JP2562768Y2 - 鉄道車両と小型トラックとによる複合輸送用コンテナの隅金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、比較的小型のコンテナ
（図８）による鉄道貨物輸送と、小廻りのきく小型トラ
ック輸送とによる複合輸送に使用するコンテナのスライ
ド式の隅金具構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来からコンテナの鉄道貨車による輸送
とトラック輸送との複合輸送が盛んにおこなわれてい
る。この複合輸送用コンテナはＩＳＯ規格（国際規格）
のコンテナが主体で、コンテナの外側の巾Ｗ（図８）が
一定で長さがモジュ−ル化されたものである。そしてこ
の複合輸送におけるトラック輸送では、大型のトラック
が使用されているので、荷物の戸口から戸口への集配送
には小廻りがきかず不便で、大型トラックから再度小型
トラックでの集配送を強いられ、このため輸送コスト的
に不利であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本考案は上記の問題点
に鑑み考案したもので、コンテナは小型のトラックに搭
載できる大きさのコンテナとし、このコンテナをトラッ
クに搭載するときの緊締用隅金具はコンテナに固定した
隅金具を用い、鉄道貨車での輸送時には従前からのＩＳ
Ｏ規格用コンテナ巾に見合った緊締装置を使用できるよ
うな構造の隅金具を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】コンテナの底部４隅部に
外側方に出没可能に設けた可動隅金具Ａと、該隅金具Ａ
の内側に設けた固定隅金具Ｂを有し、可動隅金具Ａはそ
の頂部に垂直に設けた規制板６を有し、該規制板６に対
しコンテナ隅柱７の側面に下向きに設けた規制板８で側
方突出位置を規制し、又隅柱７の内方に設けた逆Ｌ型部
材９で収納位置を規制するようにし、側方突出位置及び
収納位置を隅金具Ａに設けた水平ブラケット３と隅柱７
側に設けたブラケット１０とに設けた２つのピン孔4aと
4bに位置決めピン５を挿入することによって位置決めす
るようにした。

【０００５】

【実施例】図１は本考案の基本概念説明図である。コン
テナの底面四隅にはそれぞれ適宜距離離間させた隅金具
ＡとＢが配置されている。トラック輸送時は幅Ｘの位置
にある固定の隅金具Ｂがトラックシャシ−上の緊締装置
と係合し、Ｘより広い幅Ｙ位置の隅金具Ａ（鉄道貨車
用）はコンテナの隅部に格納されている。そしてトラッ
ク輸送から鉄道輸送に移し替える時にはコンテナから側
方にこの隅金具Ａを引き出して鉄道貨車の緊締装置と係
合させて緊締するようになっている。

【０００６】このように本考案は鉄道貨車用の緊締装置
に係合できない小型のコンテナを鉄道貨車用緊締装置に
係合できるようにして、従来から使用している鉄道貨車
をそのまゝ利用して小型のコンテナとの複合輸送を可能
にしたものである。

【０００７】図２は可動式隅金具を備えたコンテナの隅
部斜視図である。図２に示したようにコンテナの底部四
隅には巾方向に出没可能な対鉄道車両用の隅金具Ａが設
けてある。この鉄道車両用隅金具Ａの内側には所定間隔
をあけてトラック用隅金具Ｂが固設してある。隅金具Ａ
は図５に示す如く出没案内用の案内筒１が内側に固着さ
れていて、これが外筒２内を摺動する。又隅金具Ａには
水平ブラケット３が固着されていて、その両端にそれぞ
れ２つのピン孔4aと4bが穿設されている。図５の左側の
ピン孔4aは位置決めピン５を挿入して隅金具Ａが縮少し
て内側に引込んだときにその位置を固定し、右側のピン
孔4bは隅金具Ａが側方に突出して外に張り出したとき、
即ち鉄道貨車の緊締装置と係合するときに緊締装置の巾
と一致する位置で位置決めピン５が挿入されて固定され
る。隅金具Ａの上面に上向きに規制板６を立設し、これ
により隅金具Ａを伸長したとき鉄道貨車用緊締装置巾を
位置決めする。

【０００８】隅金具Ａに立設した規制板６に対し、コン
テナ隅柱７側に規制板８が下向きに固設されている。規
制板８に対しコンテナの巾方向内側には逆Ｌ型部材９が
固設され、これにより隅金具Ａの引込位置を規制してい
る。コンテナの隅柱７を側方からみると、図７に示すご
とく、ブラケット１０が水平に固設されている。又隅金
具Ａにもこれと平行してブラケット３が固設され、これ
らブラケット１０，３には位置決めピン５を挿入する穴
が２つ宛設けられている。位置決めピン５はブラケット
１０の上方位置に枢支されたＬ型をした抜け止め部材１
１によって上方への抜け出しを防止している。抜け止め
部材１１を側方に回すと、位置決めピン５は上方に引き
抜くことができる。

【０００９】

【作動】鉄道車両用の隅金具Ａを使用するときは、外筒
２に沿って外側方に引張り出す。その位置は規制板６が
隅柱７側の規制板８に当るまで側方に出す。この位置で
抜け止め部材１１を回して位置決めピン５を上方から落
し込んで位置決めする。この状態で鉄道車両側の緊締装
置と係合可能である。逆に隅金具Ａを内側に収納するに
は、位置決めピン５を上方に抜きとり、隅金具Ａを外筒
２に沿って案内筒１を内側に摺動させると、隅金具Ａの
端が逆Ｌ型部材９の内面に当りその位置を規制する。停
止位置で位置決めピン５を挿入すればそれで収納は完了
となる。

【００１０】

【効果】小型のコンテナの巾方向外側に側方に出没自在
な隅金具Ａを設け、該隅金具Ａを利用して鉄道貨車側に
設置されている従来からの緊締装置と係合させ緊締でき
るようにしたので、小型コンテナの鉄道貨車とトラック
との複合輸送を可能にし、戸口から戸口への小廻り集配
輸送を敏速かつ効率的に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の隅金具の配置図。

【図２】可動式隅金具Ａを備えたコンテナの隅部斜視
図。

【図３】図のＡ矢視平面図。

【図４】隅金具Ａの収納状態を示す。

【図５】隅金具Ａとその案内機構。

【図６】図２のＢ矢視端面図（隅金具Ａが出ている）。

【図７】図２のＣ矢視側面図。

【図８】公知コンテナの斜視図。

【符号の説明】

Ａ 鉄道車両用隅金具 Ｂ 小型トラック用
の隅金具 １ 案内筒 ２ 外筒 ３ ブラケット 4a，4b ピン孔 ５ 位置決めピン ６ 規制板 ７ 隅柱 ８ 規制板 ９ Ｌ型部材 10 ブラケット 11 抜け止め部材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンテナの底部４隅部に外側方に出没可
   能に設けた可動隅金具(Ａ)と、該隅金具(Ａ)の内側に設
   けた固定隅金具(Ｂ)を有し、前記可動隅金具(Ａ)はその
   頂部に垂直に設けた規制板(６)を有し、該規制板(６)に
   対しコンテナ隅柱(７)の側面に下向きに設けた規制板
   (８)で側方突出位置を規制し、又隅柱(７)の内方に設け
   た逆Ｌ型部材(９)で収納位置を規制するようにし、側方
   突出位置及び収納位置を隅金具(Ａ)に設けた水平ブラケ
   ット(３)と隅柱(７)側に設けたブラケット(10)とに設け
   た２つのピン孔(4aと4b)に位置決めピン(５)を挿入する
   ことによって位置決めするようにしたことを特徴とする
   鉄道車両と小型トラックとによる複合輸送用コンテナの
   隅金具。