JPH04114792U - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JPH04114792U
JPH04114792U JP2484491U JP2484491U JPH04114792U JP H04114792 U JPH04114792 U JP H04114792U JP 2484491 U JP2484491 U JP 2484491U JP 2484491 U JP2484491 U JP 2484491U JP H04114792 U JPH04114792 U JP H04114792U
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vibration
vibrating body
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JP2484491U
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Inventor
泰明 河合
鉅和 浅井
Original Assignee
株式会社豊田中央研究所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】移動体に効率よく振動による回転駆動力を伝達
することができる超音波モータを提供する。 【構成】円板状の弾性体11と該弾性体11の表面に付
着させてなる圧電素子12とよりなる振動体1と、振動
体1の駆動力伝達部位13に加圧接触させてなる移動体
2とよりなり、該駆動力伝達部位13には、その外周面
15より振動波の波長の1/8以下の長さの範囲内に突
起14が設けられており、該突起14を介して振動伝達
部位13と移動体2とが加圧接触されてなる。振動振幅
の最も大きい位置に突起14が存在し、しかも突起14
の他の部分に振動が伝達しないため、振動体より移動体
2に効率よく振動による回転駆動力を伝達することがで
きる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、効率よく移動体に振動による回転駆動力を伝達することができる超 音波モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気エネルギーを機械エネルギーの超音波に変換し、回転力を取り出すものと して超音波モータがある。超音波モータは、静粛、低速回転で高トルクが得られ 、ダイレクトドライブが可能であることより自動車用機能部品、各種ロボット、 磁気・光記憶装置等の広範囲の分野で応用が検討されつつある。
【0003】 この超音波モータには、進行波型超音波モータ、定在波型超音波モータ、およ び複合振動子型超音波モータ等が提案されている。その中でも、安定したモータ 性能を長時間得ることができることより進行波型超音波モータについて技術的検 討がよくなされている。
【0004】 進行波型超音波モータとしては、例えば、図6に示すように金属等からなる円 板状構造で円周方向に放射状スリットを設けた弾性体11の直下にセラミックス 等からなるリング状圧電素子12を接着した振動体(ステータ)1に、円板状構 造の弾性部材21にエンジニアプラスチック等からなる摩擦材22を接着した移 動体2を加圧接触させた構造のものである。上記圧電素子12にステータ1の共 振振動数(共振点)に合わせた高周波電圧を印加することによりステータ1を共 振振動させ移動体2を回転させている(応用物理54(1985)No.6、p 589〜590)。
【0005】 上記圧電素子12は、図7に示すような電極構造を有している。すなわち、弾 性体11の接着面側には1/2波長で区画された部位と、3/4波長で区画され た部位(図中のC)および1/4波長で区画された部位(図中のD)があり、そ の反対面側には図中の斜線で示すように1/2波長で区画された部位を2箇所に 分け(図中のA、B)、1/4、3/4波長で区画された部位の間に設けられて いる。また、1/2波長で区画された部位には交互に異なる方向性の圧電横効果 を与える分極処理が施されている。
【0006】 このリング状圧電素子12の部位A、Bに90°位相をずらした高周波電圧を ステータ1の電気共振状態で入力すると、弾性体11の表面には一方向へ向かう 振動波が励振される。そのため弾性体11の表面の任意の一点の動きは図8に示 すように軌跡を描く。その振動振幅が位置的に90°ずれ、かつ時間的に位相が 90°ずれるため圧電素子12で発生した屈曲振動は弾性体11の仮想の中立軸 から表面の動きを描くと楕円軌跡となる(図8中では左回りの楕円軌跡)。移動 体2には振動波の進行方向(図8中では右方向)と逆方向(図8中では左方向) に摩擦力が働くため、移動体2にトルクが与えられ、モータとして作用する。な お、図8中の上から下へ示した矢印は、加圧力を示している。
【0007】 振動体の駆動力伝達部位には、振動振幅の増大を図るため円周方向に放射状の 突起が設けられている。該突起は移動体と接触しており、これを介して振動体か ら移動体に振動による回転駆動力が伝達される。この突起は、図10に示すよう に、屈曲振動の中立面(以下,中立面とする)P1 から駆動力伝達部位の端13 2までの距離を大きく取れるために有効とされている。すなわち、図9における 突起のない弾性体の場合、中立面P1 から振動伝達部位の端132までの距離が L0 であるとすると図10における突起14のある弾性体の場合、中立面P1 が やや上方となるが、中立面P1 から振動伝達部位の端132までの距離L1 はL 0 よりも大きくなり、振動振幅が拡大される。
【0008】 しかしながら、従来の超音波モータでは、振動体と移動体との間に介在する突 起の半径方向の長さは、発生する振動波の波長の1/4程度のものである。この ように、突起の半径方向における長さが大きいため、突起の外周面側における振 幅の大きな振動波は内周面側にある不用な付加質量に吸収されてしまう。従って 、振動による回転駆動力を移動体に伝達しにくく、しかも振動振幅が抑えられて しまう。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
本考案者は、上記従来技術の問題点を解決するために、超音波モータの突起の 半径方向の長さについて着目し、駆動力伝達部位の外周面が最も振動振幅が大き く、半径方向の内部に向かうにつれて振幅が減少することを見出し、本考案をな したものである。
【0010】 本考案は、振動体から移動体へ振動振幅の大きな振動による回転駆動力を効率 よく伝達することができる超音波モータを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本考案は、円板状の弾性体と該弾性体に付着してなる圧電素子とよりなる振動 体と、該振動体の駆動力伝達部位に接触してなる移動体とよりなる超音波モータ において、該振動体の駆動力伝達部位は、振動体の外周面より半径方向に、発生 する振動波の波長の1/8以下の長さの範囲内に設けられた突起を介して上記移 動体と接触してなることを特徴とする超音波モータである。
【0012】
【作用】
超音波モータの駆動力伝達部位においては、その外周面が最も振動振幅が大き く、半径方向の内部に向かうにつれて振幅が減少する傾向にある。本考案の超音 波モータでは、振動体の外周面に設けられている突起の長さが発生する振動波の 波長の1/8以下の長さであるため、該突起は、振動振幅の最も大きい位置に存 在し、かつ振動振幅の小さい位置には存在しないことになる。よって、突起より 移動体に振幅の大きい振動による回転駆動力を伝達する。更に、振動体の内周面 に不用な付加重量がないため、振幅の大きい振動を効率よく発生させることがで きる。また、振動体の外周面と内周面とに移動体への移動力に差が生じることが 少ないため、移動体の移動が効率よい。
【0013】
【考案の効果】
本考案の超音波モータによれば、振動体から移動体へ振動振幅の大きな振動に よる回転駆動力を効率よく伝達することができる。
【0014】
【実施例】
(考案の具体例) 以下、本考案をより具体的にした具体例を説明する。
【0015】 本考案の超音波モータは、図1および図2に示すように、円板状の弾性体11 と該弾性体11の表面に付着させてなる圧電素子12とよりなる振動体1と、振 動体1の駆動力伝達部位13に加圧接触させてなる移動体2とよりなり、該駆動 力伝達部位13には、その外周面15より振動波の波長の1/8以下の長さの範 囲にわたって突起14が設けられており、該突起14を介して駆動力伝達部位1 3と移動体2とが加圧接触させてなる。
【0016】 超音波モータにおいて、発生する振動波の振幅の大きさは、図11に示すよう に、振動体1の駆動力伝達部位13の外周面15を振幅が最大の頂点として半径 方向に向かって減少する曲線である(図11中のλは振動波の波長を示し、以下 の図でも同様)。本考案では、振幅の大きな部分のみ突起が存在し、内周側に付 加重量がないため、移動体へ効率よく振動による回転駆動力を伝達する。
【0017】 これを更に詳細に説明する。図12の(a)ないし(d)に示すように、弾性 体の振動姿態は、外周方向では常に振動振幅の変化があり、振動の節の位置は固 定されていない。一方、半径方向においては、最外周面で最も振動振幅が大きく 、内側に向かうほど小さくなる分布を示す。弾性体の波長の関係は、図12に示 す通りで、半径方向に着目した場合、その振動振幅の大きな部位は最外周面より 1/8波長(λ)の位置に集中している。なお、図12は振動体の振動姿態と振 動分布を示すものであり、(a)は振動体の振動姿態、(b)は振動体の周方向 における振動振幅の状況、(c)は振動体の半径方向における振動振幅の分布状 況、(d)は(c)の一部拡大図である。
【0018】 また、突起は振動体の最外周面より波長の1/8の範囲内であればどのような 位置に設けてもよい。
【0019】 弾性体は、真円形でもあるいは楕円形でもよく、その形状がループを形成する 円形のものであればよい。また、その中心にシャフト等が通る穴を有する円環状 でも穴のないものでもよい。
【0020】 また、弾性体は、該断面が中心線に対して対称形状とするのがよい。例えば、 真円形の弾性体においては、該断面が軸方向中心線および直径方向中心線に対し て対称形状とするのがよい。該形状であれば、圧電素子の屈曲振動を容易に、し かもバランスよく行うことができる。さらに、図15に示すように一体構造のも のでもよくあるいは図2に示すように内部と上下部とに分割して、その間に圧電 素子を挟持した構造としてもよい。
【0021】 弾性体としては、振動損失が小さく、疲れ破断しないアルミニウム、ステンレ ス等の金属、あるいはセラミックス等からなるものを用いるのがよい。
【0022】 弾性体に付着させる圧電素子の枚数は、1枚でも2枚以上の複数でもよい。例 えば、2枚以上の圧電素子を付着させる場合、弾性体を挟持するように弾性体に 付着させるのがよい。
【0023】 本考案の超音波モータの振動体構造として、屈曲振動が半径方向1次のモード を有し、周方向にはn次(nは波の数)のものとするのがよい。圧電素子を1枚 用いる場合、振動体に突起を設けることにより圧電素子と振動体の中立面との距 離が増大するため圧電素子の許容限界ひずみ率が大きくなる圧電素子の寿命が短 くなることがある。それに対して、圧電素子を2枚以上により弾性体を挟持する 構造の場合、振動体の中立面は、常に振動体の直径方向中心線上で変化しない。 そのため、圧電素子と振動体の中立面の距離は大きくなることがなく、上記の問 題がない。しかも、振動体に突起を設けることにより振動振幅を増大させること ができる。よって、2枚以上の圧電素子により弾性体を挟持する構造の方がよい 。
【0024】 圧電素子は、1/2波長区画に等分割した環状のものとする。上記のような2 枚以上の圧電素子により弾性体を挟持する場合、図3に示すように交互に異なる 方向性の圧電横効果を与える分極処理を行った環状のものとし、相互に位置的に 1/4波長ずらして配置することにより、圧電素子の振動を互いに作用させ振動 体に振動波を発生させることができる。
【0025】 圧電素子は、真円形でもあるいは楕円形でもよく、その形状がループを形成す る円形のものであればよい。また、その中心にシャフト等が通る穴を有する円環 状でも穴のないものでもよい。また、弾性体のどのような部位に付着させてもよ く、例えば、真円形の振動体では、図15に示すように、駆動力伝達部位13に 対して内周面でも外周面のどちらに付着させてもよい。また、図2に示すように 、弾性体11を内部111と上下部112とに分け、内部の弾性体111を圧電 素子(12)2枚で挟持し、さらにこれらを上下部の弾性体(弾性板、112) 2枚で挟持した構造としてもよい。なお、2枚以上の複数個の圧電素子が弾性体 を挟持する位置は同様な位置とする。また、複数個の圧電素子を弾性体に付着さ せる場合、圧電素子を積層してもよい。
【0026】 振動体の駆動力伝達部位は、振動体の外周部に設け、該駆動力伝達部位には上 記突起を設ける。
【0027】 また、突起は、弾性体の駆動力伝達部位において外周部全体にわたって設けて もよく、あるいは等間隔にスリットを入れて部分的に設けてもよい。
【0028】 図10のように上記等間隔にスリットを入れた場合、突起(14)1つ当たり の円周方向の長さ(w)および軸方向の高さ(h)の関係は、h/wが0.5〜 10の範囲が望ましい。振動振幅を稼ぐためには突起の軸方向の高さhを大きく するのがよい。しかし、円環の弾性体の弾性限界が有限となるため、機械振動に よる損失が増大し、発熱の問題、破壊の問題等が生じ、一定限度の範囲しか許さ れない。また、低速、高トルクのモータとするためには高さhを小さくして長さ wを大きくするようにする。高さhを犠牲にして幅wを増し、ロータの摩擦面を 増加させることができる。
【0029】 突起の材質としては、弾性材料とするのがよい。弾性材料とする場合、振動体 の弾性体と同様なものでもよいが、弾性体を内部と上下部とに分割する場合、上 下部の弾性体の耐摩擦摩耗特性を考慮して弾性体と異種の材料でもよい。
【0030】 また、振動体の加工方法としてプレス等の加工方法を使用すれば量産性に優れ る。
【0031】 振動体の駆動力伝達部位における突起以外の部分の形状としては、図13(a )、(b)のように平坦でもよく、あるいは図14(a)、(b)のように傾斜 を有するものでもよい。
【0032】 また、振動体の屈曲振動を軸方向中心軸に対して垂直な面で一様に発生させる ため、振動体の支持部位および固定部位は、振動体に不要な振動伝達を防ぐため に圧電素子配置部位より隔離した部位に設けるのがよい。さらに、大負荷に対し て大振幅を実現するため、振動体の支持部位および固定部位を圧電素子より発生 する屈曲振動のロスの少ない中立軸に設けるのがよい。
【0033】 また、移動体は、駆動力伝達部位と加圧接触する摩擦面を有するものである。 移動体を振動体の上面に加圧接触させる場合、上記振動体の支持部位および固定 部位と直径方向中心軸に対して反対面の振動体環状面に加圧接触させる方が構造 的なバランス性より望ましい。さらに、円環状あるいは円板状移動体の場合、移 動体の摩擦面の半径方向における長さは、振動体の駆動力伝達部位の突起の半径 方向における長さと同様な長さとするのがよい。これは、移動体も振動体を含め た共振系として扱うと、移動体の摩擦面の長さが振動体の突起の長さと同様であ ると、振動体の振動に追従する振動構造となり、効率よく振動による回転駆動力 を移動体が受けることになるためである。
【0034】 なお、駆動力伝達部位は、振動体の上面および下面の両方にあるため移動体を 駆動力伝達部位の上面および下面の両方同時に加圧接触させてもよい。また、振 動体の支持部位および固定部位と同面の振動体環状面に加圧接触させてもよい。 なお、上記の駆動力伝達部位の両方面同時に加圧接触させる方が、圧電素子から の駆動力伝達距離が均等になり、2倍の摩擦接触面が得られるので効率よく駆動 力を伝達することができてよい。
【0035】 さらに、図15に示すように、弾性体11に圧電素子12が付着した振動体1 の構造を2組設けて、それらを移動体2の上下面両面より同時に加圧接触させる ことにより2倍の駆動源になるため図1のものに比べて移動体に2倍のトルクを 得ることができる。
【0036】 本考案の進行波型超音波モータは、自動車の電装品、産業用から家庭用までの 各種ロボット、磁気・光記憶装置等広範囲の分野で使用することができる。
【0037】 以下、本考案の実施例を説明する。
【0038】 (実施例1) 本実施例での進行波型音波モータ全体の断面図を図1に、その振動体の駆動力 伝達部位の部分断面斜視図を図2に、その圧電素子付着部分の平面図を図3に、 その外周面の平面図を図4に、その断面図を図5に示す。
【0039】 弾性体11は、金属等の弾性的性質を有する部材よりなり、円形を有し、その 断面形状が軸方向中心線および直径方向中心線で振り分けた場合に対称形状のも のである。この弾性体11は、内部111と上下部(弾性板)112とに分割さ れている。内部の弾性体111の上下外周面より上下面にはPZT(ジルコン酸 ・チタン酸鉛)よりなる環状の2枚の圧電素子12が位置的に1/4波長ずらし て配置されている。さらに、上記2枚の圧電素子12の上下外周環状には放射状 の突起14を等分割に設けた弾性板112が付着している。これにより振動体( ステータ)1が構成されている。圧電素子12は、図3に示すように1/2波長 (λ)区画に等分割され交互に異なる方向性の圧電効果を与えて分極された領域 が形成されている。この弾性体11と2枚の環状圧電素子12とをステータ1と して、圧電素子12に同期させた90°の位相をずらした高周波電圧を振動体1 を含めた電気共振状態でマッチングさせて入力すると図8に示した振動波の発生 原理と同様の現象がステータ1の上下外周環状面に起こる。なお、図3において 、発振器より2相の正弦波を発生させて、その2相のうちの一方の相には位相を 90°違えるフェイズシフタを使い、2相をsin波とcos波にし、高出力電 圧増幅器を付加して電気信号を増幅し入力している。
【0040】 さらに、ステータ1は、2枚の環状圧電素子12の付着部位より隔離した内側 の下面環状部位に支持部位16および固定部位17を設けているので圧電素子1 2から発生した屈曲振動が直接支持部位16および固定部位17には伝播されず 振動モードがくずれない構造となっている。
【0041】 駆動力伝達部位13には、放射状の突起14が等分割に設けられている。
【0042】 上記駆動力伝達部位13上には円形の移動体2が取りつけられる。この移動体 2としては、金属等の弾性的性質を有したロータ21と、摩擦係数が大きく振動 エネルギーを効率よくトルクに変換できる、例えばエンジニアプラスチック等の 材料よりなる摩擦材22よりなる。ロータ21と摩擦材22とは接着構造で取り つけられている。移動体2の摩擦材22は駆動力伝達部位13の突起14と接触 することにより移動体2とステータ1とが加圧接触されている。
【0043】 突起14は、駆動力伝達部位13において発生する振動波の波長の1/8以下 の長さを有して駆動力伝達部位13の外周面に設けられている。この突起14を 介して移動体2とステータ1とが加圧接触してなる。
【0044】 移動体2とステータ1との加圧接触機構としては、移動体2の上部よりすべり 止め兼防振用としてゴム等の緩衝材41を介してサラバネ42の圧縮力により行 っている。すなわち、サラバネ42をシャフト43で固定して、シャフト43の 上端にスラストベアリング44を設けて、カバー5を支持固定本体である台座3 にネジ止めしている。なお、本構造の場合、シャフト43がスラストベアリング 44と両端支持を行っているので回転ブレが生じないものとなっている。また、 ステータ1は直径が60mmで周方向に8波を発生させるものとした。ステータ1 の支持部位16と固定部位17とは屈曲振動の中立軸P2 に配設してなる。
【0045】 この実施例の超音波モータの駆動力伝達部位13における突起14の長さ(図 5中のa)を表1に示すように種々変化させて、ステータから移動体へ伝達され る振動波の半径方向における振幅を測定した。なお、図5および表1中のaは突 起14の半径方向の長さとする。また、図4に示すように突起14の高さhと幅 wとの関係はh/w=1とした。その結果を図16に示す。図16より明らかな ように、突起の長さが短くなるほど、不用な付加重量がなくなるために伝達され る外周部の振動の振幅が増大することが分かる。また、ロータを回転駆動する接 触面の面積は大きい方が望ましいことより、実用的には突起の長さは波長の1/ 8以下の範囲が最もよいことが分かる。
【表1】
【0046】 また、電気入力の入れやすさ(振動振幅の起こしやすさ)について、表1に示 した試料を用いてアドミッタンスアナライザーで、そのアドミッタンスを測定し た。その結果を図17に示す。図17より突起の半径方向における長さが小さく なるにつれて共振時のアドミッタンスが大きくなり、電気入力としては大きく取 れることが分かる。従って、突起の半径方向における長さが小さいほど電気入力 が大きく取れ、その結果機械的振動振幅が大きくなり、超音波モータのトルクを 増大できることが分かる。
【0047】 (実施例2) 本実施例は、図18ないし図20に示すように、振動体1の支持部位16を固 定部位17の下方に下げ、屈曲振動の中立軸P2 に配設し、圧電素子12上面に 弾性体11を設け、振動体1の固定部位17を振動のバランス面から非対称構造 としたものである。上記の構造以外は実施例1と同様である。
【0048】 この構造により、図2に示した実施例1と同様に、圧電素子と振動体の中立面 の距離を大きくすることなく、振動振幅を効率よく増大させることができる。し かも、突起は振動体の一方のみでよい。
【0049】 (実施例3) 本実施例は、図21に示すように、振動体1の突起14の半径方向における長 さと同じ半径方向寸法の摩擦面(回転駆動力を受ける面)を有する移動体2を設 けたものである。上記の構造以外は実施例1と同様である。
【0050】 突起14の半径方向における長さが実施例1の表1に示す試料No.1〜4の 振動体4種類と、該振動体の突起の半径方向長さと同様な半径方向長さの摩擦面 を有するロータ4種類とをそれぞれ組み合わせた超音波モータ16種類について 、モータ性能(回転数、トルク特性)を測定した。その結果、試料No.1、N o.2の振動体と、該振動体の突起の半径方向長さと同様な半径方向長さの摩擦 面を有するロータとの組み合わせたものが最も良好な駆動力を示した。このよう に、振動体の突起の半径方向長さを外周面より1/8λ以下とし、移動体の摩擦 面の半径方向長さを突起の半径方向長さと同様とすることにより移動体に振動に よる回転駆動力を最も効率よく伝達できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例における超音波モータの断面図
【図2】図1における振動体の振動伝達部位の部分断面
斜視図
【図3】図1における振動体の圧電素子接着部分の平面
【図4】図1における振動体の振動伝達部位外周面の平
面図
【図5】図1における振動体の振動伝達部位の断面図
【図6】従来の超音波モータの斜視図
【図7】従来の超音波モータにおける圧電素子の平面図
【図8】超音波モータの振動波の発生原理を示す概念図
【図9】超音波モータの振動体の駆動力伝達部位におけ
る振動波の動きを示す概念図
【図10】超音波モータの振動体の駆動力伝達部位にお
ける振動波の動きを示す概念図
【図11】超音波モータの振動体の駆動力伝達部位にお
ける振動波の振幅分布を示す図
【図12】超音波モータの振動体の駆動力伝達部位にお
ける振動波の振幅分布を示す図(a)振動体の振動姿態
(b)振動体の周方向における振動振幅の状況(c)振
動体の半径方向における振動振幅の状況(d)(c)の
一部拡大図
【図13】超音波モータの振動体の駆動力伝達部位にお
ける突起の形状を示す図(a)断面図(b)平面図
【図14】超音波モータの振動体の駆動力伝達部位にお
ける突起の形状を示す図(a)断面図(b)平面図
【図15】本考案の実施例における超音波モータの断面
【図16】実施例における超音波モータにより発生する
振動波の振動振幅の分布を示す線図
【図17】実施例における超音波モータの振動体の共振
時のアドミッタンス特性を示す線図
【図18】本考案の実施例における超音波モータの振動
体の断面図
【図19】本考案の実施例における超音波モータの振動
体の部分断面斜視図
【図20】本考案の実施例における超音波モータの振動
体の平面図
【図21】本考案の実施例における超音波モータの振動
体と移動体との断面図
【符号の説明】
1 振動体 11 弾性体 12 圧電素子 13 振動体の駆動力伝達部位 14 突起 2 移動体

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状の弾性体と該弾性体に付着してな
    る圧電素子とよりなる振動体と、該振動体の駆動力伝達
    部位に接触してなる移動体とよりなる超音波モータにお
    いて、該振動体の駆動力伝達部位は、振動体の外周面よ
    り半径方向に、発生する振動波の波長の1/8以下の長
    さの範囲内に設けられた突起を介して上記移動体と接触
    してなることを特徴とする超音波モータ。
JP2484491U 1990-11-09 1991-03-19 超音波モータ Pending JPH04114792U (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2484491U JPH04114792U (ja) 1991-03-19 1991-03-19 超音波モータ
US07/771,766 US5172023A (en) 1990-11-09 1991-10-04 Ultrasonic motor

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000107213A (ja) * 1998-10-07 2000-04-18 Shigeki Toyama 超音波モータを用いた関節補助器

Citations (2)

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JPS61277380A (ja) * 1985-05-30 1986-12-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 超音波モ−タ
JPH0352573A (ja) * 1989-07-18 1991-03-06 Aisin Seiki Co Ltd 超音波モータ

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