JP2560572Y2 - アンチロックブレーキシステムの液圧制御装置 - Google Patents

アンチロックブレーキシステムの液圧制御装置

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JP2560572Y2
JP2560572Y2 JP1861492U JP1861492U JP2560572Y2 JP 2560572 Y2 JP2560572 Y2 JP 2560572Y2 JP 1861492 U JP1861492 U JP 1861492U JP 1861492 U JP1861492 U JP 1861492U JP 2560572 Y2 JP2560572 Y2 JP 2560572Y2
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秀明 高橋
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株式会社ユニシアジェックス
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【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、アンチロックブレーキ
システムの液圧制御装置に関し、特にその作動時に各車
輪に供給されるブレーキ液圧の増圧を滑らかに制御可能
なアンチロックブレーキシステムの液圧制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のアンチロックブレーキシ
ステム(ABS)の液圧制御装置としては、例えば実願
平2−65415号により提案されているものがある。
このものは、マスタシリンダからホイールシリンダに液
圧を供給する液路に一方向の流れのみを許可すると共に
反対方向の流れを規制するプランジャ式の逆止制御弁を
設け、この逆止制御弁を介してマスタシリンダからホイ
ールシリンダへの増圧時にその増圧が急激に行われない
ように液圧を制御するものである。
【0003】図3の(A),(B)および(C)はその
逆止制御弁の構成と動作を示す。ここで、100はその
プランジャ式逆止制御弁(以下で単に逆止弁という)、
101は逆止弁100内を摺動するプランジャ、102
はプランジャ101の一方の側に設けられた逆止弁室、
103はプランジャ101の逆止弁室102とは反対側
に設けられたばね室、104および105はばね室10
3に配設されたばねおよびストッパである。また、プラ
ンジャ101には逆止弁室102からばね室103に連
通する連通路106とこの連通路106に直交し、後述
するようにしてホイールシリンダ側の液路107からの
戻り液を逆止弁室102に導くための戻し孔108とが
穿設されている。
【0004】109は連通路106のばね室103への
開口部に設けられたオリフィス(以下で第1オリフィス
という)、110はプランジャ室111の周囲壁に周設
された環状溝である。一方、逆止弁室102にはボール
状の弁体112とこれを弁座102Aに向けて偏倚させ
ているばね113およびばね113を保持している孔明
きのばね保持部材114とが設けられている。115は
不図示のマスタシリンダからプランジャ室111に作動
液が導かれる液路である。また、プランジャ101の逆
止弁102が配設される側の端部からはプランジャ10
1の周面に沿って軸方向にテーパ状の切欠き(以下で絞
り部という)116が形成されている。
【0005】そこで、このように構成されたABSの液
圧制御装置では、逆止弁100においてブレーキ操作が
行われない限りその(A)に示すようにプランジャ10
1はばね室103に設けられたばね104の弾発力によ
りプランジャ室111のマスタシリンダ(M/C)側液
路115が設けられている壁に向けて偏倚された状態に
保たれている。従って、不図示のM/Cからホイールシ
リンダ(H/C)側液路107には作動液が流れない。
そして、ブレーキ操作が行われ、さらにまたアンチロッ
クブレーキ(ABS)制御がなされる場合は、その
(B)に示すようにM/C側の液圧によってプランジャ
101がばね104のばね力に抗して右方に移動され
る。
【0006】かくして、作動液はプランジャ室111か
ら絞り部116を介して環状溝110からW/C側液路
107に緩やかに導かれ、急激に液圧がW/C側に導か
れないようにしている。また、ブレーキ操作がとどめら
れると、M/C側とW/C側との液圧がバランスしたと
ころで、その(C)に示すようにプランジャ101がば
ね104のばね力により元の(A)の状態に戻されよう
とするが、先に述べた絞り部116と環状溝110との
間で第2のオリフィス117が形成されることと第1オ
リフィス109を介して作動液がばね室103に戻され
ることにより(C)から先は徐々に(A)の状態にまで
戻される。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の逆止制御弁100では、プランジャ101が
M/C側液路115とW/C側液路107との間の液圧
の差によって作動するように構成されており、W/C側
の増圧された液圧がM/C側に戻される場合はその差圧
によってボール状弁体112がばね113のばね力に抗
して開弁され、問題はないが、先に述べたようにM/C
側の加圧によってプランジャ101がいっ旦(B)に示
すように駆動された場合のあとの復帰動作に特に問題が
ある。すなわち、この(B)から(C)の状態を経て
(A)の状態に戻るが、その際第1オリフィス109お
よび第2のオリフィス117によって(A)の作動前状
態(以下で定常状態という)に戻るのに時間がかかる。
【0008】そこで、1つの逆止制御弁を経て2つの車
輪系統例えば左右の車輪のABS制御を行うように構成
されている場合、その2系統に設けられる電磁制御弁の
ソレノイドへの増圧信号の入力される時間差が上述した
プランジャ101の定常状態への戻り時間より小さい
と、そのうちの1系統では逆止制御弁による効果が十分
に発揮されない虞があった。
【0009】本考案の目的は、かかる従来の問題に着目
し、その解決を図るべく、上述のような構成によるAB
Sの液圧制御装置において、その逆止制御弁による増圧
時の初期緩増圧効果をいかしつつ、しかも2系統の制御
系に対してもそれぞれに安定した制御動作が得られるよ
うにしたABSの液圧制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本考案は、マスタシリンダとホイールシリンダと
の間の液路に配設され、ブレーキ用作動液の前記マスタ
シリンダ側の増圧によってばね力に抗して動作するプラ
ンジャを有し、該プランジャに設けられた逆止弁を介し
て前記ホイールシリンダ側からの作動液の戻りのみが許
容されると共に前記マスタシリンダ側の増圧時にその初
期の増圧が前記プランジャの動作に応じて前記ホイール
シリンダ側に緩やかに伝達されるようにしたアンチロッ
クブレーキシステムの液圧制御装置において、前記プラ
ンジャに洩れを許容する第2の逆止弁を設け、該第2の
逆止弁はその洩れにより前記プランジャの動作に応じて
前記初期増圧を前記ホイールシリンダ側に緩やかに伝達
し、前記増圧の終了時には開弁されて前記プランジャを
前記ばね力により前記動作前の位置に速やかに復帰可能
であることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】本考案によれば、マスタシリンダ側の増圧時に
はプランジャの動作に伴って第2逆止弁から洩れが生
じ、その洩れに応じた分のみしかプランジャが動作しな
いことにより初期増圧が緩やかに規制される。このあと
のさらにプランジャの動作によりマスタシリンダ側とホ
イールシリンダ側との液路が連通してマスタシリンダ側
の増圧がホイールシリンダ側に完全に伝達されるが、増
圧を終えた段階では第2逆止弁が開弁されることによっ
て第2逆止弁の背圧が除かれるのでばね力によりプラン
ジャを動作前の位置に急速に復帰させることができる。
従って、このようにプランジャの定常状態への戻りが円
滑に行われるようになったことで、1つの逆止弁に2系
統の制御系が接続されているような場合にあってもその
制御に不都合が生じるようなことがない。
【0012】
【実施例】以下に、図面を参照しつつ本考案の実施例を
具体的に説明する。
【0013】図1は本考案を適用したABSの回路構成
例を示す。ここで、1はブレーキペダル、2はマスタシ
リンダ、3は本考案にかかる逆止弁、4は液圧供給路、
5は常開電磁制御弁、6は常閉電磁制御弁、7はポンプ
8用の駆動モータ、9はアキュームレータである。な
お、本例では左右のリアホイールシリンダ10に対する
ブレーキ作動液の液圧制御機構が1系統として構成され
ると共に、フロントの方は左右別のホイールシリンダ1
1Aおよび11Bに対して個別に制御可能なように系統
別にそれぞれ電磁制御弁5,6が設けられている。
【0014】ついで、図2に従い本考案による逆止(制
御)弁3の構成および動作について説明する。
【0015】その(A)はブレーキ操作が行われない定
常の状態を示すもので、ここで、30は逆止弁3のプラ
ンジャ室111内を摺動するプランジャであり、31は
プランジャ30のばね室103側から軸方向に沿って穿
設された弁室(以下で逆止弁室102と区別するために
第2弁室と呼ぶ)である。なお、この第2弁室31は逆
止弁室102と共にいずれも十分な径が得られるように
穿設されると共に、弁体(以下でボール状の弁体112
と区別するために第2弁体と呼ぶ)32が当接する弁座
(以下で第2弁座という)31Aには一部にスリット3
3が形成されている。
【0016】そこで、第2弁体32にあっては(A)に
示すような閉弁状態でもこのスリット33を介して作動
液を僅かながら連通路106とばね室103との間で連
通させることができる。また、34は第2弁体32を第
2弁座31Aに向けて偏倚させているばね、35は孔明
きのばね保持部材であり、ここで、ばね34のばね力は
第2弁体32を上記の状態に保つが、連通路106側の
液圧より第2弁室31側の液圧が低くなると後述するよ
うにその差圧によって(C)に示すように縮退させ、保
持している第2弁体32を後退させるように機能する。
【0017】このような逆止弁3を具えた本考案のAB
S液圧制御装置では、M/C側で液圧が急激にW/C側
より高められると、逆止弁3ではその液圧がプランジャ
の逆止弁室102に作用し、プランジャ30を(A)の
状態からプランジャ室111に沿って右方に移動させ
る。そして、その移動と共にばね室103では閉じ込め
られた作動液の圧縮により液圧が高められるが第2弁室
31では第2弁体32によって第2弁座31Aが閉成さ
れているので、閉じ込められた作動液の連通路106側
への流出はスリット33からの分のみに制約される。す
なわち、M/C側で急激に液圧が高められた場合でも逆
止弁3に設けた絞り部116およびスリット33によっ
て増圧の立上りが滑らかとなる。
【0018】そして、上記の状態からプランジャ30が
さらに(B)の位置にまで移動した状態で、プランジャ
30の絞り部116が環状溝110に連通する。この連
通によってプランジャ室111からW/C側液路107
への流通路が拡大されるので、ここで始めて各ホイール
シリンダ10へのフルな増圧が可能となる。また、
(B)に示すようなプランジャ30の移行動作によっ
て、M/C側とW/C側との液圧がほぼ等しくなると、
ばね室103のばね104によるばね力によってこんど
はプランジャ30が左方に押し戻される。しかして、
(C)の状態となると、ばね室103の方の液圧がW/
C側に連通する連通路106における液圧より低くなる
ために、その差圧によって第2弁体32が、ばね34の
弱いばね力に抗して矢印方向に開弁される。そして、こ
のような第2弁室31を介しての連通路106とばね室
103側との連通によって、プランジャ30を速やかに
(A)に示す定常位置に戻すことができる。
【0019】なお、このような逆止(制御)弁30を具
えたABSにおけるその制御による各車輪のロック時の
制御動作は不図示の電子制御回路による電磁制御弁5お
よび6(図1参照)の開閉制御によって行われるが、そ
の制御動作については公知のものと変わらないのでその
詳細な説明は省略する。
【0020】
【考案の効果】以上説明してきたように、本考案によれ
ば、マスタシリンダとホイールシリンダとの間の液路に
配設され、ブレーキ用作動液の前記マスタシリンダ側の
増圧によってばね力に抗して動作するプランジャを有
し、該プランジャに設けられた逆止弁を介して前記ホイ
ールシリンダ側からの作動液の戻りのみが許容されると
共に前記マスタシリンダ側の増圧時にその初期の増圧が
前記プランジャの動作に応じて前記ホイールシリンダ側
に緩やかに伝達されるようにしたアンチロックブレーキ
システムの液圧制御装置において、前記プランジャに洩
れを許容する第2の逆止弁を設け、該第2の逆止弁はそ
の洩れにより前記プランジャの動作に応じて前記初期増
圧を前記ホイールシリンダ側に緩やかに伝達し、前記増
圧の終了時には開弁されて前記プランジャを前記ばね力
により前記動作前の位置に速やかに復帰可能であるの
で、マスタシリンダによる増圧時にはその増圧動作が急
激にホイールシリンダ側に伝達されず、緩やかな立上り
を保って伝達され、また、液圧保持およびホイールシリ
ンダ側の減圧時には速やかにその状態を実現することが
可能となった。従って、本考案のABS液圧制御により
1つの逆止制御弁を介して例えば左右の前輪を別々に制
御するような場合、それぞれの系統の電磁制御弁に対す
る増圧信号の間に微かな時間差が生じるようなことがあ
っても、それぞれのホイールシリンダに対して滑らかな
立上りで増圧の実施が可能となり、それぞれに安定した
制御を行うことによって車両の走行安定性を高め、ま
た、急激な増圧等によって制御弁に発生する音振を低減
させる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による逆止制御弁を配置したABSの回
路構成図である。
【図2】本考案による逆止制御弁での挙動をその構成と
共に定常状態(A)、増圧状態(B)および液圧平衡状
態(C)において示す説明図である。
【図3】従来例による逆止制御弁での挙動をその構成と
共に定常状態(A)、増圧状態(B)および液圧平衡状
態(C)において示す説明図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2,M/C マスタシリンダ 3 逆止(制御)弁 5,6 電磁制御弁 8 ポンプ 10,W/C ホイールシリンダ 30 プランジャ 31 第2弁室 31A (第2)弁座 32 第2弁体 33 スリット 34,104,113 ばね 106 連通路 107,115 液路 108 戻し孔 110 環状溝 111 プランジャ室 112 第1弁体 116 絞り部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタシリンダとホイールシリンダとの
    間の液路に配設され、ブレーキ用作動液の前記マスタシ
    リンダ側の増圧によってばね力に抗して動作するプラン
    ジャを有し、該プランジャに設けられた逆止弁を介して
    前記ホイールシリンダ側からの作動液の戻りのみが許容
    されると共に前記マスタシリンダ側の増圧時にその初期
    の増圧が前記プランジャの動作に応じて前記ホイールシ
    リンダ側に緩やかに伝達されるようにしたアンチロック
    ブレーキシステムの液圧制御装置において、 前記プランジャに洩れを許容する第2の逆止弁を設け、 該第2の逆止弁はその洩れにより前記プランジャの動作
    に応じて前記初期増圧を前記ホイールシリンダ側に緩や
    かに伝達し、前記増圧の終了時には開弁されて前記プラ
    ンジャを前記ばね力により前記動作前の位置に速やかに
    復帰可能であることを特徴とするアンチロックブレーキ
    システムの液圧制御装置。
JP1861492U 1992-03-31 1992-03-31 アンチロックブレーキシステムの液圧制御装置 Expired - Lifetime JP2560572Y2 (ja)

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