JP2560423B2 - 断熱エンジンの構造 - Google Patents

断熱エンジンの構造

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JP2560423B2 JP63148358A JP14835888A JP2560423B2 JP 2560423 B2 JP2560423 B2 JP 2560423B2 JP 63148358 A JP63148358 A JP 63148358A JP 14835888 A JP14835888 A JP 14835888A JP 2560423 B2 JP2560423 B2 JP 2560423B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、シリンダヘッドに冷却系を備えた断熱エ
ンジンの構造に関する。
〔従来の技術〕
従来、セラミック材料を断熱材又は耐熱材として利用
した断熱ピストン等のエンジン部材は、例えば、特開昭
61−66848号公報に開示されている。該特開昭61−66848
号公報に開示された断熱ピストンについて、第4図を参
照して概説する。第4図において、断熱ピストンが示さ
れている。この断熱ピストンの構造については、セラミ
ックスから成るピストン冠部31と対向するスカート部32
の端面にセラミックスから成るコーティング層33を備え
たものである。また、ピストン冠部31には燃焼室34が形
成され、ピストン冠部31とスカート部32とは、断熱ガス
ケット36を介してボルト35に皿ばねを介してナットを締
付けて互いに結合されている。更に、ピストン冠部31と
スカート部32との間にはシールリング37が配置されてい
る。
また、エンジンの冷却装置に関しては、シリンダヘッ
ド及びシリンダライナの上部は勿論のこと、ピストンが
往復動するシリンダライナの下部のシリンダボディにも
水ジャケットが形成されているのが一般的である。とこ
ろで、セラミック材料を断熱材又は耐熱材としてピスト
ンヘッド、シリンダヘッド、シリンダライナ、バルブ等
のエンジン部材に利用した断熱エンジンの冷却装置は、
例えば、実開昭60−15921号公報に開示されている。こ
の断熱エンジンの冷却装置を第5図を参照して説明す
る。この断熱エンジンの冷却装置40については、シリン
ダライナ下方部外周のシリンダブロック41の縦方向に少
なくとも上下二段に形成された冷却室42,43と、各冷却
室42,43に設置され各冷却室42,43を流れる冷媒の温度を
検出する温度センサー44,45と、該温度センサー44,45の
検出信号に対応する冷媒の流速制御信号を冷媒駆動手段
47に伝達するコントローラ46とを有し、該コントローラ
46により各冷却室42,43中の冷媒の流速を制御するもの
である。この断熱エンジンについては、シリンダライナ
の上方部分52を一体に形成したシリンダヘッド50の内側
に、シリンダヘッド内壁部49とシリンダライナ上方部51
を一体に形成したライナヘッド55を嵌合している。シリ
ンダヘッド50の近傍には冷却室53が形成されている。シ
リンダボディであるシリンダブロック41及びシリンダヘ
ッド50は、鋳物で製作されている。ライナヘッド55は、
シリコンナイトライド(Si3N4)又はPSZ(Partially St
abilized Zirconia)で製作されている。また、シリン
ダライナ48は、PSZで製作され、シリンダボディ即ちシ
リンダブロック41へ焼ばめ、圧入等によって取付けられ
ている。更に、ピストンヘッド54は、シリコンナイトラ
イドで製作されている。図中、符号A,Bは冷却水の流れ
方向を示す。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、シリンダライナ上部を一体構造に構成した
シリンダヘッドにのみ水ジャケットを設け、シリンダボ
ディ側から水ジャケットを排除して冷却系を縮小する場
合に、ピストンを断熱構造に構成することが好ましい
が、その場合に、シリンダライナは配置されたシリンダ
ボディには水ジャケットが無いから、ピストン及びピス
トンリングとシリンダライナとの摺動特性を向上させる
ため、ピストンヘッド部で受熱した熱エネルギーがシリ
ンダライナ及びピストンスカート部へ少しでも熱伝導さ
れないように構成し、適度な温度に維持されるようにし
なければならないという課題がある。
しかしながら、第4図に示す断熱ピストンについて
は、ピストンヘッド部がモノリシック構造であり、ピス
トンヘッド部の上面及び側面から受熱した熱を全てピス
トンスカート部へ熱伝導させ、ピストンスカート部の温
度を上昇させる原因になる。往復動エンジンの冷却装置
に関しては、シリンダヘッド、シリンダライナの上部及
びシリンダライナの下部のシリンダボディに水ジャケッ
トを形成したものについては、該水ジャケットが占める
スペースは大きくなり、そのため軽量化、低コスト化、
或いはエンジンを暖機するのに、冷却水が多いためそれ
だけ長時間を要するという問題があり、シリンダボディ
即ちシリンダライナ下部の外周部に水ジャケットを設け
ていない構造のエンジンが考えられるが、このような構
造のエンジンに上記断熱ピストンを適用した場合には、
必ずしも満足できるものではなかった。
また、第5図に示す上記断熱エンジンの冷却装置40に
ついては、単一の室で冷却するものと異なり温度勾配が
なだらかになると共に、ピストンの潤滑も支障なく行わ
れるという効果は充分に果たし得るものであるが、シリ
ンダボディ41にも冷却室42,43を備えているため、上記
と同様な問題点を有している。
この発明の目的は、上記の課題を解決することであ
り、往復動エンジンの熱発生については、クランクアン
グルで上死点(TDC)後、約70゜位で完了するものであ
り、その期間でのシリンダ内のガスは高温高圧であるた
め、熱伝導量が多く、それ以後の熱伝導量は全体の約30
%位であることに着眼し、燃焼室に晒される面となるピ
ストンヘッド部で受熱した熱をピストンスカート部へ少
しでも熱伝導されないように構成し、シリンダライナ下
部の冷却を不要にし、また極めて高度の断熱性を得るシ
リンダヘッドのみを水冷却してシリンダボディ側の水ジ
ャケットを排除し、エンジンの水冷却を必要最小限にし
てエンジンそのものを小型軽量に且つ加工性を向上さ
せ、重量の低減及び大幅なコストダウンを図り、更にエ
ンジンの暖機性を向上させ、しかも冷却の必要部位を冷
却水をスムーズに流すことによって極めて有効に且つ迅
速に冷却し、冷却水用ポンプを小型化すると共に、シリ
ンダボディを水冷却しないことによるピストンリング及
びピストンとシリンダライナとの間の摺動問題を解決す
るため、ピストンヘッド部からピストンスカート部への
熱伝導を少しでも少なくなるように構成した断熱エンジ
ンの構造を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、上記の問題点を解消し、上記の目的を達
成するために、次のように構成されている。即ち、この
発明は、シリンダライナ上部を一体構造に構成したシリ
ンダヘッドにのみ水ジャケットを設け、シリンダボディ
の内周面にセラミック製シリンダライナを配置し、セラ
ミック製のピストンヘッド部を断熱層を介してピストン
スカート部に固定し、前記ピストンヘッド部の外周部を
断熱ガスケットを介して別体に構成したことを特徴とす
る断熱エンジンの構造に関する。
更に、前記ピストンヘッド部の前記外周部と前記ピス
トンスカート部との間には隙間が形成されていることを
特徴とする。
また、断熱ガスケットはチタン酸カリウムウイスカー
等の断熱材をステンレススチール等の金属製薄板でくる
み込んで構成したもの、或いはチタン酸カリウムペーパ
等の断熱材とステンレススチール等の金属製薄板とで積
層したものであることを特徴とする。
〔作用〕
この発明による断熱エンジンの構造は、以上のように
構成されており、次のように作用する。即ち、この断熱
エンジンの構造は、シリンダライナ上部を一体構造に構
成したシリンダヘッドにのみ水ジャケットを設け、シリ
ンダボディの内周面にセラミック製シリンダライナを配
置し、セラミック製のピストンヘッド部を断熱層を介し
てピストンスカート部に固定し、前記ピストンヘッド部
の外周部を断熱ガスケットを介して別体に構成したの
で、燃焼ガスに晒される面となる前記ピストンヘッド部
の外周部で受熱した熱を前記断熱ガスケットによって遮
断し、ピストンヘッド部の内周部には熱伝導されない。
しかも、前記ピスントンスカート部の上端壁部と前記ピ
ストンヘッド部との間には前記断熱材によって同様に断
熱されているので、前記ピストンヘッド部から前記ピス
トンスカート部への熱伝導も抑制される。
更に、前記ピストンヘッド部の前記外周部と前記ピス
トンスカート部との間には隙間を形成したので、前記外
周部から前記ピストンスカート部への熱伝導が一層良好
に遮断される。
また、断熱ガスケットはチタン酸カリウムウイスカー
等の断熱材をステンレススチール等の金属製薄板でくる
み込むか、或いはチタン酸カリウムペーパ等の断熱材と
ステンレススチール等の金属製薄板とで積層したので、
断熱効果が極めて有効である。
〔実施例〕
以下、図面を参照して、この発明による断熱エンジン
の構造の実施例を詳述する。
第1図はこの発明による断熱エンジンの構造の一実施
例を示す断面図、及び第2図は第1図の符号Aの部分の
拡大断面図である。この断熱エンジンは、主として、水
ジャケット2を設けたシリンダヘッド1、水ジャケット
を備えていないシリンダボディ8、該シリンダボディ8
に形成したシリンダに嵌合したシリンダライナ3、及び
ピストンヘッド部5とピストンスカート部6から成り且
つピストンリング溝23及びピストンピン孔13を有するピ
ストン10を含んでいる。シリンダヘッド1は、吸排気バ
ルブ18を配置した吸排気ポート17(図では一方のみ示
す)を備えていると共に、シリンダライナ上部4の一部
をシリンダヘッド部24と一体構造に構成し且つ燃焼室11
の外周部に水ジャケット2を設けている。このシリンダ
ヘッド1は、シリンダライナ上部4及びシリンダヘッド
部24を鋳鉄等の金属材料で構成しているが、水ジャケッ
ト2によって燃焼室11の外周部を冷却しているので熱に
対する何らの問題も生じない。また、この断熱エンジン
の構造では、ピストン10が往復動するシリンダライナ3
及びシリンダボディ8については、シリンダボディ8を
鋳鉄、アルミニウム等の金属材料で構成し、このシリン
ダボディ8に水ジャケットを設けておらず、またシリン
ダボディ8の外周面に空冷のフィン等も設けていない。
そこで、シリンダボディ8から水ジャケットを排除した
構造に構成することに伴って、燃焼室11で発生する熱に
よって生じるピストン10及びピストンリング7とシリン
ダライナ3との間の摺動面の問題を解決し、耐焼付性を
向上させ、摺動特性を向上させるために、シリンダボデ
ィ8の内周面に窒化珪素等のセラミック製シリンダライ
ナ3を配置すると共に、シリンダボディ8はシリンダヘ
ッド1との間に断熱ガスケット9を介在させ、高温にな
る燃焼室11の熱エネルギーがシリンダボディ8側に熱伝
導されるのを防止即ち熱遮断し、しかも、特に、ピスト
ンヘッド部5を次のように構成している。
上記ピストンヘッド部5に特徴を有するピストン10の
一例について、第1図及び第2図を参照して説明する。
このピストン10は、燃焼室11の熱がシリンダライナ3側
へ出来るだけ熱伝導されないように、ピストンヘッド部
5を断熱材19及び断熱空気層20を介してピストンスカー
ト部6に固定し、しかも、ピストンヘッド部5を後述す
る二重構造に構成すると共に、ピストンヘッド部5を窒
化珪素、炭化珪素等のセラミック材で製作する。ピスト
ンヘッド部5とピストンスカート部6との間の外周部付
近には、断熱シール部材21が介在し、断熱空気層20を密
封状態にしている。ピストンスカート部6は、鋳鉄、ア
ルミニウム等の金属材料から構成されている。ピストン
ヘッド部5は燃焼室11が形成された形式であるが、必ず
しもこの形状に限定されるものではない。ピストンヘッ
ド部5とピストンスカート部6との取付けは、ピストン
ヘッド部の中央部に設けた取付ボス部30をピストンスカ
ート部6の上壁端部12の中央に形成した取付孔27に嵌合
し、双方に形成した環状溝に金属リング28をメタルフロ
ー即ち変形収容することによって両者を固定することが
できる。また、ピストンスカート部6に形成されたピス
トンリング溝23には、例えば、セラミック製ピストンリ
ング7が配置されている。
以上の構成において、この発明による断熱エンジンの
構造は、特に、次の構造の点に特徴を有している。即
ち、ピストンヘッド部5を、二重構造に形成した構造に
特徴を有している。ピストンヘッド部5の外周部15で受
熱する熱をピストンヘッド部5の中央の内周部即ち本体
部29に熱伝導しないように、ピストンヘッド部5の外周
部15を、断熱ガスケット16を介して別体に構成したこと
である。即ち、ピストンヘッド部5の本体部29の外周面
と外周面15の内周面との間に、断熱ガスケット16を圧入
或いは焼嵌め等によって互いに固定する。ピストンヘッ
ド部5の本体部29の下面外周部位とピストンスカート部
6の上面との間には断熱シール部材21が介在し、従っ
て、ピストンヘッド部5の本体部29の半径方向内向きに
は断熱空気層20が密封状態に形成される。また、ピスト
ンヘッド部5の外周部15の下面とピストンスカート部6
の上面との間には、隙間14が形成され、外周部15からピ
ストンスカート部6への熱伝導は遮断される状態に構成
されている。ピストンヘッド部5の本体部29と外周部15
とは同一の材料で製作し、例えば、窒化珪素、炭化珪素
等のセラミック材で構成することが好ましい。更に、ピ
ストンヘッド部5の本体部29と外周部15との間に嵌合し
ている断熱ガスケット16の一例については、第2図に示
すように、チタン酸カリウムウイスカー、或いはチタン
酸カリウムウイスカーとアルミナファイバーとの混合
材、ジルコニアファイバー等から成る断熱材25をステン
レススチール等の金属製薄板26で包み込んで形成されて
いる。
第3図において、ピストンヘッド部5の本体部29と外
周部15との間に介在している断熱ガスケット22の別の例
が示されている。この断熱ガスケット22は、チタン酸カ
リウムペーパ、或いはチタン酸カリウムウイスカーとア
ルミナファイバーとの混合材ペーパ等の断熱材25とステ
ンレススチール等の金属製薄板26とを交互に積層して構
成したものである。その他の構成については、第2図に
示されたものと同一であるので、同一の部品については
同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
上記のように、この発明による断熱エンジンの構造は
構成されているので、燃焼ガスに晒されてピストンヘッ
ド部5の外周部15が受熱した熱量は、断熱ガスケット16
又は22で遮断され、中央の本体部29へは熱伝導されな
い。しかも、外周部15の下面とピストンスカート部6の
上面との間には隙間14が形成されているので、ピストン
ヘッド部5の外周部15からピストンスカート部6への熱
伝導も遮断された状態である。更に、ピストンヘッド部
とピストンスカート部6との間は断熱材19及び断熱空気
層20が存在するので、熱伝導はピストンヘッド部5の取
付ボス部30からピストンスカート部6の取付孔27からと
なり、従って、燃焼ガスに晒されるピストンヘッド部5
からピストンスカート部6へ熱伝導される熱量は少なく
なり、ピストンスカート部6の温度上昇は低減される。
それ故に、セラミック製シリンダライナ3を内周面に嵌
合したシリンダボディ8に水ジャケットを設けなくて
も、ピストンリング7及びピストン10とシリンダライナ
3との間の最適の摺動特性を十分に確保することができ
る。従って、シリンダボディ8に水ジャケットを形成し
ないことによって、シリンダボディ8の鋳造工程におい
ては、水ジャケット用の中子を廃止でき、極めて加工性
が容易になり、重量の低減、鋳造コストの大幅なコスト
ダウンを図ることができる。
〔発明の効果〕
この発明による断熱エンジンの構造は、以上のように
構成されているので、次のような特有の効果を奏する。
即ち、この断熱エンジンの構造は、シリンダライナ上部
を一体構造に構成したシリンダヘッドにのみ水ジャケッ
トを設け、シリンダボディの内周面にセラミック製シリ
ンダライナを配置し、セラミック製のピストンヘッド部
を断熱層を介してピストンスカート部に固定し、前記ピ
ストンヘッド部の外周部を断熱ガスケットを介して別体
に構成したので、燃焼ガスに晒される前記ピストンヘッ
ド部の外周部で受熱した熱は前記断熱ガスケットによっ
てい遮断され、該外周部からピストンヘッド部の中央の
本体部への熱伝導を効果的に抑制でき、しかも前記ピス
トンスカート部の上端壁部と前記ピストンヘッド部との
間には前記断熱層によって同様に遮熱され、前記ピスト
ンスカート部への熱伝導を低減できる。それ故に、シリ
ンダボディ即ちシリンダライナ下部の外周部の水ジャケ
ットを排除でき、最も高温になるシリンダヘッド部及び
シリンダライナ上部の部位には水ジャケットが配置され
たことになり、従来のものに比較して冷却系を相当に縮
小でき、シリンダボディの鋳造においてシリンダボディ
の水ジャケット用中子が廃止でき、加工性を容易にし、
鋳造コストを大幅に低減でき、シリンダボディ自体の重
量を低減できる。しかも、シリンダヘッド側の水ジャケ
ットを小型且つ軽量に構成でき、水ジャケットそのもの
を冷却水がスムースに流れる単純な形状に構成でき、冷
却水の流れ抵抗も小さくなり、ポンプ、ラジエータ、配
管路等も小型にできる。また、水ジャケットが小さく水
量が少ないため、冷却水は迅速に流れてエンジンの高温
部を直ちに冷却すると共に、冷却水は所定温度にまで直
ちに上昇するので、エンジンの暖機性を向上させる。ま
た、シリンダボディとシリンダヘッド間の冷却孔が除去
できるので、ガスケットからの水漏れがなくなる。しか
も、燃焼室側の高温になる前記ピストンヘッド部は窒化
珪素等のセラミック材で構成されており、断熱性、耐熱
性、耐変形性、耐腐食性等を向上させることができ、熱
ショックを受けても強度上の問題が生じることがなく、
前記ピストンヘッド部と前記ピストンスカート部との安
定した取付状態を得ることができる。また、シリンダボ
ディの内周面にセラミック製シリンダライナを配置し、
シリンダボディに水ジャケットを設けていないにもかか
わらず、前記シリンダライナの温度上昇を抑制すること
ができ、耐熱性を確保できると共に断熱性を向上でき、
摺動部位の耐焼付を向上でき、ピストンスカート部及び
ピストンリングとシリンダライナとの間の摺動特性を向
上させることができる。
更に、ピストンヘッド部の外周部とピストンスカート
部との間には隙間を形成したので、前記ピストンヘッド
部の前記外周部から前記ピストンスカート部への熱伝導
が遮断され、前記ピストンスカート部の温度上昇を低減
できる。
また、遮断ガスケットはチタン酸カリウムウイスカー
等の断熱材をステンレススチール等の金属製薄板でくる
み込むか、或いはチタン酸カリウムペーパ等の断熱材と
ステンレススチール等の金属製薄板とで積層したので、
断熱効果が極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による断熱エンジンの構造の一実施例
を示す断面図、第2図は第1図の符号Aの部分の一例を
示す拡大断面図、第3図は第1図の符号Aの部分の別の
例を示す拡大断面図、第4図は従来の断熱ピストンの一
例を示す断面図、及び第5図は従来の断熱エンジンの冷
却装置の一例を示す断面図である。 1……シリンダヘッド、2……水ジャケット、3……シ
リンダライナ、4……シリンダライナ上部、5……ピス
トンヘッド部、6……ピストンスカート部、8……シリ
ンダボディ、10……ピストン、11……燃焼室、14……隙
間、15……外周部、16,22……断熱ガスケット、19……
断熱材(断熱層)、20……断熱空気層(断熱層)、25…
…断熱材、26……金属材薄板。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダライナ上部を一体構造に構成した
    シリンダヘッドにのみ水ジャケットを設け、シリンダボ
    ディの内周面にセラミック製シリンダライナを配置し、
    セラミック製のピストンヘッド部を断熱層を介してピス
    トンスカート部に固定し、前記ピストンヘッド部の外周
    部を断熱ガスケットを介して別体に構成したことを特徴
    とする断熱エンジンの構造。
  2. 【請求項2】前記ピストンヘッド部の前記外周部と前記
    ピストンスカート部との間には隙間が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の断熱エンジンの構造。
  3. 【請求項3】前記断熱ガスケットはチタン酸カリウムウ
    イスカー等の断熱材をステンレススチール等の金属製薄
    板でくるみ込んで構成したことを特徴とする請求項1に
    記載の断熱エンジンの構造。
  4. 【請求項4】前記断熱ガスケットはチタン酸カリウムペ
    ーパ等の断熱材とステンレススチール等の金属製薄板と
    で積層したことを特徴とする請求項1に記載の断熱エン
    ジンの構造。
JP63148358A 1988-06-17 1988-06-17 断熱エンジンの構造 Expired - Lifetime JP2560423B2 (ja)

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