JP2563552B2 - アルフア型半水石膏の連続製造方法 - Google Patents

アルフア型半水石膏の連続製造方法

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JP2563552B2 JP63328971A JP32897188A JP2563552B2 JP 2563552 B2 JP2563552 B2 JP 2563552B2 JP 63328971 A JP63328971 A JP 63328971A JP 32897188 A JP32897188 A JP 32897188A JP 2563552 B2 JP2563552 B2 JP 2563552B2
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    • C04B11/00Calcium sulfate cements
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は建築基材やボード材或いは模型用として用い
られるアルフア型半水石膏の連続製造方法に関する。
〔従来の技術〕
アルフア型半水石膏の製法としては加圧水溶液法、加
圧水蒸気法、常圧水溶液法が知られており、少量生産の
回分方式で製造するものが主である。回分方式とは違つ
た流通方式(連続方式)で製造する方法は特許第123087
0号(特願昭49〜53187号)に提案されており大量生産に
適した方法として実用化を進めて来たが、この方法では
アルフア型半水石膏の結晶粒子形状の周期変動が起こり
易く連続的に品質の安定したアルフア型半水石膏を製造
することが困難であるため、まだ大量生産のできる実用
装置はない。
従来のアルフア型半水石膏の連続式製造法の一例を特
許第1230870号(特願昭49−53187号)から引用し、これ
を第5図によつて説明する。
二水石膏スラリー調製槽1で媒晶剤と水と二水石膏を
混合して10wt%の二水石膏スラリーとし、これを加圧水
熱処理槽2で140℃以上の温度で1〜1.5時間の平均滞留
時間にて撹拌してアルフア型半水石膏スラリーを得る。
これを温度と圧力を保持しながらシツクナー3で濃縮し
乾燥器4で乾燥し、粉砕器5で粉砕してアルフア型半水
石膏の製品を得る。一方、シツクナー3で分離された液
は二水石膏スラリー調製槽1に返送され、メークアツプ
水として再使用される。
媒晶剤は二水石膏量に対して一定の量を供給するもの
である。
この従来法ではアルフア型半水石膏の結晶粒子が大き
くなつたり小さくなつたりして一定せず、品質が不安定
であつた。結晶粒子が大きくなつたり小さくなつたりし
て粒径分布が変動するとスラリー物性が変わることとな
り、沈降分離操作やスラリー輸送操作、乾燥操作、粉砕
操作が物性変化で不安定となつて操業が困難となる不具
合があり、製品の品質も不安定となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の流通式(連続式)の加圧水熱反応器によるアル
フア型半水石膏の連続製造方法では、前述したようにア
ルフア型半水石膏の結晶粒子が大きくなつたり、小さく
なつたりして一定せず品質が不安定であつた。
本発明者らが、この品質不安定の原因を調べたとこ
ろ、結晶粒子の成長過程で不規則に結晶核が発生してい
ることによるものであることを突きとめた。
本発明では、この不規則な核発生を防止し核発生の量
とタイミングを規則的に管理できる方法を採用すること
によつて品質の安定したアルフア型半水石膏を連続的に
大量生産する方法を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは加圧水熱反応槽内で規則性ある核発生を
生じさせて粒度分布の変動が少ない品質の安定したアル
フア型石膏結晶粒を連続的に得る方法につき鋭意研究の
結果、二水石膏スラリーが供給される加圧水熱反応槽に
小刻みに規則正しく媒晶剤の供給量をスイング変動させ
てやることが効果的であることを見出した。
本発明はこの知見に基づいて完成されたものであつ
て、本発明は二水石膏と媒晶剤を100℃以上の温度に加
熱された流通式の加圧水熱反応槽に連続的に供給し該加
圧水熱反応槽において二水石膏を溶解させると同時に媒
晶剤の存在下でアルフア型半水石膏を晶析させ、該加圧
水熱反応槽から連続的にアルフア型半水石膏結晶のスラ
リーを抜き出すに際し、該加圧水熱反応槽に供給する単
位時間当りの二水石膏重量Aに対し同時に該加圧水熱反
応槽に供給する単位時間当りの媒晶剤重量をBとCの大
小2つを選定し、B/AとC/Aを周期的に繰り返しながら媒
晶剤の供給量を管理することを特徴とするアルフア型半
水石膏の連続製造方法である。そして、本発明の好まし
い態様としては、前記技術構成におけるBとCを生成す
るアルフア型半水石膏の粒径検出信号により定めるよう
にすることが推奨される。
〔作用〕
本発明の小刻みで規則正しい媒晶剤の供給量のスイン
グコントロールによつて、少量の核発生を小刻みに規則
正しく起こすことができ、全体的に加圧水熱反応槽から
連続的に抜き出されるアルフア型石膏のつぶ状結晶の粒
径分布が安定したものとなる。
〔実施例〕
本発明方法の一実施例を第1図によつて説明する。
天然石膏や排煙脱硫装置の副生石膏の如き化学石膏は
二水石膏であり、これを二水石膏ヤード1から二水石膏
スラリー供給槽2へ導く。ここで後述の清澄液槽11から
の清澄液と混合し、35重量%の二水石膏スラリーにす
る。この二水石膏スラリーを加圧ポンプを介して加圧水
熱反応槽3に連続的に送る。この反応槽3内で二水石膏
が一旦溶解し、そしてアルフア型半水石膏として結晶化
させるために、174℃のスチームを該反応槽3内に吹き
込みスラリー温度を120〜160℃、好ましくは140℃に維
持する。
ここでアルフア型半水石膏の結晶粒子の成長過程で針
状結晶になるのを防止しつぶ状の結晶を得るために、第
1媒晶剤槽4から媒晶剤としてのクエン酸ナトリウムの
10重量%の水溶液と第2媒晶剤槽5からクエン酸ナトリ
ウムの5重量%の水溶液とを流量分配調節器13を介して
反応槽3に送る。
反応槽3内で生成するアルフア型半水石膏がつぶ状結
晶として生成するためには前述したように不規則な核発
生を抑制しなければならない。そこで規則性のある核発
生を生じさせ、粒度分布の変動が少ない品質の安定した
結晶粒を連続的に得るために、小刻みに規則正しく媒晶
剤の供給量をスイング変動させる。以下、その媒晶剤の
供給量のスイングコントロールの一態様を具体的に説明
する。
反応槽3に供給する単位時間当りの二水石膏重量をA
とし、第1媒晶剤槽4から供給する単位時間当りの倍晶
剤重量をBとし、第2媒晶剤槽5から供給する単位時間
当りの媒晶剤重量をCとする。今前述の通り第1媒晶剤
槽4には10重量%のクエン酸ソーダ水溶液が又第2媒晶
剤槽5には5重量%のそれが入つているから、流量分配
調節器13で交互に同流量を切り換えるとした場合にはB:
C=2:1の関係になる。
第2図に比較例として従来のように媒晶剤を第1媒晶
剤槽4から連続的に供給し、第2媒晶剤槽5からの供給
は停止した場合の反応槽3から抜き出されるアルフア型
半水石膏の結晶粒径分布50%D平均粒径の経時変化を示
した。
第3図は同じく媒晶剤を第2媒晶剤槽5からのみ供給
した場合の上記と同じ経時変化を示すものである。
第2図、第3図が示すようにアルフア型半水石膏の結
晶粒径が不規則かつ、大きく変動していることが分か
る。
第4図は本発明方法による媒晶剤のスイングコントロ
ールを採用した場合の一例であるBとCを30分毎に切り
換え供給することによつて核発生を少量づつ、かつ、小
刻みにコントロールできるため、アルフア型半水石膏の
結晶粒径分布は連続的に安定したものにすることができ
た。
第2,3,4図におけるB/Aは1/1000重量比、C/Aは1/2000
重量比である。
さて、第1図について、反応槽3から連続的に抜き出
される28重量%のアルフア型半水石膏スラリーは3.7at
m、140℃の加圧状態にあり、第1フラツシユタンク6へ
送られて1.5atm、111℃のフラツシユ蒸気とスラリーに
気液分離される。フラツシユ蒸気は乾燥機9の熱源に利
用される一方、111℃、1.5atmのスラリーは第2フラツ
シユタンク7へ送られ、1atm(常圧)、100℃のフラツ
シユ蒸気と同圧、同温の29重量%のアルフア型半水石膏
スラリーに気液分離される。
次に常圧のアルフア型半水石膏スラリーはアルフア型
半水石膏分離機8へ送られるがスラリーの極一部は粒径
分布検出器12に送られてオンラインで結晶粒子の粒径分
布を測定し、平均粒径、累積分布、比表面積、それに形
状に係わる演算値を得、これらの検出信号を流量分配調
節器13へ送り、そこで所望の結晶を得るためのB/A,C/A
の各々の値とスイング間隔を調節する。第4図に示した
のは一例であり、B/A,C/Aスイング間隔は、二水石膏の
源が変わつたりアルフア型半水石膏の結晶形状を所望の
ものにするために変更することは云うまでもない。又媒
晶剤槽の数は2つに限定されるものではなく例えば1つ
で流量を変えることによつてスイングコントロールする
ことができる。
第1図においてアルフア型半水石膏分離機8では常圧
100℃のアルフア型半水石膏ケーキと清澄液に固液分離
される。清澄液槽11には100℃の清澄液があり、その大
部分が二水石膏スラリー供給槽2へ送られて循環使用さ
れると共に若干の余剰水は排水処理へ送られる。一方、
アルフア型半水石膏ケーキは7重量%の付着水を含んで
いるため、これを乾燥機9へ送つて乾燥する。完全に乾
燥したアルフア型半水石膏は粉粒状となつてアルフア型
半水石膏サイロ10に貯蔵される。
〔発明の効果〕
媒晶剤のスイングコントロールを採用することによつ
て反応槽から連続的に抜き出されるアルフア型半水石膏
はつぶ状結晶の粒径分布の安定したものが得られるよう
になつた。しかも反応槽に連続的に供給する単位時間当
りの二水石膏重量Aに対し媒晶剤の供給重量BとCの比
B/A,C/Aの値とスイング間隔を変えることによつて所望
の粒径分布を有したアルフア型半水石膏の粉粒体を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施態様図、第2図,第3図は本発
明の効果を説明するための従来法によつて得られるアル
フア型半水石膏の結晶粒径分布50%D平均粒径経時変化
を示す図表、第4図は本発明の効果を示す得られるアル
フア型半水石膏の結晶粒径分布50%D平均粒径の経時変
化を示す図表、第5図は従来法によるアルフア型半水石
膏連続式製造工程図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多谷 淳 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 諏訪 征人 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 筒井 浩養 東京都千代田区丸の内2丁目5番1号 三菱重工業株式会社内 (72)発明者 大黒 武敏 東京都千代田区丸の内2丁目5番1号 三菱重工業株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二水石膏と媒晶剤を100℃以上の温度に加
    熱された流通式の加圧水熱反応槽に連続的に供給し該加
    圧水熱反応槽において二水石膏を溶解させると同時に媒
    晶剤の存在下でアルフア型半水石膏を晶析させ、該加圧
    水熱反応槽から連続的にアルフア型半水石膏結晶のスラ
    リーを抜き出すに際し、該加圧水熱反応槽に供給する単
    位時間当りの二水石膏重量Aに対し同時に該加圧水熱反
    応槽に供給する単位時間当りの媒晶剤重量をBとCの大
    小2つを選定し、B/AとC/Aを周期的に繰り返しながら媒
    晶剤の供給量を管理することを特徴とするアルフア型半
    水石膏の連続製造方法。
  2. 【請求項2】アルフア型半水石膏の粒径検出信号により
    BとCを定めることを特徴とする特許請求の範囲(1)
    記載のアルフア型半水石膏の連続製造方法。
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