JP2565137B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP2565137B2 JP6146338A JP14633894A JP2565137B2 JP 2565137 B2 JP2565137 B2 JP 2565137B2 JP 6146338 A JP6146338 A JP 6146338A JP 14633894 A JP14633894 A JP 14633894A JP 2565137 B2 JP2565137 B2 JP 2565137B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体の記憶装置に関
し、半導体記憶素子の構造及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体記憶装置として種々のタイプもの
が開発され製造されているが、その中で現在フラッシュ
EEPROMが注目され、その高集積化あるいは大容量
化が重要になってきている。このフラッシュEEPRO
Mの不揮発性記憶素子としてフローティングゲート型ト
ランジスタが使用されている。このトランジスタは2層
のゲート電極の構造をしており、第1層ゲート電極であ
るフローティングゲート電極に記憶情報電荷を蓄積する
ものである。この構造では、第1層ゲート電極が半導体
基板主面のシリコン酸化膜上にフローテイング状に形成
され、この第1層ゲート電極の上部にシリコン酸化膜と
シリコン窒化膜の複合した層間絶縁膜が設けられ、更に
この層間絶縁膜の上部に第2層ゲート電極であるコント
ロールゲート電極が形成される。
【0003】このフラッシュEEPROMの不揮発性記
憶素子について、その動作も含めて図9に基づいて説明
する。図9は舛岡富士雄、フラッシュメモリハンドブッ
ク、第16頁、サイエンスフォラム社(平成5年)に記
載されているフローティングゲート型トランジスタの略
断面図である。
【0004】図9に示すように、シリコン半導体基板1
01の主面にゲート絶縁膜102を設ける。このゲート
絶縁膜102は通常シリコン酸化膜で形成される。そし
て、このゲート絶縁膜102を介してポリシリコンから
なるフローティングゲート電極103が設けられる。こ
のフローティングゲート電極103上にポリシリコン熱
酸化膜と薄いシリコン窒化膜の複合膜で形成された積層
絶縁膜104が形成される。そして、フローティングゲ
ート電極103上に、この積層絶縁膜104を介してポ
リシリコンからなるコントロールゲート電極105が設
けられる。このようにした後、このトランジスタのソー
ス領域106とドレイン領域107とが設けられる。
【0005】この構造において、情報の書込み時は、ソ
ース領域106に0Vを、ドレイン領域107に正電圧
を、コントロールゲート電極105に正電圧をそれぞれ
印加する。このようにして情報電荷の書込みは、トラン
ジスタのチャネル領域に発生するホットエレクトロンを
半導体基板主面に形成した10nm程度の膜厚のゲート
絶縁膜102を通してフローティングゲート電極103
に注入することで行われる。
【0006】情報の消去時は、シリコン半導体基板10
1あるいはソース領域106に正電圧を、コントロール
ゲート電極105に0Vをそれぞれ印加する。このよう
にして情報の消去は、前記フローティングゲート電極1
03にある情報電荷すなわち電子をトランジスタのソー
ス領域106あるいはシリコン半導体基板101に放出
することで行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このフラッシュEEP
ROMの不揮発性記憶素子であるフローティングゲート
型トランジスタの基本動作の中、先述した情報の書込み
動作では、ゲート絶縁膜にかかる電界強度は3×106
V/cm以上必要となる。このゲート絶縁膜の膜厚は8
〜10nmであるので、ゲート絶縁膜に印加される電圧
は2.4V以上になる。このために、この情報書込みで
コントロールゲート電極に印加する正電圧の値は2.4
Vを超えるようになる。
【0008】情報の消去動作では、ゲート絶縁膜にかか
る電界強度は9×106 V/cm程度になる。ゲート絶
縁膜の膜厚を先述の値として、この時ゲート絶縁膜に印
加される電圧は7.2V以上になる。そこで、情報消去
でソース領域あるいは半導体基板に印加される正電圧の
値は7.2Vを超える。現在用いられている製品レベル
のフラッシュEEPROMの動作電圧は、書込み電圧で
5V、消去電圧で12V程度となっている。
【0009】全般に半導体記憶装置の記憶素子の微細化
に伴い、高集積化あるいは大容量化が益々進んでいる。
このために、低電圧化及び低消費電力化が必須となって
いる。しかし、先述のフローティングゲート型トランジ
スタでは、動作電圧を2V以下に低電圧化することは難
しい。特に情報の消去電圧を低減することは不可能に近
い。このように、ゲート絶縁膜を半導体基板とフローテ
ィングゲート電極の間に形成する構造においては、今
後、低電圧化が最も大きな課題となってくる。
【0010】更に、フラッシュEEPROMのような半
導体記憶装置の用途を拡大するためには、その他の性能
を向上させることも必要となる。その中で特に、先述し
た情報の書込み消去すなわち情報の書き換え回数の増加
が重要となる。現状のフラッシュEEPROMではこの
書き換え回数は105 回程度である。このフローティン
グゲート型トランジスタでは、情報の書き換え動作によ
りゲート絶縁膜の絶縁性が低下すると共に、ゲート絶縁
膜と半導体基板との界面が劣化する。このために、この
書き換え回数は106 回程度が限界となっている。
【0011】更に、現状のフローティングゲート型トラ
ンジスタの動作速度をみると、書込み速度は1μse
c、消去速度は0.5msec程度である。これらの動
作速度を向上させることも今後の半導体記憶装置には必
要とされる。
【0012】本発明の目的は以上の課題を解決し、低電
圧化あるいは低消費電力化、情報電荷の書き換え回数の
増加する半導体記憶素子を提供するものである。
【0013】本発明の他の目的は、半導体記憶素子の基
本構造の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】このために本発明では、
半導体基板に形成したショットキーゲート電界効果トラ
ンジスタのゲート電極を第1のゲート電極にして、前記
第1のゲート電極上に絶縁体薄膜が形成され、前記絶縁
体薄膜を介して前記第1のゲート電極の上部に第2のゲ
ート電極が形成される。このような構造で、前記第1の
ゲート電極が記憶情報電荷の蓄積部となり、第2のゲー
ト電極が記憶情報電荷の書込み消去を制御する電極とな
る。ここで、第1のゲート電極の情報電荷は、半導体基
板と前記第1のゲート電極との間のショットキー障壁を
介して書込みあるいは消去されることになる。
【0015】この基本構造において、情報電荷の記憶保
持時間を長くするために、前記半導体基板と第1のゲー
ト電極の間に半導体薄膜を形成する。ここでこの半導体
薄膜のエネルギーバンド構造の禁制帯幅は、前記半導体
基板のそれよりも大きな値になるように設定される。
【0016】ここで半導体基板としてはGaAs半導
体、Si半導体、あるいはSiGe半導体の基板が用い
られ、前記絶縁体薄膜はタンタル酸化膜、チタン酸スト
ロンチウム膜、チタン酸バリウムストロンチウム膜ある
いはチタン酸ジルコン酸鉛膜等の金属酸化膜で形成され
ることが好ましい。
【0017】更には、前記第1のゲート電極、絶縁体薄
膜及び第2のゲート電極はドライエッチングで同一の形
状に加工される。
【0018】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。図1は本発明の第1の実施例の半導体記憶素子を説
明するための略断面図である。図1に示すように、半絶
縁性のGaAs半導体基板1の表面に、膜厚が10〜1
00nm、有効不純物の濃度が2×1017〜3×1018
原子/cm3 であるn型能動層2を形成する。
【0019】このn型能動層2は、半絶縁性のGaAs
半導体基板1の表面にSiのイオンをイオン注入するこ
とで形成する。ここで、このイオン注入の条件は前記n
型能動層2の膜厚および有効不純物の濃度によって調整
される。Siイオンの加速エネルギーは10〜100n
mの膜厚に合せて10〜50keVに設定され、Siイ
オンのドーズ量は前記不純物の量に合せて、1×1012
〜1×1013イオン/cm2 に設定される。このイオン
注入をした後、ランプアニーラあるいは熱処理炉での熱
処理を施しSi不純物の活性化を行う。
【0020】このn型能動層2の表面に接するようにし
て、第1ゲート電極3を形成する。この第1ゲート電極
3はタングステンシリサイド等の高融点金属シリサイド
のスパッタで形成される。ここで、これらのシリサイド
の膜厚は10〜50nmである。このように形成した第
1ゲート電極3は、n型能動層2との間にショットキー
障壁を形成する。このショトキー障壁はGaAs半導体
基板表面の清浄度に強く影響され、清浄度の高い程高品
質のショットキー障壁が形成される。そこで、GaAs
半導体基板1表面のクリーニングと第1ゲート電極3の
スパッタ成膜とは、マルチチャンバーを備えた同一の装
置で連続して行われる。
【0021】次に、この第1ゲート電極3の表面にゲー
ト電極間絶縁膜4を形成する。ここでこのゲート電極間
絶縁膜4はタンタル酸化膜、チタン酸ストロンチウム
(以下、STOと呼称する)膜、チタン酸バリウムスト
ロンチウム(以下、BSTと呼称する)膜、チタン酸ジ
ルコン酸鉛(以下、PZTと呼称する)膜等の比誘電率
の高い高誘電体膜で形成される。これらの高誘電体膜は
CVD法(化学気相成長法)あるいは反応性スパッタ法
により堆積される。
【0022】次に、このゲート電極間絶縁膜4上に第2
ゲート電極5を形成する。ここでこの第2ゲート電極5
は、白金若しくはパラジウム等の金属膜、又は酸化ルテ
ニウムあるいは酸化イリジウムと高融点金属若しくは白
金との積層金属膜で形成される。
【0023】以上の第1ゲート電極3、ゲート電極間絶
縁膜4、第2ゲート電極5は、図1に示されるように、
同一マスクによるドライエッチングにより同一のパター
ン形状に形成される。
【0024】このようにした後、図1に示すようにソー
ス導電層6及びドレイン導電層7を形成する。これらの
導電層は、前記n型能動層2の形成と同様にSiのイオ
ン注入により形成され、導電型がn型の層である。この
場合のイオン注入条件では、加速エネルギーを50ke
V、ドーズ量を5×1013イオン/cm2 にする。この
ようにしてその深さが100〜200nm、有効不純物
濃度が5×1017〜5×1018原子/cm3 のソース導
電層6及びドレイン導電層7が形成される。
【0025】次に、ソース導電層6にソース電極8を、
ドレイン導電層7にドレイン電極9を形成する。ここで
これらソース電極8及びドレイン電極9は、金ゲルマニ
ウム合金とニッケルの積層した金属膜で構成される。こ
のようにして、本発明の第1の実施例の基本構造はでき
あがる。
【0026】このように、本発明の構造の特徴は、ショ
ットキーゲート電界効果トランジスタのゲート電極上
に、絶縁体薄膜を介して第2のゲート電極を形成すると
ころにある。このような構造において、先述したショッ
トキー障壁を通してGaAs半導体基板1と第1ゲート
電極3との間で蓄積情報に対応した電子のやりとりがさ
れる。このために、後述するようにこの記憶素子の動作
速度は大幅に向上し、情報の書換え回数は109 回程度
に増大する。
【0027】次に、第2の実施例について図2に基づい
て説明する。図2は本発明の第2の実施例の半導体記憶
素子を説明するための略断面図である。ここで、図2に
示した本実施例のGaAs半導体基板1、第1ゲート電
極3、ゲート電極間絶縁膜4、第2ゲート電極5、ソー
ス導電層6、ドレイン導電層7、ソース電極8、ドレイ
ン電極9は図1で説明した第1の実施例と全く同一であ
る。
【0028】この実施例の第1の実施例との違いは前記
のn型能動層領域近傍の構造及びその形成にある。そこ
でこの点について詳述する。
【0029】図2に示すように、GaAs半導体基板1
の表面にn型能動層2を形成する。この能動層の形成は
第1の実施例と同様にSiイオンのイオン注入と熱処理
で形成する。ここでこのn型能動層2の膜厚は10〜5
0nmに、更にこの領域の不純物濃度は5×1017〜3
×1018原子/cm3 にそれぞれ設定される。このよう
にした後、図2に示すように半導体バリヤ層10を形成
する。この半導体バリヤ層10はAlx Ga1-x Asの
化合物半導体で形成される。この化合物半導体では、X
値が大きい程そのエネルギーバンド構造の禁制帯幅は拡
大する。そして、第1ゲート電極3とn型能動層2との
間の前記ショットキー障壁を高くする。そこで、この半
導体バリヤ層10の膜厚とX値を適当に選択する必要が
ある。本実施例ではX値を0.3にし膜厚を10〜20
nmにしている。このようにすることで、ショットキー
障壁はGaAs半導体基板の場合よりも0.3eV程度
高くなる。
【0030】このようにショットキー障壁を高くするこ
とにより、半導体記憶素子の情報の記憶保持時間は約1
2 〜104 倍に増加される。
【0031】次に、実施例2の構造の半導体記憶素子の
製造方法について、図3に基づいて説明する。図3はこ
の製造方法を工程順に示した略断面図である。
【0032】図3(a)に示すように、不純物を含有し
ないノンドープGaAs半導体基体1a表面に、膜厚が
500nmのノンドープGaAs層1bを形成する。こ
の形成は公知のMBE(分子ビームエピタキシヤル成
長)法で行う。このようにして、結晶性の良好なノンド
ープGaAs層1bとノンドープGaAs半導体基体1
aとで構成される半絶縁性のGaAs半導体基板1を用
意する。次に、Si不純物量を2×1017原子/ cm
3 程度に含有するn型GaAs層2aを、その膜厚が1
00nmになるようにMBE法で形成する。このように
した後、不純物を含有しないAl0.3 Ga0.7 As層1
0aを上記MBE法で連続して堆積させる。ここでこの
Al0.3 Ga0.7 As層10aの膜厚は20nm程度に
する。
【0033】次に、図3(b)に示すようにタングステ
ンシリサイド薄膜3aをスパッタ法で堆積させる。ここ
でこのタングステンシリサイド(WSiX )のX値は
0.3〜0.5になるように設定される。このようにし
た後、このタングステンシリサイド薄膜3aに積層して
高誘電率薄膜4aを形成する。この高誘電率薄膜4aの
材料としてタンタル酸化物、STO、BSTあるいはP
ZT等の誘電率の高いものを選択する。これらの高誘電
率の薄膜は、反応性スパッタ法あるいはCVD(化学気
相成長)法で形成される。例えば、STO膜を反応性ス
パッタ法で堆積する場合には、マルチチャンバーのスパ
ッタ装置を用い、この装置の1つのチャンバーで前記の
タングステンシリサイド薄膜3aを堆積した後、別のチ
ャンバーでこのSTO膜を形成する。ここで、ターゲッ
トにチタン酸ストロンチウムの基板を用い、スパッタガ
スにアルゴンガスを用い更に酸素ガスを添加する。この
ようにして成膜速度を2nm/minにし、膜厚が約5
0nmのSTO膜を形成する。STO膜の比誘電率は2
05である。引き続いて、この高誘電率薄膜4a上に積
層金属薄膜5aを形成する。この積層金属薄膜5aは上
記マルチチャンバーのスパッタ装置の別のチャンバーで
成膜される。ここで積層金属薄膜は膜厚が10nmの酸
化ルテニウムと膜厚が100nmの白金とで形成され
る。
【0034】次に図3(c)に示すように、ドライエッ
チングによるパターニングを行う。このドライエッチン
グで積層金属薄膜5a、高誘電率薄膜4a、タングステ
ンシリサイド薄膜3aをそれぞれ順番に加工する。この
ようにして、第2ゲート電極5、ゲート電極間絶縁膜4
及び第1ゲート電極3を形成する。次に、膜厚が500
nmのシリコン酸化膜の堆積と異方性ドライエッチング
行い、前記の第1ゲート電極3、ゲート電極間絶縁膜4
及び第2ゲート電極5を被覆するコート絶縁膜11の形
成する。
【0035】次にSi不純物のイオン注入を行う。この
注入条件は、イオンの加速エネルギーが100keVで
ドーズ量が5×1013イオン/cm2 である。このイオ
ン注入の後、850℃でランプアニールして注入層の活
性化を行う。このようにして、ソース導電層6及びドレ
イン導電層7が形成される。更に、このソース導電層6
及びドレイン導電層7の表面にあるAl0.3 Ga0.7 A
s層10aを薬液中で選択的エッチングして除去する。
次に、このソース導電層6及びドレイン導電層7表面部
に膜厚がそれぞれ100nm、30nmの金ゲルマニウ
ム合金及びニッケル金属を堆積させる。この後、水素ガ
ス雰囲気で400℃の温度でのアニールを施し、ソース
電極8とドレイン電極9が形成される。このようにし
て、第2の実施例に示した半導体記憶素子の基本構造は
完成する。
【0036】次に、第3の実施例について図4に基づい
て説明する。図4は本発明の第3の実施例の半導体記憶
素子の略断面図である。導電型がn型であるn型GaA
s半導体基板1dの表面にpウエル層2bを形成する。
ここで、n型GaAs半導体基板1d中の不純物濃度は
5×1016〜1×1017原子/cm3 である。又、pウ
エル層2bの不純物濃度は1×1017〜2×1017原子
/cm3 であり、この層の深さは500nm程度であ
る。このpウエル層2bの不純物の導入は、ベリリウム
のイオン注入で行う。この注入条件は、加速エネルギー
が170keV、ドーズ量が3×1013イオン/cm2
程度になるように設定される。その後、熱処理を施し注
入原子の活性化をしてpウエル層2bは形成される。
【0037】このように形成したpウエル層2bに第2
の実施例で示したn型能動層2、半導体バリヤ層10、
第1ゲート電極3、ゲート電極間絶縁膜4、第2ゲート
電極5、ソース導電層6、ドレイン導電層7、ソース電
極8、ドレイン電極9をそれぞれ形成する。 このよう
にして、本発明の第3の実施例の半導体記憶素子の基本
構造はできあがる。このような構造にすることで、本発
明の半導体記憶素子の記憶情報の部分一括消去が容易に
行えるようになる。
【0038】以上の実施例では、ショットキーゲート電
界効果トランジスタがn型チャネルの場合について説明
してきが、このトランジスタがp型チャネルの場合にも
同様に本発明が形成できることに言及しておく。但しこ
の場合には、先の実施例で述べた導電型がn型をp型に
入れ換えて半導体記憶素子を形成する。
【0039】次に、本発明の半導体記憶素子の基本動作
について、図5、図6及び図7に基づいて説明する。こ
こで、図5は半導体記憶素子の使用方法を説明するため
のメモリセルアレイとその配線図である。図6は本発明
の半導体記憶素子の情報書込み及び消去時の第2ゲート
電極、ゲート電極間絶縁膜、第1ゲート電極及びソース
導電層間のエネルギーバンド構造を示す。又、図7は情
報読出し時の第2ゲート電極、ゲート電極間絶縁膜、第
1ゲート電極及びn型能動層間のエネルギーバンド構造
を示す。
【0040】図5に示すセルアレイには、第1の実施
例、第2の実施例又は第3の実施例で示した本発明の半
導体記憶素子51が繰り返しにして配列される。このセ
ルアレイ部の配線において、ワード線52には、ゲート
ノード53で図1に示す第2ゲート電極5が接続する。
更に、書込み/消去線53、読出し線54には、それぞ
れソースノード53a、ドレインノード54aで図1に
示すソース電極8及びドレイン電極9が接続する。
【0041】このようなセルアレイの配線において、情
報電荷の書込み消去について説明する。図5において、
半導体記憶素子51を選択してこの半導体記憶素子に情
報電荷を書込む場合には、ワード線52に1V程度の正
電圧を印加し、他のワード線52bには0Vを印加す
る。又、書込み/消去線53及び読出し線54には0V
を印加し、他の書込み/消去線53b及び読出し線54
bには1Vが印加される。以上のような配線の電圧設定
により、セルアレイの中で所定の半導体記憶素子を選択
し、その選択した半導体記憶素子に情報電荷を書込むこ
とができる。
【0042】次に、前記の半導体記憶素子51に蓄積さ
れた情報電荷を消去する場合について説明する。図5に
おいて、ワード線52に−2Vを印加し、他のワード線
52bには0Vを印加する。又、書込み/消去線53及
び読出し線54には1.5V程度の正電圧を印加し、他
の書込み/消去線53b及び読出し線54bには0Vを
印加する。このようにして、先述したと同様に半導体記
憶素子を選択し、その選択した半導体記憶素子に蓄積し
た情報電荷を消去することができる。
【0043】本発明の半導体記憶素子の動作では、上述
の情報電荷の書込み状態が記憶情報の論理1に相当し、
情報電荷の消去状態が記憶情報の論理0に相当する。
【0044】この半導体記憶素子の書込み及び消去の動
作を図6に示したエネルギーバンド構造に基づいて説明
する。図6(a)は情報電荷すなわち電子を書込む場合
である。前記ワード線に1V程度の正電圧を印加し、書
込み/消去線を0Vにすることで、第2ゲート電極フェ
ルミレベル61のエネリギーレベルは下り、ソース導電
層伝導帯62のエネルギーレベルは上る。このために、
伝導帯電子63はショットキー障壁64を超えて第1ゲ
ート電極フェルミレベル65に注入される。このように
して、情報電荷は第1ゲート電極に書込まれる。
【0045】図6(b)はこの書込まれた電子を消去す
る場合である。前記ワード線を−2Vにし、書込み/消
去線に1.5V程度の正電圧を印加することで、第2ゲ
ート電極フェルミレベル61エネルギーレベルは上り、
ソース導電層伝導帯62のそれは下る。このために、蓄
積電子66は図6(b)に示すように、ソース導電層伝
導帯62に放出される。このようにして、第1ゲート電
極に蓄積した情報電荷の消去が行われる。
【0046】以上のような情報電荷の書込み消去のため
の電圧設定で、前記のショットキー障壁に実効的に印加
される電圧V1 は(1)式で表される。
【0047】
【0048】ここで、VG は図6(a)に示した第2ゲ
ート電極フェルミレベル61とソース導電層伝導帯62
間の電位差であり、C1 及びC2 はそれぞれ、ショット
キー障壁64とゲート電極間絶縁膜バンド67の示す容
量値である。
【0049】この容量値はその材料の比誘電率と膜厚に
依存している。ここでこのショットキー障壁を形成する
GaAs半導体基板の比誘電率は13.2程度である。
そこで、ゲート電極間絶縁膜として先述の膜厚50nm
のSTO膜を使用すると、その比誘電率が200程度と
高いため、前記V1 値をVG 値の90%以上にすること
ができる。このように、ゲート電極間絶縁膜に高誘電率
の金属酸化膜を用いることで、ショットキー障壁に効率
的に電圧を印加できるようになる。このことは逆にいえ
ば、VG の低下すなわち動作電圧の低減が可能になるこ
とを示す。
【0050】次に、記憶情報の読出しについて説明す
る。この場合、図5において全てのワード線52,52
b等には−1V程度の負電圧を印加する。そして、書込
み/消去線53,53bを0Vにした後に浮遊状態にす
る。更に、読出し線54,54bを1.5Vにした後に
これも浮遊状態にする。このようにした後、ワード線5
2のみに1Vを印加しこの線を選択するようにする。こ
のような電圧設定をし、読出し線54,54bの電圧の
変化をセンス・アンプで読取る。このようにしてメモリ
セルの記憶情報は読み出される。
【0051】この半導体記憶素子の読出しの動作を図7
に基づいて説明する。以下、ショットキーゲート電界効
果トランジスタのしきい値電圧が−0.5Vの場合であ
る。図7(a)は情報電荷が書込まれている場合を示
す。この場合には蓄積電子66が第1ゲート電極フェル
ミレベル65に充満するために、n型能動層は全域で完
全に空乏化する。このためn型能動層伝導帯67に電子
はなく、ドレイン電極とソース電極間すなわち図5の読
出し線54と書込み/消去線53間には電流は流れな
い。そこでこの場合には、読出し線54はほぼ初期の充
電電位すなわち約1.5Vである。又、書込み/消去線
53は0Vのままであり、電子の再書込みが行われる。
【0052】図7(b)は電荷が消去されている場合を
示す。この場合には蓄積電子は第1ゲート電極フェルミ
レベル65に存在しない。このためにn型能動層は空乏
化せず、伝導帯電子63がn型能動層に存在するように
なる。そこで、図5の読出し線54と書込み/消去53
間に電流が流れるようになる。この場合読出し線54の
電位は0Vと1.5Vの中間電位すなわち約0.75V
になる。
【0053】以上のようにして、本発明の半導体記憶素
子を用いたメモリセルの記憶情報の状態が識別され読取
りが可能となる。
【0054】次に、先述した第1の実施例と第2の実施
例の相違について、図8に基づいて説明する。図8は、
図6で述べたと同様に、第2ゲート電極、ゲート電極間
絶縁膜、第1ゲート電極及びソース導電層間の熱平衡状
態でのエネルギーバンド構造を示している。図8(a)
が第1の実施例の構造の場合であり、図8(b)が第2
の実施例の場合である。第2の実施例の場合には、第1
ゲート電極とソース導電層及びn型能動層との間に半導
体バリヤ層を設けている。このために、図8(b)に示
すようにショットキー障壁64と第1ゲート電極フェル
ミレベル65との間にヘテロ接合バリヤ69が形成され
る。この高さは、第2の実施例の場合では、図8(a)
の場合よりも約0.3eV増加する。このために、図8
(a)の場合のショットキー障壁の高さは0.7eVで
あるが、図8(b)の場合はその値は約1.0eVにな
る。
【0055】このために第2の実施例の場合には、情報
書込みの動作後、第1ゲート電極フェルミレベル65に
書込まれた蓄積電子の記憶保持時間が長くなる。しか
し、情報の消去が難しくなるため、このヘテロ接合の膜
厚を適切に選択する必要がある。ここでこの膜厚は第2
の実施例で述べたように、10〜20nmに設定するこ
とが好ましい。
【0056】以上、本発明の半導体記憶素子をGaAs
半導体基板に形成する場合について説明してきたが、そ
の他の化合物半導体あるいはSi半導体基板、SiGe
半導体基板でも同様に本発明の半導体記憶素子が形成で
きることに言及しておく。ここでヘテロ接合を用いる場
合には、Si半導体基板では、半導体バリヤ層はSiC
で形成される。SiGe半導体基板では、この半導体バ
リヤ層はSiで形成される。
【0057】
【発明の効果】ショットキーゲート電界効果トランジス
タのゲート電極を第1のゲート電極とし、この第1のゲ
ート電極の上部に絶縁体薄膜を介して第2のゲート電極
を形成し、この第1のゲート電極を記憶情報電荷の蓄積
領域にすることで、半導体記憶素子の特性を大幅に向上
させることができる。
【0058】すなわち、半導体記憶素子の動作電圧は3
V以下になり従来の1/4以下の低電圧化が可能とな
る。更に、情報電荷の書換え回数は108 〜109 回に
なり、従来のそれの103 〜104 倍と大幅に増大す
る。この半導体記憶素子の動作速度は、情報の書込み速
度で1nsec程度になり従来のそれの1/103
に、消去速度で1μsec程度になり従来のそれの1/
102 倍にそれぞれ短縮される。
【0059】このように、半導体記憶装置の特性を大幅
に向上させる本発明の半導体記憶素子は、半導体記憶装
置の用途を更に拡大するとともに、新たな用途と分野を
開拓するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明するための略断面
図である。
【図2】本発明の第2の実施例を説明するための略断面
図である。
【図3】本発明の第2の実施例を工程順に説明する略断
面図である。
【図4】本発明の第3の実施例を説明するための略断面
図である。
【図5】本発明の半導体記憶素子の動作を説明するセル
アレイ配線図である。
【図6】本発明の半導体記憶素子の動作を説明するエネ
ルギーバンド構造図である。
【図7】本発明の半導体記憶素子の動作を説明するエネ
ルギーバンド構造図である。
【図8】本発明の半導体記憶素子の熱平衡エネルギーバ
ンド構造図である。
【図9】従来の半導体記憶素子の構造を示した略断面図
である。
【符号の説明】
1 GaAs半導体基板 1a ノンドープGaAs半導体基体 1b ノンドープGaAs層 1c バッファGaAs層 1d n型GaAs基板 2 n型能動層 2a n型GaAs層 2b pウェル 3 第1ゲート電極 3a タングステンシリサイド薄膜 4 ゲート電極間絶縁膜 4a 高誘電率薄膜 5 第2ゲート電極 5a 積層金属薄膜 6 ソース導電層 7 ドレイン導電層 8 ソース電極 9 ドレイン電極 10 半導体バリヤ層 10a Al0.3 Ga0.7 As層 11 コート絶縁膜 51,51b 半導体記憶素子 52,52b ワード線 52a ゲートノード 53,53b 書込み/消去線 53a ソースノード 54,54b 読出し線 54a ドレインノード 61 第2ゲート電極フェルミレベル 62 ソース導電層伝導帯 63 伝導帯電子 64 ショットキー障壁 65 第1ゲート電極フェルミレベル 66 蓄積電子 67 ゲート電極間絶縁膜バンド 68 n型能動層伝導体 69 ヘテロ接合障壁 101 シリコン半導体基板 102 ゲート絶縁膜 103 第1ゲート電極 104 ゲート電極間絶縁膜 105 第2ゲート電極 106 ソース領域 107 ドレイン領域

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の表面部にショットキーゲー
    ト電界効果トランジスタが形成され、前記ショットキー
    ゲート電界効果トランジスタのゲート電極を第1のゲー
    ト電極として前記第1のゲート電極上に絶縁体薄膜が形
    成され、前記絶縁体薄膜上に第2のゲート電極が形成さ
    れ、前記第1のゲート電極に記憶情報電荷が蓄積される
    ことを特徴とした半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体基板と前記第1のゲート電極
    との間に、前記半導体基板とは別種の半導体で構成され
    た半導体薄膜が形成され、前記半導体薄膜のエネルギー
    バンド構造の禁制帯幅が前記半導体基板の禁制帯幅より
    も大きな値となっていることを特徴とした請求項第1記
    載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体基板がGaAs半導体、Si
    半導体あるいはSiGe半導体で構成され、前記半導体
    薄膜が前記半導体に対応して、AlGaAs半導体薄
    膜、SiC半導体薄膜及びSi半導体薄膜となることを
    特徴とした請求項第2記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記絶縁体薄膜がタンタル酸化膜、チタ
    ン酸スロンチウム膜、チタン酸バリウムストロンチウム
    膜あるいはチタン酸ジルコン酸鉛膜であることを特徴と
    した請求項第1記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 半導体基板の主面に導電性の薄膜を形成
    する工程と、前記導電性の薄膜上に金属酸化物の誘電体
    薄膜を形成する工程と、前記誘電体薄膜上に導電性薄膜
    を形成する工程と、このように形成した前記全ての膜を
    ドライエッチングで同一形状に加工する工程とを含むこ
    とを特徴とした請求項1記載の半導体装置の製造方法。
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