JP2560873Y2 - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP2560873Y2 JP1991039062U JP3906291U JP2560873Y2 JP 2560873 Y2 JP2560873 Y2 JP 2560873Y2 JP 1991039062 U JP1991039062 U JP 1991039062U JP 3906291 U JP3906291 U JP 3906291U JP 2560873 Y2 JP2560873 Y2 JP 2560873Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、電気エネルギーを機械
エネルギーである超音波の振動に変換した後、回転力と
して取り出す超音波モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気エネルギーを機械エネルギーの超音
波振動に変換し、回転力を取り出すものとして超音波モ
ータがある。超音波モータは、静粛、低速回転で高トル
クが得られ、ダイレクトドライブが可能であることより
自動車用機能部品、各種ロボット、磁気・光記憶装置等
の広範囲な分野での応用が検討されている。
【0003】この超音波モータの方式には、進行波型超
音波モータ、定在波型超音波モータ、および複合波型超
音波モータ等が提案されている。その中でも、安定した
モータ性能を長時間得ることができることにより進行波
型超音波モータについて技術的検討がよくなされてい
る。
【0004】進行波型超音波モータとしては、例えば、
図22に示すように金属等よりなる円板状構造で円周方
向に放射状スリットを設けた弾性体11の直下にセラミ
ックス等よりなるリング状圧電素子12を接着した振動
体(ステータ)1に、円板状構造の弾性体21にエンジ
ニアリングプラスチック等よりなる摩擦材22を接着し
た移動体2を加圧接触させた構成のものである。上記圧
電素子12にステータ1の共振振動数(共振点)に合わ
せた高周波電圧が印加されることによりステータ1は共
振振動し、移動体2を回転させる(応用物理54(19
85)No.6、p589〜590)。
【0005】上記圧電素子12は、図23に示すような
電極構造を有している。すなわち、弾性体の接着面側に
は1/2波長で区画された部位と、3/4波長で区画さ
れた部位(図中のC)および1/4波長で区画された部
位(図中のD)があり、その反対側には図中の斜線で示
すように1/2波長で区画された部位を2箇所に分け
(図中のA、B)、1/4、3/4波長で区画された部
位の間に設けられている。また、1/2波長で区画され
た部位には交互に異なる圧電横効果を与える分極処理が
施されている。
【0006】このリング状圧電素子12の部位A、Bに
互いに90°位相のずれた高周波電圧が入力されると、
ステータ1が電気共振状態となり、弾性体11の表面に
は一方向へ向かう進行波が励振される。そのため、弾性
体11の表面の任意の一点の動きは図24に示すような
軌跡を描く。その振動振幅が位置的に90°ずれ、かつ
時間的に位相が90°ずれるため、弾性体11の仮想の
中立軸から表面の動きを描くと圧電素子12で発生した
屈曲振動は楕円軌跡となる(図24中では左回りの楕円
軌跡)。移動体2には進行波の進行方向(図24中では
右方向)と逆方向(図24中では左方向)に摩擦力が働
くため、移動体2にトルクが与えられ、振動体と移動体
はモータとして作用する。なお、図24中の上から下へ
の矢印は、加圧力を示している。
【0007】超音波モータにおける出力の取り出しは、
エネルギー変換・伝達のプロセスを効率よく行うことが
基本となる。すなわち、圧電素子に電気エネルギーを加
えると、振動体に振動エネルギーが発生する。この振動
体の振動エネルギーが、摩擦力により移動体に運動エネ
ルギーを与え、モータの出力として得られる。
【0008】このことより、モータの出力を向上させる
手段として、振動体と移動体との間の摩擦力を大きくす
ること、および両者間のすべりを小さくすることが考え
られる。例えば、移動体の振動体への加圧力を増加させ
振動体と移動体との接触面積を大きくすることにより摩
擦力を増加させようとする手段がある。しかし、この場
合、すべりも同時に大きくなるため、モータの出力とし
て取り出すには限界がある。
【0009】また、振動体と移動体とのすべりを小さく
するために、振動体の駆動力伝達部位に設けた突起の高
さを大きくして振動振幅を増加させる手段、あるいは上
記突起の間隔を大きくする手段も提案されている。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記手段で
は、ある程度(数%)の出力向上は得られるが、自動車
用機能部品等に用いることができるような高出力は得ら
れていない。
【0011】本考案は、従来技術の問題点に鑑みなされ
たものであり、高トルクな出力を発生させることができ
る超音波モータを提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本考案は、円板状の弾性
体と該弾性体に付着してなる圧電素子とよりなる振動体
と、該振動体の駆動力伝達部位に接触してなる移動体と
よりなる超音波モータにおいて、上記振動体は、その中
心部付近で支持固定されており、上記振動体の駆動力伝
達部位は、少なくとも2個の移動体により挟持されてお
り、該少なくとも2個の移動体は、上記振動体の外周を
取り囲むように配設された連結部により連結されてお
り、該少なくとも2個の移動体は、バネ機構により上記
振動体に加圧接触されていることを特徴とする超音波モ
ータである。
【0013】
【作用】本考案では、振動体の圧電素子に高周波電圧が
印加されると該振動体に進行波が形成される。駆動力伝
達部位が移動体によって挟持、加圧されるため、振動体
の変形を抑制することができるとともに、移動体には進
行波によって一方向に向う力が発生する。この振動体の
変形抑制および摩擦面積の増加の2つの作用が相互に関
連しあって、摩擦力が増大することにより、移動体に発
生する駆動力も大きくなるとともにすべりが小さくな
る。
【0014】また、摩擦面積が従来のモータに比べて2
倍になるため、表面の粗さに影響される割合が多くな
り、移動体を駆動する力が大きくなる。そのため、摩擦
係数がみかけ上増加し、振動体への加圧力を減少させて
も同様な摩擦力が得られるものと考えられる。
【0015】
【考案の効果】本考案の超音波モータは、振動体と移動
体との加圧変形を抑制し、従来のモータの場合より摩擦
面積を増加させ、摩擦力を増大するとともにすべりを減
少させることができるので、高トルクな駆動力を発生さ
せ得る。
【0016】
【実施例】(考案の具体例) 以下、本考案をより具体的にした具体例を説明する。
【0017】本考案の超音波モータは、図1に示すよう
に、円板状の弾性体11と、該弾性体11に付着してな
る圧電素子12とよりなる振動体1と、振動体1の駆動
力伝達部位13に接触して振動の伝達により移動する移
動体2とよりなり、振動体1の駆動力伝達部位13は、
少なくとも2個の移動体2により挟持されてなるもので
ある。
【0018】弾性体は、円形とし、その中心にシャフト
等が通る穴を有する円環状でも穴のないものでもよい。
【0019】また、弾性体は、その断面が中心線に対し
て対称形状とするのがよい。例えば、円形の弾性体にお
いて、その断面が軸方向中心線および直径方向中心線に
対して対称形状とするのがよい。該形状であれば、圧電
素子の屈曲振動を容易に、しかもバランスよく行うこと
ができる。さらに、付加重量を利用して振動振幅を増大
させるためには、弾性体の駆動力伝達部位に放射状の突
起を等分割、対称に設けてもよい。
【0020】弾性体としては、振動損失が小さく、疲れ
破断しないアルミニウム、ステンレス等の金属、あるい
はセラミックス等よりなるものを用いてもよい。
【0021】弾性体に付着させてなる圧電素子は、1枚
でも、あるいは2枚以上の複数枚でもよい。しかし、高
電圧を印加する場合は、複数枚の素子からなる圧電素子
を使用した方がよい。
【0022】圧電素子は、1/2波長区画に等分割し、
交互に異なる方向性の圧電横効果を与える分極処理を行
った環状のものである。複数の圧電素子を、弾性体を挟
持するように付着させる場合、圧電素子を相互に位置的
に1/4波長ずらして配置することにより、圧電素子の
振動を互いに作用させ弾性体に進行波を発生させる。
【0023】圧電素子は、円形で、その中心にシャフト
等の通る穴を有する円環状でも穴のないものでもよい。
また、弾性体のどのような部位に付着させてもよく、例
えば、円形の弾性体において、駆動力伝達部位に対して
内周面でも外周面のどちらに付着させてもよい。なお、
複数の圧電素子が弾性体を挟持する構造では、弾性体に
おける圧電素子の付着位置は同様な位置とするのがよ
い。
【0024】また、複数の圧電素子を、弾性体を挟持す
るように付着させる場合、圧電素子の上面または下面を
積層して複数枚用いることにより弾性体を挟持してもよ
い。
【0025】移動体は、振動体の駆動力伝達部位に加圧
接触されて、振動体の屈曲振動に起因する一方向力を受
けて移動(回転)するので回転力としての出力を取り出
すことができる。
【0026】本考案では、一つの振動体の上下面に駆動
力伝達部位を設け、該駆動力伝達部位を少なくとも2個
の移動体により挟持するように移動体と振動体とを加圧
接触させる。すなわち、図1に示すように、振動体1の
駆動力伝達部位13を、その上下面より少なくとも2個
の移動体2で挟持する。この構造により、振動体の変形
抑制および摩擦面積の増加の2つの作用が相互に関連し
あって、摩擦力が増大するとともにすべりを小さくし
て、高トルクの駆動力を移動体に発生させることができ
る。
【0027】この構造における進行波の発生原理を図2
に示し、図3には振動体の側面断面の一波長における振
動振幅の状況を示す。振動体1の圧電素子に電気エネル
ギーが印加されると、振動体1の駆動力伝達部位13
は、屈曲振動によりたわみ波が起こり、振動体1は蛇動
運動する。振動体1の上面が伸びた場合、下面は縮み、
その波が円周方向に伝播するため、1質点の動きは楕円
軌跡となる。従って、駆動力伝達部位13に接触してな
る移動体2は、上記楕円軌跡の動きと反対向の摩擦力を
介して移動する(図2では左方向に移動する)。移動体
2は、上記の駆動力を得るため加圧しておくのがよい
(図2では下方向および上方向の矢印は加圧力を示
す)。さらに、上下面の移動体が均等に駆動力を受ける
ためには、上下面の移動体は同様な加圧力で駆動力伝達
部位に接触させるのがよい。そのため、上下面の移動体
には、バネ的作用を持った加圧手段を設けるのが望まし
い。
【0028】上記のように、振動体の駆動力伝達部位に
移動体を加圧して接触させる形態としては、以下のよう
なものが挙げられる。
【0029】
【0030】図5に示すように、振動体1の支持固定部
位14を中心部付近に設けて、上下面の移動体2をプラ
スチック等よりなる移動体ガイド51で連結(ネジ結
合、接着等)して、上面の移動体2をサラバネ3を用い
て押さえ、下面の移動体2はリングスプリング52を利
用して押さえ、上面の移動体2をシャフト41に連結す
る。上記リングスプリング52としては、図6に示すよ
うな波形リングスプリングあるいは図7に示すようなリ
ングバネスプリング等が挙げられる。また、下面の移動
体を振動体の駆動力伝達部位に押さえる形態としては、
図8に示すように、上面の移動体2と下面の移動体2と
を連結バー53とコイルスプリング54とにより連結す
る形態、あるいは、図9に示すように、上面の移動体2
と下面の移動体2とをコイルスプリング54のみにより
連結する形態、図10、図11および図12に示すよう
に、リング状または分割扇形の連結スプリング55を上
下面の移動体2の円周に等分に数カ所設け、その他の移
動体部分をダイレクトに連結する形態、図13および図
14に示すように、リング状または分割扇形の連結ファ
スナー56を上下面の移動体2の円周に等分に数カ所設
け、その他の移動体部分をダイレクトに連結する形態等
も利用することができる。このように、バネ機構を介し
て上下面の移動体を連結する構造は、図2に示したよう
に振動体の上面が伸びた場合、下面は縮むため上下面の
移動体が均等に駆動力をうけることができる。
【0031】また、振動体の形状は、目的とする共振周
波数を設定することにより決定できるが、移動体の形状
は、最適なものに決定するのは各種の技術的要因がある
ため一般化するのは極めて困難である。しかし、理想的
な移動体としては、図15に示すように、移動体1が受
ける振動振幅値l1 が、振動体2の振幅値(片振幅)l
2 の1/2〜1/4程度の範囲内にすることがが望まし
い。この範囲の振幅値を受けるようにすれば、移動体2
が振動体1に発生するたわみ波に追従して移動力を受
け、これが回転力となる。また、実際には、移動体の振
動体と接触する部分に摩擦材を設ける。該摩擦材と移動
体本体とは同材質であることは少なく、材質的には摩擦
材を吸音材とみなし、移動体の材質として、振動体に比
べヤング率が大きく、密度が小さく、音速の大きな材
質、例えば、アルミニウム合金等を用いることが望まし
い。
【0032】少なくとも2個の移動体は、振動体の駆動
力伝達部位との接触面積が同様であるのがよい。すなわ
ち、図1の移動体2の、駆動力伝達部位13と接触する
半径方向の長さl3 とl4 が同じものがよい。また、振
動体の駆動力伝達部位と接触する部分の軸方向の厚み
(図1のt1 とt2 )も同様とするのがよい。この形態
では、上下の移動体の共振振動系が等しくなり、移動体
に効率よく駆動力を発生させることができる。
【0033】本考案の超音波モータは、自動車の電装部
品、産業用から家庭用までの各種ロボット、磁気・光記
憶装置等の広範囲の分野で使用することができる。
【0034】(実施例) 以下、本考案の実施例を説明する。
【0035】(参考例) 本参考例での進行波型超音波モータの断面図を図4に示
す。弾性体11は,クロムニッケル鋼よりなり、円形を
なし、その断面形状が軸方向中心線および直径方向中心
線で振り分けた場合に対称形状のものである。弾性体1
1の上下外周環状面には放射状の突起15が等分割に設
けられており、弾性体11の上下外周面より内側の上下
面にはPZT(ジルコン酸・チタン酸鉛)よりなる環状
の2枚の圧電素子12が位置的に1/4波長ずらして配
置されている。これによりステータ1が構成されてい
る。該圧電素子12は、1/2波長(λ)区画に等分割
され交互に異なる方向性の圧電効果を与えて分極された
領域が形成されている。この1/2波長区画に分極され
た領域は隣り合う領域が厚み方向において互いに+−逆
方向に分極されている。この弾性体11と2枚の環状圧
電素子12とを振動体(ステータ)1として、圧電素子
12に同期させて90°位相をずらした発振器(図示せ
ず)からの高周波電圧を弾性体11を含めた電気共振状
態でマッチングさせて入力すると図24に示した進行波
の発生原理と同様の現象がステータ1の上下外周環状面
に起こる。なお、発振器は2相の正弦波を発生させて、
その2相のうちの一方の相には位相を90゜ずらせるフ
ェイズシフタを使い、2相をsin波とcos波にし、
高速で出力電力増幅した後、高周波電力を圧電素子へ入
力するものである。
【0036】さらに、ステータ1は、外周中立面で環状
の支持部材14により支持されており、該支持部材14
は、吸振材42を介して固定部材43と接続してなる。
【0037】ステータ1の駆動力伝達部位13には、該
駆動力伝達部位13を上下より挟持するように2組の移
動体2が加圧接触されてなる。移動体2は、アルミニウ
ム合金よりなるロータ21と、摩擦係数が大きく振動エ
ネルギーを効率よくトルクに変換するためのエンジニア
リングプラスチックよりなる摩擦材22とよりなる。移
動体2の加圧は、環状の低荷重用のサラバネ3により行
っている。すなわち、サラバネ3をシャフト41で固定
して、シャフト41の上端にスラストベアリング44を
介してカバー45を支持固定部位である台座43にネジ
止めによって固定している。
【0038】この構造の超音波モータは、ステータ1を
外周中立面で環状に支持固定することを特徴とするもの
で、上下面の移動体を結合する手段(図5ないし図14
に示したもの)を特に用いなくとも従来の移動体、サラ
バネ等がそのまま利用できる。
【0039】(実施例) 本実施例での超音波モータの断面図を図5に示す。
【0040】本実施例の超音波モータは、ステータ1に
は、2枚の圧電素子の付着した部位より隔離した内側の
下面環状部位に支持固定部位14を設け、2組の移動体
2の加圧を、上面の移動体2にはサラバネ3により、下
面の移動体2には波形リングスプリングまたはリングバ
ネスプリング等のリングスプリング52により行い、該
2組の移動体2を移動体ガイド51により一体化させて
いる。また、シャフト41とカバー45の間には、ラジ
アルベアリング46を介している。これ以外の構造は、
参考例と同様である。
【0041】この構造の超音波モータは、ステータ1を
中心部付近に支持固定しているため、従来のステータ1
の支持固定方法をそのまま利用でき、図5ないし図14
に示した手段を用いることができる。また、実施例1に
比べモータ全体を軽量化することが可能となる。
【0042】(実施例) 本実施例での超音波モータの断面図を図16に、また、
Z方向から見た平面図を図17に示す。
【0043】本実施例の超音波モータは、ステータ1に
は、2枚の圧電素子が付着した部位より隔離した内側の
下面環状部位に支持固定部位14を設け、2組の移動体
2の加圧を上面の移動体2にはサラバネ3により、下面
の移動体2にはリングスプリング52(サラバネでも可
能)とスラストベアリング44で行い、該2組の移動体
2を移動体ガイド51により一体化させている。また、
シャフト41とカバー45の間には、ラジアルベアリン
グ46を介している。これ以外の構造は、参考例と同様
である。
【0044】この構造の超音波モータは、ステータ1を
中心部付近に支持固定しているため、従来のステータ1
の支持固定方法をそのまま利用でき、従来の移動体、サ
ラバネ等がそのまま利用できる。
【0045】(比較例1) 本比較例での超音波モータの断面図を図18に示す。
【0046】本比較例の超音波モータは、振動体1の外
周部の下面に圧電素子12を1枚付着させて、振動体の
屈曲振動が発生する上面のみに移動体2を加圧接触させ
た構成をとる。これ以外の構造は、実施例と同様であ
る。
【0047】この構造の超音波モータは、移動体による
加圧が一方向のみであり、しかも、圧電素子の直上に加
圧手段があるため、図19に示すように、上面の移動体
により圧電素子12の屈曲振動が拘束されてしまい、振
動振幅が抑えられ、モータの構成として高回転力は望め
ない。また、図18に示したように、振動体1の中立軸
が一方向から加圧力により直径方向にたわむので、移動
体と振動体の間にすべりが生じてしまう。
【0048】(比較例2) 本比較例の超音波モータの断面図を図20に示す。
【0049】本比較例の超音波モータは、振動体1の外
周部にある駆動力伝達部位13よりも内周部に2組の圧
電素子12を付着させ、上記駆動力伝達部位13の上面
のみに移動体2を加圧接触させたものである。これ以外
の構造は、実施例2と同様である。
【0050】この構造の超音波モータは、振動体の駆動
力伝達部位の上面の振動を抑え、下面は解放状態である
ため、振動体の屈曲振動のバランスが悪い。従って、モ
ータ出力効率が低下してしまう。
【0051】図21に示すように、比較例2は比較例1
に比べ駆動力伝達部位を外周部に設け、直接圧電素子1
2に屈曲振動の拘束を与えることは少ないが、比較例1
と同様に一方向からの移動体の加圧手段を用いているた
め振動体1の中立軸が直径方向にたわみ、比較例1と同
様移動体と振動体の間にすべりが生じる。
【0052】また、比較例1、2では、図18、図20
に示すように、超音波モータ組付前の振動体の振動中立
軸P1 と組付後の振動中立軸P2 とは一方向からの移動
体による加圧力によりずれてしまうのに対して、実施例
1、2、3では、図4、図5、図16に示すように、振
動体の直径方向のたわみを少なくして、P1 とP2 とを
一致させることができる。従って、すべりを少なくして
摩擦面を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の具体例における超音波モータの側面断
面図
【図2】本考案の超音波モータの進行波の発生原理を示
す概念図
【図3】本考案の超音波モータの振動体側面断面の一波
長における振動振幅状況を示す線図
【図4】参考例における超音波モータの側面断面図
【図5】本考案の実施例における超音波モータの側面断
面図
【図6】本考案の具体例における超音波モータに使用す
る波形リングスプリングの斜視図
【図7】本考案の具体例における超音波モータに使用す
るリングバネスプリングの斜視図
【図8】本考案の具体例における超音波モータの振動体
と移動体との接触部の側面断面図
【図9】本考案の具体例における超音波モータの振動体
と移動体との接触部の側面断面図
【図10】本考案の具体例における超音波モータの振動
体と移動体との接触部の側面断面図
【図11】図10の接触部をX方向より見た側面図
【図12】図10の接触部に使用する連結スプリングの
斜視図
【図13】本考案の具体例における超音波モータの振動
体と移動体との接触部の側面断面図
【図14】図13の接触部をY方向より見た側面図
【図15】本考案の具体例における超音波モータの振動
体と移動体との接触部での進行波の振幅を示す概念図
【図16】本考案の実施例における超音波モータの側面
断面図
【図17】図16の超音波モータの振動体と移動体との
接触部をZ方向より見た平面図
【図18】比較例における超音波モータの側面断面図
【図19】比較例における超音波モータの進行波の発生
原理を示す概念図
【図20】比較例における超音波モータの側面断面図
【図21】比較例における超音波モータの進行波の発生
原理を示す概念図
【図22】従来の超音波モータの斜視図
【図23】従来の超音波モータの圧電素子の平面図
【図24】超音波モータの進行波の発生原理を示す概念
【符号の説明】
1 振動体 2 移動体 3 バネ 11 弾性体 12 圧電素子 13 振動体の駆動力伝達部位 41 シャフト 44 スラストベアリング 51 移動体ガイド 52 リングスプリング

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状の弾性体と該弾性体に付着してな
    る圧電素子とよりなる振動体と、該振動体の駆動力伝達
    部位に接触してなる移動体とよりなる超音波モータにお
    いて、上記振動体は、その中心部付近で支持固定されて
    おり、上記振動体の駆動力伝達部位は、少なくとも2個
    の移動体により挟持されており、該少なくとも2個の移
    動体は、上記振動体の外周を取り囲むように配設された
    連結部により連結されており、該少なくとも2個の移動
    体は、バネ機構により上記振動体に加圧接触されている
    ことを特徴とする超音波モータ。
JP1991039062U 1990-11-09 1991-04-26 超音波モータ Expired - Fee Related JP2560873Y2 (ja)

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