JP2560328B2 - 二軸配向ポリエステルフイルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフイルム

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、磁気記録用二軸配向ポリエステルフイルム
に関するもの、更に詳しくは、耐削れ性及びスリット性
に優れた磁気記録用二軸配向ポリエステルフイルムに関
するものである。
[従来の技術] ポリエステルフイルムをベースとした磁気記録媒体と
しては、例えばビデオテープ、オーディオテープ、フロ
ッピーディスク等が知られ、広く用いられている。これ
らの用途分野は、近年ますます高密度記録化、高品質化
の要求が高まり、それに伴って、ベースとなるポリエス
テルフイルムには、磁気記録媒体とした場合のドロップ
アウト等が少ないこと、つまり耐削れ性及びスリット性
等に優れることの要求が強くなっている。フイルム表面
の耐削れ性を向上させるために、易滑性をもたせる方法
として、ポリエステルの合成時に、重合系内でカルシウ
ム、リチウムあるいはリンを含む微粒子を析出せしめる
方法又はポリエステルに炭酸カルシウム、酸化ケイ素等
の無機微粒子を添加する方法が知られている。また、ス
リット性を向上させるために、フイルムの平均屈折率を
特定範囲に限定し、面配向度をやや低くし、かつ表面の
突起数を限定する方法等が知られている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、従来の微粒子による突起によって、フ
イルムの滑り性を改善する方法では、通常フイルム表面
を粗面化するほど、滑り性は向上するが、一方では、該
粗面化に起因して、カレンダー加工工程等において、高
い突起部が削り落とされ、ドロップアウトの原因を引き
起こすこと、またフイルムそのもの、あるいはフイルム
上に磁性層がのったものを高速でスリットする時、切り
口からヒゲや粉が出ると、これらが磁性層に付着して、
ドロップアウトの品質欠点になるという問題点があっ
た。本発明は、かかる問題点を解決し、耐削れ性とスリ
ット性に優れたポリエステルフイルムを提供することを
目的とする。つまり、本発明の目的は、磁気記録媒体と
して高密度記録化、かつ繰り返し使用に耐え得るベース
フイルムを提供することにあり、さらにはフイルムにお
いて、磁気記録媒体の加工工程におけるスリット性が良
好であり、磁気記録媒体の加工工程及び磁気記録再生装
置の部分との接触によるベースフイルムの削れ性が少な
く、かつ継続的使用における耐久性に優れた二軸配向ポ
リエステルフイルムを提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、極低速走行時の摩擦係数(μk)が0.18〜
0.26、突起の粘弾性係数(Ve)が1.2〜1.9、面配向係数
(χi)が0.03〜0.11、マイクロボイド個数(Nv)が70
0〜4000mm-2、結晶サイズ(χc(100))が45〜65Å、軸
配向比(Ax/Ay)が0.70〜1.15の範囲にあることを特徴
とする二軸配向ポリエステルフイルムに関するものであ
る。
本発明におけるポリエステルとは、フイルムを形成し
得るものであればどのようなものでもよく、例えばポリ
エチレンテレフタレート、ポリテトラメタレンテレフタ
レート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート等が挙げられる。もちろん、これらのポリエステ
ルは、ホモポリエステルであってもコポリエステルであ
ってもよい。また、20モル%未満であれば、他の構成成
分としてジカルボン酸成分、グリコール成分、オキシカ
ルボン酸成分が共重合されていてもよい。
本発明の二軸配向ポリエステルフイルムは、そのフイ
ルム表面に多数の微細な突起を有している。それらの微
細な突起は、本発明によれば、ポリエステル中に分散し
て含有される多数の不活性な固体微粒子に由来する。固
体微粒子としては、好ましくは、無水ケイ酸、含水ケイ
酸、酸化アルミニウム、リン酸−リチウム、リン酸三リ
チウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸バ
リウム、酸化チタン、安息香酸リチウム、これらの化合
物の複塩、ガラス粉、粘土、タルク、炭酸カルイウム等
が例示される。更に好ましくは、二酸化ケイ素、炭酸カ
リシウム等が挙げられる。これらの微粒子は、その平均
粒径が0.2〜0.8μmが好ましく、更には0.4〜0.6μmが
より好ましい。またその添加量は、0.01〜3重量%が好
ましく、更には0.05〜2重量%であることがより好まし
い。なお、本発明でいう平均粒径とは、フイルム中に存
在する粒子状態での平均径である。
本発明の二軸配向ポリエステルフイルムは、極低速走
行時の摩擦(μk)が0.18〜0.26である表面特性を備え
ている。
極低速走行とは、走行速度が3.3×10-3cm/sでのμk
走行を表わす。極低速走行時の摩擦係数(μk)が0.26
より大きいと、走行安定性、とくに滑り性が悪く、一方
摩擦係数(μk)が0.18より小さいと、すべり過ぎるた
め、好ましくない。摩擦係数(μk)は、好ましくは0.
20〜0.24である。フイルム表面突起は、カレンダー加工
工程で剪断、圧縮等苛酷な外力を受け、複雑な変形挙動
をする。その時、表面突起がより粘弾性的であれば、外
力を受けた時にその外力を吸収するクッションの働きを
するため、フイルム表面としては、突起が粘弾性的であ
る方がよい。突起の粘弾性係数(Ve)は次式で定義され
る。
Ve=μf/μi ここで、μf、μiはそれぞれ25℃、75℃における走行
速度0.1cm/sでのμk値である。突起の粘弾性係数(V
e)は1.2〜1.9である。好ましくは1.3〜1.8である。粘
弾性係数が1.2より小さいと表面突起は、無機質的で走
行性はよいが、外力を受けた場合、それを十分吸収でき
ず、表面破壊の原因となる。一方、粘弾性係数が1.9よ
り大きいと、外力を受けた時の変形が大き過ぎ、接触面
積が増加するため、摩擦係数が大きくなり走行性が悪く
なる。
本発明の二軸配向ポリエステルフイルムは、上記フイ
ルム表面特性を備えると同時に、面配向係数が0.03〜0.
11、より好ましくは0.04〜0.10の範囲にある。この面配
向係数は、ポリマー分子がフイルム面に配向している面
配向度の程度を表わし、この値が小さくなるほど面が配
向する。この面配向係数が上記範囲より大きくなると、
スリット時にヒゲが出やすくなり、逆に上記範囲より小
さいと、スリット時に粉が出やすくなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフイルムの中には、一
定量のマイクロボイドが含まれていることが必要であ
る。ここでいうマイクロボイドとは、フイルムをその表
面から顕微鏡で観察して、フイルム内部に見える直径1
μm以上の黒点状物のことであり、フイルムに存在する
粒子(析出粒子、添加粒子のいずれでもよい)及びその
周辺に生成している空隙(ボイド)によって形成されて
いるものである。マイクロボイド個数(Nv)は、700〜4
000mm-2、好ましくは750〜3000mm-2、より好ましくは80
0〜2000mm-2の範囲である。マイクロボイド数が上記範
囲より少ないと、スリット時にヒゲが出やすく、逆に上
記範囲より多いと粉が出やすい。
結晶サイズ(χc(100))は45〜65Å、好ましくは50
〜62Åの範囲である。結晶サイズが上記範囲より小さい
と、スリット時にヒゲが出やすく、逆に上記範囲より大
きいと粉が出やすい傾向が見られる。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフイルムの軸配
向比(Ax/Ay)は、0.70〜1.15、好ましくは0.85〜1.10
の範囲である。軸配向比がこの範囲外になると、スリッ
ト性が悪化する。本発明の二軸配向ポリエステルフイル
ムは、前記諸特性を同時に満足する必要があり、これに
よって磁気記録媒体、特に磁気テープ用媒体として極め
て優れた特性を有する。
次に本発明にかかる二軸配向ポリエステルフイルムの
製造方法について述べる。
本発明の二軸配向ポリエステルフイルムを構成するポ
リエステルは、直接エステル化を経る重縮合を行なっ
て、あるいはエステル交換反応を経る重縮合を行なって
得られる。固体微粒子をポリマーに添加する方法として
は、重合時に添加する方法や押出し前にポリマーペレッ
トに混合する方法を採用できる。二軸配向ポリエステル
フイルムは、上記方法で得られた外部粒子含有ポリエス
テルを常法で溶融押出しを行なった後、縦延伸、横延伸
及び熱処理工程等を経て二軸配向フイルムとすることに
よって得られる。その際、フイルム特性は、固体微粒子
の形状、粒径、量及び特性によって、また延伸の温度、
倍率、速度及び熱処理温度、時間によって変化するの
で、前記特性を同時に満足する条件を定める。
例えば、固体微粒子について、添加した固体微粒子表
面とポリマーの界面での相互作用により、粒子まわりの
ポリマーの結晶化速度等結晶化特性が異なってくる。突
起の柔軟さは、表面突起を形成する粒子まわりのポリマ
ーの結晶化特性と密接な関係がある。結晶化が促進され
ると、突起の柔軟さが損なわれ好ましくない。従って、
該微粒子が該ポリマーに対して、結晶化促進効果として
の作用をもたない方が好ましい。ポリマーのTcc(結晶
化温度)とTg(ガラス転移温度)の差ΔTcgは、そのポ
リマーの結晶化の起こり易さを表わし、このΔTcgが大
きいほど結晶化は起こりにくい。粒子まわりの結晶化促
進の程度として、固体微粒子含有ポリエステルのΔTcg
と、固体微粒子を含有しないポリエステルのΔTcgの差
が5℃以下であるのが好ましい。より好ましくは、その
差が3℃以下から選択するとよい。このような固体微粒
子として、モース硬度が7以上のもので、なおかつエチ
レングリコール中170〜190℃で2時間ボイルしたものが
一例として挙げられる。
更に、延伸条件について、口金からシート状に成形
し、冷却ドラムに巻き付け冷却固化した末延伸シート
を、同時二軸延伸用ステンターへ送り込み、シートの両
端部をクリップで把持し、延伸温度80〜95℃で、長手方
向及び幅方向同時にそれぞれ3.05〜3.30倍延伸する。引
き続いて、このフイルムを冷却することなく、次の同時
二軸延伸ゾーンへ導き、延伸温度を110〜150℃に上げ
て、再度二軸方向同時に1.05〜1.25倍延伸する。次い
で、このフイルムを熱処理ゾーンへ導き、195〜220℃で
2〜8秒間熱処理する。この熱処理ゾーンの中で、長手
方向及び幅方向ともに、原長の1〜6%の弛緩を与える
のが好ましい。熱処理されたフイルムを85〜115℃の中
間冷却ゾーンに導いて、ある程度冷却した後室温まで冷
却するとよい。
以上のようにして、本発明の二軸配向ポリエステルフ
イルムを得ることができる。
[特性の測定方法及び効果の評価方向] (1) 動摩擦係数(μk) 標準条件として、25℃相対湿度50%の雰囲気下で、外
径8mmφの固定軸(表面粗度0.2S)に1/2インチ幅のテー
プ状フイルムを角度θ=π/2radで接触させ、1.0cm/sの
速さで走行させる。入口テンションT1を100gとした時の
出口テンションT2を測定し、次式から動摩擦係数を算出
する。
μk=(1/θ)ln(T2/T1) =(2/π)ln(T2/100) (2) 削れ性 (1)項と同様にして、500回固定軸上を走行させた
フイルム上の摩耗粉(白粉)量を評価するため、金属で
蒸着し、微分干渉付光学顕微鏡で観察した。白粉及びス
ジ状の傷がほとんど認められないものを○、多いものを
×、その中間を△で表示する。
(3) 面配向係数(χi) フイルムを約50μmの厚さに積層して、X線回折用試
料とし、X線回折装置(理学電気(株)製Geigerflex)
の試料ホルダーに設置する。
フイルムの長手方向に垂直な面内でX線の照射角を変
え、反射法で回折強度を測定する。測定条件は、次のと
おりである。
時定数:2sec 掃引速度:1°/min Divergency Slit:1.5mmφ Scattering Slit:1° Receiving Slit:0.3mm X線:Cu対陰極によるCu-Kα線 (35kV、15mA、Niフイルター) PET結晶の[100]、[10]の回折角に相当する2
6.0°、22.5°での回折強度をそれぞれI1、I2とする
と、面配向係数は、それらの比(I2/I1)で与えられ
る。
(4) マイクロボイド個数(Nv) スライドグラスの上に、長方形に切断したフイルム1
枚を載せて、流動パラフインをその上に数滴落下させた
後、その上にカバーグラスを置き、フイルムを流動パラ
フインでマウントしたかたちとする。これを光学顕微鏡
(ライツ製“メタロプラン”)にのせて、透過性で観察
(対物レンズ32倍、接眼レンズ8倍)すると、フイルム
内部に黒点状物が点在する。この黒点状物の数と面積を
画像処理機(ケンブリッジ・インストルメント製。イメ
ージアナライジング・コンピューター。コンテイメット
720)を用いて求める。この直径が1μm以上の黒点状
物の、1mm2当たりの個数をマイクロボイド個数とす
る。
(5) 結晶サイズ(χc(100)) X線回折装置を用いて、フイルムの幅方向とX線の入
射角を変えながら反射法で回折ピークを観察した時、約
13°の回折ピークから同ピークの回折結晶面方向の結晶
サイズを、下記式に従って算出する。
D=λ/((B−b)cosθ) 但し、B:回折ピークの半価幅、b=0.12、λ:CuのK
α線波長(1.5418Å)、θ=ピークの回折角。
(6) 軸配向比(Ax/Ay) ポリエステル分子鎖の軸配向比の測定は、Schm idtの
方法(Jounal of Polymer Science,Part A,1,1271(196
3))に従った。日立赤外光度分光計260-30型を用い
て、偏光赤外に対する試料の傾きを変え、吸収強度を測
定した。875cm-1の光で、入射先の電気ベクトルがフイ
ルムの幅方向と一致した時の吸収強度をAx、フイルムの
長手方向と一致した時の吸収強度をAyとすると、軸配向
比はAx/Ayで定義される。
(7) スリット性の評価 厚さ15μmのポリエステルフイルムの片面に、下記組
成の磁性塗布液を乾燥後膜厚みが2.5μmとなるように
コーテイングする。
ポリエステルポリウレタン樹脂 35重量部 塩ビ・酢ビ・マレイン酸共重合体 30重量部 α−アルミナ 15重量部 カーボンブラック 3重量部 オレイン酸 5重量部 アミルステアレート 4重量部 トリイソシアネート化合物 22重量部 強磁性金属粉末 300重量部 酢酸ブチル 300重量部 メチルイソブチルケトン 300重量部 コーテイング後、直流磁場中で配向処理し、乾燥した
後、カレンダー加工を施す。このシートをシェアカッタ
ーで1/2インチ幅にスリットしてビデオテープとする。
このシェアカッターによるスリット箇所を目視観察し
て、ヒゲや粉の発生具合の程度を次の5等級に分けて評
価する。
スリット性A:ヒゲや粉の発生が非常に少ない。
スリット性B:ヒゲや粉の発生が少ない。
スリット性C:ヒゲや粉の発生が普通レベル。
スリット性D:ヒゲや粉の発生がやや多い。
スリット性E:ヒゲや粉の発生が多い。
[実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 予め、平均粒径約0.8μmのα−アルミナをエチレン
グリコールに分散させ、185℃で2時間ボイルした改質
α−アルミナを準備する。テレフタル酸ジメチル100重
量部、エチレングリコール70重量部に、触媒として酢酸
カルシウム0.1重量部を用いて、常法によりエステル交
換反応を行ない、その生成物に三酸化アンチモン0.03重
量部、酢酸リチウム0.3重量部、リン酸トリメチル0.2重
量部及び上記改質α−アルミナ0.15重量部を添加し、重
合して、極限粘度0.615のポリマーペレットを得た。こ
のペレットを180℃、8時間真空乾燥した後、押出機に
供給して、280℃で溶融押出し、ギアポンプ、フイルタ
ーを経由してT型口金からシート状に吐出せしめ、この
溶融シートを表面温度40℃の冷却ドラムに巻き付けて、
冷却固化せしめて未延伸シートを作った。この未延伸シ
ートを同時二軸延伸方式のステンターへ導き、シート両
端部をクリップで把持して、長手方向及び幅方向同時に
3.30倍づつ延伸した。延伸時の加熱温度は、90℃とし
た。この延伸されたフイルムを冷却することなく、その
まま次の同時二軸延伸ゾーンへ導き、延伸温度を130℃
に上げて、再度二軸方向同時に1.20倍づつ延伸した。次
いで、このフイルムを冷却することなく、そのまま熱処
理ゾーンへ導き、210℃で3秒間緊張熱固定し、続いて
同温度で長手方向2%、幅方向3%(各々原長に対し
て)の弛緩を行ない、再度同温度で5秒間緊張熱固定
し、そのまま105℃の中間冷却室へ導き、ここで中間冷
却をした後、この出口のところで長手方向に原長の2%
分の弛緩を与え、そのまま徐冷して、室温まで冷却させ
て巻き取ることにより、厚さ15μmの二軸配向ポリエス
テルフイルムを得た。このフイルムを基材として、前述
の方法でビデオテープを作り、これをスリットする時の
スリット性を評価した。
実施例2〜6及び比較例1〜4 実施例1の諸条件の中で、重合時、添加する固体微粒
子の種類、量及び延伸温度、延伸倍率、熱固定温度及び
熱固定時の弛緩の程度を種々変更することにより、特性
の異なるサンプルを作った。
[発明の効果] 本発明にかかる二軸配向ポリエステルフイルムの表面
突起は、外力を受けた時その衝撃を吸収する能力に優れ
るので、耐摩耗性に優れ、かつ走行安定性も良好であ
る。また、面配向係数、マイクロボイド個数、結晶サイ
ズ、軸配向度を最適化することにより、フイルムのスリ
ット性、特にフイルムの上に磁性層を設けたビデオテー
プのスリット性を改良するという効果も示すものであ
る。カレンダー加工工程等において、削れ粉の発生が少
なく、またスリット時にヒゲ粉が出にくいという特性
は、ビデオテープのドロップアウトの減少や、磁気ヘッ
ドの目詰まり防止に有効であり、その意味で本発明の二
軸配向ポリエステルフイルムは、特にビデオテープ用基
材として有用である。
本発明にかかる二軸配向ポリエステルフイルムは、そ
の片面又は両面に磁性層を設けることによって、各種の
磁気記録媒体、例えばビデオテープ、オーデイオテー
プ、フロッピーデイスク等に加工されて利用される。磁
性層としては、磁性粉末をバインダーと共に塗布するも
のでもよく、あるいは強磁性材料を真空蒸着、スパッタ
リング、イオンプレーテイングあるいはメッキ等の手法
で薄膜化したものでもよい。本発明の二軸配向ポリエス
テルフイルムは、上記の各種磁気記録媒体用に用いるこ
とができるが、特に有効なのは、ビデオテープ用途であ
る。ビデオテープでは、磁性層塗布の後、カレンダー加
工されるが、そこで削れ粉が発生すると、ドロップアウ
トの原因となる。更にこれをスリットする時、その端面
にヒゲや粉が多く発生すると、ドロップアウトが増える
だけでなく、これらのヒゲや粉が磁気ヘッドの目詰まり
の原因となることがあるからである。
なお、本発明の二軸配向ポリエステルフイルムは、上
記用途以外にも、例えばグラフイツク、スタンピングフ
オイル、電気絶縁材料、コンデンサー用誘電体、包装用
等、削れ性及びスリット性が問題となる用途では、有効
に利用され得るものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極低速走行時の摩擦係数(μk)が0.18〜
    0.26、突起の粘弾性係数(Ve)が1.2〜1.9、面配向係数
    (χi)が0.03〜0.11、マイクロボイド個数(Nv)が70
    0〜4000mm-2、結晶サイズ(χc(100))が45〜65Å、軸
    配向比(Ax/Ay)が0.70〜1.15の範囲にあることを特徴
    とする二軸配向ポリエステルフイルム。
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