JP2564135B2 - アスベスト粉塵発生防止方法及びそれに使用する薬剤 - Google Patents

アスベスト粉塵発生防止方法及びそれに使用する薬剤

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、アスベスト材を主原料とする構造材(以下
「アスベスト構造材」)からのアスベスト粉塵の発生を
防止する方法及びそれに使用する薬剤に関し、特に建築
用構造材の排除・撤去時に好適な発明である。
<従来の技術> アスベスト材は不燃性であり、かつ断熱性(保温性)
に優れているため、建築用構造材として多用されてい
る。例えば、アスベストボード(アスベスト粒子をセメ
ント、石膏などの水硬性無機結合剤で固めたもの)や、
アスベスト吹き付け剤(アスベスト粒子と各種繊維材、
セメント結合剤との混合物であつて、鉄骨等に吹き付け
て厚さ数mm〜数十mmの壁層とする)等があつた。
これらのアスベスト構造材を使用した建造物の撤去又
は改修が必要になつた時、シヨベルカー、クレーン車等
を用いて排除するが、その際、アスベストを多量に含む
粉塵が発生する。
このアスベスト粉塵は、先端が尖鋭な繊維状であり、
また吸水すると非流動性泥状物質になるため、体外に排
出されがたく、体内の組織を傷つけたり、粘膜の自浄作
用を阻害したりして、アスベスト症、胸膜石灰症、肺
癌、中皮腫などの重症の病気の発生原因となる。さら
に、アスベスト粉塵は嵩比重がきわめて小さく軽量であ
り大気中に広範囲にわたり飛散するため、作業員ばかり
でなく、一般市民にも影響を与え社会問題化している。
このため、アスベスト粉塵の発生を防止する方法とし
て、単なる水、又は、界面活性剤(水のアスベスト材に
対する浸透作用を促進させる)や湿潤保持剤(水の蒸発
を遅延させる)を添加した水をアスベスト構造剤に散布
して、該構造材の排除をする方法が公知である。
<発明が解決しようとする問題点> しかし、上記方法の場合、下記のような問題点があつ
た。
単なる水の場合は勿論、湿潤保持剤等が添加された水
であつても、また、たえず水を補給したとしても、水の
蒸発が早くてアスベスト構造材表面が急激に乾燥するた
め、アスベスト粉塵の発生を若干低減できるだけであつ
た。
この方法で回収したアスベスト材は、通常、ポリエチ
レン袋で密封して、又はセメントで固めて、地中埋設・
投棄しているが、前者の場合、袋が破損して地中にアス
ベスト材が流出して、土壌汚染のおそれがあり、後者の
場合、セメントとの混合という余分で面倒な作業を必要
とするとともに、その作業時にもある程度のアスベスト
粉塵の発生は避けられなかつた。
<問題点を解決するための手段> 本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意開発
に努力をした結果、下記構成のアスベスト粉塵発生防止
方法及びそれに使用する薬剤に想到し得た。
アスベスト構造材に、液状水ガラスを塗布浸透させた
後、液状脱水剤を塗布浸透さ て、前記水ガラスを和水
水ガラスに変換させることを特徴とするアスベスト粉塵
飛散防止方法、及び、 アスベスト構造材からのアスベスト粉塵の発生を防止
するために、構造材に最初に塗布される第一処理液と、
該第一処理液の浸透後塗布される第二処理液とからなる
二液型の薬剤であって、第一処理液の成分が液状水ガラ
スであり、第二処理液の成分が前記液状水ガラスを和水
水ガラスに変換可能な液状脱水剤であることを特徴とす
るアスベスト粉塵発生防止薬剤。
<実施の態様> (1)第一処理液の成分とする液状水ガラスは、アルカ
リ珪酸塩又はそれと珪酸の混合物の濃厚水溶液である。
ここで、アルカリ金属としては、ナトリウムが価格、物
性上望ましいが、カリウム、リチウムでも良い。具体的
には、市販されている1号・2号・3号水ガラス(珪酸
ナトリウム)を使用できる。通常は、これらの液状水ガ
ラスは、水で希釈して用いる。
(2)第二処理液の成分とする液状脱水剤は、液状水ガ
ラスを和水水ガラスに変換できる脱水作用を奏するもの
ならば、特に限定されず、アルコール類・フエノール類
・アルデヒド類・ケトン類・エーテル類・エステル類な
どを使用できるが、取扱い性・価格の見地から、メタノ
ール・エタノール・イソプロピルアルコール等の低級ア
ルコール類が望ましい。
ここで和水水ガラスとは、無水水ガラス(珪酸アルカ
リガラス固体)と液状水ガラスとの中間の状態で、弾性
に富み割れにくい性質を有している固体状のもののこと
である(「水ガラス」ヘルマン・マイヤー著;奥田 進
訳、コロナ社発行;昭和25年初版、第27〜28頁参
照)。
そして、この第二処理液は、作業性の見地から、即
ち、液状水ガラスの和水水ガラスへの変換を促進させる
見地から、いわゆるゲル化剤を添加したものを使用する
ことが望ましい。
上記ゲル化剤としては、アンモニア、カゼイン、アル
ミニウム塩類、燐酸塩類、弗化物、珪弗化物、食塩,セ
メント類,アルデヒド類(例えばグリオキサール)など
を挙げることができる。
次に、上記薬剤を用いて、アスベスト粉塵の発生を防
止する方法を説明する。
アスベスト構造材の撤去又は排除の本作業直前に、上
記第一処理液を水で適度の粘度(通常5cPs以下)に調製
して、スプレー・刷毛等の手段で、当該構造材の表面に
塗布する。すると、第一処理液の成分である液状水ガラ
スは、アスベスト材における各繊維状物間の微小空隙を
充満するように、毛管現象的に移動して構造材の内部に
順次、浸透していく。
液状水ガラスが、当該構造材の内部まで十分に浸透し
た時点で、第二処理液を、第一処理液と同様にして、当
該構造材の表面に塗布する。
すると、第二処理液の成分である液状脱水剤は、構造
材内部に順次浸透していつて、液状水ガラスを脱水し
て、和水水ガラスに変換する。この和水水ガラスは水不
溶性なので脱水により発生した水は構造材の外へ排出さ
れる。
こうして、アスベスト材における各繊維状物間は和水
水ガラスで相互に連鎖された形となる。このとき、和水
水ガラスは、アスベストに対する結合性が良好であると
ともに、和水水ガラスは、前述の如く、割れにくい性質
を有しているため、当該構造材が、排除作業時、破砕さ
れても、アスベストが微細な繊維状粒子になることがな
い、即ち、アスベスト粉塵がほとんど発生しない。
<発明の作用・効果> 本発明のアスベスト粉塵発生防止方法及びそれに使用
する薬剤は、上記の如く、液状水ガラスをアスベスト構
造材の表面から塗布して内部まで浸透させた後、脱水剤
を同様にして塗布し浸透させ、上記液状水ガラスを和水
水ガラスに変換させることにより、アスベスト構造材か
らのアスベスト粉塵の発生を有効に防止できる。
その理由は、断定できないが、アスベスト材を構成す
る繊維状物間が、相互に、アスベストと結合性が良好
で、かつ、弾性があつて割れにくい和水水ガラスで連鎖
されているためである。
また、本発明の方法及び薬剤を用いて、排除作業によ
り発生したアスベスト構造材の廃棄物はそのまま廃棄し
ても土壌汚染のおそれがないため、従来の如く、ポリエ
チレン袋に密封したり、また、セメントと混合したりす
る作業が必要でなく、廃棄作業も楽である。
なお、本発明の方法及び薬剤は、アスベスト構造材の
撤去作業時ばかりでなく、アスベスト構造材を施工後、
通常使用状態における、アスベスト粉塵の発生を防止す
るためにも勿論適用可能である。
<実施例> 本発明の効果を確認するために、行なつた試験例につ
いて以下に説明をする。
アスベスト吹き付け剤で鉄骨の表面に形成された厚み
35mm、施工面積120m2のアスベスト構造材を下記方法に
より撤去した。
予め調製しておいた第一処理液(15wt%の3号水ガラ
ス水溶液)を、エアレス式スプレーガン(スプレー圧;
1.8kgf/cm2、ノズル径;0.8mm)で上記アスベスト構造材
表面に塗布した(塗布量3.5〜4.0kg/m2)。
上記塗布作業完了20分経過後、やはり予め調製してお
いた第二処理液(メタノール100部、水50部及び珪弗化
マグネシウム3部からなる組成物)を、上記と同仕様の
スプレーガンで塗布した(塗布量;1.5〜1.8kg/m2)。
第二処理液塗布作業完了1時間経過後、アスベスト構
造材の撤去本作業を行なつた。なお、撤去作業現場は、
作業完了後、水道水で洗浄を行ない、さらには、湿式真
空掃除機で汚水の回収を実施した。
そして、撤去作業前、撤去作業開始6時間後、及び撤
去作業完了24時間後それぞれについて、アスベスト粉塵
の発生状態を、米国環境保護庁のNIOSH法に従つて測定
した。また従来のアスベスト粉塵発生防止方法(処理液
として水と浸透剤のみを用いる)により、同様のアスベ
スト構造材を撤去した場合についても、上記と同様にし
て測定した。
それらの結果を、第1表に示すが、本発明の方法及び
薬剤による実施例は、明らかにアスベスト粉塵発生防止
効果に優れていることが分る。
なお、NIOSH法とは、空気試料採取法であり、アスベ
スト粉塵の発生する場所で、毎分20の量で1000の空
気量を採取し、位相差顕微鏡を用いてアスベスト繊維を
検出し、この顕微鏡の視野が0.006mm2として1m3当り何
個のアスベスト繊維が存在するかを調べる方法である。
次に、参考のために、アスベスト材(カルホニア産KC
A社製、嵩比重;0.15〜0.20、真比重;2.45,繊維長;5〜10
μm、吸油率;300g/100g)100gに、第2表に表示の薬剤
各量を配合して形成した略3cm立方の試験片について、
下記物性試験を行なつた。それらの結果を、第2表に示
すが、本発明方法で得られるアスベスト材含有物は、ね
ばり性があり、かつ、耐水性が良好でそのまま廃棄して
も土壌中に流出せず、土壌汚染のおそれがないことが伺
える。
初期凝結速度:セメント試験規格ASTM C403−61Tにて
使用するプロテクター針(直径5.0mm)に300gの荷重を
負荷して、その貫入値が略0mmとなるまでの時間を測
定。
圧縮強度試験:アムスラー式耐圧試験機による測定。
耐水性試験:硬化後72時間経過した試料を、12時間、
水中に浸漬した後の減量を測定して、その値を百分率で
表示。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アスベスト構造材からのアスベスト粉塵の
    発生を防止する方法であつて、 前記アスベスト構造材に、液状水ガラスを塗布浸透させ
    た後、 液状脱水剤を塗布浸透させて、前記液状水ガラスを和水
    水ガラスに変換させること を特徴とするアスベスト粉塵発生防止方法。
  2. 【請求項2】アスベスト構造材からのアスベスト粉塵の
    発生を防止するために、構造材に最初に塗布される第一
    処理液と、該第一処理液の浸透後塗布される第二処理液
    とからなる二液型の薬剤であって、 前記第一処理液の成分が液状水ガラスであり、 前記第二処理液の成分が前記液状水ガラスを和水水ガラ
    スに変換可能な液状脱水剤であること を特徴とするアスベスト粉塵発生防止薬剤。
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