加熱装置及びこれに用いる半導体製造用熱処理ウエハボート
KR0179770B1 (ko) 반도체 제조장비의 소스 보트 장치

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees