JP2564058B2 - 火花点火機関の失火検出装置 - Google Patents

火花点火機関の失火検出装置

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康生 伊藤
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、火花点火機関におい
て、正常に着火した時と着火ミス(失火)が生じた時と
で、スパークプラグの火花放電間隙の抵抗値が相違する
ことを利用した失火検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンの排気ガスの浄化および
燃費向上の要求から、機関の各気筒毎に着火状態を検出
し、全ての気筒の失火防止対策ができる装置が要請され
ている。また失火検出装置として、従来よりシリンダー
ブロックに穴を開け燃焼光センサを装着したり、スパー
クプラグの取り付け座に圧力センサを取り付けたり、点
火回路のイオン電流を測定する方法が公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法において
は、センサの装着が面倒であったり、イオン電流を検出
するために高圧ダイオードが必要であったりし、車両の
全ての気筒に装着すると装着コストが増大したり、メン
テナンスに手間がかかるなどの欠点があった。この発明
の目的は、装着、メンテナンスが容易な構成で、各気筒
の失火が検出できる失火検出装置の提供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、点火コイル
と、該点火コイルの一次回路に流す電流を断続する一次
電流断続手段と、点火コイルの二次回路に設けたシリー
ズギャップまたは逆流防止用ダイオードと、機関に挿着
されるスパークプラグとを備えた火花点火機関の点火回
路に装着される失火検出装置であって、スパークプラグ
での火花放電後に、該スパークプラグの浮遊静電容量に
充電する充電手段と、スパークプラグに充電された二次
電圧の減衰時間を検出する二次電圧検出回路と、該減衰
時間の長さにより失火を判別する失火判別回路とからな
る。請求項2に記載の失火検出装置は、スパークプラグ
での火花放電後に、点火コイルの一次回路に通電すると
ともに、一定時間後に通電を遮断し、二次回路に起電力
を発生させてスパークプラグの浮遊静電容量に充電する
イオン検出用電圧発生手段と、二次電圧の分圧を検出す
る分圧器と、分圧された二次電圧の減衰時間を検出する
二次電圧検出回路と、該減衰時間の長さにより失火を判
別する失火判別回路とからなる。
【0005】
【発明の作用および効果】この発明では、火花放電終了
後に、スパークプラグの浮遊静電容量が失火検出のため
の二次電圧を充電する。この充電電荷の減衰時間は、ス
パークプラグの火花放電間隙に、燃焼により生成したイ
オンの有無により異なる。従って、この二次電圧の減衰
時間を検出し、予め測定または計算により求めた減衰時
間と比較することにより、失火の有無が判別できる。こ
のため燃焼光センサ、圧力センサ、高圧ダイオードは不
要であり、構成が簡潔でエンジンへの装着性に優れ、実
用性の高い失火検出装置が得られる。
【0006】
【実施例】図1は、点火コイル1、配電器(デストリビ
ュータ)2、スパークプラグ3を備えた内燃機関の点火
装置100を示す。点火コイル1の一次回路11は、車
載電源Vと、一次電流断続手段4とに接続され、二次回
路12は、前記配電器2を介してスパークプラグ3に接
続されている。配電器2のローターギャップ21とスパ
ークプラグ3の火花放電間隙31との間の二次回路12
には、分圧器5と、二次電圧検出回路6と、失火判別回
路7とが接続されている。この実施例では、一次電流断
続手段4がスパークプラグの浮遊静電容量に充電する電
圧(イオン検出電圧または失火検出電圧として機能す
る)発生手段となっている。
【0007】一次電流断続手段4は、スイッチング素子
41およびシグナルジェネレータ42からなり、エンジ
ンのクランク角およびスロットル開度を検出し、火花放
電時期がエンジンの負荷および回転速度に適応した点火
進角となるよう一次電流を断続する。
【0008】この実施例では、分圧器5は、二次回路1
2の高電圧リードとの間に1pF(ピコファラッド)静
電容量を生じるよう配設された導電体からなるセンサ5
1が使用され、低インピーダンス素子として3000p
Fの静電容量のコンデンサ52を用い、二次回路12に
生じた二次電圧を1/3000程度に分圧する。この場
合、コンデンサ52に放電回路を形成する3メガオーム
の抵抗53を並列接続すると、分圧器5の時定数が9m
s(ミリ秒)となり、後記する3msという比較的長い
減衰時間の判別が確実にできる。これにより最高3万ボ
ルト前後の高電圧波形が10ボルトのレベルに下げられ
二次電圧検出回路6に入力する。
【0009】二次電圧検出回路6は、分圧された二次電
圧波形のうち一定レベル以上の電圧の減衰時間を検出
し、失火判別回路7は前記持続時間が設定値以上のとき
失火と判別する。
【0010】作用を図2とともに説明する。シグナルジ
ェネレータ42でに示す一次電流断続のためのパルス
信号を出力し、の如き一次電流を一次回路11に生じ
させる。巾hの大きいパルス波a、cはスパークプラグ
3で火花放電を発生させるための信号であり、これらパ
ルス波a、cの終了後、0.5〜1.5ms程度の遅延
時間iだけ遅延した巾の小さいパルス波b、dはスパー
クプラグ静電容量充電用電圧(イオン検出電圧)発生用
の信号である。
【0011】シリーズギャップとしてローターギャップ
21を使用する点火回路では、配電器2のロータとサイ
ドエレクトロードとの近接時間が、エンジン回転速度に
より変化する。このため、エンジンの高速運転時は、巾
hおよび遅延時間iは短く設定され、6000rpmで
は火花放電持続時間は0.5〜0.7ms程度が適当で
ある。
【0012】上記一次電流の断続により、二次回路12
の点火コイル1にはに示す二次電圧が生じる。前記パ
ルス波a、cの終了時点で発生した高電圧pにより火花
放電が開始し、これにつづき誘導放電によるなだらかな
電圧波形qが生じる。つぎに、前記パルス波b、dの立
ち上がりに対応し、二次回路12には逆起電力によるプ
ラス波形rが生じる。この一次コイルへの通電において
点火コイル1には電気エネルギーが蓄積されるため、通
電の停止後、二次電圧は再昇圧し、波形sが現れる。こ
の二次電圧の再昇圧レベルは、前記遅延時間iとパルス
波b、dの巾により所望に設定することができる。この
発明では波形sのレベルは、ローターギャップ21の絶
縁破壊が可能であり、スパークプラグ3の火花放電間隙
31に燃焼中の燃料イオンが存在しない場合には放電が
不可能となるよう、5〜7キロボルトに設定される。
【0013】これにより、配電器2のローターギャップ
21とスパークプラグ3の火花放電間隙31との間の、
主にスパークプラグ3の静電容量(通常10〜20p
F)に充電された二次電圧はに示す如く、正常に着火
したときと、失火したときとで減衰時間に差が生じる。
すなわち、失火したときは、s1 の如く緩やかに降圧す
る二次電圧波形となり、正常着火し、燃焼したときは、
2 の如く急速に減衰する二次電圧波形となる。二次電
圧検出回路6は、に示す如く、基準電圧v以上の二次
電圧の時間を検出し、パルス波t1〜t4 を失火判別回
路7に出力する。失火判別回路7は、この減衰時間が、
たとえば3ms以上のとき失火が生じたと判別する。
【0014】上記実施例においては、シリーズギャップ
として配電器2のローターギャップ21を用いている
が、配電器2を備えない、ディストリビュータ・レス・
イグナイタにおいては、通常二次電圧に挿入されている
逆流防止用のダイオードが同様の機能を奏する。またイ
オン検出用電圧発生手段は、一次電流断続手段とは別に
設けられていても良い。なお、スパークプラグ3の中心
電極がプラスの電位であるときの方が、マイナスのとき
に比較しイオン電流がスムーズに流れるので、点火コイ
ル1は通常と逆に接続するなどにより、二次電圧はプラ
スの電位に設定しておくことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の失火検出装置を装着したガソリン機
関の点火回路図である。
【図2】失火検出装置の作動説明のための波形図であ
る。
【符号の説明】
1 点火コイル 2 配電器 3 スパークプラグ 4 一次電流断続手段 5 分圧器 6 二次電圧検出回路 7 失火判別回路 11 一次回路 12 二次回路 21 ロータギャップ
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 康生 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−61930(JP,A) 特開 昭61−169670(JP,A) 特開 昭57−32070(JP,A) 特開 平2−104978(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火コイルと、該点火コイルの一次回路
    に流す電流を断続する一次電流断続手段と、点火コイル
    の二次回路に設けたシリーズギャップまたは逆流防止用
    ダイオードと、機関に挿着されるスパークプラグとを備
    えた火花点火機関の点火回路に装着される失火検出装置
    であって、 スパークプラグでの火花放電後に、該スパークプラグの
    浮遊静電容量に充電する充電手段と、スパークプラグに
    充電された二次電圧の減衰時間を検出する二次電圧検出
    回路と、該減衰時間の長さにより失火を判別する失火判
    別回路とからなる火花点火機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】 点火コイルと、該点火コイルの一次回路
    に流す電流を断続する一次電流断続手段と、点火コイル
    の二次回路に設けたシリーズギャップまたは逆流防止用
    ダイオードと、機関に挿着されるスパークプラグとを備
    えた火花点火機関の点火回路に装着される失火検出装置
    であって、 スパークプラグでの火花放電後に、点火コイルの一次回
    路に通電するとともに、一定時間後に通電を遮断し、二
    次回路に起電力を発生させてスパークプラグの浮遊静電
    容量に充電するイオン検出用電圧発生手段と、二次電圧
    の分圧を検出する分圧器と、分圧された二次電圧の減衰
    時間を検出する二次電圧検出回路と、該減衰時間の長さ
    により失火を判別する失火判別回路とからなる火花点火
    機関の失火検出装置。
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