JP2563107B2 - アルカリ電池 - Google Patents

アルカリ電池

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    • H01M6/00Primary cells; Manufacture thereof
    • H01M6/04Cells with aqueous electrolyte
    • H01M6/06Dry cells, i.e. cells wherein the electrolyte is rendered non-fluid
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この発明は、低水銀化のために、負極活物質に少くと
もPb,In,Alを含む亜鉛合金粉を用いたアルカリ電池に関
する。
《従来の技術》 亜鉛の汞化のための水銀は、一種の公害物質であると
ころから、現在では水銀の含有量を低下させるための亜
鉛合金の開発が種々なされている。
そのなかで例えば、Zn−Pb−Al−In系合金、Zn−Pb−
Al−Ga−In系合金は、汞化率が1.5%以下であってもガ
ス発生を抑制する面でかなりの効果がある。
《発明が解決しようとする問題点》 しかしながら、ガス発生を抑制することは、逆に放電
時の亜鉛の表面を不活性化することと密接な関係があ
り、放電性能の低下を招くことになる。
すなわち、一般に亜鉛の放電が進むと亜鉛酸イオンが
濃厚となり、亜鉛の表面に酸化被膜が形成されて不動態
化し、電子伝導を阻害される。
そして、この酸化被膜は、汞化率が低い程容易に生成
し、しかも前述の合金を用いた場合には、表面の不活性
化によって、より一層生成し易くなる。
したがって、ガス発生抑止効果を図ることと表面の活
性化を図ることは、低水銀化を達成する上での相反する
条件であって、一方の特性を向上させようとすると、他
方の特性が低下するものとなる。
本発明は、水銀の含有率を著しく低減しつつ、ガス発
生を制御し、酸化被膜の生成を抑止することを課題とし
て亜鉛合金粉の種類と、電解液であるゲル状アルカリ溶
液に添加される物質、およびその組合わせについて種々
検討および実験を繰り返した。
その結果、負極活物質として知られている少くともP
b,In,Alを含む亜鉛合金粉を用い、ゲル状アルカリ溶液
中に酸化第2スズを含有したものを電解液として用いた
組合わせが、前述の相反する条件を克服し、放電特性の
向上に関して所定の効果を得ることを確認した。
本発明は以上の知見に基づきなされたもので、その目
的は、ガス発生を防止しつつ、亜鉛表面の酸化被膜の生
成を抑止し、結果として放電特性を向上できるようにし
たアルカリ電池を提供するものである。
《問題点を解決するための手段》 前記目的を達成するため、この発明は、負極活物質と
して少くともPb,In,Alを含む亜鉛合金粉を用い、電解液
としてゲル状アルカリ溶液を用いたアルカリ電池におい
て、該アルカリ電解液中に酸化第2スズを含有させたこ
とを要旨とする。
すなわち、本発明のアルカリ電池は、負極を構成する
材料として、前記組成の亜鉛合金粉からなる負極活物質
と、ゲル状アルカリ電解液との混合物を用い、該ゲル状
アルカリ電解液中に酸化第2スズを添加したものであ
る。
そして、前記組成の亜鉛合金粉は、汞化度1.5%以下
でのガス発生抑止効果が大きい組成の材料として用いら
れ、亜鉛に対し重量比でPb(0.05)%,In(0.02)%,Al
(0.05)%の配合比となっている。
また、酸化第2スズは、放電の進行による亜鉛酸イオ
ンの生成に応じた酸化被膜の不動態化現象を阻害する物
質として含有され、その添加量は、亜鉛合金粉に対して
0.5〜2.0重量%の割合でゲル状アルカリ電解液中に含有
されている。
なお、その含有量が0.5%を下回ると酸化被膜生成の
阻害物質としての絶対量が少なく、従来と比べて有意差
が生じない。また、2.0%を越えて添加したとしても効
果の増加が余り期待できない割りには、添加量増大に伴
い、他の含有物質に対する悪影響が予想されるなどの不
都合を生ずる。したがって、その含有量は上記の範囲内
が望ましい。
《作 用》 酸化第2スズの添加によって、放電性能が向上する。
またこのことの作用機序は明らかでないが、アルカリ電
解液中に含まれるスズイオンの存在によって放電中期な
いし終末期における亜鉛酸イオンまたは酸化亜鉛による
不動態被膜の生成が阻害され、表面の活性化状態が持続
するからであると推定される。
《実 施 例》 以下、実施例によってこの発明の効果を説明する。
まず、この発明の実施に用いたLR6形電池の構造は、
図に示す一般的構造となっている。
図における電池は、正極缶を兼ねた有底円筒型の電池
ケース1の上部開口の内周部を負極端子板2の周縁フラ
ンジ部に封口ガスケット3を介して絞り加工、カール加
工などによってもカシメ付け、電池内部を密封してい
る。
電池内部には、上端を前記封口ガスケット3の中心を
貫通して前記負極端子板2に電気的接続した集電棒4
と、該集電棒4の外周を取巻くようにして負極5、セパ
レータ6、及び二酸化マンガンを主体とする正極合剤7
が同心状に充填され、発電要素を構成している。
前記負極5はPb(0.05)%,In(0.02)%,Al(0.05)
%を含む汞化率1%の亜鉛合金粉からなる負極活物質
と、ZnOを含有したゲル状アルカリ電解液との混合物で
あり、該ゲル状アルカリ電解液中には酸化第2スズが含
まれている。
そして、酸化第2スズの含有量を亜鉛に対し重量比で
0.2〜5.0%まで変えたサンプル〜を作り、それぞれ
の放電持続時間を測定したところ、以下の表に示す測定
値を得られた。
*試験条件:10Ω連続放電、終止電圧=0.9v 温度 20℃,試験数n=5 *従来品は負極活物質として同一の組成の亜鉛合金粉お
よびZnOを含み酸化第2スズ無添加のゲル状アルカリ電
解液を用いたものである。
以上の表に示す結果から明らかなように、本発明では
アルカリ電解液中に酸化第2スズをまったく含まないゲ
ル状亜鉛負極を用いた従来の電池に比べて有意差が明ら
かに生じている。また、酸化第2スズの含有量が0.2%
では効果の達成度合いが小さく、2.0%を上回ったもの
については反って効果が下回っている。これは前述のよ
うに1.0〜2.0%で持続時間が同一であり、効果の増加が
期待できないとともに、他の含有物質に対する悪影響が
発現するものと推定される。
したがって、本発明では酸化第2スズの含有量の下限
を0.5%、上限を2.0%とすることで、所期の効果を得ら
れ、特に1.0〜2.0%の範囲が最良の効果を発揮する。
なお、前記実施例では亜鉛合金粉として、Zn−Pb−In
−Alについてのみ実験を行ったが、従来より公知となっ
ているBi,Cd,Ga,Tl等を加えた合金粉についても同様な
効果を得ることは容易に予想できるものである。
《効 果》 以上のように、本発明にあっては、ZnO含有ゲル状ア
ルカリ電解液に酸化第2スズを含有させることによっ
て、放電持続時間を向上できる。
したがって、以上の組成の負極を用いた場合には低汞
化材料である前述の亜鉛合金粉によるガス発生の抑制効
果とともに、これの欠点であった放電進行時における亜
鉛合金不活性現象を抑制し、放電特性を向上できること
になり、低汞化度化を実現する上で有効である。
【図面の簡単な説明】
図は本発明に係るアルカリマンガン電池の断面図であ
る。 1……正極缶、2……負極端子板 3……封口ガスケット、4……集電棒 5……負極、6……セパレータ 7……正極合剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筒井 清英 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電 気化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−175368(JP,A) 特開 昭53−145034(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負極活物質として少なくともPb,In,Alを含
    む亜鉛合金粉を用い、これをゲル状アルカリ電解液に混
    合してなるゲル状亜鉛負極を用いたアルカリ電池におい
    て、該ゲル状アルカリ電解液中に酸化第2スズを含有さ
    せたことを特徴とするアルカリ電池。
  2. 【請求項2】前記酸化第2スズは亜鉛合金粉に対して0.
    5〜2.0重量%の割合で電解液中に含有されていることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のアルカリ電
    池。
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