JP2564379B2 - 新規物質omー001 - Google Patents

新規物質omー001

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JP2564379B2 JP63255470A JP25547088A JP2564379B2 JP 2564379 B2 JP2564379 B2 JP 2564379B2 JP 63255470 A JP63255470 A JP 63255470A JP 25547088 A JP25547088 A JP 25547088A JP 2564379 B2 JP2564379 B2 JP 2564379B2
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恵一 高橋
房男 冨田
道朗 市村
勲 川本
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規物質OM−001に関する。
本発明のOM−001は抗菌作用を有し、抗菌剤として有
用である。
従来の技術 従来、抗菌活性増強作用を有する物質として種々の発
酵生産物が報告されている。例えば、マクロライド系抗
生物質の抗菌活性を増強するバチルス属もしくはシュー
ドモナス層の培養生産物〔ジャーナルオブアンチバイオ
ティックス(Journal of Autibiotics)Vol.30 No.3,20
9(1977)〕などがあげられる。
また真菌類キャンディダ属に対して抗菌活性を有する
物質としては、アンホテリシンBやフルシトシンなどが
あげられる。
発明が解決しようとする課題 抗菌活性増強作用あるいは抗菌作用を有する物質は常
に求められている。
課題を解決するための手段 本発明者らは、天然界より多くの微生物を入手して、
微生物が生産する物質について検討したところ、北緯42
度13分、東経144度35分に位置し、水深500mの海水中よ
り分離した微生物(以下、37−001−Mという。)が、
抗生物質の細胞内取り込み能向上作用および抗菌作用を
有する物質を生産することを見出した。
この物質を単離、精製し、理化学的性質を調べた結
果、新規物質であることがわかり、OM−001と命名し
た。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、下記の理化学的性質および生産学的性質を
有する新規物質OM−001を提供する。
(a)元素分析:C48.78% H7.30% N8.78% (凍結乾燥品 C12H18N2O5・1 1/2H2O) (b)分子式 :C12H18N2O5 (c)分子量 :270 (d)紫外部吸収スペクトル:特徴的吸収を示さない。
(e)赤外部吸収スペクトル:第1図に示す。
(KBr法により測定) 3440,1675,1590,1395cm-1 (f)溶剤に対する溶解性:水、ジメチルスルフォキシ
ドによく溶けるが、メタノール、エタノール、アセト
ン、酢酸エチル、クロロホルム、ベンゼン、ヘキサンに
はほとんど溶けない。
(g)PMRスペクトル:第2図に示す(D2O中で測定) δ(ppm) 主なシグナル 4.31(1H,m),4.10(1H,q),3.69(1H,
d),3.38(1H,d),2.52(1H,m),2.25(2H,m),2.05(2
H,m),1.57(3H,d) (h)β−リジンをその構成成分として含有する。
OM−001の薄層クロマトグラフィー〔アビセルSF(フ
ナコシ社製)を用い、ブタノール:酢酸:水=5:1:1を
展開溶媒として室温で60分展開する。〕でのRf値は0.59
である。
また、OM−001は実験例として後記する抗生物質の細
胞内取り込み能向上作用および抗菌作用を有する。
次にOM−001の製造法について説明する。
OM−001は、バチルス属に属し、OM−001生産能を有す
る微生物を培地に培養し、培養物中にOM−001を生成蓄
積させ、該培養物からOM−001を採取することにより製
造される。
OM−00生産性微生物としては、バチルス属に属し、OM
−001生産性を有するものであれば、いずれの微生物で
も用いることができる。また、OM−001生産能を有する
限り、紫外線照射、X線照射あるいは、変異誘導物質に
よる変異処理法などによって変異させた菌株も用いるこ
とができる。具体的に好適な1例としては、北緯42度13
分、東経144度35分に位置し、水深500mの海水中より、
本発明者によって分離された微生物37−001−Mがあげ
られる。37−001−Mの菌株の形態、生理学的性質、GC
含量などを検討した結果、バージス・マニュアル・オブ
・シスチマティック・バクテリオロジー(Bergey's man
ual of Systematic Bacteriology)、第2巻、(1986)
PP−1104〜1139に記載されているバチルス・プルミスと
一致した。
本菌株はバチルス・プルミス37−001−Mと命名さ
れ、微工研条寄第2064号(FERM BP−2064)として昭和6
3年9月21日付で工業技術院微生物工業技術研究所に寄
託されている。
微生物の培養に際しては細菌類の培養に用いられる通
常の培養方法が適用される。用いられる培地は微生物の
資化しうる炭素源、窒素源、無機物、微生物の生育およ
びOM−001の生産を促進する物質などを程よく含有する
培地であれば、合成培地、天然培地いずれでも用いるこ
とができる。
炭素源としてはグルコース、澱粉、デキストリン、マ
ンノース、フラクトース、シュクロース、ラクトース、
キシロース、アラビノース、マンニトール、糖蜜などの
炭水化物が単独あるいは組み合わせて用いられる。微生
物の資化能によっては炭化水素、アルコール類、有機酸
なども用いることができる。
窒素源としては塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、硝酸アンモニウムなどのアンモニウム塩、硝酸ナト
リウム、尿素、ペプトン、肉エキス、酵素エキス、乾燥
酵母、コーン・スチープ・リカー、大豆粉、カザミノ酸
などが単独あるいは組み合わせて用いられる。
無機物としてはリン酸二水素カリウム、リン酸水素二
カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガ
ン、硫酸亜鉛、硫酸銅、塩化ナトリウム、塩化カルシウ
ム、塩化カリウム、臭化カリウムなどが用いられる。
その他、ビタミンB1、ビチオンなど菌体の増殖あるい
はOM−001の生産を促進する物質を加えることができ
る。
培養法は液体培養法、とくに深部撹拌培養法が好適で
ある。培養温度は20〜40℃、とくに20〜25℃が好まし
く、培養中のpHはアンモニア水、炭酸アンモニウム溶液
などを添加して、pH4〜10、とくに6〜8に維持するこ
とが望ましい。1〜7日の培養によってOM−001の蓄積
が最大に達し、培養は完了する。蓄積したOM−001を培
養物から単離精製するに際しては、通常の微生物代謝生
産物を培養物から単離精製する方法が適用される。
例えば、培養液をイオン交換樹脂SK−104(三菱化
成社製)に通塔し、活性成分を吸着させる。次いで水洗
し、その後1M酢酸アンモニウム水溶液で活性製成分を溶
出させる。溶出した活性成分を活性炭に吸着させ水洗
し、その後40%アセトン水溶液で溶出させる。アセトン
を留去後、活性画分を脱イオン水で3倍に希釈後、イオ
ン交換樹脂Amberlite IRC−50(ローム・アンド・ハー
ス社製)に通塔し、溶出させた活性画分にNaClを加えて
2M NaCl水溶液になるように調整し、ハイポーラス型樹
脂SP−207(三菱化成社製)に通塔し、活性成分を吸着
させる。0.5M NaCl水溶液で洗浄し、さらに水洗して50
%メタノール水溶液で活性成分を溶出させる。メタノー
ルを留去後、活性画分を凍結乾燥して粗粉末を得る。さ
らにそれをゲル過樹脂を用いたカラムクロマトグラフ
ィー、高速液体クロマトグラフィーなどに付して、OM−
001を分離することができる。
なお、活性成分はサルモネラ・ティフィミュリウムを
試験菌としたペーパーディスク法によって阻止円の大き
さを測定する方法あるいは、セルロース薄層プレートを
用いてRf値を測定する方法などによって確認できる。
以下に本発明の実施例を示す。
実施例 種菌としてバチルス・プルミス37−001−M(FERM BP
−2064)を用いた。該菌体を2容量の三角フラスコ中
のシュークロース50g/、大豆粕20g/、KH2PO40.5g/
、MgOS4・7H2O 0.5g/、炭酸カルシウム5g/の組
成を有する種倍値(pH7.0、殺菌前)300mlに植菌し、25
℃で48時間振とう培養した。得られた種培養を30容量
のジャーファーメンター中の下記組成の醗酵培地18に
値菌し、20℃で通気撹拌方式(回転数250rpm;通気量18
/min)により培養をおこなった。
醗酵培地組成:グリセリン50g/、大豆粕20g/、KH
2PO40.5g/、MgSO4・7H2O 0.5g/、ビタミンB10.007
g/、炭酸カルシウム5g/(pH7.0殺菌前) 培養中の培地のpHをアンモニア水を用いてpH6.5〜7.5
に調整しながら72時間培養した。培養液より菌体を別
し、液15を得た。液15を2N塩酸を用いてpH6.0
に調整後、1のイオン交換樹脂SK−104(H+型)(三
菱化成社製)に通塔して活性成分を吸着させた。次い
で、水洗後1M酢酸アンモニウム水溶液で活性成分を溶出
させた。
溶出した活性成分を活性炭に吸着させ水洗後、40%ア
セトン水溶液で溶出させた。アセトンを留去後、活性画
分をイオン交換水で3倍に希釈後、イオン交換樹脂Ameb
erlite IRC−50(H+型)(ローム・アンド・ハース社
製)に通塔し、流出した活性画分が2M NaCl水溶液にな
るようにNaClを加え、ハイポーラス型樹脂SP−207(三
菱化成社製)に通塔し、活性成分を吸着させた。0.5M
NaCl水溶液で洗浄後、さらに水洗し、50%メタノールで
活性成分を溶出させた。メタノールを留去後、活性画分
を凍結乾燥して粗粉末を得た。さらにそれをゲル過担
体Sephadex G−10(ファルマシア・ファインケミカル社
製)のカラムクロマトグラフィーに供し(展開溶媒はイ
オン交換水)、活性画分を得た。この画分を少量の水に
溶かし、高速液体クロマトグラフィーLichrosorb CN.
(メルク社製)に付し、100%アセトニトリルと80%ア
セトニトリルの濃度勾配法で溶出させて、活性画分を集
めた。アセトニトリルを留去後、凍結乾燥して純粋なOM
−001(10mg)を得た。
次にOM−001の抗生物質の細胞内取り込み能向上作用
および抗菌作用を実験例により説明する。
実験例1 OM−001による抗生物質の細胞内取り込み能向上作用 (1) 方法 サルモネラ・ティフィミュリウムSL3770(以下試験菌
という)をバクト・ペプトン(ディフコ社製)5g/お
よびバクト・アガー(ディフコ社製)12g/からなる寒
天培地上に接種し、37℃にて1晩培養し、リン酸緩衝液
(KH2PO40.3g/340ml、K2HPO40.4g/340ml、DIW社製)に
懸濁した。これを15%グリセンを用いて−70℃で凍結保
存した。
凍結保存した試験菌3.6×105cells/mlをアセチルスピ
ラマイシン含有培地(アセチルピラマイシン40μg/ml、
バクトペプトン5g/、バクト・アガー12g/)70mlお
よびアセチルスピラマイシンを含まない培地(バクト・
ペプトン5g/、バクトアガー12g/)70mlにそれぞれ
接種し、寒天平板を作成した。
OM−001含有液25μを8mm径のペーパーディスクに浸
み込ませ、そのペーパーディスクを上記2種の寒天培地
上にのせて、37℃にて1晩培養し、得られた阻止円の直
径を測定した。
(2) 実験成績 第1表に示すようにOM−001は細菌の細胞膜を変化さ
せ、従来細胞内に取り込まれなかった抗生物質でも細胞
膜を通過させてその抗菌活性を付与することができる。
実験例2 OM−001の抗菌作用 (1) 方法 サブロー液体肉汁培地(pH5.5 BBL社製)に第2表に
示したキャンディダ属の各菌を接種し、37℃、24時間静
置培養をおこなった。その後滅菌生理食塩水を用いて菌
液を約106cells/mlに調整し、倍数希釈濃度のOM−001を
含むサブローグルコース寒天培地(pH5.5、ディフコ社
製)平板上に接種し、37℃、48時間培養して、最少生育
阻止濃度(MIC)を測定した。
(2) 実験成績 OM−001の単独利用は真菌類キャンディダ属に対して
強い抗菌活性を有している。
発明の効果 本発明により抗生物質の細胞内取り込み能向上作用お
よび抗菌作用を有する新規物質OM−001が提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、OM−001の赤外部吸収スペクトルを示し、第
2図はOM−001のPMRスペクトルを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の理化学的性質で特定される新規物質OM
    −001。 (a)元素分析: C 48.78% H 7.30% N 8.7
    8% (凍結乾燥品 C12H18N2O5・1 1/2H2O) (b)分子式:C12H18N2O5 (c)分子量:270 (d)紫外部吸収スペクトル:特徴的吸収を示さない。 (e)赤外部吸収スペクトル:第1図に示す。 (KBr法により測定) 3440,1675,1590,1395cm-1 (f)溶剤に対する溶解性:水、ジメチルスルフォキシ
    ドによく溶けるが、メタノール、エタノール、アセト
    ン、酢酸エチル、クロロホルム、ベンゼン、ヘキサンに
    はほとんど溶けない。 (g)PMRスペクトル:第2図に示す。(D2O中で測定) δ(ppm) 主なシグナル 4.31(1H,m),4.10(1H,q),3.69(1H,
    d),3.38(1H,d),2.52(1H,m),2.25(2H,m),2.05(2
    H,m),1.57(3H,d) (h)β−リジンをその構成成分として含有する。
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