JP2561739B2 - 電子顕微鏡のレンズ装置 - Google Patents

電子顕微鏡のレンズ装置

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JP2561739B2
JP2561739B2 JP1303570A JP30357089A JP2561739B2 JP 2561739 B2 JP2561739 B2 JP 2561739B2 JP 1303570 A JP1303570 A JP 1303570A JP 30357089 A JP30357089 A JP 30357089A JP 2561739 B2 JP2561739 B2 JP 2561739B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、試料の電子顕微鏡像と回折像を観察可能な
電子顕微鏡に係り、特に、そのレンズの構成に関するも
のである。
[従来の技術] 透過型電子顕微鏡においては、試料の拡大像(以下、
電子顕微鏡像と称す)を観察できるばかりでなく、当該
試料の回折像を観察することができる。電子顕微鏡像お
よび回折像を得る場合の結像系の動作の概略を第2図に
示す。なお、図中、1は試料、2は電子ビーム、3は対
物レンズ(以下、OLと称す)、4は対物絞り、5は視野
制限絞り、6は第1中間レンズ(以下、IL1と称す)、
7は第2中間レンズ(以下、IL2と称す)、8は投影レ
ンズ(以下、PLと称す)、9はスクリーンを示す。
第2図(a)は電子顕微鏡像を得る場合の結像系レン
ズの動作を示す図であり、試料1を透過した電子ビーム
2はOL3により視野制限絞り5の位置に結像する。これ
が電子顕微鏡像である。また、このとき、対物絞り4の
位置には試料1の回折像が形成される。これが対物後焦
点面であり、即ち、対物絞り4は対物後焦点面に配置さ
れているものである。視野制限絞り5の位置に結像され
た電子顕微鏡像はIL16によりAで示す位置に投影され、
Aで示す位置に結像された電子顕微鏡像はIL27によりB
で示す位置に投影され、更に、Bで示す位置に結像され
た電子顕微鏡像はPL8により拡大されてスクリーン9上
に投影される。このとき、回折像は図中、Cで示す位置
に縮小されて投影されている。
第2図(b)は回折像を得る場合の結像系の動作を示
す図であり、対物絞り4上に形成された回折像は、IL16
によりDで示す位置に投影され、Dは示す位置に結像さ
れた回折像はIL27によりEで示す位置に投影され、更
に、Eで示す位置に結像された回折像はPL8により拡大
されてスクリーン9上に投影される。このとき、電子顕
微鏡像は図中、Fで示す位置に縮小されて投影されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] 以上のようにして電子顕微鏡像および回折像の観察を
行うことができるのであるが、しかしながら、電子顕微
鏡像を得る場合と、回折像を得る場合とでは、IL16、IL
27およびPL8の励磁条件が異なるために、電子顕微鏡像
の回転角度と回折像の回転角度とに差が生じ、それぞれ
の像の向きが異なってしまうという問題があった。即
ち、電子顕微鏡像を得る場合には、IL16の物面は試料1
そのものであるのに対して、回折像を得る場合には対物
絞り4の位置に結像している回折像であるために、両者
においてIL16から物面までの距離が異なることになり、
そのために、IL16、IL27およびPL8の励磁の強さを変え
て焦点距離を変化させる必要がある。その一方、像の回
転角度は各レンズにおける励磁の強さ、即ちアンペアー
ターンの総和で決定されることが知らえている。従っ
て、上述したように、電子顕微鏡像を得る場合と回折像
を得る場合とで励磁の強さが異なる場合には、アンペア
ーターンの総和が異なり、その結果電子顕微鏡像と回折
像の回転角度に差が生じることになるのである。
以上の現象は、特に試料として結晶性の試料等を取り
扱う場合には問題となる。結晶性の試料を取り扱う場合
には、電子顕微鏡像と回折像とを頻繁に切り換えて比較
することが行われるが、電子顕微鏡像の向きと回折像の
向きが異なっている場合には、オペレータは像の切り換
えの度に注目している箇所がどの位置であるのかを経験
に基づいて判断しなければならず、熟練を要するばかり
でなく、時間がかかるものであった。
以上の事情は結像レンズ系の段数を増やしても基本的
には変化しないものであり、近年、電子顕微鏡の多く
は、倍率を変化させても像が回転しないような結像レン
ズ系の電流値の組合せが見い出されており、電子顕微鏡
を用いた仕事において、像が回転するという事実を問題
視する必要がない状況になりつつあるにも拘らず、電子
顕微鏡像と回折像との間の向きの違いに関しては解決さ
れない問題として残っていた。
これに対して、OL3の内部に対物ミニレンズ(以下、O
Mと称す)を設けることが行われている。この構成を第
3図に示す。第3図(a)に示すように、OL3はOLヨー
ク11にOLコイル12が巻回された構成となされ、OL3で取
り囲まれた空間の所定の位置には、OMヨーク14とOMコイ
ル15とで構成されるOM13が設けられている。なお、図中
Oは光軸を示し、また、対物絞りは省略されている。
そして、該OM13に所定の励磁電流を供給することによ
って、第3図(b)に示すように、対物絞り4の位置に
形成されている回折像を対物絞り5の位置、即ち通常は
電子顕微鏡像が形成される位置に投影することができ
る。従って、この場合には、IL16の物面は電子顕微鏡像
を得るときと、回折像を得るときとで同じ位置にあるこ
とになり、IL16、IL27およびPL8の励磁条件は同じでよ
いことになる。
しかしながら、OM13を設けた場合においても、電子顕
微鏡像と回折像の向きが異なるという問題点は依然とし
て解決されていないものである。なぜなら、確かにIL1
6、IL27およびPL8の励磁条件は同じであるからこの部分
での回転角度に差が生じることはないが、OM13によって
形成される磁場の分布は第3図(c)に示すようである
から、回折像を得る場合のアンペアーターンの総和は、
電子顕微鏡像を得る場合に比較して、第3図(c)の16
で示すOM13を励磁するためのアンペアーターンの分だけ
多くなるので、それに応じて回折像は電子顕微鏡像より
大きく回転してしまうからである。
本発明は、上記の課題を解決するものであって、電子
顕微鏡像を得る場合と、回折像を得る場合とで像の回転
角度に差がなく、従って電子顕微鏡像の向きと回折像の
向きを一致させることができる電子顕微鏡のレンズ装置
を提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本発明の電子顕微鏡の
レンズ装置は、対物レンズと中間レンズとの間に、対物
後焦点面上の回折像を電子顕微鏡像と同じ位置に結像さ
せるためのレンズを配置した電子顕微鏡のレンズ装置に
おいて、前記レンズは2つのコイルと3つの磁極を有す
る2コイル3磁極型レンズで構成され、前記二つのコイ
ルには大きさが等しく互いに逆向きの磁場が生成される
電流が供給されることを特徴とする。
[作用および発明の効果] 本発明においては、OMとして、2コイル3磁極型レン
ズを用い、これらの二つのコイルに流す電流の大きさを
常に等しく、それぞれのコイルにより生成される磁場の
極性が互いに反対になるようにし、且つ、該OMによっ
て、対物後焦点面上に形成された回折像を視野制限絞り
上に投影するようにしたので、通常の電子顕微鏡像を得
るための拡大レンズ系の電流値の組合せにおいて回折像
を得ることができ、カメラ長は倍率の変化によって変え
ることができる。また、OMは像の回転を生じさせないの
で、電子顕微鏡像と回折像との間で向きの違いを生ずる
ことがない。
従って、本発明に係る電子顕微鏡のレンズ装置を、倍
率を変えても像の回転が生じないようにした結像レンズ
系に適用すれば、全ての倍率において電子顕微鏡像と回
折像との間で向きの違いを生じないようにすることがで
きる。
[実施例] 以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。
第1図は本発明に係る電子顕微鏡のレンズ装置の一実
施例を示す図であり、第1図(a)に示すように、OL3
で取り囲まれた空間の所定の位置にはOM20が設けられる
点では第3図(a)に示す従来のものと同様であるが、
OM20の構成は第3図(a)に示すものと異なっている。
なお、図中Oは光軸を示し、また、対物絞りは省略され
ている。
第1図(b)は第1図(a)のOM20の構成を示す拡大
図であるが、該OM20は、第1磁極21、第2磁極22および
第3磁極23の3つの磁極と、第1磁極21と第2磁極22と
の間に巻回された第1コイル24および第2磁極22と第3
磁極23との間に巻回された第2コイル25とで構成され
る、いわゆる2コイル3磁極型レンズとなされている。
そして、第1コイル24および第2コイル25には、第3図
(b)に示すと同様に、対物絞り4の位置に形成された
回折像を視野制限絞り5の位置に投影できるだけの励磁
電流が供給されるようになされるが、第1コイル24に供
給される励磁電流と、第2コイル25に供給される励磁電
流とは、大きさが等しく、電流の方向は反対となされ
る。従って、第1コイル24により形成される磁場24Bと
第2コイル25により形成される磁場25Bは、第1図
(c)に示すように、光軸Oに沿って互いに逆向きとな
る。
従って、当該OM20におけるアンペアーターンの総和は
零となるので、OM20の部分において像の回転は生じない
ことになる。そして、当該OM20により対物絞り4の位置
に形成された回折像は視野制限絞り5の位置に投影され
るのであるから、上述したと同様に、電子顕微鏡像を得
る場合と回折像を得る場合とで結像系レンズの励磁条件
は同一でよいことになり、結像系レンズの部分での像の
回転角度は同じになるから、結局、電子顕微鏡像の向き
と回折像の向きは一致することになる。そして、このこ
とは倍率あるいはカメラ長に依存しない。つまり、倍率
あるいはカメラ長を変更すると電子顕微鏡像の回転角度
は変化するが、回折像も同じ角度だけ回転するので、電
子顕微鏡像と回折像の向きは一致するのである。
以上のように本発明によれが、電子顕微鏡像の向きと
回折像の向きは常に一致しているので、電子顕微鏡像と
回折像の比較を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る電子顕微鏡のレンズ装置の一実施
例の構成を示す図、第2図は結像系レンズの動作を説明
するための図、第3図は従来の対物ミニレンズの動作を
説明するための図である。 1…試料、2…電子ビーム、3…対物レンズ、4…対物
絞り、5…視野制限絞り、6…第1中間レンズ、7…第
2中間レンズ、8…投影レンズ(以下、PLと称す)、9
…スクリーン、20…対物ミニレンズ。21…第1磁極、22
…第2磁極、23…第3磁極、24…第1コイル、25…第2
コイル。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対物レンズと中間レンズとの間に、対物後
    焦点面上の回折像を電子顕微鏡像と同じ位置に結像させ
    るためのレンズを配置した電子顕微鏡のレンズ装置にお
    いて、前記レンズは2つのコイルと3つの磁極を有する
    2コイル3磁極型レンズで構成され、前記二つのコイル
    には大きさが等しく互いに逆向きの磁場が生成される電
    流が供給されることを特徴とする電子顕微鏡のレンズ装
    置。
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