JP2560561B2 - 超電導コイル装置 - Google Patents
超電導コイル装置Info
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- Power Engineering (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は密巻超電導コイルの安定
性を改良し耐クエンチ性を向上させた超電導コイル装置
に係る。
性を改良し耐クエンチ性を向上させた超電導コイル装置
に係る。
【0002】
【従来の技術】従来、密巻超電導コイルの巻線表面部で
の擾乱によるコイルクエンチを防止する方法として、特
開平1−194308 号公報に記載のように、超電導コイルと
冷媒を内蔵したコイル容器の間にバネ部材を挿入し、振
動によるコイルの動きを抑制することにより摩擦熱によ
る超電導コイルのクエンチを防止する方法が知られてい
る。さらに、特開昭57−124406号および、特開昭57−17
8306号公報に記載のように、超電導コイルとコイル容器
内面の絶縁物材間に低摩擦材を挿入し摩擦熱の発生を少
なくする方法,特開昭57−63809 号公報に記載のよう
に、超電導コイル表面に、所定間隔を配して摩擦係数及
び熱伝導率の小さい絶縁物で構成された断熱部材を設
け、コイル容器に支持することによりコイル表面からの
摩擦熱侵入によるクエンチを防止する方法,特開昭57−
63808 号公報に記載のように、超電導コイルを極低温冷
媒が流通する金属パイプを介して内部容器に固定するこ
とにより、超電導コイル表面からの摩擦熱の侵入による
クエンチを防止する、等の方法が知られている。
の擾乱によるコイルクエンチを防止する方法として、特
開平1−194308 号公報に記載のように、超電導コイルと
冷媒を内蔵したコイル容器の間にバネ部材を挿入し、振
動によるコイルの動きを抑制することにより摩擦熱によ
る超電導コイルのクエンチを防止する方法が知られてい
る。さらに、特開昭57−124406号および、特開昭57−17
8306号公報に記載のように、超電導コイルとコイル容器
内面の絶縁物材間に低摩擦材を挿入し摩擦熱の発生を少
なくする方法,特開昭57−63809 号公報に記載のよう
に、超電導コイル表面に、所定間隔を配して摩擦係数及
び熱伝導率の小さい絶縁物で構成された断熱部材を設
け、コイル容器に支持することによりコイル表面からの
摩擦熱侵入によるクエンチを防止する方法,特開昭57−
63808 号公報に記載のように、超電導コイルを極低温冷
媒が流通する金属パイプを介して内部容器に固定するこ
とにより、超電導コイル表面からの摩擦熱の侵入による
クエンチを防止する、等の方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、いず
れも超電導コイルがクエンチする原因となる擾乱を小さ
くしたり、擾乱によって発生した熱を超電導コイルに伝
え難くする方法であるが、現実には密巻超電導コイルの
耐クエンチ性はほとんど改善されていない。すなわち、
いずれの従来技術も超電導コイルのクエンチを防止する
には未だ不十分であることが分かる。
れも超電導コイルがクエンチする原因となる擾乱を小さ
くしたり、擾乱によって発生した熱を超電導コイルに伝
え難くする方法であるが、現実には密巻超電導コイルの
耐クエンチ性はほとんど改善されていない。すなわち、
いずれの従来技術も超電導コイルのクエンチを防止する
には未だ不十分であることが分かる。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を排
除し耐クエンチ性を向上させた超電導コイル装置を提供
することにある。
除し耐クエンチ性を向上させた超電導コイル装置を提供
することにある。
【0005】
【問題を解決するための手段】超電導磁気浮上列車は、
車上側に超電導コイルを、地上側に常電導の短絡コイル
を設け、車両走行時に超電導コイルと地上コイルとの間
で電磁誘導により生ずる反発力によって浮上させるもの
である。一方、車両の推進はリニアシンクロナスモータ
方式で、地上側に別途設けた常電導の推進コイルと車上
の超電導コイルとの相互作用によって推進コイルの電流
を反転させることにより同一コイルの推進力を得るもの
である。
車上側に超電導コイルを、地上側に常電導の短絡コイル
を設け、車両走行時に超電導コイルと地上コイルとの間
で電磁誘導により生ずる反発力によって浮上させるもの
である。一方、車両の推進はリニアシンクロナスモータ
方式で、地上側に別途設けた常電導の推進コイルと車上
の超電導コイルとの相互作用によって推進コイルの電流
を反転させることにより同一コイルの推進力を得るもの
である。
【0006】超電導磁気浮上列車に使用さける超電導コ
イルは一般に図5に示すようにレーストラック状をして
おり、車両に搭載されるため経済性の観点からできるだ
け軽量・小型化することが要求される。
イルは一般に図5に示すようにレーストラック状をして
おり、車両に搭載されるため経済性の観点からできるだ
け軽量・小型化することが要求される。
【0007】このためには超電導コイル巻線部をできる
だけコンパクトにし、コイル電流密度を高めたものが要
求される。そのため、図6に示す様に液体ヘリウム等の
冷媒は冷媒容器1と絶縁物2で構成される空間3におく
ようにし、コイル巻線部4は超電導線と直接接する冷媒
を持たない密巻構造がとられ、更に電流を通電する以外
の部分、例えば安定化材などの体積を極力小さくした、
いわゆる低銅比超電導線が用いられる。
だけコンパクトにし、コイル電流密度を高めたものが要
求される。そのため、図6に示す様に液体ヘリウム等の
冷媒は冷媒容器1と絶縁物2で構成される空間3におく
ようにし、コイル巻線部4は超電導線と直接接する冷媒
を持たない密巻構造がとられ、更に電流を通電する以外
の部分、例えば安定化材などの体積を極力小さくした、
いわゆる低銅比超電導線が用いられる。
【0008】一方、磁気浮上列車用超電導コイルは、乗
客を安全に輸送する必要から高度の信頼性及び安定性が
要求される。このためには超電導コイルの安定性マージ
ンが擾乱エネルギーよりも大きいことが不可欠である。
この安定性マージンは超電導コイルをクエンチさせるの
に必要な最小のエネルギーのことである。ところが、上
記密巻低銅比超電導コイルは安定性マージンが小さく、
僅かな擾乱エネルギーでクエンチを生ずる可能性があ
る。
客を安全に輸送する必要から高度の信頼性及び安定性が
要求される。このためには超電導コイルの安定性マージ
ンが擾乱エネルギーよりも大きいことが不可欠である。
この安定性マージンは超電導コイルをクエンチさせるの
に必要な最小のエネルギーのことである。ところが、上
記密巻低銅比超電導コイルは安定性マージンが小さく、
僅かな擾乱エネルギーでクエンチを生ずる可能性があ
る。
【0009】特に磁気浮上列車用超電導コイルは、高速
走行状態で使用されるため機械的振動による超電導コイ
ルの動きやトンネルや列車すれちがい等による衝撃荷
重,風圧,振動等による複雑な擾乱エネルギーが加わる
苛酷な条件下で使用される。しかしながらクエンチがコ
イル巻線内のどの部分から発生するかをなかなか特定化
できず、密巻超電導コイルの安定化理論はもとより、安
定に動作させる具体的方策はまだ確立されていない。
走行状態で使用されるため機械的振動による超電導コイ
ルの動きやトンネルや列車すれちがい等による衝撃荷
重,風圧,振動等による複雑な擾乱エネルギーが加わる
苛酷な条件下で使用される。しかしながらクエンチがコ
イル巻線内のどの部分から発生するかをなかなか特定化
できず、密巻超電導コイルの安定化理論はもとより、安
定に動作させる具体的方策はまだ確立されていない。
【0010】本発明者らは、クエンチし易いコイル巻線
部の安定性マージンを局部的に増大させることによっ
て、上記問題点を解決できることを見出した。
部の安定性マージンを局部的に増大させることによっ
て、上記問題点を解決できることを見出した。
【0011】すなわち、巻線表面部のみの安定性マージ
ンを大きくして、巻線表面からクエンチしないようにす
れば、超電導コイルの耐クエンチ性は大幅に向上させる
ことができることを明らかにした。
ンを大きくして、巻線表面からクエンチしないようにす
れば、超電導コイルの耐クエンチ性は大幅に向上させる
ことができることを明らかにした。
【0012】具体的にはコイル巻線の両端部の安定性マ
ージンをコイル巻線の他の部分の安定性マージンより大
きくすることにより、超電導コイルの耐クエンシ性を向
上させることができる。
ージンをコイル巻線の他の部分の安定性マージンより大
きくすることにより、超電導コイルの耐クエンシ性を向
上させることができる。
【0013】さらに、コイル巻線表面全体の安定性マー
ジンを大きくして、コイル巻線表面からクエンチしない
ようにしても、超電導コイルの耐クエンチ性は大幅に向
上させることができる。
ジンを大きくして、コイル巻線表面からクエンチしない
ようにしても、超電導コイルの耐クエンチ性は大幅に向
上させることができる。
【0014】コイル巻線表面と他の部分とで安定性マー
ジンを変える手段として、使用する超電導線の安定化母
材量を変える方法がある。すなわち、巻線表面の超電導
線の横断面積を他の部分の超電導線の横断面積より大き
くしてやることによって達成される。また高純度アルミ
ニウムを積極的に導入することによっても達成される。
ジンを変える手段として、使用する超電導線の安定化母
材量を変える方法がある。すなわち、巻線表面の超電導
線の横断面積を他の部分の超電導線の横断面積より大き
くしてやることによって達成される。また高純度アルミ
ニウムを積極的に導入することによっても達成される。
【0015】一方、コイル巻線表面の安定性を高める手
段としては必ずしも巻線表面に安定性マージンの高い超
電導線を使用する必要はなく、他の何らかの手段を講ず
ることにより結果的に巻線表面での安定性マージンが高
くなるようにしてもよい。本発明の他の着目点はこの考
えに基づくものであって、超電導線のコイル巻線表面に
銅やアルミニウム等の常電導金属を巻回し、コイル巻線
表面と他の部分とで安定性マージンを変えてもよい。
段としては必ずしも巻線表面に安定性マージンの高い超
電導線を使用する必要はなく、他の何らかの手段を講ず
ることにより結果的に巻線表面での安定性マージンが高
くなるようにしてもよい。本発明の他の着目点はこの考
えに基づくものであって、超電導線のコイル巻線表面に
銅やアルミニウム等の常電導金属を巻回し、コイル巻線
表面と他の部分とで安定性マージンを変えてもよい。
【0016】
【作用】磁気浮上列車用超電導コイルは、電磁力や高速
走行時の機械的振動による超電導コイルの動きやトンネ
ルや列車すれちがい等による衝撃荷重,風圧,振動等に
よる種々の擾乱が加わる。超電導コイルのクエンチしや
すい場所としては、コイル巻線内またはコイル巻線表面
がある。超電導コイルの巻線は密巻構造を持ち、エポキ
シ樹脂で含浸されるため、電磁力等による超電導線の動
きは大幅に抑制できるのでクエンチしにくい。一方、コ
イル巻線表面については、絶縁物とコイル巻線との摩擦
によって生じる発熱による擾乱によりクエンチしやす
い。
走行時の機械的振動による超電導コイルの動きやトンネ
ルや列車すれちがい等による衝撃荷重,風圧,振動等に
よる種々の擾乱が加わる。超電導コイルのクエンチしや
すい場所としては、コイル巻線内またはコイル巻線表面
がある。超電導コイルの巻線は密巻構造を持ち、エポキ
シ樹脂で含浸されるため、電磁力等による超電導線の動
きは大幅に抑制できるのでクエンチしにくい。一方、コ
イル巻線表面については、絶縁物とコイル巻線との摩擦
によって生じる発熱による擾乱によりクエンチしやす
い。
【0017】したがって、コイル巻線表面全体の安定性
マージンを大きくして、コイル巻線表面からクエンチし
ないようにすれば、超電導コイルの耐クエンチ性は大幅
に向上させることができる。
マージンを大きくして、コイル巻線表面からクエンチし
ないようにすれば、超電導コイルの耐クエンチ性は大幅
に向上させることができる。
【0018】図6に示すように、磁気浮上列車用超電導
コイルの巻線横断面は一般に長方形をしており、コイル
巻線4はコイル巻線両端部7およびコイル巻線の他の部
分5に大別できる。高速で磁気浮上列車が走行する場合
には、コイルは後述するようにローリング,ピッチン
グ,ヨーイング等の複雑な振動モードを解析し必要個所
のコイル巻線表面の安定性マージンを高めることにより
クエンチを抑制できる。コイル巻線表面と他の部分とで
安定性マージンを変える手段として、使用する超電導線
の安定化母材量を変える方法があり、コイル巻線表面の
超電導線の横断面積をコイル巻線の他の横断面積より大
きくしてやることによって達成される。また高純度アル
ミニウムを積極的に導入することによっても達成され
る。すなわち高純度アルミニウムは極低温において高純
度銅と比較して電気抵抗率が約1/10と小さく、熱伝
導率が高純度銅の約6.4 倍と大きいのでホットスポッ
トが出来にくく、さらに、アルミニウムは銅と比較して
比重が小さいので軽量である等の安定化母材として優れ
た特性を有する。したがって、上記コイル巻線表面に銅
を安定化母材とする超電導線の表面に高純度アルミニウ
ムを必要量被覆することにより、局部的に安定性マージ
ンを大きくすることができる。
コイルの巻線横断面は一般に長方形をしており、コイル
巻線4はコイル巻線両端部7およびコイル巻線の他の部
分5に大別できる。高速で磁気浮上列車が走行する場合
には、コイルは後述するようにローリング,ピッチン
グ,ヨーイング等の複雑な振動モードを解析し必要個所
のコイル巻線表面の安定性マージンを高めることにより
クエンチを抑制できる。コイル巻線表面と他の部分とで
安定性マージンを変える手段として、使用する超電導線
の安定化母材量を変える方法があり、コイル巻線表面の
超電導線の横断面積をコイル巻線の他の横断面積より大
きくしてやることによって達成される。また高純度アル
ミニウムを積極的に導入することによっても達成され
る。すなわち高純度アルミニウムは極低温において高純
度銅と比較して電気抵抗率が約1/10と小さく、熱伝
導率が高純度銅の約6.4 倍と大きいのでホットスポッ
トが出来にくく、さらに、アルミニウムは銅と比較して
比重が小さいので軽量である等の安定化母材として優れ
た特性を有する。したがって、上記コイル巻線表面に銅
を安定化母材とする超電導線の表面に高純度アルミニウ
ムを必要量被覆することにより、局部的に安定性マージ
ンを大きくすることができる。
【0019】さらに、磁気浮上列車のように超電導コイ
ルが永久電流モードで運転される場合を考えると、コイ
ル巻線内に超電導線の接続部を持たない方が、コイルの
安定性及び電流減衰率の観点からも好ましい。これは銅
を安定化母材とする無接続の超電導線の表面に必要な量
の高純度アルミニウムを被覆することによって達成され
る。
ルが永久電流モードで運転される場合を考えると、コイ
ル巻線内に超電導線の接続部を持たない方が、コイルの
安定性及び電流減衰率の観点からも好ましい。これは銅
を安定化母材とする無接続の超電導線の表面に必要な量
の高純度アルミニウムを被覆することによって達成され
る。
【0020】特に磁気浮上列車においては、高速で走行
している場合に車載された超電導コイルのコイル中心を
原点として列車の推進方向をx軸、上方向をz軸とする
直角座標をとると超電導コイルには地上コイルとの間で
推進力(Fx),案内力(Fy),上下方向力(Fz)が働
く。一方モーメント力としてx,y,z回りのモーメン
トとしてそれぞれローリングモーメント(Mx),ピッ
チングモーメント(My),ヨーイングモーメント(M
z)の力が働く。今、磁気浮上列車が500km/hで
定速走行している時に浮上コイルによって誘起される電
流により超電導コイルが受ける力及びモーメントを解析
しその比率を求めた結果、略平均値でFx:Fy:Fz
=1:0.9:2.4,Mx:My:Mz=1:2.1 :
1.4 で、いずれも同じオーダの値を有することが分か
った。従って超電導コイルにはこれら力と各モーメント
の合力が働き、超電導コイルとそのコイル容器間の相対
変位を生ぜしめ摩擦熱が生ずるが、上述のごとく全ての
コイル巻線表面で同等の摩擦熱が発生することが分かっ
た。従って、磁気浮上列車をより安定に走行させるため
には、全てのコイル巻線表面の安定性マージンを高める
ことが好ましい。
している場合に車載された超電導コイルのコイル中心を
原点として列車の推進方向をx軸、上方向をz軸とする
直角座標をとると超電導コイルには地上コイルとの間で
推進力(Fx),案内力(Fy),上下方向力(Fz)が働
く。一方モーメント力としてx,y,z回りのモーメン
トとしてそれぞれローリングモーメント(Mx),ピッ
チングモーメント(My),ヨーイングモーメント(M
z)の力が働く。今、磁気浮上列車が500km/hで
定速走行している時に浮上コイルによって誘起される電
流により超電導コイルが受ける力及びモーメントを解析
しその比率を求めた結果、略平均値でFx:Fy:Fz
=1:0.9:2.4,Mx:My:Mz=1:2.1 :
1.4 で、いずれも同じオーダの値を有することが分か
った。従って超電導コイルにはこれら力と各モーメント
の合力が働き、超電導コイルとそのコイル容器間の相対
変位を生ぜしめ摩擦熱が生ずるが、上述のごとく全ての
コイル巻線表面で同等の摩擦熱が発生することが分かっ
た。従って、磁気浮上列車をより安定に走行させるため
には、全てのコイル巻線表面の安定性マージンを高める
ことが好ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明の詳細を図示の実施例によって
説明する。
説明する。
【0022】図1は、本発明に係る装置における超電導
コイル断面構成を示すものである。図1において、コイ
ル巻線部4は、巻線中央部9と巻線表面部8とから構成
され、絶縁材2を介して冷媒容器1に固定され冷媒であ
る液体ヘリウム3で冷却される。
コイル断面構成を示すものである。図1において、コイ
ル巻線部4は、巻線中央部9と巻線表面部8とから構成
され、絶縁材2を介して冷媒容器1に固定され冷媒であ
る液体ヘリウム3で冷却される。
【0023】実施例1 まず、図1中の巻線両面8に超電導線Bを、巻線の他の
部分9に超電導線Aを以下に示すように作成した。すな
わち、上記超電導線Aは公知の方法により直径27μm
のNbTiフィラメント1748本がツイストピッチ2
1mmで高純度銅に埋め込まれたもので外寸法1.1mm×
1.9mmに加工した後、その表面を約40μmのポリビ
ニールフォルマールで絶縁したもので、銅比(=安定化
銅量/超電導体量)が1.0 の超電導線である。一方超
電導線Bは、上記超電導線Aの表面に押出法によって9
9.999%の高純度アルミニウムを0.3mm厚さ被覆し
外寸法1.7mm×2.5mmとした後、その表面に25μm
厚さのポリイミドテープを1/2ずつオーバラップして
絶縁を施したものである。
部分9に超電導線Aを以下に示すように作成した。すな
わち、上記超電導線Aは公知の方法により直径27μm
のNbTiフィラメント1748本がツイストピッチ2
1mmで高純度銅に埋め込まれたもので外寸法1.1mm×
1.9mmに加工した後、その表面を約40μmのポリビ
ニールフォルマールで絶縁したもので、銅比(=安定化
銅量/超電導体量)が1.0 の超電導線である。一方超
電導線Bは、上記超電導線Aの表面に押出法によって9
9.999%の高純度アルミニウムを0.3mm厚さ被覆し
外寸法1.7mm×2.5mmとした後、その表面に25μm
厚さのポリイミドテープを1/2ずつオーバラップして
絶縁を施したものである。
【0024】これらの超電導線Aおよび超電導線Bを、
図1の構成において巻線両端部8がコイル表面から4層
までを構成するように半田付け接続しながら巻回し、内
径約100mm,外径約210mm,長さ約90mm,層数3
6,総ターン数1170,インダクタンス数0.165
ヘンリーの円形超電導コイルを密巻した後、エポキシ樹
脂を真空中で含浸して超電導コイルPを得た。尚、得ら
れた超電導コイルのコイル断面は、その寸法及び冷却条
件が磁気浮上列車用超電導コイルと略同一となるように
構成した。また、このコイルの巻線両端部8に絹巻きマ
ンガニン線を導体長手方向1cmにわたって無誘導巻きし
て構成したヒータが埋設されている。
図1の構成において巻線両端部8がコイル表面から4層
までを構成するように半田付け接続しながら巻回し、内
径約100mm,外径約210mm,長さ約90mm,層数3
6,総ターン数1170,インダクタンス数0.165
ヘンリーの円形超電導コイルを密巻した後、エポキシ樹
脂を真空中で含浸して超電導コイルPを得た。尚、得ら
れた超電導コイルのコイル断面は、その寸法及び冷却条
件が磁気浮上列車用超電導コイルと略同一となるように
構成した。また、このコイルの巻線両端部8に絹巻きマ
ンガニン線を導体長手方向1cmにわたって無誘導巻きし
て構成したヒータが埋設されている。
【0025】本発明による超電導コイルの安定性を実験
的に検証するため、上記銅比1.0の超電導線Aだけを
用いて、上記超電導コイルPとできるだけ同一の仕様に
なるように巻回しエポキシ樹脂含浸した内径100m
m,外径192mm,長さ68mm,層数36,総ター
ン数1170,インダクタンス0.163 ヘンリーの
密巻超電導コイルQを別途製作した。この超電導コイル
Qにも、上記超電導コイルPと同様にヒータが埋設され
ている。
的に検証するため、上記銅比1.0の超電導線Aだけを
用いて、上記超電導コイルPとできるだけ同一の仕様に
なるように巻回しエポキシ樹脂含浸した内径100m
m,外径192mm,長さ68mm,層数36,総ター
ン数1170,インダクタンス0.163 ヘンリーの
密巻超電導コイルQを別途製作した。この超電導コイル
Qにも、上記超電導コイルPと同様にヒータが埋設され
ている。
【0026】これら超電導コイルPおよび超電導コイル
Qを液体ヘリウム中に浸し、直流励磁したところ、いず
れも超電導線の磁界ー臨界電流特性の100%まで励磁
可能であった。さらにコイル巻線表面での摩擦等による
擾乱に対する超電導コイルの安定性を比較するため、超
電導コイルP、および超電導コイルQの上記ヒータに約
10msのヒータパルスを印加し安定性マージンを測定
した。その結果、コイル電流負荷率70%での安定性マ
ージンは、超電導コイルPで22mJ/cmに対し超電
導コイルQの安定性マージンは3.0mJ/cm であ
り、本発明による超電導コイルPは従来法による超電導
コイルQに対し、約7倍高い安定性マージンを有するこ
とがわかった。
Qを液体ヘリウム中に浸し、直流励磁したところ、いず
れも超電導線の磁界ー臨界電流特性の100%まで励磁
可能であった。さらにコイル巻線表面での摩擦等による
擾乱に対する超電導コイルの安定性を比較するため、超
電導コイルP、および超電導コイルQの上記ヒータに約
10msのヒータパルスを印加し安定性マージンを測定
した。その結果、コイル電流負荷率70%での安定性マ
ージンは、超電導コイルPで22mJ/cmに対し超電
導コイルQの安定性マージンは3.0mJ/cm であ
り、本発明による超電導コイルPは従来法による超電導
コイルQに対し、約7倍高い安定性マージンを有するこ
とがわかった。
【0027】実施例2 実施例1に示した超電導線Aおよび超電導線Bを準備
し、図2の構成において巻線表面10がコイル表面から
4層までを構成するように上記超電導線Bを、巻回し
た。一方、上記超電導線Aを図2中の巻線表面10以外
の部分11を構成するように半田付け接続しながら巻回
し、実施例1の超電導コイルRと同様の処理をしてほぼ
同一の超電導コイルRを得た。この超電導コイルRにも
実施例1で記載したものと同一のヒータが巻線表面10
内に埋設してある。実施例1と同様の方法で安定性マー
ジンの測定を行なったところ、実施例1記載の超電導コ
イルPと同程度の安定性マージンを得た。
し、図2の構成において巻線表面10がコイル表面から
4層までを構成するように上記超電導線Bを、巻回し
た。一方、上記超電導線Aを図2中の巻線表面10以外
の部分11を構成するように半田付け接続しながら巻回
し、実施例1の超電導コイルRと同様の処理をしてほぼ
同一の超電導コイルRを得た。この超電導コイルRにも
実施例1で記載したものと同一のヒータが巻線表面10
内に埋設してある。実施例1と同様の方法で安定性マー
ジンの測定を行なったところ、実施例1記載の超電導コ
イルPと同程度の安定性マージンを得た。
【0028】実施例3 直径45μmのNbTiフィラメント652本をツイス
トピッチ36mmで高純度銅中に埋め込み、外寸法1.9
2mm×2.8mmとし表面を約40μmのポリビニールフ
ォルマールで絶縁した、銅比3.9 の超電導線Cを別途
製作した。上記実施例1に詳述した超電導線Aを図2の
巻線中央部11に、上記超電導線Cを巻線表面10に使
用し、実施例1に示すコイルと略同一仕様の超電導コイ
ルR′を製作した。この超電導コイルR′にも実施例1
で記述したものと同一のヒータが埋設してある。
トピッチ36mmで高純度銅中に埋め込み、外寸法1.9
2mm×2.8mmとし表面を約40μmのポリビニールフ
ォルマールで絶縁した、銅比3.9 の超電導線Cを別途
製作した。上記実施例1に詳述した超電導線Aを図2の
巻線中央部11に、上記超電導線Cを巻線表面10に使
用し、実施例1に示すコイルと略同一仕様の超電導コイ
ルR′を製作した。この超電導コイルR′にも実施例1
で記述したものと同一のヒータが埋設してある。
【0029】上記超電導コイルR′の電流負荷率70%
での安定性マージンを実施例1と同様に測定したとこ
ろ、約7.8mJ/cmであり、実施例1で記載の銅比1.
0の超電導線Aを用いた超電導コイルQと比較し約2.
4 倍高い安定性マージンを有することがわかった。
での安定性マージンを実施例1と同様に測定したとこ
ろ、約7.8mJ/cmであり、実施例1で記載の銅比1.
0の超電導線Aを用いた超電導コイルQと比較し約2.
4 倍高い安定性マージンを有することがわかった。
【0030】実施例4 あらかじめ実施例1の超電導コイルPと同様の仕様にな
るように実施例1に示す超電導線Aの表面の所定箇所に
実施例1と同様の手法によって、高純度アルミニウムを
0.3mm の厚さで被覆した長さ方向に無接続の超電導
線Dを巻回した後エポキシ樹脂を真空中で含浸し、実施
例1記載の超電導コイルPと略同一仕様の超電導コイル
Sを得た。実施例1と同一仕様のヒータによる安定性マ
ージンの測定を行なったところ、実施例1記載の超電導
コイルPと同程度の安定性マージンを得た。
るように実施例1に示す超電導線Aの表面の所定箇所に
実施例1と同様の手法によって、高純度アルミニウムを
0.3mm の厚さで被覆した長さ方向に無接続の超電導
線Dを巻回した後エポキシ樹脂を真空中で含浸し、実施
例1記載の超電導コイルPと略同一仕様の超電導コイル
Sを得た。実施例1と同一仕様のヒータによる安定性マ
ージンの測定を行なったところ、実施例1記載の超電導
コイルPと同程度の安定性マージンを得た。
【0031】さらに、超電導コイルSと別途製作した永
久電流スイッチに超電導−超電導接続を施し閉ループを
構成し通電電流500Aで約200時間永久電流モード
で運転したが、クエンチせずに安定に動作した。またこ
の時の電流減衰の時定数を評価したところ約5×1011
秒であった。
久電流スイッチに超電導−超電導接続を施し閉ループを
構成し通電電流500Aで約200時間永久電流モード
で運転したが、クエンチせずに安定に動作した。またこ
の時の電流減衰の時定数を評価したところ約5×1011
秒であった。
【0032】実施例5 あらかじめ実施例1に示す超電導線Aを準備し、実施例
2に示すコイル断面構成において図2のコイル巻線表面
10に位置する所定の位置に実施例1と同様な手法にお
いて、純度99.999%の高純度アルミニウムを0.3
mmの厚さで被覆した長さ方向に無接続の超電導線Eを作
製した。この超電導線Eを実施例2の図2に示すコイル
断面構成を有するように巻回した後エポキシ樹脂を真空
中で含浸し、実施例1記載の超電導コイルPとほぼ同一
仕様のヒータによる安定性マージンの測定を行ったとこ
ろ、実施例4記載の超電導コイルSと同程度の安定性マ
ージンを得た。なお、上記超電導コイルUと別途製作し
た永久電流スイッチに超電導−超電導接続を施し閉ルー
プを構成し通電電流500Aで約200時間永久電流モ
ードで運転したが、クエンチせずに安定に動作した。ま
たこの時の電流減衰の時定数を評価したところ実施例と
同等の結果を得た。
2に示すコイル断面構成において図2のコイル巻線表面
10に位置する所定の位置に実施例1と同様な手法にお
いて、純度99.999%の高純度アルミニウムを0.3
mmの厚さで被覆した長さ方向に無接続の超電導線Eを作
製した。この超電導線Eを実施例2の図2に示すコイル
断面構成を有するように巻回した後エポキシ樹脂を真空
中で含浸し、実施例1記載の超電導コイルPとほぼ同一
仕様のヒータによる安定性マージンの測定を行ったとこ
ろ、実施例4記載の超電導コイルSと同程度の安定性マ
ージンを得た。なお、上記超電導コイルUと別途製作し
た永久電流スイッチに超電導−超電導接続を施し閉ルー
プを構成し通電電流500Aで約200時間永久電流モ
ードで運転したが、クエンチせずに安定に動作した。ま
たこの時の電流減衰の時定数を評価したところ実施例と
同等の結果を得た。
【0033】実施例6 実施例1に示す超電導コイルPに使用したものと同一の
超電導線Aおよび超電導線Bを用いて実施例2の超電導
コイルRと同一の巻線断面構造となるように超電導線A
と超電導線Bを超電導−超電導接続を施しながら巻回し
た後含浸処理を施し実施例2の超電導コイルとほぼ同一
仕様の超電導コイルVを作製した。なお、この超電導コ
イルVにも超電導コイルPと同一個所にヒータが埋設さ
れている。実施例1と同一の手法によって、超電導コイ
ルVの安定性マージンを評価したところ超電導コイルP
と同程度の値が得られた。実施例4に示す方法を用いて
測定した超電導コイルVの電流減衰の時定数は実施例4
とほぼ同等の結果を得た。
超電導線Aおよび超電導線Bを用いて実施例2の超電導
コイルRと同一の巻線断面構造となるように超電導線A
と超電導線Bを超電導−超電導接続を施しながら巻回し
た後含浸処理を施し実施例2の超電導コイルとほぼ同一
仕様の超電導コイルVを作製した。なお、この超電導コ
イルVにも超電導コイルPと同一個所にヒータが埋設さ
れている。実施例1と同一の手法によって、超電導コイ
ルVの安定性マージンを評価したところ超電導コイルP
と同程度の値が得られた。実施例4に示す方法を用いて
測定した超電導コイルVの電流減衰の時定数は実施例4
とほぼ同等の結果を得た。
【0034】実施例7実施例1 に示す超電導コイルPに使用したものと同一の
超電導線Aおよび超電導線Bを用いて実施例2の超電導
コイルRと同一の巻線断面構造となるように超電導線A
と超電導線Bを超電導−超電導接続を施しながら巻回し
た後含浸処理を施し実施例2の超電導コイルとほぼ同一
仕様の超電導コイルWを作製した。なお、この超電導コ
イルWにも超電導コイルRと同一個所にヒータが埋設さ
れている。実施例1と同一の手法によって、超電導コイ
ルWの安定性マージンを評価したところ超電導コイルR
と同程度の値が得られた。実施例4に示す方法を用いて
超電導コイルWの電流減衰の時定数は実施例4とほぼ同
等の結果を得た。
超電導線Aおよび超電導線Bを用いて実施例2の超電導
コイルRと同一の巻線断面構造となるように超電導線A
と超電導線Bを超電導−超電導接続を施しながら巻回し
た後含浸処理を施し実施例2の超電導コイルとほぼ同一
仕様の超電導コイルWを作製した。なお、この超電導コ
イルWにも超電導コイルRと同一個所にヒータが埋設さ
れている。実施例1と同一の手法によって、超電導コイ
ルWの安定性マージンを評価したところ超電導コイルR
と同程度の値が得られた。実施例4に示す方法を用いて
超電導コイルWの電流減衰の時定数は実施例4とほぼ同
等の結果を得た。
【0035】実施例8 あらかじめ、上記実施例1で詳述した超電導線Aと同一
外径寸法および絶縁の銅線を製作した。この銅線を用い
て2層巻回しエポキシ樹脂含浸して構成した常電導金属
線巻線部13(図3中の13)を2個準備した。また、
実施例1に示した超電導線Aを超電導コイルQとほぼ同
一仕様になるように巻回して構成した超電導部巻線部1
2(図3中の12)を準備し、上記銅線を用いた常電導
金属線巻線部13と合わせて図3を構成するように配置
した後、さらにエポキシ樹脂を真空中で含浸して超電導
コイルXを製作した。なお上記銅線を用いた常電導線金
属巻線部13には、実施例1で詳述したヒータが同様に
埋設されている。上記実施例1と同様にコイル電流負荷
率70%でヒータに30mJ/cmまでエネルギーを投入
したが、上記超電導コイルはクエンチすることなく安定
に動作した。
外径寸法および絶縁の銅線を製作した。この銅線を用い
て2層巻回しエポキシ樹脂含浸して構成した常電導金属
線巻線部13(図3中の13)を2個準備した。また、
実施例1に示した超電導線Aを超電導コイルQとほぼ同
一仕様になるように巻回して構成した超電導部巻線部1
2(図3中の12)を準備し、上記銅線を用いた常電導
金属線巻線部13と合わせて図3を構成するように配置
した後、さらにエポキシ樹脂を真空中で含浸して超電導
コイルXを製作した。なお上記銅線を用いた常電導線金
属巻線部13には、実施例1で詳述したヒータが同様に
埋設されている。上記実施例1と同様にコイル電流負荷
率70%でヒータに30mJ/cmまでエネルギーを投入
したが、上記超電導コイルはクエンチすることなく安定
に動作した。
【0036】実施例9 実施例8の銅線と同一寸法を有する99.999% の高
純度アルミニウム線を製作しその表面に25μm厚さの
ポリイミドテープを1/2ずつオーバラップして絶縁を
施したものを準備した。これを実施例8の銅線の替わり
に使用して構成した超電導コイルXを製作した。なお上
記高純度アルミニウム線を用いた常電導金属線巻線部1
3には、実施例8と同様のヒータが埋設されている。上
記実施例1と同様にコイル電流負荷率70%でヒータに
40mJ/cmまでエネルギーを投入したが、上記超電導
コイルはクエンチすることなく安定に動作した。
純度アルミニウム線を製作しその表面に25μm厚さの
ポリイミドテープを1/2ずつオーバラップして絶縁を
施したものを準備した。これを実施例8の銅線の替わり
に使用して構成した超電導コイルXを製作した。なお上
記高純度アルミニウム線を用いた常電導金属線巻線部1
3には、実施例8と同様のヒータが埋設されている。上
記実施例1と同様にコイル電流負荷率70%でヒータに
40mJ/cmまでエネルギーを投入したが、上記超電導
コイルはクエンチすることなく安定に動作した。
【0037】実施例10 上記実施例1で詳述した超電導線Aと同一外径寸法およ
び絶縁の銅線を製作した。その後コイル巻枠に上記銅線
を2層巻回し常電導金属線巻線部14(図4中の14)
を構成した後、上記実施例1で詳述した超電導線Aを上
記超電導コイルQとほぼ同一仕様になるように巻回し超
電導巻線部10(図4中の10)を構成した。さらにこ
の外側に上記銅線を2層巻回し常電導金属線巻線部15
(図4中の15)を構成した。さらに上記銅線を用いて
2層巻回しエポキシ樹脂含浸して構成した常電導金属線
巻線部13(図4中の13)を2個準備した。さらにこ
れらを図を構成するように配置した後、さらにエポキシ
樹脂を真空中に含浸して超電導コイルZを製作した。な
お上記銅線を用いた常電導金属線巻線部13には、実施
例1で詳述したヒータが同様に埋設されている。上記実
施例1と同様にコイル電流負荷率70%でヒータに30
mJ/cmまでエネルギーを投入したが、上記超電導コイ
ルはクエンチすることなく安定に動作した。
び絶縁の銅線を製作した。その後コイル巻枠に上記銅線
を2層巻回し常電導金属線巻線部14(図4中の14)
を構成した後、上記実施例1で詳述した超電導線Aを上
記超電導コイルQとほぼ同一仕様になるように巻回し超
電導巻線部10(図4中の10)を構成した。さらにこ
の外側に上記銅線を2層巻回し常電導金属線巻線部15
(図4中の15)を構成した。さらに上記銅線を用いて
2層巻回しエポキシ樹脂含浸して構成した常電導金属線
巻線部13(図4中の13)を2個準備した。さらにこ
れらを図を構成するように配置した後、さらにエポキシ
樹脂を真空中に含浸して超電導コイルZを製作した。な
お上記銅線を用いた常電導金属線巻線部13には、実施
例1で詳述したヒータが同様に埋設されている。上記実
施例1と同様にコイル電流負荷率70%でヒータに30
mJ/cmまでエネルギーを投入したが、上記超電導コイ
ルはクエンチすることなく安定に動作した。
【0038】実施例11 実施例8の銅線と同一寸法を有する99.999% の高
純度アルミニウム線を製作しその表面に25μm厚さの
ポリイミドテープを1/2ずつオーバラップして絶縁を
施したものを準備した。これを実施例10の銅線の替わ
りに使用して構成した超電導コイルZ′を製作した。な
お高純度アルミニウム線を用いた常電導金属線巻線部1
3(図4中の13)には、実施例8と同様のヒータが埋
設されている。上記実施例1と同様にコイル電流負荷率
70%でヒータに40mJ/cmまでエネルギーを投入し
たが、上記超電導コイルはクエンチすることなく安定に
動作した。
純度アルミニウム線を製作しその表面に25μm厚さの
ポリイミドテープを1/2ずつオーバラップして絶縁を
施したものを準備した。これを実施例10の銅線の替わ
りに使用して構成した超電導コイルZ′を製作した。な
お高純度アルミニウム線を用いた常電導金属線巻線部1
3(図4中の13)には、実施例8と同様のヒータが埋
設されている。上記実施例1と同様にコイル電流負荷率
70%でヒータに40mJ/cmまでエネルギーを投入し
たが、上記超電導コイルはクエンチすることなく安定に
動作した。
【0039】なお、上記実施例8−実施例11では銅線
およびアルミニウム線を用いた実施例を示したが、上記
常電導金属線の替わりに貫通部を有する銅およびアルミ
ニウム等の常電導金属板で構成してもよい。
およびアルミニウム線を用いた実施例を示したが、上記
常電導金属線の替わりに貫通部を有する銅およびアルミ
ニウム等の常電導金属板で構成してもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、高安定,高信頼性で高
電流密度のコンパクトな超電導コイル装置及びこれを用
いた磁気浮上列車装置を得ることができるので、その経
済性及び社会的波及効果は大である。
電流密度のコンパクトな超電導コイル装置及びこれを用
いた磁気浮上列車装置を得ることができるので、その経
済性及び社会的波及効果は大である。
【図1】本発明の一実施例を示す超電導コイルの断面構
成図である。
成図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す超電導コイルの断面
構成図である。
構成図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す超電導コイルの断面
構造図である。
構造図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す超電導コイルの断面
構成図である。
構成図である。
【図5】一般的なレーストラック形超電導コイルの概略
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図6】図5のA−A′断面構造図である。
1…冷媒容器、2…絶縁物、3…冷媒、4…超電導コイ
ル巻線、5…コイル巻線の内周部、6…コイル巻線の外
周部、7,8…コイル巻線両端部、9…巻線部、10…
コイル巻線表面、11…コイル巻線表面の他の部分、1
2…超電導線巻線部、13,14,15…常超電導金属
線巻線部。
ル巻線、5…コイル巻線の内周部、6…コイル巻線の外
周部、7,8…コイル巻線両端部、9…巻線部、10…
コイル巻線表面、11…コイル巻線表面の他の部分、1
2…超電導線巻線部、13,14,15…常超電導金属
線巻線部。
Claims (6)
- 【請求項1】超電導線と冷媒が介在物を介して接するコ
イル巻線と、該コイル巻線を囲む冷却容器と、該コイル
巻線と該冷却容器との間の絶縁物によって構成される密
巻超電導コイルにおいて、該コイル巻線の両端部の安定
性マージンを他の部分よりも大きくしたことを特徴とす
る超電導コイル装置。 - 【請求項2】超電導線と冷媒が介在物を介して接するコ
イル巻線と、該コイル巻線を囲む冷却容器と、該コイル
巻線と該冷却容器との間の絶縁物によって構成される密
巻超電導コイルにおいて、コイル巻線の全表面の安定性
マージンを該コイル巻線の他の部分よりも大きくしたこ
とを特徴とする超電導コイル装置。 - 【請求項3】該コイル巻線表面の超電導線に安定化材と
して銅を用い、該超電導線にアルミニウムを被覆したこ
とを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の超電
導コイル装置。 - 【請求項4】該コイル巻線表面の超電導線の横断面積
を、他の部分よりも大きくしたことを特徴とする請求項
1あるいは請求項2に記載の超電導コイル装置。 - 【請求項5】該コイル巻線表面と、該コイル巻線の他の
部分をそれぞれ安定性マージンの異なる無接続の超電導
線で巻回したことを特徴とする請求項1ないし請求項3
のいずれかに記載の超電導コイル装置。 - 【請求項6】超電導線と冷媒が介在物を介して接するコ
イル巻線と、該コイル巻線を囲む冷却容器と、該コイル
巻線と該冷却容器との間の絶縁物によって構成される密
巻超電導コイルにおいて、該コイル巻線表面を銅やアル
ミニウムの常電導金属で構成したことを特徴とする超電
導コイル装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3096698A JP2560561B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 超電導コイル装置 |
SU5011619A RU2109361C1 (ru) | 1991-04-26 | 1992-04-24 | Сверхпроводящая катушка |
US07/873,165 US5396205A (en) | 1991-04-26 | 1992-04-24 | Unspliced superconducting coil device with high stability |
EP92107148A EP0510714A1 (en) | 1991-04-26 | 1992-04-27 | Superconducting coil device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3096698A JP2560561B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 超電導コイル装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04326707A JPH04326707A (ja) | 1992-11-16 |
JP2560561B2 true JP2560561B2 (ja) | 1996-12-04 |
Family
ID=14171989
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3096698A Expired - Lifetime JP2560561B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 超電導コイル装置 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5396205A (ja) |
EP (1) | EP0510714A1 (ja) |
JP (1) | JP2560561B2 (ja) |
RU (1) | RU2109361C1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100360337C (zh) * | 2005-07-29 | 2008-01-09 | 上海磁浮交通工程技术研究中心 | 磁浮车辆悬浮磁铁的冷却方法和其装置 |
JP5732588B2 (ja) | 2012-03-06 | 2015-06-10 | 株式会社フジクラ | 超電導コイル及び超電導機器 |
CN106205783A (zh) | 2012-06-11 | 2016-12-07 | 株式会社藤仓 | 氧化物超导电线材以及超导电线圈 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB215303A (en) * | 1923-05-02 | 1924-11-06 | Armstrong Cork Co | Improvements in or relating to rollers for use in spinning frames and like textile machines |
JPS6059726B2 (ja) * | 1979-05-31 | 1985-12-26 | 株式会社東芝 | 超電導コイル装置 |
JPS58105530A (ja) * | 1981-12-18 | 1983-06-23 | Hitachi Ltd | 超電導マグネツト |
JPS6165407A (ja) * | 1984-09-07 | 1986-04-04 | Mitsubishi Electric Corp | 超電導装置 |
DE3532396A1 (de) * | 1985-09-11 | 1987-03-19 | Bruker Analytische Messtechnik | Magnetspule |
JPS63192207A (ja) * | 1987-02-05 | 1988-08-09 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 超電導コイル |
US5404122A (en) * | 1989-03-08 | 1995-04-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Superconducting coil apparatus with a quenching prevention means |
JP2531820B2 (ja) * | 1989-03-08 | 1996-09-04 | 株式会社東芝 | 超電導コイル装置 |
JP2597339B2 (ja) * | 1989-09-12 | 1997-04-02 | 住友重機械工業株式会社 | 超電導磁石製作方法 |
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