JP2565200B2 - デイスクカ−トリツジの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、追記記録が可能な光ディスクの如きディス
クを収納してディスクカートリッジの製造方法に関す
る。

〔従来の技術〕 従来、追記記録が可能な光ディスクを収納したディス
クカートリッジとして、第５図及び第６図に示すように
構成されたものが知られている。

このディスクカートリッジは、第５図及び第６図に示
すように、成形後に剛性を有する合成樹脂をモールド成
形して形成してなる方形状をなす上ハーフ１とハーフ２
を互いに突合せ、複数のビス３により結合固定してなる
カートリージ４内に追記記録が可能な光ディスクを回転
可能に収納して構成されている。そして、上記カートリ
ッジ４を構成する上下ハーフ1,2の中央部には、ここに
収納される光ディスク５の中心部に設けたチャッキング
用ハブ６を外方に臨ませるとともに、上記光ディスク５
を回転操作するディスク回転駆動装置のディスクテーブ
ル及びこのディスクテーブルに上記光ディスク５を一体
的に挟持せしめるチャッキング機構が進入するチャッキ
ング機構挿入口7,8が形成されている。さらに、上記上
下ハーフ1,2には、上記チャッキング機構挿入口7,8に連
続してカートリッジ４の前縁部方向に亘り上記光ディス
ク５の信号記録部5aを径方向に亘って外方に臨ませ、上
記光ディスク５に対し所定の情報信号を書込み又は書込
まれた情報信号の読出しを行う情報信号書込み及び／又
は読出し手段としての光学ピックアップが臨むピックア
ップ用開口部9,10が形成されている。

また、カートリッジ４には、上記チャッキング機構挿
入孔7,8及びピックアップ用開口部9,10を介して上記カ
ートリッジ４内に塵芥等が侵入し、ここに収納された光
ディスク５に付着することを防止するため、上記上記チ
ャッキング機構挿入孔7,8及びピックアップ用開口部9,1
0を開閉するスライド式のシャッタ11が取付けられてい
る。このシャッタ11は、薄いステンレス板等の金属板を
コ字状に折曲して形成され、上記カートリッジ４の外側
面に嵌合するようにして配設され、上記カートリッジ４
の前縁部間に横方向にスライド可能に係合されたスライ
ドベース12に固定されたこのスライドベース12とともに
上記チャキング機構挿入口7,8及びピックアップ開口部
9,10を開閉する方向にスライド可能に取付けられてい
る。上記シャッタ11が固定されるスライドベース12は、
このスライドベース12の内方側一側面に形成した第１の
ラックギヤ13と下ハーフ２に設けられた第２のラックギ
ヤ14とこれらラックギヤ13,14間に転動自在に噛合され
たピニオンギヤからなる連動機構を介してトーションバ
ネ16により、常時上記シャッタ11が上記チャッキング機
構挿入口7,8及びピックアップ用開口部9,10を閉塞する
方向に偏倚されている。

さらに、カートリッジ４を構成する下ハーフ２には、
上記シャッタ11が閉塞位置にあるときこのシャッタ11を
当該閉塞位置にロックしておくロック部材17が上記シャ
ッタ11の閉塞側端部に対応して取付けられている。

さらにまた、、上記カートリッジ４を構成する上下ハ
ーフ1,2の内側面であって、これら上下ハーフ1,2の外側
壁に略内接する位置には、ディスク収納部20を構成する
円弧状リブ21が設けられている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、上述のように構成されたディスクカートリ
ッジの追記記録が可能な光ディスク５は、直径を略30cm
となされ、他のコンパクトディスク等の光ディスクに比
し極めて大型に形成されてなる。従って、上述光ディス
ク５を収納するカートリッジ４も、一辺を略30cmとなす
方形状に形成されてなる。また、上記カートリッジ４に
設けられるピックアップ用開口部9,10は、上記大型の光
ディスク５の信号記録部5aを少なくとも半径方向に亘っ
てカートリッジ４の外方に臨ませるに足る大型のものと
なす必要がある。さらに、大型の光ディスク５を安定し
て確実に支持して回転操作するためには、大型のディス
クテーブルを備えたティスク回転駆動装置が必要であ
る。そのため、上記ディスクテーブル及びこのディスク
テーブルと相俟って上記光ディスク５をチャッキングす
るチャッキング機構が進入するチャッキング機構挿入口
7,8も大型なものとなる。さらにまた、上記光ティスク
５の信号記録部5aは、記録情報量の増大を図るため、上
記ディスクテーブルの支持部となる内周側非信号記録部
5bに略境界を接して形成されている。そのため、光学ピ
ックアップはディスクテーブルの近傍にまで接近するこ
とになり、この光学ピックアップの動作を保証するた
め、上記カートリッジ４に設けられるピックアップ用開
口部9,10は、第５図及び第６図に示すように、境界部を
介することなくチャッキング機構挿入口7,8に連続して
１つの開口部を構成している。

このように、ピックアップ用開口部9,10及びチャッキ
ング機構挿入孔7,8を連続して設けたカートリッジ４を
構成する上下ハーフ1,2は、大型であって且つ左右方向
の中央部であって中心部を含んでら前端側に亘って大き
な１つの開口部を有するものとして形成されてなる。こ
のような形状の上下ハーフ1,2は、合成樹脂をモールド
成形して形成した場合に、上記開口部の近傍部分で反り
等の変形が生じやすい。そして、上下ハーフ1,2は開口
部週縁を含む中央部付近が、第７図に示すように外方に
反り、あるいは第８図に示すように内方に反ったものと
なりやすい。上下ハーフ1,2が内方に反ってしまうと、
カートリッジ４を構成したとき、上下ハーフ1,2の内面
と光ディスク５が当接してしまい、カートリッジ４内で
の光ディスク５の円滑な回転が行われなくなってしま
う。また、上下ハーフ1,2が外方に反ってしまうと、カ
ートリッジ４を構成したときの厚さが厚くなってしま
い、記録再生装置のディスク装着部への装着が不可能に
なってしまう。さらに、上下ハーフ1,2に反りが生じる
と、カートリッジ４とシャッタ11間に隙間が生じてしま
い、ピックアップ用開口部9,10及びチャッキング機構挿
入孔7,8を確実に閉塞することができなくなり、カート
リッジ４内への塵芥の侵入を防止することができなくな
り、光ディスク５の保護を達成し得なくなってしまう。

そこで、本発明は、大型であって、中央部に大きな開
口部が形成されるカートリッジを構成する上下ハーフを
反り等の変形を生じさせることなく成形し、上下ハーフ
の高精度な平行度を維持して製造を行い得るようにした
ディスクカートリッジの製造方法を提供することを目的
に提案されたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、上述したような従来のディスクカートリッ
ジが有する問題点を解決し、上記目的を達成するため、
ディスクが収納されるカートリッジを合成樹脂で成形し
た後、ディスクに情報信号の書込み及び／又は読出しを
行う情報信号書込み及び／又は読出し手段が臨む第１の
開口部と上記ディスクを回転駆動させるディスク回転駆
動手段が臨む第２の開口部とが連続する部分に、相対向
する両側に差し渡して設けられた連設片を打ち抜き第１
の開口部及び第２の開口部を形成するようにしてなる。

〔作用〕

本発明におけるディスクカートリッジの製造方法にあ
っては、第２の開口部に連続して設けられる第１の開口
部に連設片を設けた状態で形成されてなるので、これら
開口部周縁における反り等の変形が防止される。

〔実施例〕

以下、本発明を上述したような追記可能な光ディスク
５を収納したディスクカートリッジを製造する方法に適
用した例を挙げて説明する。

本発明方法にあっては、まず上記光ディスク５が収納
されるカートリッジ４を構成する上ハーフ31及び下ハー
フ32を、合成樹脂をモールド成形して形成する。これら
上下ハーフ31,32を構成する合成樹脂は、モールド成形
後硬化したとき、十分な機械的強度を有し剛性を有し得
るABS樹脂等の樹脂が用いられる。

ここで、成形される上下ハーフ31,32には、チャッキ
ング機構用挿入孔7,8及びピックアップ用開口部9,10が
形成されているが、これらピックアップ用開口部9,10の
上記チャッキング機構用挿入孔7,8に連続する部分に
は、第１図に示すように連設片33が設けられている。こ
の連設片33は、上記ピックアップ用開口部9,10の相対向
する両側に差し渡す如く設けられている。そして、上記
連設片33の上記ピックアップ用開口部9,10の両側への連
設部であって、上下ハーフ31,32の内側面側には、上記
連設片33を打ち抜く際のガイド部となる打ち抜き用ガイ
ド溝34が設けられている。

なお、打ち抜き用ガイド溝34は、上下ハーフ31,32の
外側面側に設けたものであっても良い。

次いで、本発明方法においては、上記上下ハーフ31,3
2に設けた連設片33を、所定の打ち抜き装置を用いて上
記打ち抜き用ガイド溝34に沿って打ち抜く。この連設片
33を打ち抜くことによって、上記上下ハーフ31,32に
は、カートリッジ４として組み立てたとき、ここに収納
される光ディスク５の信号記録面5aを半径方向の内外に
亘って外方に臨ませ得る大きさを有し、且つチャッキン
グ機構用挿入孔7,8に連続して１つの開口部となすピッ
クアップ用開口部9,10が形成される。すなわち、ここ
で、前述した従来のディスクカートリッジを構成する上
下ハーフ1,2と全く同一の形態を有するものが形成され
ることになる。

そして、上記連設片33が打ち抜かれた上下ハーフ31,3
2は、前述した従来のディスクカートリッジと同様に、
光ディスク５を収納して突合せ結合されることによって
カートリッジ４を構成する。そして、このカートリッジ
４にシャッタ11を取付けることによって、ディスクカー
トリッジが構成される。

上述のように、本発明方法にあっては、チャッキング
機構用挿入孔7,8に連続して１つの大きな開口部となす
ピックアップ用開口部9,10の一部に連設片33を設けた状
態で上下ハーフ31,32を成形するものであるので、上記
大きな開口部の開口縁周部で生ずる反り用の変形が上記
連設部33によって防止され得る。そして、上下ハーフ3
1,32の平行度を十分に保持し得るものである。

ところで、上記連設部33は、上下ハーフ31,32を合成
樹脂で成形した場合に、上記チャッキング機構挿入孔7,
8及びピックアップ用開口部9,10の周縁で発生する反り
等の変形を抑えるに足る幅をもって形成される。本実施
例にあっては、上記連設部33は、上記ピックアップ用開
口部9,10の全長の略1/7程度の幅をもって形成されてな
る。上記反り等の発生を防止するためには、チャッキン
グ機構用挿入孔7,8及びピックアップ用開口部9,10の全
部を、連設部に打ち抜き用ガイド溝34を設けた連設片33
で覆い、成形後にこの連設片３を打ち抜いて上下ハーフ
31,32を形成することが望ましいが、打ち抜き捨てられ
る部分が多くなり、材料の無駄となるので、上記ピック
アップ用開口部9,10の全長の略1/7程度の幅をもって連
設部33を形成することが望ましくなる。

従って、連設部33は、成形後における上下ハーフ31,3
2の反り等の変形の発生の防止と材料の無駄を防止する
ことを考慮することによって種々の形態が用いられ、例
えば第４図に示すように、チャッキング機構用挿入孔7,
8からピックアップ用開口部9,10に亘る部分に設けたも
のや、ピックアップ用開口部9,10の全部を覆うように設
けたもの、あるいはチャッキング機構用挿入孔7,8の全
部を覆うように設けたもの等であっても良い。

また、棒状をなす複数の連設部33を平行に上記チャッ
キング機構用挿入孔7,8及び／又はピックアップ用開口
部9,10の幅方向に差し渡し設けるようにしたものであっ
ても良い。

さらに、連設部33の打ち抜き位置を指示する打ち抜き
ガイドは、上述のように溝として形成したもの限られ
ず、着色等による指示マークやその他ミシン目状の指示
マーク等によって形成したものであっても良い。

なお、上述の実施例では、追記記録が可能な大型の光
ディスク５を収納し、チャッキング機構用挿入孔7,8及
びピックアップ用開口部9,10が連続して大きな１つの開
口部をなすディスクカートリッジに適用した例を挙げて
説明したが、この種のディスクカートリッジに限らず、
カートリッジを構成する上下ハーフにピックアップ用開
口部等の上記上下ハーフの大きさに比し大きな開口部を
有するディスクカートリッジに適用することにより、上
記上下ハーフの成形時に生じ易い反り等の変形を抑え、
平行度を維持した高精度のカートリッジを形成できる。

〔発明の効果〕

上述したように、本発明は、カートリッジを構成する
上下ハーフの成型時に、これら上下ハーフに設けられる
第１、第２の開口部が連設片により連続されてなるの
で、上記第１、第２の開口部周縁における反り等の変形
が防止され、上記上下ハーフの高精度な平行度が維持さ
れたディスクカートリッジの提供が可能となり、シャッ
タによる第１、第２の開口部の閉塞が確実となり、収納
される光ディスク等のディスクを塵芥等から確実に保護
し得るものとなる。

特に、本発明方法は、大型のディスクを収納し、大き
な開口部を有するディスクカートリッジに適用した場合
においても、上下ハーフの成形時における反り等の変形
を確実に防止できるので、従来上記大型のもので特に問
題となっていたカートリッジの歪みから生ずるディスク
の回転不能状態や、装置への装着不能状態が確実に防止
されることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法において成形された上下ハーフを示
す平面図であり、第２図は上記上下ハーフに設けられる
連設部を示す横断面図であり、第３図は上記連設部を打
ち抜いた状態の上下ハーフを示す平面図であり、第４図
は上記連設部の他の例を示す上下ハーフの平面図であ
る。 第５図は本発明方法が適用される従来のディスクカート
リッジを示す分解斜視図であり、第６図はその全体斜視
図であり、第７図は上記ディスクカートリッジを構成す
る上下ハーフが外方側に反った状態を示す断面図であ
り、第８図は上記上下ハーフが内方側に反った状態を示
す断面図である。 ４……カートリッジ ５……光ディスク 7,8……チャッキング機構挿入孔 9,10……ピックアップ用開口部 31……上ハーフ 32……下ハーフ 33……連設部 34……打ち抜き用ガイド溝

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクが収納されるカートリッジを合成
   樹脂で成形した後、上記ディスクに情報信号の書込み及
   び／又は読出しを行う情報信号書込み及び／又は読出し
   手段が臨む第１の開口部と上記ディスクを回転駆動させ
   るディスク回転駆動手段が臨む第２の開口部とが連続す
   る部分に、相対向する両側に差し渡して設けられた連設
   片を打ち抜き上記第１の開口部及び第２の開口部を形成
   するようにしてなるディスクカートリッジの製造方法。