JP2563847Y2 - ブレーカ用保護カバー機構 - Google Patents

ブレーカ用保護カバー機構

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JP2563847Y2
JP2563847Y2 JP682693U JP682693U JP2563847Y2 JP 2563847 Y2 JP2563847 Y2 JP 2563847Y2 JP 682693 U JP682693 U JP 682693U JP 682693 U JP682693 U JP 682693U JP 2563847 Y2 JP2563847 Y2 JP 2563847Y2
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英明 石川
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、低圧用の配線用遮断器
(ブレーカ)の操作面側を覆うブレーカ用保護カバー機
構に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に低圧配電盤等には、主開閉器と分
岐用開閉器が設けられている。分岐用開閉器には、各負
荷が接続されており、開閉器の容量は、負荷の大きさに
よって選定されるようになっている。このような、主開
閉器及び分岐用開閉器には、ブレーカと呼ばれる配線用
遮断器を使用するものがある。
【0003】このような低圧配電盤では、表面の扉を閉
止した状態としているが、ブレーカを操作するときは、
この扉を開け、中間のパネルから突出している各ブレー
カの把手(ハンドル)を操作するようにし、通常のブレ
ーカの操作状態では、ブレーカ等の充電部分が隠された
状態となっている。これによって、主開閉用及び分岐用
のブレーカの開閉操作を安全に行うことができるように
している。
【0004】ところで、各負荷回路の絶縁試験等の点検
を行う場合には、ブレーカをオフして負荷への給電を遮
断すると共に低圧配電盤の中間のパネルを開けて、低圧
配電盤の充電部分を露出させて行うようになっている。
また、各ブレーカの充電部分には、端子カバーが設けら
れており、絶縁試験等は、この端子カバーを取り付けた
状態で行うことができるが、増し締め、配線の取り換え
等の場合には、この端子カバーを取り外して行い、作業
が終了した時点で、再度端子カバーを取付けておくよう
にしている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、一つの
分岐回路について絶縁試験等を行う場合でも、主開閉器
等によって低圧配電盤内への電源の供給を遮断して行う
ことが好ましいが、実質的にこのような状態で試験を行
うことは不可能であり、所定の分岐回路のみを非通電状
態にして試験を行っているのが実情である。このため、
充電部分が露出した状態で作業を行わなければならな
い。
【0006】本考案は上記事実を考慮してなされたもの
であり、所望のブレーカの充電部分のみ開放することが
できるブレーカ用保護カバー機構を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案に係るブレーカ用
保護カバー機構は、ハンドルが設けられたブレーカの操
作面側及び一次側と二次側の充電部近傍を開放した状態
でブレーカを収容するフレームと、略平板状で前記フレ
ームの前記ブレーカの操作面側に配置されブレーカの一
次側及び二次側の充電部を覆うと共にブレーカのハンド
ル部近傍を開放する開口部が形成された保護カバーと、
前記フレームから前記ブレーカの一次側方向に沿って突
出され前記保護カバーをブレーカの操作面側を覆った位
置と操作面側を開放した位置の間で回動可能に支持する
支持部と、を有することを特徴とする。
【0008】
【作用】本考案に係るブレーカ用保護カバー機構は、保
護カバーによってブレーカの操作面側を覆ったときは、
開口からハンドル部近傍のみが露出し、ブレーカの一次
側及び二次側の充電部分が操作面側から隠される。この
ため、保護カバーによってブレーカを覆った状態で保護
カバー表面に露出したハンドルによってブレーカの開閉
操作を行うことができる。
【0009】この保護カバーをフレームの支持部を中心
に回動させてブレーカの操作面側を開放することによっ
て、ブレーカは、一次側及び二次側の充電部分が操作面
側に現れる。なお、一次側の充電部分は電源側で、二次
側の充電部分は負荷側としている。
【0010】低圧配電盤の各ブレーカをフレームと保護
カバー内に収容することにより、絶縁試験等の点検を行
う場合、保護カバーの回動操作により所望のブレーカの
充電部分のみを開放することができ、その他のブレーカ
の充電部分をそれぞれのブレーカに設けた保護カバーに
よって隠しておくことができる。また、各ブレーカは、
保護カバーの表面にハンドル部近傍のみが現れるため、
低圧配電盤の中間部のパネルの構造を簡略にすることが
できる。
【0011】なお、本考案に係るブレーカ用保護カバー
機構を使用するブレーカとしては、操作面側から一次側
及び二次側の充電部を確認することのできるものが好ま
しく、漏電遮断機能、外部操作機能等の付加機能が設け
られたものであってもよい。
【0012】
【実施例】図1乃至図3を用いて本考案の一実施例を説
明する。図1に示されるように、低圧配電盤10は、一
方の面に扉14が設けられた箱体12と、箱体12の扉
14側の内部に配置された中間パネル16を備えてい
る。中間パネル16の一部には、中間扉18が設けられ
ている。この中間パネル16は、例えば図示しないねじ
等によって螺合固定されており、必要に応じて着脱可能
となっている。
【0013】箱体12の内部には、複数の配線用遮断器
が収容され低圧配電回路が形成されている。箱体12の
上部には、中間パネル16の内方に主開閉器(以下「ブ
レーカ20」と言う)が収容され、中間扉18の内方に
複数の分岐用開閉器(以下「ブレーカ22」と言う)が
収容されている。
【0014】ブレーカ20は、中間パネル16に設けら
れた矩形状の開口部16Aから開閉操作を行うためのハ
ンドル20Aの近傍のみが露出されており、中間パネル
16の外方から開閉操作を行うことができる。また、ブ
レーカ20の一次側(図1の紙面上方側)には、例えば
変圧器等が接続され、所定の電圧が印加されるようにな
っており、ブレーカ20の二次側(図1の紙面下側)に
は、図示しない母線(例えば各相毎に設けられた銅バ
ー)が配置され中間パネル16によって隠蔽されてい
る。この母線は、各ブレーカ22の一次側(図1の紙面
右側)と所定の状態で接続(例えば図3に示す如き分岐
用銅バー22R、22S、22Tを介して接続)されて
おり、ブレーカ20のハンドル20Aを操作することに
よって、各ブレーカ22の一次側に所定の電圧が印加さ
れる。
【0015】図2及び図3には、本考案が適用した保護
カバー機構24を取付けたブレーカ22を示している。
保護カバー機構24は、断面形状が略コ字状のフレーム
26と平面形状が矩形形状のパネル28を備えている。
【0016】フレーム26内には、一次側(図2及び図
3の紙面右側)及び二次側(図2及び図3の紙面左側)
及びハンドル22Aの配置された操作面側が開放された
状態でブレーカ22が収容されるようになっている。フ
レーム26には、コ字状の両端部からブレーカ22の一
次側方向に沿って外方に支持部30が対でアーム状に延
設されている。この一対の支持部30には、貫通孔30
Aが同軸的に穿設されており、シャフト32が挿通可能
となっている。
【0017】保護カバー28は長尺矩形形状とされ、ブ
レーカ22の操作面側に配置した状態で長手方向の両端
部がブレーカ22の一次側及び二次側の外方へ突出する
大きさとなっており、中央部に前記したブレーカ22の
ハンドル22Aが突出可能な開口33が穿設されてい
る。保護カバー28の幅方向(長手方向と直交する方
向)の両端部には、フレーム26側へ向けて屈曲された
側壁28Aが形成されており、この側壁28Aがフレー
ム26の一部と長手方向に沿って重なり合うようになっ
ている。
【0018】また、保護カバー28の長手方向の一方の
端部(本実施例ではブレーカ22の一次側の端部)に
は、側壁28Aの内方に内壁28Bを形成すると共に保
護カバー28の補強の目的も兼ねたブラケット34が固
着されている。側壁28Aと内壁28Bの間には、同軸
的に貫通孔28Cが穿設されシャフト32が挿通可能と
なっている。
【0019】フレーム26と保護カバー28とは、保護
カバー28の側壁28Aと内壁28Bの間に支持部30
が挿入された状態で配置され、側壁28A及び内壁28
Bの貫通孔28Cの間に支持部30の貫通孔30Aに挿
通されたシャフト32を挿通して連結され、保護カバー
28を支持部30にシャフト32を中心に回動可能に支
持している。なお、シャフト32の側壁28Aから外方
に突出した先端には、例えばEリング(図示省略)等に
よって抜け止めが施されている。
【0020】これによって、保護カバー28はフレーム
26内に収容されたブレーカ22の操作面側を覆った状
態(図2及び図3で実線で示す)と、保護カバー28の
シャフト32と反対側の端部が上方へ向けて回動してブ
レーカ22の操作面から退避した状態(図2及び図3で
二点鎖線で示す)の間を回動する。保護カバー28がブ
レーカ22の操作面から退避した状態では、ブレーカ2
2の一次側及び二次側が開放される。なお、ブレーカ2
2は、ねじ等によって操作面と反対側からフレーム26
の所定の位置に固定される。また、保護カバー28は、
ブレーカ22の操作面側に配置した状態で、フレーム2
6に設けられた係合孔36に保護カバー28の側壁28
Aの内方に形成した半球状の突出部38を嵌合させて、
保護カバー28が簡単に回動しないように固定するロッ
ク機構が構成されている。
【0021】なお、フレーム26、保護カバー28の材
質は、樹脂等の絶縁材料であってもよいが、ブレーカ2
2の一次側及び二次側の充電部分との間に電気的な保安
離隔を確保できれば金属製であってもよい。また、本実
施例では、ブレーカ22に特に充電部分を覆う所謂端子
カバーを設けていない。
【0022】図2に示されるようにブレーカ22は、保
護カバー機構24と共に低圧配電盤内に配列(本実施例
では図1に示すように上下方向に沿って配列している)
されて取付けられる。このとき、フレーム26の下方に
は、取付け架台40を配置し、この取付け架台40を介
して低圧配電盤10内に取付けられたベース42板に固
定される。図3にも示すように、取付け架台40は、略
箱体形状であり、一方の面にねじ等の螺合によってフレ
ーム26が固定される。また、取付け架台40のフレー
ム26と反対側には略L字状に複数の係合部44が延設
されており、これらの係合部44をベース板42に設け
てスリット状の取付け孔46(図2に示す)へ挿入し
て、係合部44の先端部と取付け架台40の間でベース
板42を挟持して係合するようになっている。また、取
付け架台40には、ベース板42の表面に沿ってフラン
ジ48が延設されており、取付け架台42をベース板4
2に係合させた状態でフランジ48をねじ等の螺合によ
ってベース板42へ固定するようになっている。
【0023】フラッシュプレート24のフレーム26に
取付けられたブレーカ22は、このようにして所定の数
だけ低圧配電盤10に取付けられる。図1に示すよう
に、低圧配電盤10の中間扉18には、中間扉18を閉
止した状態で箱体12内に収容した複数のブレーカ22
のハンドル22A近傍を連続して開放状態とする長尺矩
形形状の開口部18Aが形成されており、扉14を開く
だけでブレーカ20、22のハンドル20A、22Aを
操作することができるようになっている。
【0024】また、図2及び図3に示すように各ブレー
カ22の二次側には、例えば圧着端子52等によって端
末処理されたケーブル54が接続され、このケーブル5
4を介して各負荷設備に電源を供給するようになってい
る。
【0025】次に本実施例の作用を説明する。低圧配電
盤10には、ブレーカ20の一次側に所定の電源が供給
され、各ブレーカ22の二次側に所定の負荷設備が接続
されている。この状態で、ブレーカ20のハンドル20
Aを操作した後、所望の負荷を接続したブレーカ22の
ハンドル22Aを操作することによって、負荷に電源が
供給される。この操作は、箱体12の扉14を開いて行
われる。通常は、扉14を閉止した状態となっている。
【0026】ここで絶縁試験等を行う場合、低圧配電盤
10の扉14及び中間扉18を開いて、各ブレーカ22
の保護カバー28を回動可能な状態とする。この後、所
定の負荷設備が接続されたブレーカ22のハンドル操作
を行って、負荷設備への電源の供給を遮断した後、保護
カバー28のシャフト32と反対側の端部を把持して、
保護カバー28をシャフト32を中心に回動する。この
とき、フレーム26の係合孔36から保護カバー28の
側壁28Aに形成した突出部38が離脱し、フレーム2
6と保護カバー28のロック機構が解除される。
【0027】このようにして保護カバー28を回動させ
てブレーカ22の操作面側から退避させることにより、
ブレーカ22の一次側及び二次側が開放された状態とな
る。このとき、他のブレーカ22の充電部分はそれぞれ
保護カバー機構24の保護カバー28によって隠蔽され
ているので、ブレーカ20から各ブレーカ22が受電さ
れている状態であっても、作業を安全に行うことができ
る。
【0028】また、作業が終了すると、ブレーカ22の
ハンドル22Aを所定の状態にして中間扉18及び扉1
4を閉止するが、このとき、保護カバー28がブレーカ
22の操作面側から退避した状態であれば、この保護カ
バー28が邪魔になって中間扉18及び扉14を閉止す
ることができない。これによって、作業終了時の点検を
確認することができ、確実に作業終了時の点検を行うこ
とができる。
【0029】ところで、一般に、配線用遮断器と言われ
るブレーカには、一次側及び二次側の充電部分を覆うた
めの樹脂製の端子カバーが設けられており、この端子カ
バーによって、充電部分を隠蔽するようになっている。
しかし、この端子カバーは、その弾性により嵌合状態で
着脱するようになっているため、作業途中で紛失してし
まうことがある。また、端子カバーの固定が疎になって
しまったり、端子カバーを取り付けずに作業を終了させ
てしまうこともある。これに対して、本実施例では、ブ
レーカ22の充電部分を保護カバー28によって覆うよ
うにしているため、充電部分を覆うための端子カバーを
設ける必要がなくなる。また、通常の作業では、保護カ
バー28は回動させるのみでフレーム26から着脱する
必要がないため、保護カバー28が紛失してしまうこと
はまったくない。
【0030】なお、保護カバー28に該当するブレーカ
22に接続されている設備の名称等を記録したネームプ
レートを取付けておけば、正確に該当する負荷設備の試
験を行うことができる。なお、このネームプレートの取
り付け位置を、中間扉18の開口部18A内(図1に二
点鎖線で示す開口部18A内)とすれば、低圧配電盤1
0に、各ブレーカ22毎に明記する負荷設備の名称と共
用することができる。
【0031】通常、分岐用のブレーカ22に接続してい
る負荷設備を明記する場合、中間扉18等に明記してい
るため、中間扉18を開いた状態では、該当する負荷設
備が接続されているブレーカ22を見分けることが難し
いことがあるが、保護カバー28にネームプレートを設
けておけば、負荷設備の確認が極めて容易でありかつ確
実である。
【0032】ブレーカ22は遮断容量によって大きさが
異なるが、ブレーカ22の大きさに応じて保護カバー機
構24を用意しておけばよい。このとき、ベース板42
の表面からブレーカ22の操作面までの高さが異なる場
合、例えば取付け架台40の高さによって調整すると共
に、保護カバー28は、長手方向の寸法を揃え、幅方向
の寸法のみをブレーカ22の大きさに合わせるようにす
ることもできる。このようにすれば、中間扉18を開け
たとき、保護カバー28が整然と並んで見え、低圧配電
盤10の美観、特に扉14ないし扉14と中間扉18を
開けたときの美観を向上させることができる。
【0033】さらに、中間パネル16に中間扉18を設
けずに、保護カバー28の配置に合わせて中間パネルに
開口部18Aを形成すれば、扉14を開けるだけで、保
護カバー28の開閉を可能とすることもできる。
【0034】なお、本実施例では、低圧配電盤10の分
岐用のブレーカ22に本考案を適用した例について説明
したが、主開閉器用のブレーカ20に本考案を適用して
もよく、また、低圧配電盤に限らず、負荷設備の近傍に
設置される所謂手元操作盤内に収容するブレーカに本考
案のブレーカ用保護カバー機構を取付けてもよいことは
勿論である。
【0035】
【考案の効果】以上説明した如く、本考案に係るブレー
カ用保護カバー機構によれば、所望のブレーカの充電部
分のみを開放状態として負荷設備の絶縁試験等のメンテ
ナンスを行うことができる。このとき、他のブレーカの
充電部分は、それぞれ防護カバーによって隠蔽されてい
るため、作業の安全性が極めて向上する優れた効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に適用した低圧配電盤を示す
斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿った要部断面図である。
【図3】本実施例に適用した保護カバー機構を示す分解
斜視図である。
【符号の説明】
10 低圧配電盤 14 扉 18 中間扉 18A 開口部 22 ブレーカ 22A ハンドル 24 保護カバー機構 26 フレーム 28 保護カバー 32 シャフト 33 開口

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルが設けられたブレーカの操作面
    側及び一次側と二次側の充電部近傍を開放した状態でブ
    レーカを収容するフレームと、略平板状で前記フレーム
    の前記ブレーカの操作面側に配置されブレーカの一次側
    及び二次側の充電部を覆うと共にブレーカのハンドル部
    近傍を開放する開口部が形成された保護カバーと、前記
    フレームから前記ブレーカの一次側方向に沿って突出さ
    れ前記保護カバーをブレーカの操作面側を覆った位置と
    操作面側を開放した位置の間で回動可能に支持する支持
    部と、を有することを特徴とするブレーカ用保護カバー
    機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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