JP2823976B2 - スパークプラグの絶縁低下および燃焼状態検出装置 - Google Patents
スパークプラグの絶縁低下および燃焼状態検出装置Info
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- JP2823976B2 JP2823976B2 JP3167140A JP16714091A JP2823976B2 JP 2823976 B2 JP2823976 B2 JP 2823976B2 JP 3167140 A JP3167140 A JP 3167140A JP 16714091 A JP16714091 A JP 16714091A JP 2823976 B2 JP2823976 B2 JP 2823976B2
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02P—IGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
- F02P17/00—Testing of ignition installations, e.g. in combination with adjusting; Testing of ignition timing in compression-ignition engines
- F02P17/12—Testing characteristics of the spark, ignition voltage or current
- F02P2017/125—Measuring ionisation of combustion gas, e.g. by using ignition circuits
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- Testing Of Engines (AREA)
- Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ガソリン機関(エン
ジン)において、スパークプラグのくすぶりがチェック
できるようにしたスパークプラグの絶縁低下および燃焼
状態検出装置に関する。
ジン)において、スパークプラグのくすぶりがチェック
できるようにしたスパークプラグの絶縁低下および燃焼
状態検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンの排気ガスの浄化および
燃費向上の要求から、機関の各気筒毎に燃焼状態を検出
し、全ての気筒の失火防止対策ができる装置が要請され
ている。このためには、スパークプラグのくすぶりによ
る飛火ミスや、火花放電が生じても正常に着火されない
失火を防止することが必要である。飛火ミスおよび燃焼
状態検出装置として、従来よりシリンダーブロックに穴
を開け光センサを装着したり、スパークプラグの取り付
け座に圧力センサを取り付けたり、点火回路のイオン電
流を測定する方法が公知である。
燃費向上の要求から、機関の各気筒毎に燃焼状態を検出
し、全ての気筒の失火防止対策ができる装置が要請され
ている。このためには、スパークプラグのくすぶりによ
る飛火ミスや、火花放電が生じても正常に着火されない
失火を防止することが必要である。飛火ミスおよび燃焼
状態検出装置として、従来よりシリンダーブロックに穴
を開け光センサを装着したり、スパークプラグの取り付
け座に圧力センサを取り付けたり、点火回路のイオン電
流を測定する方法が公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法において
は、センサの装着が面倒であったり、イオン電流を検出
するために高圧ダイオードが必要であったりし、車両の
全ての気筒に装着すると装着コストが増大したり、メン
テナンスに手間がかかるなどの欠点があった。この発明
の目的は、装着、メンテナンスが容易な構成で、正確に
飛火ミスないし失火が検出できる検出装置の提供にあ
る。
は、センサの装着が面倒であったり、イオン電流を検出
するために高圧ダイオードが必要であったりし、車両の
全ての気筒に装着すると装着コストが増大したり、メン
テナンスに手間がかかるなどの欠点があった。この発明
の目的は、装着、メンテナンスが容易な構成で、正確に
飛火ミスないし失火が検出できる検出装置の提供にあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】1)この発明のスパーク
プラグの絶縁低下検出装置は、点火コイルと、その一次
回路に流す電流を断続する一次電流断続手段と、点火コ
イルの二次回路に設けたシリーズギャップまたは逆流防
止ダイオードと、機関に装着されるスパークプラグとを
備えた点火装置を有するガソリン機関に付設されるもの
において、一次電流の通電中に所定時間一次電流のレベ
ルを下げて二次回路に絶縁検査用二次電圧を発生させる
一次電流制御手段と、スパークプラグに印加された前記
絶縁検査用二次電圧を検出するための分圧器と、分圧さ
れた前記絶縁検査用二次電圧の減衰特性を検出する二次
電圧検出回路と、該検出した二次電圧の減衰特性によ
り、スパークプラグの絶縁低下を判別する判別回路とか
らなる。 2)この発明のスパークプラグの絶縁低下および燃焼状
態検出装置は、点火コイルと、その一次回路に流す電流
を断続する一次電流断続手段と、点火コイルの二次回路
に設けたシリーズギャップまたは逆流防止ダイオード
と、機関に装着されるスパークプラグとを備えた点火装
置を有するガソリン機関に付設されるものにおいて、一
次電流の通電中の所定時間一次電流のレベルを下げて二
次回路に絶縁検査用二次電圧を発生させる一次電流制御
手段と、スパークプラグでの誘導放電による火花放電後
の所定時期に、点火コイルの一次回路に通電するととも
に一定時間後該通電を遮断し、二次回路にイオン電流用
二次電圧を発生させてスパークプラグの浮遊静電容量に
充電するイオン電流電圧発生手段と、スパークプラグに
印加される前記絶縁検査用二次電圧の波形およびイオン
電流用二次電圧の波形を検出するための分圧器と、分圧
された前記絶縁検査用二次電圧およびイオン電流用二次
電圧の減衰特性を検出する二次電圧検出回路と、これら
二次電圧の減衰特性により、スパークプラグの絶縁低下
およびガソリン機関の燃焼状態を判別する判別回路とか
らなる。
プラグの絶縁低下検出装置は、点火コイルと、その一次
回路に流す電流を断続する一次電流断続手段と、点火コ
イルの二次回路に設けたシリーズギャップまたは逆流防
止ダイオードと、機関に装着されるスパークプラグとを
備えた点火装置を有するガソリン機関に付設されるもの
において、一次電流の通電中に所定時間一次電流のレベ
ルを下げて二次回路に絶縁検査用二次電圧を発生させる
一次電流制御手段と、スパークプラグに印加された前記
絶縁検査用二次電圧を検出するための分圧器と、分圧さ
れた前記絶縁検査用二次電圧の減衰特性を検出する二次
電圧検出回路と、該検出した二次電圧の減衰特性によ
り、スパークプラグの絶縁低下を判別する判別回路とか
らなる。 2)この発明のスパークプラグの絶縁低下および燃焼状
態検出装置は、点火コイルと、その一次回路に流す電流
を断続する一次電流断続手段と、点火コイルの二次回路
に設けたシリーズギャップまたは逆流防止ダイオード
と、機関に装着されるスパークプラグとを備えた点火装
置を有するガソリン機関に付設されるものにおいて、一
次電流の通電中の所定時間一次電流のレベルを下げて二
次回路に絶縁検査用二次電圧を発生させる一次電流制御
手段と、スパークプラグでの誘導放電による火花放電後
の所定時期に、点火コイルの一次回路に通電するととも
に一定時間後該通電を遮断し、二次回路にイオン電流用
二次電圧を発生させてスパークプラグの浮遊静電容量に
充電するイオン電流電圧発生手段と、スパークプラグに
印加される前記絶縁検査用二次電圧の波形およびイオン
電流用二次電圧の波形を検出するための分圧器と、分圧
された前記絶縁検査用二次電圧およびイオン電流用二次
電圧の減衰特性を検出する二次電圧検出回路と、これら
二次電圧の減衰特性により、スパークプラグの絶縁低下
およびガソリン機関の燃焼状態を判別する判別回路とか
らなる。
【0005】
【発明の作用および効果】この発明では、スパークプラ
グの絶縁低下を検出するのに一次電流の通電中にその電
流または電圧を瞬時レベルダウンして二次電圧を発生さ
せる。また燃焼状態検出には、火花放電終了後に、一次
電流を短時間流し二次電圧を発生させる。これらの二次
電圧のレベルを配電器のローターギャップなどシリーズ
ギャップの絶縁破壊が可能な大きさ(5〜7キロボル
ト)にコントロールする。この二次電圧は、シリーズギ
ャップまたは逆流防止ダイオードにより逆流を阻止され
た状態でスパークプラグの浮遊静電容量が充電される。
これらの充電電荷の放電時間は、スパークプラグの絶縁
抵抗、または燃焼により生成した火花放電間隙のイオン
の有無により異なる。従って上記各二次電圧の減衰時特
性を解析することにより、スパークプラグのくすぶり、
および燃焼状態が判別できる。このため燃焼光センサ、
圧力センサ、高圧ダイオードは不要であり、構成が簡潔
でエンジンへの装着性に優れ、実用性の高いスパークプ
ラグの絶縁低下検出装置が得られる。
グの絶縁低下を検出するのに一次電流の通電中にその電
流または電圧を瞬時レベルダウンして二次電圧を発生さ
せる。また燃焼状態検出には、火花放電終了後に、一次
電流を短時間流し二次電圧を発生させる。これらの二次
電圧のレベルを配電器のローターギャップなどシリーズ
ギャップの絶縁破壊が可能な大きさ(5〜7キロボル
ト)にコントロールする。この二次電圧は、シリーズギ
ャップまたは逆流防止ダイオードにより逆流を阻止され
た状態でスパークプラグの浮遊静電容量が充電される。
これらの充電電荷の放電時間は、スパークプラグの絶縁
抵抗、または燃焼により生成した火花放電間隙のイオン
の有無により異なる。従って上記各二次電圧の減衰時特
性を解析することにより、スパークプラグのくすぶり、
および燃焼状態が判別できる。このため燃焼光センサ、
圧力センサ、高圧ダイオードは不要であり、構成が簡潔
でエンジンへの装着性に優れ、実用性の高いスパークプ
ラグの絶縁低下検出装置が得られる。
【0006】さらに、請求項2の構成において、燃焼状
態検出を行なうには、スパークプラグの絶縁抵抗が低下
していると、イオン電流検出用二次電圧は漏電により消
失する割合が多く、正確な燃焼状態の判別ができない。
このため、スパークプラグがくすぶっていないことが燃
焼状態検出の必要条件になる。この燃焼状態検出のデー
タは、たとえば空燃比のリーン限界で機関を運転する
際、気筒ごとの燃焼状態を検出し、失火の生じる限界の
近くまで空燃比を希薄にできるなど、排気浄化と燃費向
上に利用できる。また、スパークプラグの絶縁低下が検
出されたときは、上記限界制御は中止する。
態検出を行なうには、スパークプラグの絶縁抵抗が低下
していると、イオン電流検出用二次電圧は漏電により消
失する割合が多く、正確な燃焼状態の判別ができない。
このため、スパークプラグがくすぶっていないことが燃
焼状態検出の必要条件になる。この燃焼状態検出のデー
タは、たとえば空燃比のリーン限界で機関を運転する
際、気筒ごとの燃焼状態を検出し、失火の生じる限界の
近くまで空燃比を希薄にできるなど、排気浄化と燃費向
上に利用できる。また、スパークプラグの絶縁低下が検
出されたときは、上記限界制御は中止する。
【0007】
【実施例】図1は、点火コイル1、配電器(デストリビ
ュータ)2、スパークプラグ3を備えた内燃機関の点火
装置100を示す。点火コイル1の一次回路11は、車
載電源Vと、一次電流制御手段4とに接続され、二次回
路12は、前記配電器2を介してスパークプラグ3に接
続されている。配電器2のローターギャップ21とスパ
ークプラグ3の火花放電間隙31との間の二次回路12
には、分圧器5と、二次電圧検出回路6と、マイクロコ
ンピュータなどの判別回路7とが接続されている。この
実施例では、一次電流制御手段4が、この発明の一次電
流断続手段、スパークプラグの絶縁低下検出用二次電圧
発生手段、およびイオン電流検出用二次電圧発生手段の
作用を有する。
ュータ)2、スパークプラグ3を備えた内燃機関の点火
装置100を示す。点火コイル1の一次回路11は、車
載電源Vと、一次電流制御手段4とに接続され、二次回
路12は、前記配電器2を介してスパークプラグ3に接
続されている。配電器2のローターギャップ21とスパ
ークプラグ3の火花放電間隙31との間の二次回路12
には、分圧器5と、二次電圧検出回路6と、マイクロコ
ンピュータなどの判別回路7とが接続されている。この
実施例では、一次電流制御手段4が、この発明の一次電
流断続手段、スパークプラグの絶縁低下検出用二次電圧
発生手段、およびイオン電流検出用二次電圧発生手段の
作用を有する。
【0008】一次電流制御手段4は、スイッチ素子41
およびシグナルジェネレータ42からなり、つぎの作用
を有する。 a)エンジンのクランク角およびスロットル開度を検出
し、火花放電時期がエンジンの負荷および回転速度に適
応した点火進角となるよう一次電流を断続する。 b)一次電流の定電流制御を行なうとともに、定電流到
達後に一定の短時間、たとえば電流レベルを7アンペア
から6アンペアに低減させる。 c)スパークプラグでの火花放電終了後に、たとえば
0.3ミリ秒間一次電流を流し、その後停止する。
およびシグナルジェネレータ42からなり、つぎの作用
を有する。 a)エンジンのクランク角およびスロットル開度を検出
し、火花放電時期がエンジンの負荷および回転速度に適
応した点火進角となるよう一次電流を断続する。 b)一次電流の定電流制御を行なうとともに、定電流到
達後に一定の短時間、たとえば電流レベルを7アンペア
から6アンペアに低減させる。 c)スパークプラグでの火花放電終了後に、たとえば
0.3ミリ秒間一次電流を流し、その後停止する。
【0009】この実施例では、分圧器5は、二次回路1
2の高電圧リードとの間に1pF(ピコファラッド)静
電容量を生じるよう配設された導電体からなるセンサ5
1が使用され、低インピーダンス素子として3000p
Fの静電容量のコンデンサを用い、二次回路に生じた二
次電圧を1/3000程度に分圧する。この場合、コン
デンサ(52)に放電回路を形成する1メガオームの抵
抗53を並列接続すると、分圧器5の時定数が9ms
(ミリ秒)となり、後記する3msという比較的長い減
衰時間の判別が確実にできる。これにより最高3万ボル
ト前後の高電圧波形が10ボルトのレベルに下げられ二
次電圧検出回路6に入力する。
2の高電圧リードとの間に1pF(ピコファラッド)静
電容量を生じるよう配設された導電体からなるセンサ5
1が使用され、低インピーダンス素子として3000p
Fの静電容量のコンデンサを用い、二次回路に生じた二
次電圧を1/3000程度に分圧する。この場合、コン
デンサ(52)に放電回路を形成する1メガオームの抵
抗53を並列接続すると、分圧器5の時定数が9ms
(ミリ秒)となり、後記する3msという比較的長い減
衰時間の判別が確実にできる。これにより最高3万ボル
ト前後の高電圧波形が10ボルトのレベルに下げられ二
次電圧検出回路6に入力する。
【0010】二次電圧検出回路6は、図3に示す如く、
分圧器5の分圧と、シグナルジェネレータ42の出力を
入力とするピークホールド回路61、ピークホールド回
路61の出力電圧を分圧する分圧回路62、分圧回路6
2の分圧と前記分圧器5の出力とを比較し、パルス出力
を発する比較回路63からなり、分圧された二次電圧波
形のうち一定レベル以上の電圧の持続時間を検出する。
この実施例では、絶縁低下検出用二次電圧、およびイオ
ン電流検出用二次電圧のピーク値をピークホールドし、
各二次電圧波形のレベルがピークホールドレベルの、た
とえば2/3にレベルダウンするまでの時間をパルスと
して出力する。
分圧器5の分圧と、シグナルジェネレータ42の出力を
入力とするピークホールド回路61、ピークホールド回
路61の出力電圧を分圧する分圧回路62、分圧回路6
2の分圧と前記分圧器5の出力とを比較し、パルス出力
を発する比較回路63からなり、分圧された二次電圧波
形のうち一定レベル以上の電圧の持続時間を検出する。
この実施例では、絶縁低下検出用二次電圧、およびイオ
ン電流検出用二次電圧のピーク値をピークホールドし、
各二次電圧波形のレベルがピークホールドレベルの、た
とえば2/3にレベルダウンするまでの時間をパルスと
して出力する。
【0011】判別回路7は、前記持続時間が、あらかじ
め実験または計算により求めた設定値以上のとき、くす
ぶり、および燃焼状態を判別し、一定回数の点火タイミ
ングにおける前記持続時間のばらつきが、設定値以上の
とき空燃比の希薄(リーン)限界またはEGR(排気再
循環)の限界であると判別する。
め実験または計算により求めた設定値以上のとき、くす
ぶり、および燃焼状態を判別し、一定回数の点火タイミ
ングにおける前記持続時間のばらつきが、設定値以上の
とき空燃比の希薄(リーン)限界またはEGR(排気再
循環)の限界であると判別する。
【0012】作用を図2とともに説明する。一次電流制
御手段4でに示す一次電流制御を行なう。すなわち、
スパークプラグ3での火花放電用一次電流波形Aが立ち
上がり一定レベル(7アンペア)に達したのち、たとえ
ば0.2ミリ秒間だけ6アンペアに電流を低下する。こ
の一次電流を停止させたあと所定の遅延時間(1〜2ミ
リ秒間)後に0.3ミリ秒間一次電流を流し、一次電流
波形Bを生じさせる。これにより、点火コイル1の二次
回路12には、の如き二次電圧が発生する。すなわ
ち、一次電圧波形Aの立ち上がりのときに、低いピーク
p1 が生じ、一次電流のレベルダウン時に数キロボルト
のピークp2 が生じる。つづいて一次電流波形Aの終了
時に、1万ボルト以上、最大で3万ボルトまでの二次電
圧のピークp3 とこれにつづくなだらかな誘導電圧波形
q、およびその終了時の低いピークp4 が発生する。さ
らに上記一次電流波形Bの停止時に数キロボルトのピー
クp5 が生じる。
御手段4でに示す一次電流制御を行なう。すなわち、
スパークプラグ3での火花放電用一次電流波形Aが立ち
上がり一定レベル(7アンペア)に達したのち、たとえ
ば0.2ミリ秒間だけ6アンペアに電流を低下する。こ
の一次電流を停止させたあと所定の遅延時間(1〜2ミ
リ秒間)後に0.3ミリ秒間一次電流を流し、一次電流
波形Bを生じさせる。これにより、点火コイル1の二次
回路12には、の如き二次電圧が発生する。すなわ
ち、一次電圧波形Aの立ち上がりのときに、低いピーク
p1 が生じ、一次電流のレベルダウン時に数キロボルト
のピークp2 が生じる。つづいて一次電流波形Aの終了
時に、1万ボルト以上、最大で3万ボルトまでの二次電
圧のピークp3 とこれにつづくなだらかな誘導電圧波形
q、およびその終了時の低いピークp4 が発生する。さ
らに上記一次電流波形Bの停止時に数キロボルトのピー
クp5 が生じる。
【0013】前記ピークp2 およびピークp5 に示され
る二次電圧は、前者がスパークプラグ3の絶縁低下を検
出するため、後者が燃焼状態検出のため、スパークプラ
グの静電容量に充電する目的で発生させた電圧である。
この二次電圧の昇圧レベルは、前記一次電流のレベルダ
ウン量およびその時間と、一次電流波形Bの巾により所
望に設定することができる。この実施例では、ローター
ギャップ21の絶縁破壊が可能であり、スパークプラグ
3の火花放電間隙31に燃焼中の燃料イオンが存在しな
い場合には放電が不可能となるよう、5〜7キロボルト
に設定される。また配電器2を有さない、ディストリビ
ュータ・レス・イグナイタの場合は、2〜4キロボルト
に設定すれば良い。シリーズギャップとしてローターギ
ャップ21を使用する点火回路では、配電器2のロータ
とサイドエレクトロードとの近接時間が、エンジン回転
速度により変化する。このため、エンジンの高速運転時
は、遅延時間は短く設定され、6000rpmでは火花
放電持続時間は0.5〜0.7ms程度が適当である。
る二次電圧は、前者がスパークプラグ3の絶縁低下を検
出するため、後者が燃焼状態検出のため、スパークプラ
グの静電容量に充電する目的で発生させた電圧である。
この二次電圧の昇圧レベルは、前記一次電流のレベルダ
ウン量およびその時間と、一次電流波形Bの巾により所
望に設定することができる。この実施例では、ローター
ギャップ21の絶縁破壊が可能であり、スパークプラグ
3の火花放電間隙31に燃焼中の燃料イオンが存在しな
い場合には放電が不可能となるよう、5〜7キロボルト
に設定される。また配電器2を有さない、ディストリビ
ュータ・レス・イグナイタの場合は、2〜4キロボルト
に設定すれば良い。シリーズギャップとしてローターギ
ャップ21を使用する点火回路では、配電器2のロータ
とサイドエレクトロードとの近接時間が、エンジン回転
速度により変化する。このため、エンジンの高速運転時
は、遅延時間は短く設定され、6000rpmでは火花
放電持続時間は0.5〜0.7ms程度が適当である。
【0014】上記点火コイル1の二次電圧は、ローター
ギャップ21を飛び越えて主にスパークプラグ3の浮遊
静電容量に充電されるとともに、火花放電、イオン電
流、漏電により熱エネルギーとなって消失する。これに
より、配電器2のローターギャップ21とスパークプラ
グ3の火花放電間隙31との間の、主にスパークプラグ
3の静電容量(通常10〜20pF)に充電された二次
電圧(スパークプラグ3の端子間電圧)波形は、図2の
に示す如くなる。 1)ピークp2 は、スパークプラグの絶縁抵抗が正常の
ときは、実線の如くなだらかに降下し、絶縁低下してい
るときは、漏電が大きいので破線のように急速に降下す
る。 2)ピークp5 は、機関を空燃比の希薄な運転条件で運
転すると、pnに示す如く減衰波形がばらつき、安定運
転の限界に近づくほど、ばらつきが増大する。よってた
とえば10回の点火タイミングにおける減衰時間のばら
つき度合いを検出することで、機関の安定運転可能な空
燃比の希薄な限界を検知できる。EGRの限界量も同様
にして検知できる。 3)正常に着火した場合と、失火したときとでピークp
5 の減衰時間に大きな差が生じる。すなわち、失火した
ときは、破線の如く緩やかに降圧する電圧波形となり、
正常着火したときは、イオン電流となって電荷が消失す
るため、実線の如く急速に減衰する二次電圧波形とな
る。
ギャップ21を飛び越えて主にスパークプラグ3の浮遊
静電容量に充電されるとともに、火花放電、イオン電
流、漏電により熱エネルギーとなって消失する。これに
より、配電器2のローターギャップ21とスパークプラ
グ3の火花放電間隙31との間の、主にスパークプラグ
3の静電容量(通常10〜20pF)に充電された二次
電圧(スパークプラグ3の端子間電圧)波形は、図2の
に示す如くなる。 1)ピークp2 は、スパークプラグの絶縁抵抗が正常の
ときは、実線の如くなだらかに降下し、絶縁低下してい
るときは、漏電が大きいので破線のように急速に降下す
る。 2)ピークp5 は、機関を空燃比の希薄な運転条件で運
転すると、pnに示す如く減衰波形がばらつき、安定運
転の限界に近づくほど、ばらつきが増大する。よってた
とえば10回の点火タイミングにおける減衰時間のばら
つき度合いを検出することで、機関の安定運転可能な空
燃比の希薄な限界を検知できる。EGRの限界量も同様
にして検知できる。 3)正常に着火した場合と、失火したときとでピークp
5 の減衰時間に大きな差が生じる。すなわち、失火した
ときは、破線の如く緩やかに降圧する電圧波形となり、
正常着火したときは、イオン電流となって電荷が消失す
るため、実線の如く急速に減衰する二次電圧波形とな
る。
【0015】二次電圧検出回路6は、に示す如く、基
準電圧v以上の二次電圧の時間を検出し、パルス波t1
〜t4 およびtn を判別回路7に出力する。判別回路7
は、この減衰時間が、たとえばエンジン回転速度がアイ
ドリングのときは、0.7ms、高速、高回転、高負荷
では0.2ms以下になったらスパークプラグがくすぶ
り等で絶縁低下していると判定する。また、10回の点
火タイミングにおける減衰時間tn の基準値からのばら
つき度合いが、実験または計算により求めたデータと比
較して機関の安定運転に近いか否かを判定し、安定運転
の限界制御を可能とする。さらに、燃焼状態の検出にお
いては、1000rpmで、3ms以上で、6000r
pmのときは、1ms以上で、この中間の運転条件の場
合は、その比例値以上で失火が生じたと判別する。
準電圧v以上の二次電圧の時間を検出し、パルス波t1
〜t4 およびtn を判別回路7に出力する。判別回路7
は、この減衰時間が、たとえばエンジン回転速度がアイ
ドリングのときは、0.7ms、高速、高回転、高負荷
では0.2ms以下になったらスパークプラグがくすぶ
り等で絶縁低下していると判定する。また、10回の点
火タイミングにおける減衰時間tn の基準値からのばら
つき度合いが、実験または計算により求めたデータと比
較して機関の安定運転に近いか否かを判定し、安定運転
の限界制御を可能とする。さらに、燃焼状態の検出にお
いては、1000rpmで、3ms以上で、6000r
pmのときは、1ms以上で、この中間の運転条件の場
合は、その比例値以上で失火が生じたと判別する。
【0016】なお、上記ピーク電圧p2 を5〜7キロボ
ルトに設定すると、配電器2のローターギャップ21を
逆方向に気中放電して点火コイル1側に電流が生じ、瞬
時に3〜4キロボルトに降圧して、減衰特性の検出がし
にくくなる場合があるので、点火コイル1と配電器2と
の間に逆流防止ダイオードを挿入することが望ましい。
一次電流制御手段4が、一次電流断続手段、スパークプ
ラグの絶縁低下検出用二次電圧発生手段、およびイオン
電流検出用二次電圧発生手段の作用を兼ねているが、こ
れらはそれぞれ別個の手段、または一部が別の装置によ
りなされても良い。なお、スパークプラグ3の中心電極
がプラスの電位であるときの方が、マイナスのときに比
較しイオン電流がスムーズに流れるので、点火コイルは
通常と逆に接続するなどにより、二次電圧はプラスの電
位に設定しておくことが望ましい。
ルトに設定すると、配電器2のローターギャップ21を
逆方向に気中放電して点火コイル1側に電流が生じ、瞬
時に3〜4キロボルトに降圧して、減衰特性の検出がし
にくくなる場合があるので、点火コイル1と配電器2と
の間に逆流防止ダイオードを挿入することが望ましい。
一次電流制御手段4が、一次電流断続手段、スパークプ
ラグの絶縁低下検出用二次電圧発生手段、およびイオン
電流検出用二次電圧発生手段の作用を兼ねているが、こ
れらはそれぞれ別個の手段、または一部が別の装置によ
りなされても良い。なお、スパークプラグ3の中心電極
がプラスの電位であるときの方が、マイナスのときに比
較しイオン電流がスムーズに流れるので、点火コイルは
通常と逆に接続するなどにより、二次電圧はプラスの電
位に設定しておくことが望ましい。
【図1】この発明の燃焼状態検出装置を装着したガソリ
ン機関の点火回路図である。
ン機関の点火回路図である。
【図2】燃焼状態検出装置の作動説明のための波形図で
ある。
ある。
【図3】この発明の燃焼状態検出装置の部分回路図であ
る。
る。
1 点火コイル 2 配電器 3 スパークプラグ 4 一次電流制御手段 5 分圧器 6 二次電圧検出回路 7 判別回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 康生 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−155662(JP,A) 特開 昭57−51960(JP,A) 特開 昭61−169669(JP,A) 特開 昭56−88962(JP,A) 特開 平4−259671(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02P 17/12
Claims (2)
- 【請求項1】 点火コイルと、その一次回路に流す電流
を断続する一次電流断続手段と、点火コイルの二次回路
に設けたシリーズギャップまたは逆流防止ダイオード
と、機関に装着されるスパークプラグとを備えた点火装
置を有するガソリン機関に付設されるものにおいて、 一次電流の通電中に所定時間一次電流のレベルを下げて
二次回路に絶縁検査用二次電圧を発生させる一次電流制
御手段と、スパークプラグに印加された前記絶縁検査用
二次電圧を検出するための分圧器と、分圧された前記絶
縁検査用二次電圧の減衰特性を検出する二次電圧検出回
路と、該検出した二次電圧の減衰特性により、スパーク
プラグの絶縁低下を判別する判別回路とからなるスパー
クプラグの絶縁低下検出装置。 - 【請求項2】 点火コイルと、その一次回路に流す電流
を断続する一次電流断続手段と、点火コイルの二次回路
に設けたシリーズギャップまたは逆流防止ダイオード
と、機関に装着されるスパークプラグとを備えた点火装
置を有するガソリン機関に付設されるものにおいて、 一次電流の通電中の所定時間一次電流のレベルを下げて
二次回路に絶縁検査用二次電圧を発生させる一次電流制
御手段と、スパークプラグでの誘導放電による火花放電
後の所定時期に、点火コイルの一次回路に通電するとと
もに一定時間後該通電を遮断し、二次回路にイオン電流
用二次電圧を発生させてスパークプラグの浮遊静電容量
に充電するイオン電流電圧発生手段と、スパークプラグ
に印加される前記絶縁検査用二次電圧の波形およびイオ
ン電流用二次電圧の波形を検出するための分圧器と、分
圧された前記絶縁検査用二次電圧およびイオン電流用二
次電圧の減衰特性を検出する二次電圧検出回路と、これ
ら二次電圧の減衰特性により、スパークプラグの絶縁低
下およびガソリン機関の燃焼状態を判別する判別回路と
からなるスパークプラグの絶縁低下および燃焼状態検出
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3167140A JP2823976B2 (ja) | 1991-07-08 | 1991-07-08 | スパークプラグの絶縁低下および燃焼状態検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3167140A JP2823976B2 (ja) | 1991-07-08 | 1991-07-08 | スパークプラグの絶縁低下および燃焼状態検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0518343A JPH0518343A (ja) | 1993-01-26 |
JP2823976B2 true JP2823976B2 (ja) | 1998-11-11 |
Family
ID=15844171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3167140A Expired - Fee Related JP2823976B2 (ja) | 1991-07-08 | 1991-07-08 | スパークプラグの絶縁低下および燃焼状態検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2823976B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6274056B2 (ja) | 2013-11-28 | 2018-02-07 | 株式会社デンソー | 点火装置 |
-
1991
- 1991-07-08 JP JP3167140A patent/JP2823976B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0518343A (ja) | 1993-01-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |