JP2562170B2 - 信号伝送装置用封入剤 - Google Patents

信号伝送装置用封入剤

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JP2562170B2
JP2562170B2 JP63054730A JP5473088A JP2562170B2 JP 2562170 B2 JP2562170 B2 JP 2562170B2 JP 63054730 A JP63054730 A JP 63054730A JP 5473088 A JP5473088 A JP 5473088A JP 2562170 B2 JP2562170 B2 JP 2562170B2
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    • H01B3/44Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties mainly consisting of organic substances plastics; resins; waxes vinyl resins; acrylic resins

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、信号伝送装置の封入用として有用な封入用
組成物に関する。
本発明の背景 封入用組成物は、汚染物に対する障壁を付与するため
にしばしば使用される。封入剤は、電気的または光学的
信号がそれを通つて伝導される1個またはそれ以上の伝
導体の間のスプライス(splice)のような装置を封入す
るのに典型的に使用される。封入剤は流体および非流体
汚染に対する障壁としての役目をする。特に、スプライ
スのようなこれらの装置では、修理、検査などのための
再装入がしばしば必要である。この用途およびその他に
おいて、封入剤が非毒性、無臭、使用が容易、透明、か
びに対する耐性および安価であることが望ましい。
電気および光学ケーブルのような信号伝送装置は、典
型的に各々が電気または光学信号を伝送する複数個の個
々の伝導体を含有する。FLEXGEL(AT&T社から商用と
して入手できる)のようなグリース状組成物が個々の伝
導体の周囲に典型的に使用される。他の充填用組成物に
は、石油ジエリー(PJ)およびポリエチレン変性石油ジ
エリー(PEPJ)が含まれる。ケーブル充填用組成物およ
び特にFLEXGEL型組成物の一般的論議に関しては、U.S.
P.No.4,259,540を参照されたい。
ケーブルを添え継ぎするときは、封入剤が硬化によつ
て伝導体に接着し、伝導体と封入剤との間に水または他
の汚染物がしみこむのを防止するため個々の伝導体から
グリース状組成物を清掃することがしばしば実施され
る。従つて、グリース状組成物で被覆されている導体に
直接接着する封入剤が極めて望ましい。
ケーブルの個々のコネクターを添え継ぎするのに使用
される多くの接続装置(以後コネクター)は、ポリカー
ボネート製である。従来技術の封入剤の相当多くの種類
は、ポリカーボネートと融和性(Compatible)ではな
く、このため、時間の経過と共にこの物質から製造され
たコネクターに応力を加えたり、亀裂を生ずる。従つ
て、ポリカーボネートコネクターと融和性である封入剤
が提供されることが望ましい。
上記の問題に取組み、成功率の程度が異なる多数の従
来技術の封入剤は、ポリウレタンゲルに基づく。各種の
ポリウレタン基剤のゲルは、U.S.P.NOS.4,102,716;4,53
3,598;4,375,521;4,355,130;4,281,210;4,596,743;4,16
8,258;4,329,442;4,231,986;4,171,998;Re 30,321;4,02
9,626および4,008,197に開示されている。しかし、すべ
てのポリウレタンゲルは二つ問題を有する。イソシアネ
ートは水と極めて反応性であることは当業界において周
知である。上記のポリウレタン系は、イソシアネート部
分およびゲルの硬化を所望するときイソシアネートに添
加するように計画されている架橋剤部分を含む2成分系
を利用している。イソシアネートの水との反応性のため
に、イソシアネートを架橋剤で硬化させる時機が来るま
で、イソシアネートが水と反応しないように保持するた
めに複雑、かつ、費用のかかる包装方式を準備する必要
があつた。
さらに、イソシアネート化合物が低アレルギー性化合
物であることは当業界において周知ではあるが、ある種
の人にはアレルギー反応を誘発する。このことは作業者
が現場で成分を混合する必要がある2成分系を使用する
ときに特に問題になる。
従つて、水不透過性障壁として信号伝送装置の接続に
使用することができ、グリース被覆伝導体に良好な接着
力を有し、ポリカーボネートスプライスコネクターと融
和性であり、かつ、イソシアネート化合物の使用を必要
としない封入剤が提供されることは極めて望ましいこと
である。
本発明の要約 本発明によつて、電気または光学ケーブルのような信
号伝送装置用として使用できる封入剤組成物が提供され
る。本発明は、少数の名称を挙げればスプリンクラー系
統、接続函のような電気的または電子部品のようにケー
ブルでない信号伝送装置用の封入剤としての利用性があ
ることも理解すべきである。さらに、この封入剤は非−
信号伝送装置用の封入剤またはシーラントとしての利用
性があるものと考えている。
この封入剤はi)無水物官能化組成物;および(ii)
該無水物官能化組成物と反応することができる架橋剤の
混合物の増量された反応生成物から成る。反応生成物
は、好ましくは反応生成物とは本質的に不活性であり、
かつ、実質的に非惨出性である少なくとも1種の可塑剤
で増量される。
この封入剤は、例えば(i)密閉容器(enclosure)
部材;(ii)少なくとも1個の信号伝導装置を含む信号
伝送装置;および(iii)密閉容器部材内で少なくとも
1個の伝導体を少なくとも1個の他の伝導体に接合させ
る少なくとも1個の接続装置から成るケーブルスプライ
スにおける信号伝送部品中において使用できる。信号伝
導体は、例えば電気または光学信号のような信号を伝送
できる。
本発明は、また、無水物部分と架橋剤部分とを一緒に
混合して液体封入剤を形成し、該液体封入剤組成物を周
囲温度で密閉容器中に注入し、液体封入剤を架橋させて
伝送装置内の個々の導体間の空隙を含む囲い内を充填す
る架橋した封入剤を形成することから成る信号伝送装置
を含有する密閉容器の充填方法にも関する。本発明の液
体封入剤は、また、汚染された部品中に圧力下で圧入さ
せ部品から汚染物を奪取し、その後に封入剤を硬化させ
て、部品の再汚染を防止することもできる。液体封入剤
組成物はまた、部品中に注入し、封入剤を硬化させてケ
ーブルなどの中に栓またはダムを形成することもでき
る。
詳細な説明 本発明の封入剤は、信号伝送装置および水・不透過
性、好ましくは再入可能な障壁が望ましい他の用途のた
めの封入剤としての使用が好適である。封入剤は、反応
生成物を増量する有機可塑剤の存在下で無水物官能化組
成物を好適な架橋剤で架橋させることによつて形成され
る。可塑剤は反応生成物には本質的に不活性であり、か
つ、実質的に非滲出性であるものが好ましい。可塑剤系
はグリース被覆伝導体に対する接着力の程度、ポリカー
ボネートコネクターとの融合性の程度および封入剤の軟
かさまたは硬さのような封入剤の所望の性質に寄与する
ように選ばれる。
本明細書で使用する「本質的に不活性」の語は、可塑
剤が無水物質官能化組成物と架橋剤との間の反応に入つ
て架橋しないことの意味である。
本明細書で使用する「非−滲出性」(non−exuding)
の語は、可塑剤が無水物官能化組成物と架橋剤との反応
生成物と混合され、そのまま留まることができる能力を
意味する。多数の可塑剤では若干の吹出または固体から
のわずかな分離、特に高温度および長すぎる貯蔵時間後
に経験されている。これらの可塑剤でもまだ「実質的に
非滲出性」であると考えられている。
本明細書で使用する「無水物官能化組成物」(Anhydr
ide functionalized Composition)は、反応してその上
に無水物反応性部位を有する化合物を形成しているポリ
マー、オリゴマーまたはモノマーと定義する。
本発明の封入剤に使用するのに好適な無水物官能化組
成物の例には、マレイン化ポリブタジエン−スチレンポ
リマー(Ricon184/MAのような)、マレイン化ポリブタ
ジエン(Ricon131/MAまたはLithene LX16−10MA)、無
水マレイン酸変性植物油(マレイン化アマニ油、脱水ヒ
マシ油、大豆油またはキリ油など)、マレイン化水素化
ポリブタジエン、マレイン化ポリイソプレン、マレイン
化エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエンターポリマ
ー、マレイン化ポリプロピレン、マレイン化ピペリレン
/2−メチル−1−ブテンコポリマー、マレイン化ポリテ
ルペン樹脂、マレイン化シクロペンタジエン、マレイン
化ガムまたはトール油樹脂、マレイン化石油樹脂、ジエ
ンおよび無水マレイン酸のコポリマーまたはそれらの混
合物が含まれる。マレイン化ポリブタジエンが好まし
い。
本発明の好適な架橋剤は、無水物官能化組成物と反応
して架橋ポリマー構造を形成する化合物である。本発明
に好適な架橋剤には、ポリチオール、ポリアミンおよび
ポリオールが含まれ、ポリオールが好ましい。
好適なポリオール架橋剤には、例えば、ポリアルカジ
エンポリオール(Poly bd R−45HT)、エチレンオキサ
イドおよび(または)プロピレンオキサイドおよび(ま
たは)ブチレンオキサイドを基剤とするポリエーテルポ
リオール、リシノール酸誘(ヒマシ油のような)、ポリ
エステルポリオール、脂肪ポリオール、エトキシル化脂
肪アミドまたはアミンまたはエトキシル化アミン、ジエ
ンのヒドロキシル含有コポリマーまたはそれらの混合物
が含まれる。ポリbd R−45HTのようなヒドロキシル末端
基ポリブタジエンが現在のところ好ましい。
使用できるヒマシ油は、主として、約70%のグリセリ
ルトリリシノレート、および約30%のグリセリルジリシ
ノレート−モノオレエートまたはモノ−リノレートの混
合物から成り、York USP Caster OilとしてYork Caster
Oil社から入手できる。
ポリオール基剤のリシノレートもCasChem社およびSpe
ncer−Kellogg社から入手できる。
好適なエステル交換生成物も、U.S.4,603,188に開示
されているように、ヒマシ油および実質的にヒドロキシ
ルを含有しない天然産トリグリセライド油から製造でき
る。
好適なポリエーテルポリオールには、例えば、少なく
とも2炭素原子から成るアルキレン単位を有する脂肪族
アルキレングリコールポリマーが含まれる。これらの脂
肪族アルキレングリコールポリマーの例として、ポリオ
キシプロピレングリコールおよびポリテトラメチレンエ
ーテルグリコールが挙げられる。トリメチロールプロパ
ンとプロピレンオキサイドとの反応生成物を三官能基含
有化合物の例として挙げることができる。典型的なポリ
エーテルポリオールは、Union Carbide社から商標名Nia
x PPG−425として入手できる。特に、Niax PPG−425と
して入手できる。特に、Niax PPG−425は、慣用のポリ
オールとビニルモノマーとのコポリマーであり、263の
ヒドロキシル価、0.5の酸価、および25℃で80センチス
トークスの粘度を有するものである。
一般用語ポリエーテルポリオールには、アミン基剤ポ
リマーまたはポリマーポリオールとしばしば呼ばれるポ
リマーも含まれる。典型的なアミン基剤ポリオールに
は、Niax BDE−400またはFAF−529のようなスクロース
−アミンポリオールまたはNiax LA−475またはLA−700
のようなアミンポリオールが含まれる、これらはすべて
Union Carbide社から入手できる。
好適なポリアルカジエンポリオール架橋剤は、約12炭
素原子までの未置換、2−置換または2,3−ジ置換1,3−
ジエンを含むジエンから製造できる。好ましくは、ジエ
ンは約6炭素原子までを有し、そして、2−および(ま
たは)3−位置の置換基が水素、約1〜約4個の炭素原
子を有するアルキル基、置換アリール、未置換アリー
ル、ハロゲンなどであるジエンである。かようなジエン
の典型は、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン、2−シアノ−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,
2−ブタジエンなどである。ヒドロキシル末端基ポリブ
タジエンは、Poly−bd R−45HTの名称でARCO Chemicals
社から入手できる。Poly−bd R−45HTは、約2800の分子
量、約50の重合度、約2.4〜2.6のヒドロキシル官能価お
よび46.6のヒドロキシル価を有するものとして示され
る。さらに、ポリアルカジエンポリマーの水素化誘導体
も有用である。
上記のポリオールのほかに、典型的には、約300また
はそれ以下の分子量を有し、約2〜約4個のヒドロキシ
ル基を含有する比較的低分子量、反応性連鎖延長または
架橋性化合物も使用できる。N,N−ビス(2−ヒドロキ
シプロピル)アニリンのような芳香族基を含有する物質
も有用なゲルの生成用として使用することができる。
硬化ゲルの架橋を確実にするために、ポリオール基剤
成分が2以上のヒドロキシル官能価を有することが好ま
しい。かようなポリオールの例には、ポリオキシプロピ
レングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリ
オキシテトラメチレングリコール、および少量のポリカ
プロラクトングリコールが含まれる。好適なポリオール
の例は、Quadrol、N,N,N′,N′−テトラキス−(2−ヒ
ドロキシプロピル)−エチレンジアミンであり、BASF W
yandotte Corp.から入手できる。
好適なポリチオールおよびポリアミン架橋剤は、本発
明の範囲内で広く変化でき、そして、(i)メルカプタ
ンおよび(ii)多官能性のアミンが含まれる。これらの
化合物はしばしばヒドロカルビル置換されているが、シ
アノ、ハロ、エステル、エーテル、ケト、ニトロ、サル
フアイド、またはシリル基のような他の置換基をペンダ
ントまたはカテナリー(主鎖中に)単位として含有でき
る。本発明において有用な化合物の例には、1,4−ブタ
ンジチオール、1,3,5−ペンタントリチオール、1,12−
ドデカンジチオールのようなポリメルカプト官能性化合
物;ポリブタジエンのポリチオ誘導体およびポリ(オキ
シプロピレン)ジオールおよびトリオールのジ−および
トリ−メルカプトプロピオネートエステルのようなメル
カプト官能性化合物が含まれる。好適な有機ジアミンに
は、芳香族、脂肪族および脂環式ジアミンが含まれる。
これらの例には、アミン末端基ポリブタジエン、商標名
Jeffamine、D、ED、Du、BuDおよびTシリースとしてTe
xaco Chemical Co.Inc.から入手できるようなポリオキ
シアルキレンポリアミンが含まれる。
無水物官能化組成物と好適な架橋剤との反応生成物
は、典型的には、約5〜95%、好ましくは約20〜70%の
範囲内である。
無水物官能化組成物と架橋剤との反応性成物を増量す
る可塑剤系は、本発明の封入剤の多くの官能特性に貢献
する。可塑剤系とは、封入剤の所望の性質を達成するた
めに一緒に使用することができる1種またはそれ以上の
可塑剤化合物をいう。可塑剤系は、無水物官能化組成物
と架橋剤との反応生成物に本質的に不活性であり、か
つ、実質的に非滲出性であるように選ぶのが好ましい。
選ばれた可塑剤系では、好ましくは、グリース被覆伝導
体に対してすぐれた接着力を有し、かつ、ポリカーボネ
ートコネクターと融合性のある封入剤が得られる。
好適な可塑化系を得るために使用できる可塑剤化合物
には、脂肪族、ナフテン系、および芳香族石油基剤の炭
化水素油;環状オレフイン(ポリシクロペンタジエンの
ような)、植物油(アマニ油、大豆油、ヒマワリ油など
のような);飽和または不飽和合成油;ポリ−α−オレ
フイン(水素化重合デセン−1のような)、水素化テル
フエニル、プロポキシル化脂肪アルコール(PPG−11ス
テアリルアルコール);ポリプロピレンオキサイドモノ
−およびジ−エステル、パイン油−誘導体(α−テルピ
ネオールのような)、ポリテルペン、脂肪酸エステル、
ホスフエートエステルおよびモノ−、ジ−、およびポリ
−エステルとのシクロペンタジエンコポリマー(トリメ
リテート、フタレート、ベンゾエート、脂肪酸エステル
誘導体、ヒマシ油誘導体、脂肪酸エステルアルコール、
二量体酸エステル、グルタレート、アジペート、セバケ
ートなどのような)およびこれらの混合物が含まれる。
特に好ましいのは炭化水素油とエステルとの混合物であ
る。
本発明における可塑剤として使用できるポリ−α−オ
レフインの例は、U.S.P.No.4,355,130に開示されてい
る。
本発明における可塑剤として有用な植物油の例は、U.
S.P.No.4,375,521に開示されている。
無水物官能化組成物と架橋剤との反応生成物を増量す
るのに使用される可塑剤化合物は、典型的には封入剤の
約35〜85重量%の間、好ましくは約50〜70%の間の範囲
内で存在する。
以前には、グリース被覆ワイヤーにすぐれた接着力を
有し、かつ、また、ポリカーボネートスプライスモジユ
ールに応力を加えたり、亀裂を生じさせない封入剤を得
ることは困難であつた。架橋した無水物官能化組成物と
共に可塑化系を使用することによつて、これらの両者の
目標が達成できる特定の全溶解パラメーター(total So
lubility parameter)を有する封入剤が得られることが
見出された。
本発明の封入剤の全溶解パラメーターは、グリース被
覆伝導体に接着する封入剤の能力およびポリカーボネー
トコネクターとの融和性の指標であることが見出され
た。溶解パラメーター(δによつて表わされる)は、固
体または液体の分子を一緒に保持する合計の力の尺度で
あり、通常単位なしで示される〔実際の単位…(Cal/c
c)1/2〕。すべての化合物または系は、溶解パラメータ
ーの特定の値で特徴が示され、そして、同じ溶解パラメ
ーターを有する物質は混和性である。例えば、A.F.M.Ba
rtonの「CRC Handbook of Solubility Parameters and
Other Cohesion Parameters」1983年、CRC Rress、Inc.
を参照されたい。
溶解パラメーターは文献値から得ることができ、また
はHoyによつて開発された利用できる基のモル引力定数
(available group molar attraction constant)を使
用し、次式: (式中、ΣFTは全基モル引力定数(FT)の合計であり、
VMはモル容積(Mw/d)、Mwは分子量そしてdは問題の物
質または系の密度である)およびK.L.Hoyの「Table of
Solubility Parameters」Union Carbide Corp.1975年;
J.Paint Technol.42、76(1970)を使用して、分子構造
中の全基によつて寄与される効果の合計によつて評価で
きる。
この方法を架橋ポリマーの溶解パラメーターおよび化
学構造が既知の場合の各成分の個々の値を決定するのに
使用できる。
炭化水素溶剤の溶解パラメーターを測定するためには
次式が利用できる: δ=6.9+0.02Kauri−ブタノール値 Kauri−ブタノール値は次式を使用して計算できる: KB=21.5+0.206(%wt.ナフテン) +0.723(%wt.アロマチツクス) W.W ReynoldsおよびE.C.Larson、Off.Dig.Fed.Soc.Pain
t Technol.34、311(1962);およびShell Chemicals、
「Solvent Power」、Tech.Bull ICS(x)/79/2、1979
を参照されたい。
炭化水素油の近似組成は、ナフテン系および芳香族炭
素原子の炭素タイプ分析の下での製品小冊子から得るこ
とができる。
架橋ポリマーは溶剤を吸収することによつて膨潤しう
るが、完全には溶解しない。膨潤した高分子をゲルと呼
ぶ。
可塑化架橋ポリマー系に対して、全溶解パラメーター
は各成分の値の重量算術平均である。
δ=δφ+δφ+δφ… (式中、φ、φおよびφは系内のA、BおよびC
の部分であり、そして、δ、δおよびδは個々の
成分の溶解パラメーターである) 約7.9〜約9.5の間の全溶解パラメーターを有する可塑
化架橋ポリマー系は、PJ、PEPJまたはFLEXGEL中の主要
成分と実質的に融和性である。グリース組成物、そして
またポリカーボネートとの最大融和性を得るためには、
封入剤の全溶解パラメーターは好ましくは約7.9〜約8.6
の間、さらに好ましくは約8.0〜約8.3の間である。
無水物官能化組成物と架橋剤との間の反応は、増加さ
れた硬化速度を得るために触媒が使用できる。この反応
に有用な触媒の種類は、無水物官能化組成物および架橋
剤の性質に依存する。多くの第三アミンが特に有用なこ
とが見出されている(本明細書で使用する「第三アミ
ン」にはアミジンおよびグアニジン並びに簡単なトリ−
置換アミンを含める)。これらの第三アミン触媒には、
1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ−7−ン(DB
U)、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネ−5−ン(DB
N)、およびそれらの塩、テトラデシルジメチルアミ
ン、オクチルジメチルアミン、オクタデシルジメチルア
ミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、テトラ
メチルグアニジン、4−ジメチルアミノピリジンおよび
1,8−ビス(ジメチルアミノ)−ナフタレンが含まれ、
この中でDBUおよびDBNが迅速な反応速度が得られるので
特に好ましい。
架橋剤がアミン官能性であるときは、触媒の使用は一
般に必要でないが、DBUおよびDBNのような触媒の添加
は、反応速度の促進効果を有する。
本発明の封入剤組成物を製造するための架橋反応は周
囲温度でまたはこれに近い温度で好ましく行なわれる
が、所望ならば高められた温度の適用によつて反応速度
が促進できることは当業者には明らかであろう。
必要に応じて、充填剤、殺真菌剤、酸化防腐剤のよう
な他の添加剤または任意の他の添加剤も添加できる。酸
化防腐剤として、Irganox1010、テトラキスメチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシン
ナメート)メタンおよびIrganox1076、オクタデシルB
(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフエノール)プロ
ピオネート(Ciba−Geigy社製)のようなヒンダードフ
エノールが使用できる。
上記したようにケーブル充填に使用される最も普通な
グリース状物質は、AT&T社から商用として入手できる
油で増量した熱可塑性ゴムであるFLEXGELである。他の
充填用組成物には、石油ジエリー(PJ)、ポリエチレン
変性石油ジエリー(PEPJ)である。かようなケーブル充
填用組成物を本明細書ではすべて集合的にグリースと呼
ぶ。
グリース被覆伝導体に対する封入剤の接着力を定量化
するために、封入剤のC−H接着強さ(adhesive valu
e)を測定する試験が使用できる。一般に、この試験は
硬化封入剤を含有する容器からグリース被覆伝導体を引
離すのに要する力の量を測定する。要する力が大きけれ
ば、それだけ接着力が大きい。
封入剤のC−H接着強さを測定するために、次の試験
を行つた。General Cable Co.から購入した一定の長さ
のFLEXGEL充填電話ケーブルから取つた6個の0.046cm
(22ゲージ)のポリエチレン絶縁伝導体(PIC)を15cm
の長さに切断した。試験容器に上部の縁から殆んどあふ
れるまで封入剤を充填した。蓋を上部の縁上に置き、被
覆伝導体が約4cm蓋の上に突出するよう伝導体を各孔に
挿入した。封入剤の硬化の間、伝導体を支持するためテ
ープの旗を4cmマークの箇所に置いた。室温で4日後、
蓋を取除き、容器をInstron引張試験機に取付けた。約
0.8mm/秒のクロスヘツド速度で伝導体を封入剤から抜い
た。最大の引抜力を各伝導体に対してNewton/伝導体で
測定した。Newton/伝導体における6個の値の平均値を
C−H接着強さと定めた。PEPJグリースを被覆した伝導
体のC−H接着強さも同じ試験で測定し、下記の実施例
に含めた。少なくとも4のC−H接着強さが受入れられ
る値であり(4Newton/伝導体最大引抜力)、少なくとも
13のC−H接着強さが好ましい。
前記したように、スプライス密封容器において使用す
るための封入剤を配合する場合の別の関心事は、該封入
剤とポリカーボネートコネクターとの融和性である。融
和性はポリカーボネートコネクターの経時による応力ま
たは亀裂が生じないことによつて立証される。ポリカー
ボネートとの封入剤の融和性は、ポリカーボネート融和
値(Compatibility value)(PCV)を設定することによ
つて定量化される。この値は高められた温度で長時間特
定の封入剤中に封入したポリカーボネートモジユールに
ついて行う応力試験によつて測定される。元の曲げ試験
対照値の50℃で9週間後のパーセントがポリカーボネー
ト融和値と称せられる。元の曲げ試験対照値は、約0.2m
m/秒のクロスヘツド速度でのInstron引張試験機を使用
する曲げ試験ASTM D790に従つた3個のポリカーボネー
トモジユールのNewtonで表わした破断力である。受入れ
られるポリカーボネート融和値は80(3個の対照モジユ
ールの平均の80%)であり、90%の値が好ましい。
ポリカーボネート融和値は次のように測定した:3個の
対照モジユールを推奨されているワイヤーゲージで刻み
目を付けた、このワイヤーは固体のポリエチレン絶縁を
有した。これによつて各モジユール上に最大の応力を生
成させた。3個のモジユールの破断力を、約0.2mm/秒の
クロスヘツド速度でInstron引張試験機を用いASTM D790
に示されている曲げ試験を使用し、Newtonで測定した。
これら3個の値の平均を対照として使用した。3個の刻
み目を入れたモジユールをトレー上に置き、そして、封
入剤中に沈めた。トレーを1.41kg/cm2圧力下で24時間空
気圧力ポツト中に置き、その間封入剤をゲル化並びに硬
化させた。24時間後に、封入モジユールの入つたトレー
を空気循環炉中50℃で9週間置いた。
9週間後に試料を取出し、そして、室温にまで冷却さ
せた。封入剤をモジユールから剥がした。3個のモジユ
ールの破断力をASTM D790曲げ試験によつて測定した。
これら3個の値の平均値を対照の平均値で割つて100倍
したものをポリカーボネート融和値とする。
次の表の商業用として入手できる成分を以下の実施例
において使用した。配合物A〜Eは記載のように製造し
た。各成分の機能も表に示した。機能は次のように示
す:無水物官能化組成物−「AFC」;「架橋剤」−「C
A」;可塑剤化合物−「P」;および触媒−「C」。
本発明を次の限定されない実施例によつてさらに説明
する、すべての部は重量部である。特定の実施例で特定
の試験を行なわなかつたときは「−−」で示す。
配合物A−マレイン化アマニ油 アマニ油(Spencer Kellog「Superior」、800g)およ
び無水マレイン酸(MCB、153.6g)を、機械かく拌機、
気体入口管、気体トラツプに接続する還流コンデンサー
およびサーモウエルを備えた1の樹脂フラスコに添加
した。容器のヘツドスペースを2/分で流れる窒素で
30分間パージし、この間混合物を徐々にかく拌した。3
個の250watt赤外ランプを使用して加熱した、赤外ラン
プのうち2個はサーモウエル中に含まれる温度計上の検
出ヘツドに接続されたTherm−O−Watchによつて制御し
た。30分以内に温度を室温から200℃に上昇させ、200℃
に3時間保持した。冷却後、一定重量の生成物のサンプ
ルとトルエンに溶解させ、そのトルエンを水で抽出し、
アリコートの水抽出物を標準アルカリで滴定することに
よつて未反応無水物量を測定した。その結果、生成物中
には0.03%未満の未反応無水物の残留が示された。
配合物B−マレイン化ポリイソプレン ポリブタジエン(Hardman Isolene40、661.5g)、無
水マレイン酸(Fischer Scientific、33.1g)および2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフエノール(Aldrich、
3.31g)を上記の装置に添加した。ヘツドスペースを窒
素でパージ後、還流コンデンサーを通して少量のキシレ
ン(Baker.bp137〜140、33g)を添加した。混合物をか
く拌しながら45分間で180℃に加熱し、その温度に3.5時
間保持した。気体入口をストツパーに代え、コンデンサ
ーを真空蒸留ヘツドに代え、そして、液相中に蒸気泡が
現われなくなるまで反応混合物をポンプ真空下150℃に
保持した。冷却後、強制空気炉中105℃で24時間生成物
を乾燥させ、乾燥損失を試験し、元の重量の1.2%が失
なわれたことを見出した。
配合物C−アミン化合物A 反応容器に、33.92gの1,6−ヘキサンジアミン、(0.5
8当量)、および66.08gのn−ブチルアクリレート(0.5
8当量)を装入することによつて、次のアミン化合物を
製造した。容器を混合し、3日間僅かに加熱し、Michae
l付加物を生成させた。スペクトル分析により付加が行
なわれたことを確認した。
配合物D−アミン化合物B アミン化合物Aに記載と同様な方法で、Jeffamine T
−403(Texaco Chemicals、Inc.からのポリエーテルト
リアミン、アミン当量146)のn−ブチルアクリレート
へのMichael付加によつてアミン化合物Bを形成した。
スペクトル分析で付加を確認した。
配合物E−アミン化合物C n−ブチルアクリレートの代りにイソオクチルアクリ
レートを使用して、アミン化合物Bと同様な方法でアミ
ン化合物Cを製造した。スペクトル分析で付加を確認し
た。
実施例1 ビーカー中において空気駆動かく拌機を使用し、27部
のPlasthall100、22.19部のRicon131/MA.および0.81部
のSunthene480を、混合物が均質に見えるまで混合する
ことによつて本発明の封入剤を製造した。他のビーカー
に、15.81部のPoly BD45HT.33.86部のSunthene480およ
び0.33部のPolycat DBUを添加し、同様に混合した。等
量の前記の混合物を第三のビーカーに入れ1分間手で混
合した。混合したら、200gの試料が1,000poiseの粘度に
達する時間を、Sunshine Scientific Instrument社から
入手できるSunshine Gel Time Meterを使用して測定す
ることによつてゲル化時間を測定した。透明性は肉眼で
測定した。透明性は透明(T)または不透明(O)のい
ずれかである。
引裂強さは、ASTM D−624の方法で試験し、引張強さ
および伸びは、ASTM D412の方法によつて測定し;封入
剤のグリース被覆ワイヤーに対する接着力は、上記の方
法(C−H接着強さ)によつて測定し;封入剤のポリカ
ーボネートとの融和性(ポリカーボネート融和値、PC
V)も上記の方法によつて測定した。若干の封入剤の概
略の全溶解パラメーターも上記のように計算した。
実施例2〜86.および比較例 本発明の封入剤を製造し、そして、実施例1に記載の
ように試験した。配合および試験結果を下記の第1〜15
表に示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02G 15/08 H02G 15/08 (56)参考文献 特開 昭57−80458(JP,A) 特開 昭61−91233(JP,A) 特開 昭58−54348(JP,A) 特開 昭60−86153(JP,A) 特開 昭58−198501(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】信号伝送装置のスプライスの封入に使用す
    ることができるグリース相溶性の誘電性封入剤であっ
    て、 (a) 有効量の無水物官能化ポリオレフィン; (b) ポリオール、ポリアミン、およびポリチオール
    から成る群から選ばれる有効量の架橋剤であって、該無
    水物官能化ポリオレフィンと反応して硬化架橋物質を形
    成できる架橋剤;および (c) 該反応に対する触媒; の混合物の増量された反応生成物からなり、 該反応が、少なくとも1種の本質的に不活性、実質的に
    非滲出性の可塑剤で増量され、 該封入剤が、7.9〜8.6の間の全溶解パラメーター、およ
    び少なくとも4.0のC−Hの接着強さ、および 少なくとも80のポリカーボネート融和値を有することを
    特徴とする前記の封入剤。
  2. 【請求項2】約8.0〜8.3の間の全溶解パラメーターを有
    する特許請求の範囲第1項の封入剤。
  3. 【請求項3】少なくとも13.0のC−H接着強さを有する
    特許請求の範囲第1項の封入剤。
  4. 【請求項4】前記の架橋剤が、ポリブタジエンポリオー
    ルである特許請求の範囲第1項の封入剤。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項に記載の誘電性封入
    剤を含有する信号伝送要素、および該封入剤を含む信号
    伝送装置。
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