JP2561949B2 - 魚翅様食品の製造方法 - Google Patents

魚翅様食品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は天然の魚翅と類似した人工の新規な魚翅類似
食品を製造する方法を提供し、ゼラチン、コラーゲン組
成物又は両者の混合物を原料とする安価で品質の安定し
た魚翅食品を供給することを目的としている。
従来の技術および発明が解決すべき課題 鮫類、エイ類の魚翅は従来より「フカヒレ」の名称で
高級中華料理の素材として欠かせないものであるが、近
年の食生活の高級志向と多様化により需要が増加してい
る。しかし天然の鰭の供給量はフカの捕獲量に依存する
ため不足気味になってきている。
従来より魚翅類の供給を補うために人工的に類似食品
を製造し、その不足を満たそうとする試みはなされてき
ている。(例えば、特公昭45−8615,62−28663)しか
し、これらの方法で製造したものには下記のような種々
の欠点があり、その解決が求められていた。
天然の魚翅の主成分は哺乳類、魚類等の骨、皮の構成
成分として広く天然に存在する動物性タンパク質のコラ
ーゲンから成り、調理の際の煮沸により変性し、変性コ
ラーゲン特有の優れたテクスチャーを与えている。従っ
て、実質上変性コラーゲンと等しいゼラチンから人工に
フカヒレを作る試みがなされたが、成形し難く、しかも
熱湯で溶解してしまう欠点があった。従来の技術ではゼ
ラチンに多糖類を混合して多価カチオン溶液中で凝固さ
せ、成形する方法が採られた。この多糖類は高温におい
て、そのゲルの熱安定性により保形性を与えるのに役立
だっている。
しかし、この多量に混合された多糖類を含む「フカヒ
レ」は成分的に天然品と異なり、食感が異なるために、
模造品としてのイメージが強く、天然品の高級感を欠い
ている。又、その多糖類の硬いゲルは天然の変性コラー
ゲンの持つ「フカヒレ」独特の滑らかで弾力のあるテク
スチャーを殺してしまう結果となっている。更に、テク
スチャーの素として用いているゼラチンは依然として高
温での煮沸により多糖類のゲルの網目から溶出して、調
理後に残存している多糖類のゲルの硬いテクスチャーと
なり、強度も劣化させてしまっている。このゼラチンの
溶出を防止するための試みもなされているが成功してい
るとは言えない。(例えば、特開昭62−65664) 課題を解決するための手段 天然の魚翅の主成分は動物性硬タンパク質のコラーゲ
ンから成り、調理の際の煮沸により変性し、変性コラー
ゲン特有の優れたテクスチャーを与えている。
本発明者らはこのことに着目し、コラーゲンと成分組
成が同一のゼラチンもしくはコラーゲン自体を主成分と
する組成物からなる魚翅類似食品の製造に成功した。ゼ
ラチンについてはこれはコラーゲンを温湯で熱変性して
抽出されるタンパク質であり、アミノ酸組成もコラーゲ
ンと全く同一であり、しかも今日では工業的に高純度で
品質の安定した物が安価に供給されている。
ゼラチン単体で成形して製造したフカヒレ様食品は膨
潤しやすく、水に漬けて放置することによりその形状を
変形させてしまう。更に熱に不安定で、調理の際の加熱
により溶解してしまう欠点があった。これは天然のフカ
ヒレのゼラチン質には変性後も元のコラーゲン分子を凝
集させていた結合がゼラチン分子間の架橋として残存し
て膨潤や熱的溶解を妨げているのに対し、ゼラチンを凝
集、成形させた人工品では分子間架橋の欠如により、加
熱時に溶解してしまう。
コラーゲンファイバー、フィブリル、可溶化コラーゲ
ン溶液、あるいはこれらの混合分散液よりなるコラーゲ
ン組成物を凝集、成形して製造したフカヒレ様食品もそ
れらの間の架橋の欠如により、ゼラチンの場合と同様の
欠陥を持っている。
本発明の目的は酵素トランスグルタミナーゼを用いて
ゼラチン又はコラーゲン組成物を架橋し、ゲル化するこ
とにより、これらの単体でも十分に熱的に安定であり、
膨潤もすくないフカヒレ様食品を製造する方法を提供す
ることにある。
トランスグルタミナーゼがタンパク質分子中のグルタ
ミン残基のγカルボキシアミド基とリジン残基のεアミ
ノ基を架橋し、タンパク質をゲル化させることは知られ
ているが(特開昭58−149645)、これを魚翅類似食品の
製造に用い、その性能を改善した例は存在しない。
本発明者らはこのトランスグルタミナーゼによりゼラ
チン又はコラーゲン組成物を架橋し、成形することによ
り、熱に安定で、強度が十分強く、非常に天然品に近い
テクスチャーを持つ魚翅類似のゲル食品を製造すること
に成功した。
本発明の製造方法はゼラチン又はコラーゲン組成物を
酵素反応により架橋し、曳糸性を発生させる工程と架橋
したゼラチン又はコラーゲン組成物をゲル化する直前に
成形する工程、次にその形状を維持したまま酵素反応を
進めてゲル化させ、更にゲルに耐熱性を付与する工程、
及び失活工程から構成されるが、これらの工程を完全に
分離せずに、適当に組み合わせた工程を同一操作により
達成することも可能である。
本発明に用いるゼラチン溶液の濃度は調理の時に天然
魚翅類の変性コラーゲン分相当の濃度になる程度がよ
く、5−60重量%、好ましくは、20−40重量%の範囲が
適当である。この濃度より低いと強度が弱くて成形しに
くく、高い時には、粘度が大きすぎて成形困難となる。
しかし、特別な場合にはゲルとして成形後、乾燥中に反
応させることも可能であり、この場合には非常に高濃度
となっている。
本発明で使用できるゼラチンは市販されている全ての
ものが含まれ、例えば酸性法ゼラチンやアルカリ法ゼラ
チンの区別は存在しない。本発明者らは好ましくは酸性
法ゼラチンであるが、アルカリ法ゼラチンに於いても製
造が可能であることを見いだした。
本発明に用いるコラーゲン組成物はコラーゲンファイ
バー、コラーゲンフィブリル、コラーゲン溶液、又はこ
れらの任意の混合物からなり、コラーゲン濃度は1−25
重量%、好ましくは4−15重量%の範囲が適当である。
本発明の対象となるコラーゲン組成物の原料としては牛
の真皮が推奨されるが、豚等、他の原料を使用すること
も可能である。本発明の対象となるコラーゲンファイバ
ー、コラーゲンフィブリルは石灰漬け等の前処理の種
類、ロール解繊、リファイナー等の解繊方法の種類の区
別なく全ての製造方法によるコラーゲンファイバー、コ
ラーゲンフィブリルを含む。ここで、コラーゲンファイ
バー、コラーゲンフィブリルとは解繊の程度等の区別な
く、コラーゲンファイバー、コラーゲンフィブリル及び
他の全ての大きさの解繊されたコラーゲンを意味してい
る。又、コラーゲン溶液は酵素法、アルカリ法等の分解
方法の区別なく、全ての方法で可溶化されたコラーゲン
溶液が対象となっている。
本発明に用いるコラーゲン組成物はコラーゲンファイ
バー、コラーゲンフィブリルコラーゲン溶液、又はこれ
らの任意の混合物に、更に、必要に応じて重量平均分子
量500−50000のゼラチン分解物をコラーゲンに対し1−
50重量%、好ましくは10−30重量%含ませることが可能
であり、ゼラチンの分解物はゼラチンを原料にして、加
熱、酸、酵素等いかなる加水分解方法で分解しても製造
可能である。
本発明に用いるトランスグルタミナーゼの添加量は原
料はゼラチンの場合はゼラチン1gに対して0.1ユニット
以上の、好ましくは0.5−3ユニットの範囲が適当であ
る。この添加量より少ないと溶液はゲル化せず、多いと
反応が速くて制御し難くなる。又、原料がコラーゲン組
成物の場合はコラーゲン1gに対して10ユニット以上、好
ましくは50−200ユニットの範囲が適当であり、ゼラチ
ン加水分解物の混合により添加量を減少することが可能
である。
本発明に使用するトランスグルタミナーゼは放線菌
「ストレプトバートシリウム」から製造された物が好ま
しいが、モルモットの肝臓から抽出された酵素等のよう
に別の起源のトランスグルタミナーゼであっても、同様
の架橋反応効果を示すものであれば使用可能である。
本発明の酵素反応条件として、反応pHは6−8であれ
ば好ましいが、pH4−10に於いても、長時間をかければ
反応が可能となる。原料がゼラチンの場合の反応温度は
ゲルの融解温度以上から失活温度までで選択できるが、
好ましくは40−60℃の範囲で選ばれる。しかし、特別な
場合にはゲルとして成形後、低温で反応を進めることも
可能である。又、原料がコラーゲン組成物の場合には反
応温度はコラーゲンの変性温度以下で出来る限り高いほ
うが良く、5−50℃、好ましくは30−40℃の範囲で選ば
れる。更に、必要があれば変性されたコラーゲンを使用
することも架橋性を高めるが、この場合の温度も同様に
して選ばれる。いずれの場合に於いても、ゲル化反応が
終了した時点で酵素を失活することが好ましく、未失活
の場合は低い添加量に於いてもなお、経時的に反応が進
行して強度的に脆くなる。
本発明の成形方法には凝固浴への湿式紡糸、冷風への
乾式紡糸等の紡糸方法があるが、凝固浴、クーリングド
ラムまたはベルトへ糸状で押しだすか、フィルム状で押
しだした後に細断あるいは型でプレスする方法も可能で
あり、これらから適当に選択して製造することが出来
る。又、凝固浴は食塩、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリ
ウムなどの塩類の高濃度溶液を用い、必要に応じて明ば
んを加えたものが推奨されるが、アルコール、アセトン
などの有機溶媒を添加することも可能である。
天然の魚翅の一本は長さ5−20cm、直径1.5mmである
が、一端が次第に細くなり、末端で尖った、特徴のある
形状をしている。本発明による製造方法ではゼラチン単
体のゲルで成形するために非常に伸びが大きく、その伸
度即ち変形の程度は温度によって容易にコントロールす
ることが可能であり、また成形後の熱延伸で天然に近い
形状に整えることも出来る。
本発明による製造方法ではゲルの耐熱性は、成形後に
連続的に乾燥し、乾燥工程の初期に加熱により酵素反応
を進行せることにより達成することが可能となる。
本発明に用いる失活方法には高温加熱による失活、例
えばpH7に於いて75℃以上で10分以上処理する場合や低p
Hによる酵素の変性の他に酵素反応阻害剤、失活剤の添
加等の種々の失活方法が可能である。
本発明による魚翅類似食品の製造にはゼラチン、コラ
ーゲン組成物、又は両者の混合物中に酵素反応を阻害し
ない範囲で、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、マンナ
ン、キトサン、ジュランガム寒天、カラギーナン等のゲ
ル形成性多糖類を添加することができる。更に、これら
のゲル形成性多糖類との混合物に於いて、そのゲル化力
としてゲル形成性多糖類と塩類の結合によるものを利用
した場合でも、本発明に用いられている製造法によりゼ
ラチン、コラーゲン組成物、又は両者の混合物をゲル化
させる時は、多糖類の使用量が従来の1/10−1/50程度で
十分な耐熱性が得られ、天然の魚翅類により近い組成と
なり、食感、テクスチャーが著しく向上する。
また本発明による魚翅類似食品の製造には、他のタン
パク質、澱粉、デキストリン、グリセリン、ガム類、有
機酸、糖類、無機塩類、調味料、着色料、香辛料、糊
料、増粘剤、安定剤、乳化剤、その他通常にゼラチン又
はコラーゲン組成物の食品使用に於いて添加される添加
物の配合を妨げない。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に詳細に
説明するが、これは本発明を制限するものではない。
実施例1 フカヒレ類似食品は次のようにして製造した。
ゼリー強度244、粘度40、融点30℃、等電点9.1の酸性
法ゼラチン250gに25重量%濃度になるように水を加え、
膨潤後50℃で溶解し、苛性ソーダでpH7に調整した。ト
ランスグルタミナーゼ(ヒドロキサムサ酸法(J.Biol.C
hem.,vol.241,5518(1966))による比活性;2.5ユニッ
ト/mg)100mgを少量の水に懸濁させて添加した後、50℃
で撹拌を続けた。この間に真空ポンプで容器内を減圧に
して脱泡した。
21分後、溶液の粘度が約13ポアズに達し、曳糸性が出
てきたので、容器下部より連続的にギヤポンプに導き、
直径1.2mmの孔を持つノズルから通常のゼラチンのゲル
化の場合と同様に、10℃に冷却された回転ドラムの側面
に押しだした。この糸状ゲルを連続的に15℃の流通乾燥
空気室に導き、多段ロールにより5分間保持し、表面を
乾燥した後、直径20cmの冷却ドラムに巻取った。
次にこのドラムに巻かれた糸状ゲルを乾燥機内で50℃
で10分保持した後、径方向に4等分に切断した。7cm余
りのこの糸状ゲルを数本ずつ束ねて2本の板状ヒーター
の間で延伸し、最後はさらに熱をかけて切断した。更に
この糸状ゲルを恒温室内で80℃で30分熱処理した後、50
℃で完全に乾燥してフカヒレ様食品を得た。
この様にして製造したフカヒレの耐熱性を調べるため
に20分間煮沸したが型くずれせず、その後60℃に降温し
た時に十分ゲルの強度を保っていた。更に天然のフカヒ
レと品質を比較するために、この製品(試料)と天然品
(対照)とのスープを作り、15人のパネルに試食させ、
テクスチャー、色艶と外形の2項目について2点識別法
により官能検査を行った。第一表に示した結果より、各
項目共、危険率5%で天然のフカヒレと区別がつかない
程度になっている。
実施例2 実施例1のゼラチン300gに30重量%濃度になるように
水を加え、膨潤後50℃で溶解し、苛性ソーダでpH7に調
整した。トランスグルタミナーゼの300mgの少量の水に
懸濁させて添加した後、50℃で撹拌を続けた。この間に
真空ポンプで容器内を減圧にして脱泡した。
6分後、溶液の粘度が約30ポアズに達し、ゲル化直前
となったので、容器下部より連続的にギヤポンプに導
き、直径1.0mmの孔を持つノズルから5℃の20%硫安溶
液からなる凝固浴に押しだして紡糸した。この糸状ゲル
を連続的に15℃の流通乾燥空気室に導き、多段ロールに
より5分間保持し、表面を乾燥した後、直径20cmの冷却
ドラムに巻取った。
次にこのドラムに巻かれた糸状ゲルを乾燥機内で50℃
で5分間保持した後、ドラムを流水中に吊し、ゲルから
完全に塩がなくなるまで洗浄した。この膨潤したゲルを
再び乾燥機に移し、25℃から40℃の温度で表面を乾燥し
た後、径方向に4等分に切断した。7cm余りのこの糸状
ゲルを数本ずつ束ねて2本の板状ヒーターの間で延伸
し、最後はさらに熱をかけて切断した。更にこの糸状ゲ
ルを恒温室内で80℃で30分熱処理した後、50℃で完全に
乾燥してフカヒレ様食品を得た。
この様にして得られた製品の耐熱性を調べるために40
分間煮沸したが型くずれせず、その後60℃に降温した時
に十分ゲルの強度と弾力を保っていた。更に天然のフカ
ヒレと品質を比較するために、実施例1と同様にして官
能検査を行った。第二表に示した結果より、各項目共、
危険率5%で天然のフカヒレと区別がつかない程度にな
っている。
実施例3 ゼリー強度260、粘度40、融点31℃、等電点5.0のアル
カリ法ゼラチン250gに25重量%濃度になるように水を加
え、膨潤後50℃で溶解し、苛性ソーダでpH6に調整し
た。トランスグルタミナーゼの200mgを少量の水に懸濁
させて添加した後、50℃で撹拌を続けた。この間に真空
ポンプで容器内を減圧にして脱泡した。
16分後、溶液の粘度が約10ポアズに達し、曳糸性が出
てきたので、容器下部より連続的にギヤポンプに導き、
幅10cm、間隔1.2mmのスリットから10℃に冷却された回
転ドラムの側面に押しだし、ゲル化させた。このフィル
ムを約20cm間隔で切取り、ステンレスプレートの上で一
端が1.5mmで長さ10cmの三角形の並んだ金型でプレス
し、糸状ゲルを抜き取った。
この糸状ゲルを15℃の流通乾燥空気室で20分間予備乾
燥した。次に、これを乾燥機に移して50℃で10分保持し
た後、80℃で30分熱処理し、その後50℃で完全に乾燥し
てフカヒレ様食品を得た。
この様にして製造したフカヒレ様食品は30分間煮沸し
ても型くずれせず、その後60℃に降温した時に十分ゲル
の強度を保っていた。又、テクスチャーも実施例1と同
程度であった。
実施例4 実施例3のゼラチン300gとアルギン酸ナトリウム(低
粘度晶)3gを700mlの水に膨潤した後、50℃で溶解し、
苛性ソーダでpH7に調整した。トランスグルタミナーゼ
の120mgを少量の水に懸濁させて添加した後、50℃で撹
拌を続けた。この間に真空ポンプで容器内を減圧にして
脱泡した。
粘度約90ポアズのこの溶液を容器下部より連続的にギ
ヤポンプに導き、直径1.2mmの孔を持つノズルから5%
塩化カルシウム溶液からなる凝固浴に押しだした後、2
分間浴内に留めて完全にゲル化させた。この糸状ゲルを
連続的に流水浴に導いて水洗した後、ドラムに巻取っ
た。
次に、実施例2と同様にして反応の継続、失活、成
形、乾燥してフカヒレ様食品を得た。但し、反応時間は
60分、失活操作は実施例1に従った。
この様にして製造したフカヒレ様食品の耐熱性を調べ
るために30分間煮沸したが型くずれせず、その後60℃に
降温した時に十分ゲルの強度を保っていた。
実施例5 0.1−0.2重量%の寒天溶液または、1重量%のカゼイ
ンNa溶液に実施例1で用いたゼラチンを同様の操作で膨
潤、溶解後、トランスグルタミナーゼを加えて、キャピ
ラリーレオメーターによって同様に押し出し成形、乾
燥、酵素失活を行った。
これらのフカヒレ様食品を試食したところ、寒天を用
いたものは、耐熱性がより強く、熱による伸びが少なか
った。カゼインNaを用いたものは、耐熱性がより強く、
熱による伸びが少なく、使用するトランスグルタミナー
ゼの量を減らすことが可能であった。
実施例6 牛生床1kgを約15cmの矩形に切断し、3%石灰水に3
日間浸漬した後、流水で洗浄した。次に塩酸で中和し、
洗浄した後、3lの乳酸に2日浸漬して膨潤させた。チョ
ッパーで細断した後ロール解繊し、最後にリファイナー
にかけてコラーゲンファイバー約900gを得た。又、特公
昭44−11037の方法により4%コラーゲン溶液約1を
得た。更に、実施例1のゼラチン200gを20重量%に溶解
し、苛性ソーダでpH6.5に調整した。プロナーゼ(科研
製薬製)50mgを添加し、50℃で2時間分解した後、熱失
活し、ステンレスバットに流し込み、風乾し、ゼラチン
加水分解物を得た。HPLCによる分子量分布測定からこの
分解物の重量平均分子量は約15000であった。
この様にして製造されたコラーゲンファイバー200gと
溶液200mlを室温で混合し、分解ゼラチン10gを添加し、
苛性ソーダでpH7.0に調整した。トランスグルタミナー
ゼ1gを少量の水に懸濁させて添加した後、37℃で撹拌を
続け、同時に脱泡した。2時間後、実施例2と同様にし
て直径2.0mmの孔を持つノズルで紡糸した。ドラムに巻
かれた糸状ゲルを乾燥機内で室温から50℃まで昇降しな
がら1時間保持して反応を継続させた後、実施例2と同
様にして失活、成形して乾燥し、フカヒレ様食品を得
た。
この様にして製造したフカヒレ様食品の耐熱性を調べ
るために20分間煮沸したが型くずれせず、その後60℃に
降温した時に十分ゲルの強度を保っていた。更に、天然
のフカヒレと品質を比較するために実施例1と同様にし
て官能検査を行った。第四表に示した結果より、危険率
5%で各項目共天然のフカヒレと区別がつかない程度で
ある。
発明の効果 本発明による製造法は天然の魚翅と同一の成分組成で
耐熱性を持った人工の魚翅類似食品を得る方法を提供す
るものであり、本製造法によって得られた製品は滑らか
で光沢があり、弾力性に富むテクスチャーを持ち、従来
の多糖類のゲルによる物と全く異なる、天然の魚翅に近
い食感を与える。
本発明による製造法ではゲルが原則としてゼラチンあ
るいは変性コラーゲン単体で形成されているため、多糖
類のゲルのように脆くなく、型によるプレスが良好に行
える。特にその熱によるゾルーゲルの可逆的転換を利用
した成形方法が可能となり、加熱下の延伸と切断により
天然の魚翅に近い形状と外観の人工の魚翅類似食品を容
易に製造する方法を提供している。
本発明による製造方法を従来の多糖類ゲルによる成形
方法と併用する時は、ゼラチンに混合する多糖類の量を
極度に減少させることが可能となり、そのテクスチャー
を著しく向上させる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡井口 清一郎 神奈川県横浜市磯子区洋光台2―7―28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゼラチン、コラーゲン組成物、又は両者の
    混合物をトランスグルタミナーゼにより架橋しゲル化さ
    せることを特徴とする魚翅類似食品の製造方法。
  2. 【請求項2】コラーゲン組成物がコラーゲンファイバ
    ー、コラーゲンフィブリル、コラーゲン溶液、又はこれ
    らの混合物である請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】コラーゲン組成物が熱もしくは機械的方
    法、又は化学薬品の使用、又は酵素分解によって、又は
    必要に応じて更にこれらの組合せにより変性された請求
    項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】コラーゲン組成物が重量平均分子量500−5
    0000のゼラチン分解物を含む請求項2に記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】ゼラチン、コラーゲン組成物、又は両者の
    混合物の他に、更にゲル形成性多糖類を添加する請求項
    1に記載の製造方法。
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