JP2564138B2 - 浸漬ヒ−タ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （１）発明の目的 ［産業上の利用分野］ 本発明は、浸漬ヒータ装置に関し、特に再結晶炭化珪
素質の保護管の内部に対し自焼結炭化珪素質の保護内管
を配設してなる浸漬ヒータ装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来この種の浸漬ヒータ装置としては、第２図に示す
ように、接続端子23aを有したヒータ23が内部に収容さ
れた再結晶炭化珪素質の保護管21の外周面に対し窒化ホ
ウ沿被膜あるいはスピネル被膜25を形成せしめることに
より、溶融金属（図示せず）が保護管21の気孔ないしは
亀裂を介してその内部に浸入しヒータ23に接触すること
によってそのヒータ23を折損せしめることを回避してな
る浸漬ヒータ装置20が提案されていた。

［解決すべき問題点］ しかしながら従来の浸漬ヒータ装置では、窒化ホウ素
被膜あるいはスピネル被膜25が一端破損されると溶融金
属が保護管21の気孔ないしは亀裂を介して内部に対し短
期間のうちに浸入しヒータに達してしまう欠点があり、
また窒化ホウ素被膜あるいはスピネル被膜25の平均寿命
が４ヶ月程度に過ぎず、結果的にその寿命も４ヶ月程度
と短い欠点があった。

そこで本発明は、これらの欠点を除去すべく、再結晶
炭化珪素質の保護管の内部に対し自焼結炭化珪素質の保
護内管を挿入配置してなる浸漬ヒータ装置を提供せんと
するものである。

（２）発明の構成 ［問題点の解決手段］ 本発明により提供される問題点の解決手段は、 「再結晶炭化珪素質の保護管の内部にヒータを配設して
なる浸漬ヒータ装置において、前記再結晶炭化珪素質の
保護管の内部に対し自焼結炭化珪素質の保護内管を配設
してなることを特徴とする浸漬ヒータ装置」 である。

［作用］ 本発明にかかる浸漬ヒータ装置は、再結晶炭化珪素質
の保護管の内部に対し自焼結炭化珪素質の保護内管を挿
入配設してなるので、保護管の気孔ないしは亀裂を介し
て溶融金属が内部に浸入してもヒータに到達することを
回避する作用をなし、保護管の破損した時点で保護管の
みを交換しその寿命を遷延せしめる作用をなし、併せて
窒化ホウ素被膜あるいはスピネル被膜の形成を回避する
作用をなす。

［実施例］ 次に本発明について、添付図面を参照しつつ具体的に
説明する。

第１図は、本発明にかかる浸漬ヒータ装置の一実施例
を示す縦断面図である。

まず本発明にかかる浸漬ヒータ装置の一実施例につい
て、その構成を詳細に説明する。

10は、本発明の浸漬ヒータ装置で、再結晶炭化珪素質
の保護管11と、保護管11の内部に収容されかつ自焼結炭
化珪素質の保護内管12と、保護内管12内に配設され上端
部に接続端子13aを有してなるヒータ13とを包有してい
る。

保護管11は、再結晶炭化珪素質であって、その平均気
孔率が18％程度である。保護内管12は、自焼結炭化珪素
質であって、その平均気孔率が１％以下である。保護管
11と保護内管12との間は、密着されていてもよく、また
若干の（たとえば約1mm程度）の間隙があってもよい。
ヒータ13は、炭化珪素質の発熱体で形成されている。

14は底部保持体で、適宜の絶縁材料（たとえばアルミ
ナAl₂O₃など）で形成されており、保護内管12の底部に
配置されかつヒータ13の下部を保持している。15は上部
保持体で、適宜の絶縁材料（たとえばアルミナAl₂O₃な
ど）で形成されており、保護管11の開口に嵌着されかつ
ヒータ13を保持している。

更に本発明にかかる浸漬ヒータ装置の一実施例につい
て、その作用を詳細に説明する。

本発明にかかる浸漬ヒータ装置10は、低融点金属保持
炉（図示せず）に浸漬されている。接続端子13aに対し
適宜の電源を接続することにより、ヒータ13に電力が供
給され発熱される。これにより本発明にかかる浸漬ヒー
タ装置10は、適宜の温度まで加熱され、低融点金属保持
炉内の低融点金属（たとえばアルミニウムなど）を溶融
状態に保持する。

この状態で本発明にかかる浸漬ヒータ装置10は、保護
管11が疲労し亀裂などを生じた場合、周囲の溶融金属が
その亀裂あるいは気孔から内部へ浸入する。しかしなが
ら保護内管12は、その平均気孔率が低く高密度であるの
で、それ以上に溶融金属が浸入しヒータ13に到達するこ
とがない。したがって溶融金属が保護管11の内部に浸入
した時点で、保護管11を新たな保護管11と交換すれば、
ヒータ13の折損を回避でき、寿命を遷延できる。

また保護管11と保護内管12との間に溶融金属の浸入を
検知するセンサを配設しておけば、保護管11の内部に溶
融金属が浸入した時点で、保護管11のみを直ちに交換で
きるので、好都合である。

なお本発明にかかる浸漬ヒータ装置10は、４ヶ月以上
もの連続使用に耐えた。

また上述においては保護管11の周面に対して窒化ホウ
素被膜あるいはスピネル被膜が形成されていないが、所
望によってはこれらを保護管11の周面に対して形成して
もよい。

（３）発明の効果 上述より明らかなように本発明にかかる浸漬ヒータ装
置は、再結晶炭化珪素質の保護管の内部にヒータを配設
してなる浸漬ヒータ装置であって、 再結晶炭化珪素質の保護管の内部に対し自焼結炭化珪
素質の保護内管を配設し てなるので、 （ｉ）保護管の損傷に伴なって内部に溶融金属が浸入し
たとき、ヒータに到達することを回避できる効果 を有し、ひいては （ii）保護管の損傷時に保護管のみを交換することによ
り寿命を遷延せしめることができる効果 を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる浸漬ヒータ装置の一実施例を示
す縦断面図、第２図は従来例を示す縦断面図である。10 ……浸漬ヒータ装置 11……保護管 12……保護内管 13……ヒータ 13a……接続端子 14……底部保持体 15……上部保持体

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】再結晶炭化珪素質の保護管の内部にヒータ
   を配設してなる浸漬ヒータ装置において、前記再結晶炭
   化珪素質の保護管の内部に対し自焼結炭化珪素質の保護
   内管を配設してなることを特徴とする浸漬ヒータ装置。
2. 【請求項２】自焼結炭化珪素質の保護内管が、１％以下
   の平均気孔率を有してなることを特徴とする特許請求の
   範囲第（１）項記載の浸漬ヒータ装置。